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天井高はどれくらいがいい?最適な天井高を決める方法

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「間取りの打合わせでハウスメーカーから天井高を270㎝まで上げられると言われたのですが、天井高はやはりできるだけ高くしておいた方が広く見えるのでしょうか?」

読者さんからこのような質問をもらいました。

確かに「高い天井がいい」というCMがあるように天井はできる限り高くしておいた方が部屋が広く見えそうなイメージがありますよね。

 

では、実際に天井の高さは可能な限り高くしておいた方が良いことが多いのでしょうか?

今回はそんな家の天井高について、建築士の立場からお伝えしたいと思います。

家の天井高が気になる方や開放感のある家にしたい方はぜひご覧ください。

天井の基本的な高さ

快適な天井高について見ていく前に、一般的な家の天井高ってどれくらいなのでしょうか?

 

答えは240㎝です。

昔の日本の家屋では220㎝くらいの天井高の家が多くありましたが、日本人の平均身長が高くなるのと共に畳の上に座る生活から洋風な生活に変わるにつれ天井高が高くなり、今では240㎝が一般的な家の標準の天井高となっているんですね。

そして一般的な天井高が決まることで家の部材も240㎝の天井高さに合わせて作られるようになり、効率的に家が建てられるようになりました。

 

このように一般的な天井の高さは240㎝となっていますが、ハウスメーカーの中には天井を240㎝よりも高くできることをウリにしたCMを流している会社もありますし、ハウスメーカーだけでなく工務店などの住宅会社も240㎝よりも高い天井高にしているケースも多く見られます。

では、天井高を高くした時のメリットとしてはどんな事が挙げられるでしょうか?

まずは天井を高くした時のメリットについて見てみましょう。

天井を高くした時のメリット

天井を高くした時のメリットを見てみると、

  • 開放感のある空間になる。

この1点につきます。

 

やはり天井を高くする事で開放感のある空間にしやすいんですね。

特に吹き抜けや勾配天井を使って天井高を上げると、空間が一気に広がりとても開放的な空間にすることができます。

吹き抜けのメリット、デメリットと失敗しない吹き抜けの作り方

勾配天井ってどうなの?勾配天井の魅力とデメリット

 

また、天井が高ければ窓を高い位置に設けて光を家の中に入れるということも可能になります。

これは明るい家にしたい場合や、近くに家が建っていて日当たりがあまり期待できない場合は特に効果的な方法で、天井が高いからこそのメリットと言えます。

 

このように天井を高くすると開放感や明るさという点で大きなメリットがありますが、天井を高くする事でデメリットもありますし、天井を高くする場合に注意しておきたい点というのもあります。

それでは天井を高くした時のデメリットについて見てみましょう。

天井を高くした時のデメリット

天井を高くした時のデメリットって何でしょうか?

天井が高い時のデメリットを挙げてみると、

  • 冷暖房の効率が下がる
  • 材料費が余分に掛かりコストアップになる
  • 階高が高くなって階段が増えたり外観に影響が出る
  • 狭い部屋では逆効果になることも

この辺りが天井を高くした時のデメリットとなります。

意外と多くありますね。

それでは1つずつ見てみましょう。

 

天井が高いと冷暖房の効率が下がる

天井を高くするという事は、部屋の容積が増えるという事。

そのため天井を高くした分だけ冷暖房の効率は下がることになります。

特に吹抜けや勾配天井といった大空間にした時は影響が大きくなります。

 

ただ、最近の家では断熱性能や気密性能が高い家が増えてきているので、それに合わせて天井を高くしたから寒い、暑いという家も少なくなってきています。

天井を高くするなら、断熱性能や気密性能の良い会社で家を建てる。

まずはこれが基本となってきます。

1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

 

天井を高くするとコストアップにつながる

天井を高くすると、その分だけコストが掛かることになります。

10㎝や20㎝など少し天井を高くしただけでは壁紙などが多く必要なだけでそれほどコストアップに繋がりませんが、天井を300㎝を超える高さにするなど天井高を一気に上げる場合は柱を太くしないといけないなど大幅なコストアップにつながるケースもあります。

そのため天井を高くする場合、そのコストに見合う価値があるかどうかが天井を高くするかどうかの判断の1つのポイントとなります。

 

階高が高くなって階段が増えたり外観に影響が出る

天井を高くするということは、それだけ家の高さも高くなるということになります。

天井高さを確保するために、家を上に伸ばすという訳ですね。

そのため、天井を高くした分だけ家の階段も増えることになります。

 

また、意外と気付きにくいことなのですが、階高を上げることで家の外観にも影響が出てきます。

天井を高くするためには上図の右側の家のように家の軒や階高を高くする必要があるんですね。

実はこの階高というのは家の外観に大きな影響を及ぼすもの。

あなたは先ほどの右側の家と左側の家ではどちらの方が落ち着いた外観に見えますか?

 

左側の家の方が重心が低くて落ち着いた雰囲気になっていますね。

このように家は軒の高さが高ければ高いほど重心も高くなり、合わせて外観のバランスも悪くなるという性質があります。

そのため、家の外観を考えるなら階高に影響しない範囲で天井を高くするようにしておくのがポイントとなってきます。

家の外観を良くするために知っておきたいこと

 

天井が高いと狭い部屋では逆効果も

狭いスペースでは、天井を高くすることでその狭さを強調してしまうケースも有ります。

天井の高さに対して部屋やスペースの広がり、幅が少なくアンバランスに見えてしまうんですね。

例えば、天井の高い廊下というのも縦ばかり強調されて逆に細く見えてしまいますし、子供部屋など通常はあまり広さを取らない部屋の天井高を高くしても落ち着かない空間になりがちです。

そのような空間では高さを強調するよりも窓で外の空間を取り込むなど横に広がりを持たす方が効果的なんですね。

そのため、天井を高くする場合はどこもかしこも天井を高くするのではなく、LDKなど広い場所にするなどの配慮も必要になってきます。

天井は高い方がいいの?

ここまで天井を高くした時のメリットとデメリットについて見てきました。

では、開放感を出す時は天井は高くした方がいいのでしょうか?

 

答えは、「ただ天井を高くするだけでは効果はなく、どれだけ空間に抜け感を作れるか」

これが重要となります。

具体的にどういうことか見てみましょう。

 

天井は低い方が空間が広く見える

ハウスメーカーの広告の影響か「天井は高い方がいい」というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか?

ただ、同じ面積の場合は基本的には天井が低い方が空間が広く感じられます。

 

また、「天井は低い方が落ち着いてキレイに見える」と感じる建築家は多くいます。

特に和室などは座ることを前提に作られた空間なので、天井が高すぎるとバランスが悪く見えてしまうケースがほとんど。

そのため小上がりにした分、天井が低くなっている和室が多いのも頷けますし、実際に和室に座ってみると天井が低い方が落ち着くことが分かります。

 

また、住宅設計でその名を知らない人はいない宮脇檀さんや吉村順三さんも、天井高を低く抑えた名作を世に多く残しています。

最近では売れっ子建築家の伊礼智さんが標準の天井高を221.5㎝に、時には部屋として1番低い高さの210㎝に設定して、とても素敵な家を作られています。

Photo:http://www.takachiho-shirasu.co.jp/case/select/detail.php?id=20

天井高が210㎝とは思えないくらい空間に広がりがありますね。

 

もちろん、天井高を低くすることで圧迫感も出やすくなってしまうので、視線が抜ける場所をつくって圧迫感を減らす工夫がなされています。

先ほどの画像では壁の真ん中に窓を設けるのではなく、壁からひと続きで外までスッと抜けることで空間の広がりが生まれています。

 

天井高は低いほど視覚的に広く見えやすくなりますが、その分、抜け感を出すなど技術やセンスが問われることとなってきます。

そのため、デザインにかなりこだわる場合は良いですが、一般の住宅会社や工務店に求めるのは少し厳しいケースもあります。

ここで覚えておきたいのが、「抜け感」を出すことで空間の広がりが変わるということ。

これは開放感を出すなら必ず覚えておいてくださいね。

 

開放感を出すのに大切なこと

Photo:https://www.daiwahouse.co.jp/column/lifestyle/tenjo-hirogari/index.html

上の画像は高い天井で有名なダイワハウスの画像です。

一般的な天井の部屋と天井が高い部屋を比べて見ると、天井が高い方が開放感があるように見えますね。

では、どうして開放感があるように見えるのでしょうか?

 

それは天井一杯まで窓が有るからです。

もし窓の大きさが同じで天井の高さだけが高くなっていたとしたら、それほど開放感を感じることはないんですね。

これは先ほどの「抜け感」の話と同じです。

 

天井を高くするのであれば、その分だけ開口部も大きくする、もしくは新たに開口部を設けて天井からそのまま視線が外に抜けるようにするのが開放感を出すには効果的なんですね。

天井の高さという「数字」だけを見るのではなく、視線が抜けて空間全体に広がりが出るようになっているか。

これが重要なんですね。

 

もちろん、高い天井というのは開放感を出すのには効果的な手法ですので、低い空間に吹き抜けや勾配天井などを組み合わせるのも効果的です。

天井の低い空間から高さのある空間へ出ればより開放感を出すこともできますし、反対に広い空間から天井の低い空間へ移動することで落ち着き感をより感じられるようになります。

天井の高さを上手くコントロールすることでメリハリのある住まいになるんですね。

この部分が天井の面白いところでもあります。

 

それでは最後にLDKで開放感を出すための具体的な天井高を挙げておきます。

  • 天井高は240㎝〜260㎝ほどで、可能な限りサッシの高さを天井高と合わせる。(天井高を上げる場合は階高に影響しない範囲で)
  • 中途半端に天井高を上げるなら、吹抜けや勾配天井で一気に空間を広げてメリハリをつけた方が効果的。
  • 抜け感を意識して窓を配置する。

この辺りを意識しながら家をつくると、より開放感を感じられるようになりますよ。

まとめ

今回は家の天井高について見てきました。

天井を高くする場合は開放感を出したいケースがほとんど。

そのため、天井の高さは高ければ高いほど開放感があるというイメージを持ってしまいますが、天井を高くするのは開放感を出すための1つの手法です。

天井を高くするのが目的ではなく、同じ面積でより広がりを感じられる家にするのが本来の目的。

そのためにどう空間を作るかが重要なんですね。

 

まずは抜け感を意識した上で、時に天井を高くして開放感を出す。

このようなスタンスでいくと開放感の有る家にすることができます。

ぜひ天井を上手く使って広がりの有る家にしてみてくださいね。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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建築士が教える今日の問題解決

天井の高さはどれくらいにすればいい?

  • LDKの天井高は240㎝〜260㎝ほどで、可能な限りサッシの高さを天井高と合わせる。
  • 吹抜けや勾配天井で空間にメリハリをつけると効果的。
  • 視線の抜けを意識するのが開放感を出すポイント。

家の工事が着工した後に気をつけたい注意点

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「無事、家の打ち合わせを終えることができました。これから家の工事に入るのですが、家の工事で気をつけておいた方がよい事があれば記事にしてもらえないでしょうか?」

読者さんよりこのようなリクエストをもらいました。

 

長かった家の間取りや仕様の打合せが終わると、いよいよ家の工事の始まりです。

これまで図面やCGでしか見ることができなかったあなたの家が実際に建っていく姿を見るのは、やはり感無量ですね。

それまではショールームや住宅会社で家の打合せをしていたのも、今度は現場がメインに変わっていきます。

 

このように家の工事が着工すると家づくりをより身近に体感できるようになりますが、では、家を建てている時はどんな事に気を配ればいいのでしょうか?

今回は、より良い家にするための工事現場との付き合い方についてご紹介していきたいと思います。

良い家にするには現場に行く

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これまで私が家づくりをしてきた中で確実に言える事。

それは、

「工事現場によく行った方の方が良い家ができる可能性が高い」

ということです。

 

どうして工事現場に行くのが良いのでしょうか?

 

その理由は、現場に行くことで監督や職人など工事に関わる人と良い人間関係を築ける可能性が高くなるからなんです。

お互いの信頼関係を築くことが、良い家を建てるのに一番重要なんですね。

 

もちろん、ミスや手抜きが無いかなどをチェックするために現場に行くという方法もありますが、工事のチェックポイントは沢山ありますし、素人の方が全部チェックするとなると相当の時間や労力が必要になります。

素人の方が工事現場をチェックし続けるというのはあまり現実的ではないんですね。

(そもそも、工事の内容をチェックしないと信用できない会社とは家の契約をするべきでは無いですね)

 

チェックすることで緊張感が生まれるという点ではいいですが、相手を信用できないと相手も自分を信用してくれないように、信用されていないと思われる状態で仕事をするのは気持ち良い物ではありませんし、ミスは少ないかもしれませんが、それ以上の物ができる現場とはなりません。

チームとして良い家をつくる。

そんな雰囲気の中で家づくりをできるかどうかが重要なんですね。

(また、お施主さんが現場によく通うだけで自然とほど良い緊張感は生まれます)

現場と信頼関係をつくる方法

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まず現場との信頼関係を築くのが重要とお伝えしましたが、ではどうすれば現場との信頼関係が築きやすくなるのでしょうか。

 

それはコミュニケーションを取ることです。

ただ、工事現場であれば仕事中なので中々声をかけづらいという方もいらっしゃると思います。

そんな時に役に立ってくれるのが「差し入れ」です。

差し入れが良いコミュニケーションツールとなってくれるんですね。

 

もちろん、差し入れがないと手を抜く何てことはプロとしてまず有り得ませんが、職人さんも人間です。

やはり差し入れを持ってきてもらえると単純にうれしいですし、親近感も湧いてくるので、間違いなく工事の質は上がります。

顔も何も見えない人の家をつくるよりも、親しい人の家をつくる方が力が入るのは、すべて機械で作るものならいざ知らず、家のように人が作るものであれば致し方が無いこととも言えますね。

 

差し入れを持っていく場合、そんな毎回高価な物は必要無く、夏場は冷たい飲み物であったり冬場は暖かい飲み物やお菓子くらいでも十分です。

価格ではなく、その時々であると有り難いなと思える物を用意できるとベストなんですね。

 

そして差し入れを持っていくので終わりではなく、ぜひその時に職人さんに声をかけてみてください。

お互い話をするきっかけになってくれるはずです。

 

ちなみに、基本的に工事現場は10時と15時に休憩をとることが多いので、その時間に上手いこと合わせられると一番スムーズです。

(土曜は工事をしていますが、日曜は工事も休みということがほとんどなので注意してくださいね)

分からないことは聞いてみる

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工事現場を見ていると、分からないことや気になることの1つや2つは必ず出てきます。

そんな時は、遠慮なく聞いてみるのが一番です。

 

職人さんが仕事中で忙しくて聞けない場合も当然ありますが、そんな時は後で電話やメールで現場監督に聞いてみてください。

家づくりでは、モヤモヤした感じを残したまま進めてしまうのが一番後悔が残ることなので、疑問点などはその場その場で解決していくのが、良い家にするための重要なポイントとなるんですね。

(現場に限らず、図面の打合せの際も同じです)

 

その他では、家の図面を見なくても間取りや仕様が頭に入っているくらいがベストと言えます。

現場では階段を登ったりすることもあるので、できるだけ物を持たない状態の方がやはり動きやすいからなんですね。

 

たまに現場と図面が違っていたり打合せと違っていることも起こりえますが、そんな時も図面が頭に入っていると間違いに気付きやすくなります。

(これは本来は現場監督の仕事ですが、修正は早い段階の方がより良いのは間違いありません)

変更等は現場監督に

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家の工事をしている時、実際に家を見てどうしても棚などを追加したくなったり、変更をしたくなることも有り得ます。

そんな場合、ついつい近くにいる職人さんに伝えてしまいたくなりますが、変更は現場監督に伝えるのが基本的な流れとなります。

 

現場監督が工事の責任者なので、それ以外の人に伝えると誰が誰に何を伝えたなどが明確でなく、意思決定や責任の所在があいまいになってしまうからなんですね。

工事現場で何かあった時は現場監督を通す。

もしくは現場監督に聞いてみる。

 

これが基本的なスタンスとなります。

 

ただ、工事中の変更は難しい場合も多かったり費用も大幅に掛かってしまう場合も多いので、間取りや仕様の打合せの時に全て決めておけると一番ですね。

打合せは現場で

工事が始まるまでは住宅会社や工務店のショールームや事務所での打合せがほとんどですが、工事が始まれば、ローンの手続きなど家に直接関係のない打合せ以外は現場でやるとイメージがつきやすく分かりやすいです。

 

そのため何か打ち合わせがある場合は、基本は現場で打合せするのが基本となります。

 

その反面、現場はイメージがつきやすいですが、ショールームや事務所のようにエアコンが効いている訳ではないので、暑さや寒さなど自然環境の影響はモロに受けます。

そのため、暑い時期や寒い時期は、こまめな水分補給や服装には十分注意が必要になってきます。

 

特に家の周りに足場がある場合、夏はシートがかかっているので家の中は物凄く暑い状態になっていることが多いですし(ホント暑いです)、冬は外気と変わらない状態の上、現場ではくつを脱いで現場で用意されているスリッパに履き替えるのがほとんどなので、特に足元から底冷えには注意が必要です。(ホント寒いです)

 

基本的には工事が始まると現場での打合せが一番ですが、体調が悪かったり妊婦さんのようにより体調に配慮が必要な場合は現場での打合せを控えたほうが良い場合もあるので、状況に合わせて上手く調整していきたいですね。

まとめ

今回は家が着工してから良い家にするためのポイントについてご紹介しました。

良い家をつくる場合、工事が始まればまずは現場との信頼関係を築く。

間取りや仕様の打合せを通して営業や設計士と信頼関係を築いていくように、現場でも信頼関係を築くのが大切なんですね。

 

家の工事がはじまると、家づくりも終盤です。

ぜひ残りの家づくりも楽しみながら、良い家ができるようにしていきたいですね。

では。

 

地鎮祭や上棟なんかも忘れずにチェックしたいですね。

建物着工〜引渡しまでのイベント

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家だけでなく外構工事も引越すまでに終わらせておきたいですね。

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小屋裏収納って必要?失敗しない小屋裏収納の作り方

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小屋裏収納とは屋根裏の空いたスペースを有効活用した収納のこと。

屋根裏の空いたスペースを収納に使うため家を広げることなく収納を増やすことができるので小屋裏収納を設けたいという方も多いのではないでしょうか。

特に家の隅々までしっかり活用したい方にとって、屋根裏というデッドスペースを活用できる小屋裏収納は有力な選択肢となります。

 

一方、そんな便利な小屋裏収納ですが、作り方を間違ってしまうと全く使わない小屋裏収納となってしまうことも。

小屋裏収納は便利な反面、作り方が難しい収納でもあるんですね。

そこで今回は小屋裏収納で失敗しないための方法について詳しく見ていきたいと思います。

収納が気になる方はぜひご覧ください

小屋裏収納とロフト

小屋裏を有効活用する場合によく耳にするのが、「小屋裏収納」という言葉と「ロフト」という言葉。

一般的には小屋裏を収納として使う場合に「小屋裏収納」。

収納以外に書斎や子供の遊び場など多目的に使う場合は「ロフト」。

このように使い分けがされています。

 

小屋裏収納とは物を収納するために特化したスペースの事なんですね。

 

ちなみに小屋裏収納、ロフト共に法律上の扱いは同じで、

  • 天井は1.4m以下
  • 面積は直下階の2分の1まで(例えば2階の屋根裏に小屋裏収納を作る場合は2階の面積の半分まで)
  • その他、各自治体による制限も有り(自治体によって大分違ってきます)

このような条件があります。

 

では、収納に特化した小屋裏収納を作る場合、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか?

失敗しない小屋裏収納の作り方について見ていきましょう。

小屋裏収納のメリットを活かす

Photo:http://www.aqura.co.jp/gallery/sw0044/detail/515/

小屋裏収納を作る場合でよくあるのが、

「屋根裏の空いたスペースなんだったら、どうせなら小屋裏収納を作っておいた方がいいかな」

というケースです。

これは小屋裏収納を作る理由としてよくありますが、その一方で小屋裏収納で一番失敗しやすいケースでもあります。

 

その理由としては、小屋裏収納の使い方やどうして小屋裏収納を設けるのかという事をハッキリさせていないでとりあえず便利そうだからと小屋裏収納を作ってしまったのが大きな原因です。

特に小屋裏収納は高さが1.4mまでという制限があるので一般の収納と比べると使いこなすのが難しく、何のために小屋裏収納を作るかが明確になっていないと、あまり使われない小屋裏スペースとなってしまうんですね。

 

家の中で使われないスペースほど無駄な物はありません。

全く費用が掛からずに小屋裏収納を作れるのならまだ良いですが、屋根裏のデッドスペースに小屋裏収納を作ると言っても、ハシゴや階段など小屋裏収納へ上がるための物も必要になりますし、小屋裏収納内に床や壁も作る必要が出てくるので、部屋を作るのとあまり変わらない費用が必要となってきます。

それであれば、家の床面積を大きくして収納を作った方が高さの制限も無いので使いやすいですよね。

述べ床面積って何?覚えておきたい建築用語

 

また、小屋裏収納を設ける場合、小屋裏にある程度の高さが必要になるので屋根の掛け方や家の外観にも影響を及ぼすことがよくあります。

家の外観を良くするために知っておきたいこと

屋根の形状次第で、家の外観はかなり変わるんです。

 

このように、小屋裏収納を作ると言ってもいろんな部分に影響が出てきたり、他の方法で収納を確保した方が効果的な場合もあるんですね。

そのため小屋裏収納を作る場合は、敷地がコンパクトで家の大きさもこれ以上大きくできない場合や、気に入った間取りができたけども収納力をもう少し強化したい場合など、小屋裏収納だからこそのメリットを活かせるかどうか。

これが小屋裏収納で失敗しないための大前提となります。

小屋裏収納への登り方

小屋裏収納は物を収納するのがメインの場所です。

収納という用途を考えると、収納のしやすさというのは重要な要素ですよね。

普通の収納であれば部屋や廊下から使うことになりますが、小屋裏収納は屋根裏にあるので屋根裏まで登る必要があり、小屋裏収納へのアクセスというのは使い勝手に関わる大きなポイントになります。

 

物を持って出入りがしやすいかどうかというのは、小屋裏収納では特に重要なんですね。

そんな小屋裏収納に登る場合に使うのが、

  • 収納式ハシゴ
  • 可動式ハシゴ
  • 固定階段

という3つの方法。

そして小屋裏収納へのアクセスにどれを選ぶかによって、小屋裏収納の使い勝手はかなり変わってきます。

それでは、小屋裏収納の登り方について具体的に見ていきましょう。

 

収納式ハシゴ

収納式ハシゴ

Photo:https://www.daiken.jp/product/detail/storage/18100276.html

「収納式ハシゴ」とは、日頃はハシゴを天井裏に収納しておき、小屋裏収納へ上がる時だけハシゴを引き出せるようになっている収納できるハシゴの事を言います。

このような収納式ハシゴのメリットとしては、ハシゴを収納するスペースが必要ないので廊下など幅が狭い場所にも設置できなど、設置場所の自由度が高いことが挙げられます。

ハシゴというのは意外と場所を取るものなので、天井に収納できるというのは便利ですね。

 

一方、収納式ハシゴのデメリットとしてはハシゴなので大きな物や重いものを持って上り下りするのが大変なことが挙げられます。

小屋裏収納へ物を出し入れする時、片手はハシゴを掴んでおかないと上り下りの時に危ないので、片手で持ち運べる物以外は出し入れが大変なんですね。

また、良くも悪くも小屋裏収納が密閉されるので、ホコリなどが小屋裏収納に出入りしない反面、空気や湿気も小屋裏収納に籠りやすくなるため、温度や湿度の変化に弱いものは小屋裏に収納できないという面もあります。

 

可動式ハシゴ

「可動式ハシゴ」とはハシゴを使わない時は壁に掛けておき、小屋裏収納に登る時にハシゴを掛けて使うハシゴのことを言います。

一般的にハシゴは登りやすいようにある程度角度がつけられており、ハシゴを出しっぱなしにしておくと意外と広いスペースが必要になるので、使わない時は壁に掛けられるようになっているんですね。

ちなみにハシゴを使う場合はこれくらいのスペースが必要となります。

Photo:https://www.hokuonomori.net/shopdetail/000000000341/

ハシゴに結構な角度が付いていることが分かりますね。

部屋の見え方を重視する場合は下の画像のように固定ハシゴにすることもありますが、実際に登ってみるとハシゴに角度が付いている場合と付いていない場合ではかなり登りやすさが変わってくるので、物を持って登る必要がある小屋裏収納ではハシゴにはある程度の角度が付いている方が無難です。

このように部屋の一部にハシゴを掛けておく可動ハシゴですが、可動式ハシゴを使う場合は登っている時に天井に頭をぶつけないように勾配天井になっていたり、小屋裏収納が部屋などとオープンに繋がっていることが多く、開放感のあるスペースになるケースがよくあります。

そのため、どちらかというと小屋裏収納よりもロフトに使われる事が多いのも可動ハシゴの特徴です。

 

また、可動ハシゴにする場合はロフトの一部を収納に使ってロフト兼小屋裏収納にする方も結構いらっしゃいます。

その場合、部屋から物が見えてしまうとちょっと残念になってしまうので、収納で使う部分はロールスクリーンなどで物が見えないように区切るようにしておくと、ロフトと小屋裏収納を明確に分けることができ視覚的にもスッキリ見えます。

 

一方、可動式ハシゴのデメリットを挙げると、収納式ハシゴと同じようにあくまでハシゴなので、重いものや大きな物を収納するのが大変なこと、また頻繁に物を出し入れする場合は手間に感じてしまうことが挙げられます。

あくまでハシゴなので、登りやすさという点ではあまり良くないんですね。

それでは最後に小屋裏収納へのアクセスに固定階段を使った場合について見てみましょう。

 

固定階段

小屋裏収納を作る場合に一番オススメなのが固定階段で小屋裏収納へ上がるという方法です。

やはり固定階段であれば両手に物を持っても登りやすいですし、なにより頻繁に物を出し入れする場合は簡単に登れるというのはかなり便利なもの。

ハシゴと比べて物を持ちやすく簡単に上り下りできるというのは、かなり大きなメリットと言えます。

そのため、小屋裏収納の使い勝手を考えるのであれば、できれば固定階段で上り下りできるようにしておきたいですね。

 

一方、小屋裏収納へのアクセスに固定階段のデメリットを挙げるとすると、固定階段の方がハシゴよりも費用が掛かること、また家の中に小屋裏収納へ登る階段が必要となるので、ある程度のスペースが必要になることが挙げられます。

階段を設けるには1.5帖ほどのスペースが必要となるので、それだけのスペースを用意する必要があるんですね。

そのため、階段下を収納や棚にするなど階段を上手く作ってデメリットをできるだけ無くすようにできるとベストです。

Photo:http://kanna-design.co.jp/pickup/?p=1128

また、階段で小屋裏収納に登る場合、小屋裏収納もある程度大きなスペースを確保しておくことが重要です。

階段を全部収納にした方が収納力が多かったなんてことになると、何のために小屋裏収納を作ったか分からないですよね。

そのため、固定階段にする場合は小屋裏収納もある程度の広さがあることで価値が出てきます。

 

その他、自治体によっては固定階段で小屋裏収納へ上がるのではなく、ハシゴにしないとダメという所もあります。

そのため、小屋裏収納を作りたい場合は、最初の段階で住宅会社や工務店に階段で小屋裏収納へ行くことが可能か確認しておくと安心です。

 

このように小屋裏収納へのアプローチは固定階段が一番使いやすいですが、その分だけ小屋裏収納を作るためのハードルも上がるので、家全体のバランスを見ながらハシゴ、固定階段を上手く組み合わせながら、使いやすい小屋裏収納にしたいですね。

まとめ

今回は小屋裏収納について見てきました。

小屋裏収納は屋根裏というデッドスペースを使うので、敷地がコンパクトな場合や家を大きくできない場合にとても助かる収納となってくれますが、屋根裏という使いにくい場所なので持て余しやすいのも事実です。

 

収納は多い方が安心感がありますが、収納は使いやすい収納かどうかで価値が大きく変わってきます。

小屋裏収納は一般的な収納と違い特殊な収納となるので、使い勝手が良いのか悪いのか。

また実際に小屋裏収納を使うのか、それとも使わないのか。

この部分をしっかり検討することが小屋裏収納で失敗しない秘訣なんですね。

では。

 

ロフトについてはこちらも参考にしてください。

ロフトのある家って実際どうなの?100棟以上見てきた正解がコチラです。

2階リビングやロフトをつくるなら知っておきたい断熱の話

収納についてはこちらもご覧ください。

クローゼットの収納術。家の建築士がおススメの収納方法をお教えします。

使いやすいウォークインクローゼットの収納例をご紹介します

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建築士が教える今日の問題解決

小屋裏収納を作る時に注意することって何?

  • 小屋裏収納は屋根裏のデッドスペースに設けた収納のこと。
  • 小屋裏収納は家を大きくできない時に特に効果的。
  • 小屋裏収納のメリットを活かせるかどうかで小屋裏収納は価値が変わる。
  • 階段で小屋裏収納に上がるのがベストだが、ケースバイケースでハシゴも有り。

家のメンテナンス費用はどれくらい必要で、修繕するタイミングはいつ?

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せっかく家を建てたのであれば、少しでも長く快適に住みたいですよね。

そんな快適生活を続けるために忘れてはいけないのが家のメンテナンスについて。

まめに家のメンテナンスをしておけば長く快適に住むことができますが、メンテナンスを怠っていると家はどんどん劣化していきます。

人が住んでいない空き家は劣化が早いように、家はほったらかしにしてしまうと劣化するスピードが早くなってしまうんですね。

そうなると日常生活にも支障が出てきますし、家の資産価値も大きく下落してしまいます。

 

そうならないためにも家のメンテナンスは定期的に行いたいものですが、メンテナンスをするには維持費を用意する必要があります。

では、一戸建ての住宅の場合はどれくらいのメンテナンス費用が必要で、どれくらいメンテナンス費用を用意しておけばいいのでしょうか?

今回はそんな家のメンテナンス費用と修繕するタイミングについて見ていきたいと思います。

家をメンテナンスするメリット

家をメンテナンスすることで長く快適に暮らすことができるようになりますが、メンテナンスは数年単位で小まめにする方が良いのか、それとも10年に1回など間を空けて定期的にメンテナンスを行うのでは、どちらの方が良いでしょうか?

答えは10年に1回メンテナンスするよりも、数年単位で小まめにメンテナンスする方がメリットが大きくなります。

まめにメンテナンスすることで劣化しすぎて手遅れになる前に対策を取ることができるようになりますし、家を小まめにメンテナンスすることでメンテナンスの費用も抑えられるようになるからです。

 

たとえば外壁のメンテナンスについて見てみると、少しヒビが入ったくらいではその部分を補修しておけば問題ないですが、そのまま放ったらかしているとヒビが大きくなり、さらには構造材まで水が染み込んでしまって元に戻すには大工事をしないといけなくなるなど、家の劣化を放っておけば放って置くほど手間も費用も必要になってしまうんですね。

 

そのためどこか不具合が出てから修理するのではなく、家は3〜5年ごとぐらいに小まめにメンテナンスするようにすると、日常ではなかなか気づかない劣化にも対応できるようになります。

 

では、家はどのような部分をチェックすればいいのでしょうか?

次に築年数ごとに劣化しやすい場所やメンテナンスしておきたい場所について見てみましょう。

築10年のメンテナンス

新築から10年くらい経ってくると、特に日光(紫外線)が当たる場所で劣化が見られるようになってきます。

日差しや雨風にさらされる外壁は必ずチェックしておきたいポイントなんですね。

そのため日がよく当たる屋根や外壁など傷みが出ていないかチェックしておきたいですし、バルコニーなどよく日が当たる場所は再塗装するなどの対応が必要となってきます。

 

また、外部だけでなく家の内部も新築から10年くらい経つとチェックしておきたい部分が出てきます。

特に家の内部で劣化しやすいのが水回り部分。

毎日使う場所であること、さらには水跳ねしやすいことなどから不具合が起きやすいんですね。

その他、クロスの汚れや剥がれが出てきた部分はクロスの張り替えも他の部分の補修に合わせて行うと手間も費用も抑えることができるようになります。

 

設備機器では太陽光発電のパワーコンディショナーやガス給湯器、オール電化のエコキュートなどの設備機器も10年を過ぎると壊れる可能性も高くなります。

築20年のメンテナンス

築20年くらいになると屋根や外壁だけでなく、サッシやシャッターなどもメンテナンスしておきたい時期です。

少しでも調子が悪い場所が出てきたらすぐに点検して必要に応じて交換などの対応を取っていきたいですね。

屋根や外壁も劣化が目立ってくる時期なので再塗装するなどしっかりしたメンテナンスが必要になります。

 

家の内部ではキッチンやお風呂といった設備機器もそろそろ交換が視野に入ってくる時期です。

設備の塗装が剥げてきたり劣化が目立つ場合は新しいものに交換しておきたいですね。

設備機器が新しくなるというのは最新の設備が使えるようになるので便利になるのはもちろん、毎日使うものなので気持ちの面でも晴れやかになります。

 

また、クロスや建具、畳も劣化したものは修繕の機会に張り替え、交換しておきたいですね。

築30年のメンテナンス

メンテナンスをして長持ちさせてきた屋根や外壁もそろそろ張り替えなど大規模修繕が必要になる時期です。

劣化した部分は新しく交換して、さらに10年、20年と家が長持ちするように生まれ変わらせたいですね。

30年経てばサッシなどもより断熱性能の高い物に変わっています。

最新の高性能なサッシに変更することで光熱費も下げることができます。

 

また、家の内部に関しても劣化が気になる部分は交換の時期です。

特に家の内部は10年で交換するもの、20年で交換するものなどメンテナンスのサイクルが違うものが多いので、劣化具合を見ながら交換する物、まだ使える物などを見極めたいですね。

また、30年経つと子供が巣立ったりと新築当時とはライフスタイルも大きく変わっています。

メンテナンスの機会にリフォームやリノベーションを合わせて行い、効率的に家を新しくするのも楽しいものです。

メンテナンスの費用

ここまで築年数による必要なメンテナンスについて見てきました。

それでは具体的にメンテナンスをするとどれくらいの金額が必要になるのか見ていきたいと思います。

 

使っている部材や家の大きさにもよりますが、一般的な住宅では約30年のメンテナンス費用として、400万円〜500万円くらいのメンテナンス費用が1つの目安となります。

最初の頃はメンテナンス費用はあまり必要ありませんが、築20年のメンテナンスで設備機器の交換、築30年のメンテナンスで屋根や外壁の張り替えというように、大きな工事がある時期に大きなメンテナンス費用が必要となってくるんですね。

(もちろん、メンテナンスが少なくて済む部材を使っていれば費用を抑えることができますが、その分、新築の時にコストは高くなるので、新築時にイニシャルコスト、ランニングコストどちらを優先するかでメンテナンス費用は変わってきます)

 

このように家のメンテナンスには大きな金額が必要となりますが、一度の高額のメンテナンス費用を用意するのは中々難しいもの。

では、メンテナンスの費用をどう準備しておけばいいでしょうか?

最後にメンテナンス費用の積み立て方について見てみましょう。

メンテナンス費用を積み立てる

マンションの場合、月に数千円から数万円ほどの規約で決まった修繕積立金を積み立てて、その積立金の中から廊下やエントランス、外壁といった共用部のメンテナンスを行うことになりますが、一戸建ての家の場合はメンテナンスの費用を積み立てる義務はありません。

そのため、一戸建ての家の場合はついついメンテナンスの費用を忘れがちになってしまいますが、マンションと同じように毎月積み立てることで大きなメンテナンスを行う際に強い味方になってくれます。

 

積み立ての目安として私がオススメしているのは毎月1万円の積み立てです。

1万円×12ヶ月で年間12万円、10年間で120万円を積み立てることができます。

 

120万円あれば屋根や外壁の塗装も可能ですし、設備機器もよほど高価な物でなければ交換することができます。

また、たとえ全てのメンテナンス費用をまかなえなくても、ゼロから全てのメンテナンス費用を用意するのと120万円に少しプラスすればメンテナンス費用を用意できるのでは負担がかなり違いますよね。

このようにメンテナンス費用の積み立てが有るか無いかというのは、いざメンテナンスが必要になった時に大きく違いが現れます。

新築の時には全てが新しいのでメンテナンスのことはついつい忘れがちになってしまいますが、少しづつでもいいのでコツコツと積み立てておいてくださいね。

きっとそれが将来メンテナンスする時に大きな味方になってくれますよ。

まとめ

今回は家のメンテナンスについてみてきました。

家を長く快適に住めるかどうかはメンテナンスによって大きく変わってきます。

まめにメンテナンスすることで、長く快適な生活ができるようにしたいですね。

 

家を建てる時は、将来のメンテナンスも頭の片隅に入れておく。

これが大切なんですね。

 

また、メンテナンスは手間に感じてしまう方は住宅会社を選ぶ時にメンテナンスもしてくれる会社かどうかを見てみるのも1つの方法です。

屋根などは一般の方には登ることが難しい場所ですし、家は劣化しているかどうか分かりにくい部分もあるので、定期点検をしてくれるだけでも手間はかなり少なくなります。

また、メンテナンスする際も新築時の見積もり書があるのでリフォームで有りがちな変に高い金額で見積もりが出てくるというケースも少なくなりますし、新築の時に信頼できると感じた会社であれば工事にも安心感があります。

 

家は住んでからが本当のスタートです。

しっかりメンテナンスを行って長く快適に過ごしたいですね。

では。

 

メンテナンスについてはこちらも参考にしてください。

代表的な屋根材の選び方を、コスト、メンテナンス、デザインの面で解説します

外観の失敗例から学ぶ、絶対に知っておきたい外壁材5選

あなたの家をカッコ良くするなら、この雨樋がおススメです。

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まるで教科書!理想の家をつくる方法【絶対保存版】

土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】

建築士が教える今日の問題解決

家のメンテナンスは何に気をつければいい?

  • 家はメンテナンスすることで長く快適に住めるようになる。
  • まめにメンテナンスすることで大きな劣化を防ぎ費用もやすくなる。
  • 築年数によって必要なメンテナンスは変わってくる。
  • 毎月こつこつメンテナンス費用を積み立てるのが大切。

【間取りの失敗まとめ】よくある間取りの失敗と後悔しない秘訣

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家づくりの中でも間取りというのはとても楽しみなもの。

家の間取りについて考えるときは、新しい生活に向けてウキウキされている方も多いのではないでしょうか。

そんな間取りですが、楽しいだけではなく家を建てるならやはり住み心地の良い間取りにしたいものですよね。

少なくとも今住んでいる家の不満は解決している間取りにしたいと考えている方がほとんどだと思います。

 

このように家づくりの醍醐味とも言える間取りですが、それだけ重要だからこそ避けたいこともあります。

そう、間取りの失敗です。

新しい家でこれから何年も暮らして行くことになるので不便な事は避けたいですし、間取りで失敗してしまうと場合によっては後悔がずっと続いてしまうなんてことも。

 

そこで今回は、間取りで失敗しないために必ず知っておきたいことを、これまで家を建てた方の体験談を元にプロの建築士が失敗しない方法についてご紹介していきたいと思います。

これから家づくりをされる方や、間取りでお悩み中の方はぜひご覧ください。

家の中が暗いんです(明るさの失敗)

間取りで後悔される方が多いのが家の明るさについて。

プロの建築士に間取りを作ってもらったのなら当然明るい家になっているだろうと思っていたけども、実際に住んでみると思ったよりも家の中が暗いと感じることがあるんですね。

特に家族が集まるリビングは光が入らないと暗い雰囲気になってしまうので日中も電気をつけているなんてこともあります。

明るさというのは場所によっても変わってくるので、リビングの隣に設けた和室は日が入って明るいけども、隣のリビングは暗いので部屋の配置を間違えたなんてケースも。

 

その他、部屋はある程度光が入っていても、玄関や階段が思ったよりも暗くて失敗したという相談もよくもらいますし、隣が最初空き地だったので明るい家だったけども、隣に家が建って途端に家の中が暗くなってしまったなど環境の変化で家の中が暗くなってしまう場合もあります。

 

このように家の中が暗くなってしまう1番の原因としては、設計者と家を建てる人との明るさの感覚の違いが大きな原因となります。

「明るい家にしたい」とひと言で伝えたとしても、人によって「明るい家」の基準が違うからなんですね。

 

そのため、どのくらいの明るさが欲しいかは実際のモデルハウスやシュールームなどで共通認識を取っておくことが明るさで失敗しない1番の対処方法になります。

すごく明るい家にしたいのであれば2階リビングも選択肢に入ってくるかもしれませんし、周りの環境に左右されにくいようにあらかじめ吹き抜けを設けておくというのも効果的です。

また、それに合わせて間取りの段階で暗くなりそうな場所が無いかどうか検討して窓の配置を考えることで、玄関や階段などが暗いというケースも避けることができます。

家が建ってからだと家の明るさを変えることはかなり難しいので、間取りの段階で明るさ問題は解決しておきたいですね。

 

暗い家というのはやはり避けたいもの。

「明るい家になってるだろう」ではなく、「これくらい明るくしたい」という希望が叶っているか確認することで、家の明るさの失敗は相当減らすことができるんですね。

吹き抜けのメリット、デメリットと失敗しない吹き抜けの作り方

【保存版】2階リビングのメリット、デメリットをまとめました

あとで後悔しない!家で暗くなりがちな場所3選

家の明るさは大丈夫?後悔しない明るい家にする方法

風が全然入らない(窓の失敗)

「明るい家にしたい」という要望と共に、「風通しの良い家にしたい」という方も多くいらっしゃいます。

やはり家を建てるなら風通しの良い家にしたいですよね。

 

でも、「窓を開けても風がほとんど入らなくて間取りの時に風通しについてしっかり考えておけばよかった」という失敗もよく耳にします。

 

このように風通しの悪い間取りになってしまう大きな原因としては風の出入り口が適切に確保されていないことが原因です。

窓が風が入るように適切に配置されていないんですね。

窓の配置場所もそうですし、選んだ窓の種類によっても風通しというのは違ってくるからです。

 

また、風は夏は南風、冬は北風が吹くというイメージが強いですが、地域によって風が吹いてくる方向というのは季節によっても違いますし、昼と夜でも風向きが変わるのが一般的です。

そのため、地域性も考慮しながら適切な窓を配置することが風通しで失敗しないためにとても重要なんですね。

どこから風が吹いてくる?風通しの良い家をつくる方法

家を建てるなら必ず知っておきたい窓の話

家事動線を考えていなかった(動線の失敗)

家の家事は毎日のことです。

そのため少しの時間でもそれが毎日積み重なると相当な時間になっていきます。

忙しい毎日のことを考えると、家を建てるならやはり家事がしやすい間取りにしたいですよね。

 

家事の動線を考える場合、水回りを1箇所にまとめたり、洗濯物を2階に干す場合は洗面室と階段が離れすぎないように配置するなどの方法を取ることが考えられますが、家事とひと言で言っても人によって家事の仕方はさまざま。

洗濯を朝にする人もいれば夜にする人もいますし外に洗濯物を干す人もいれば洗濯物は室内干しという方もいます。

さらには、乾いた洗濯物をどこに収納するかなども人によって違います。

 

このように家事動線は人によって正解が違ってくるので、まずはあなたがどのように家事をするのが楽かを設計者に伝えるのが、家事動線で失敗しない間取りをつくるために重要なんですね。

そして、その間取りの中であなたがどのように動くことになるか1度シミュレーションしてみる。

これが家事動線で失敗しないための1番有効な方法になります。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

あなたの間取りは大丈夫?洗濯の家事動線を考えたバルコニー

間取りの善し悪しを簡単に見分ける方法

部屋干しはどこに干す?部屋干しのオススメの場所と注意点

車の出し入れが大変!(駐車スペースの失敗)

家の間取りに集中しすぎて、ついつい忘れがちになってしまうのが車の出し入れについて。

間取り図の中に車の絵が描いてあったから安心と思っていても、いざ車の出し入れをする時に「車が止めにくい!」なんて失敗が起こってしまうこともよくあるんですね。

特に家の前の道路が狭い場合や道路に電柱がある場合なんかは、より車が止めにくくなってしまいます。

 

では、車の出し入れで失敗しないためにはどうすればいいのでしょうか?

駐車場で失敗しない方法としては、どんな車を止めることになるのかを明確に伝えること、また車がどういう軌道で出入りすることになるかを間取り図の中に書き込んでもらうことで失敗はかなり防ぐことができるようになります。

今の車のサイズだけでなく、将来止める可能性のある車の中で1番大きい車種を伝えておくと将来車を乗り換えた時も安心です。

また、車の運転や駐車が苦手な場合は建築士に遠慮なく伝えて置くのも効果的な方法ですよ。

その車、ほんとに家の敷地に駐車できますか?

家を建てるなら知っておきたい車の駐車方法

あなたの家に自転車を置くスペースはありますか?

収納が使いにくくて・・(収納の失敗)

Photo:http://www.aqura.co.jp/gallery/sw0015/detail/973/

収納の失敗で多いのが、収納が足りないという失敗の他に、収納が使いづらいという失敗。

図面の中に収納が無いと「なんだか収納が少なそうな間取りだな」と気付きやすいのですが、図面に収納と書いてあればそれだけで収納があるから大丈夫かとついつい思ってしまいがちです。

でも、大切なのは「収納があること」ではなく「物を収納できる」ことですよね。

そのため、収納内の作り方というのが収納で失敗しないためにはとても重要になります。

適材適所に適切な高さ、サイズ、奥行きにした上で物に合わせて棚などが配置された収納を設けることが大切なんですね。

 

特にロフトなど大きな空間の収納は、どのように使うか、物の搬入は問題ないかなど、実際に生活した時の目線に立って収納を考えることで失敗を減らすことができます。

 

また、収納の失敗で多いのがリビングの収納。

リビングは郵便物や小物などいろんな物が集まりやすい場所なので収納の最重要ポイントです。

リビングは広さを重視してついつい収納がないリビングになってしまうなんてこともありますが、収納は必ず設けておくのが収納の失敗をなくすためには必須となります。

特にリビングは小物が増えがちなので奥行きがある収納よりも、小まめに物を入れられる収納があると便利です。

リビングに収納を配置すると部屋の形が変になるのでどうしても収納を設けられないという場合は、あまり高さがなく圧迫感が少ないオシャレな家具を置いておくのも効果的ですよ。

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ドアにぶつかって怪我しそう(建具の失敗)

家の中の建具は部屋と部屋を区切るために必要なものですが、時には凶器のようになってしまうケースもあります。

例えば階段の降り口や登り口のすぐそばにドアがあれば階段を上り下りする人にぶつかってしまう可能性は高くなりますし、下手をすると階段を転げ落ちるなんてことも。

 

また、人がよく通る動線となっている場所にトイレなどのドアがあると、それも人にぶつかってしまう原因となってしまいます。

大人でも危険なのに、小さなお子さんの場合はより大きな怪我につながってしまうので危険なドアは間取りの段階で回避しておきたいですね。

このような間取りの失敗を避ける方法としては、間取りの中でドアを開けた時、人にぶつかる可能性が高いのかどうかを確認することでドアに人がぶつかるという失敗はかなり減らすことができますし、場合によっては引き戸に変えてあげるなどの対策を間取りの段階であらかじめ取っておくのも効果的です。

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広いバルコニーにしたけども・・(優先順位の失敗)

広いバルコニーに憧れて広いバルコニーを作ったけども、洗濯物くらいしかバルコニーを使わない。

これはよく耳にする間取りの失敗例です。

憧れと実際に必要かどうかはまた別なんですね。

 

同じようなケースとして屋上も実際にほとんど使っていないというのもよくあるケースです。

あまり使わないのであれば、その分部屋を広くしたりインテリアや家の性能、設備に予算を回した方が費用対効果は高いですね。

そのため生活に必ず必要なもの以外は、本当に必要なものなのかどうか振り返ってみるのが間取りで失敗しないためにとても重要になります。

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欲しい場所にコンセントがない(電気配線の失敗)

Photo:http://www.panasonic.com/jp/home.html

「コンセントが欲しい場所にない!」

「家具を置いたらコンセントが使えない!」

こういうコンセントの失敗談は本当によく聞きますよね。

 

このようにコンセントで失敗してしまう原因として、その間取りの中での生活イメージがしっかりできていないことが大きな要因。

例えば、家具をどこに置くか、掃除をする時にコンセントは問題ないか、扇風機など家電を使う時に近くにコンセントはあるか、スマホなどを充電するのは大丈夫かなど、実際に生活する時にどこにコンセントが欲しいかを考えてみると、コンセントの失敗は少なくなります。

 

また、コンセントと同じように多いのがスイッチの失敗。

部屋に入ったらスイッチが遠くてなかなか電気が付けられなかったり、欲しい場所にスイッチが無いなんて失敗はよくあります。

こちらもコンセントの失敗と同じように、その間取りでの生活のシミュレーションができていない事が原因なので、夜に家の中を移動する時に不便が無いかどうかシミュレーションしてみるとスイッチの失敗を減らす事ができます。

コンセントの配線を失敗しないための5つの方法

電気配線図はここを注意!スイッチを使いやすくする方法

冬場、家の中が寒い!(家の性能の失敗)

家の寒さの失敗を考える時、間取りの失敗と家の性能の問題、大きく2つの要因に分けられます。

例えば間取りの失敗であれば、玄関の寒さが家の中に入ってくるという失敗があります。

家というのは玄関土間の土間部分が寒さを引っ張ってくるケースが多くあり、広い玄関土間を作ったけども寒さ対策を取っていないことで家の中が寒くなってしまうんですね。

 

その他、リビング階段も寒いという声も耳にしますが、リビング階段が寒いのは家の性能が低い事がほとんど。

たしかにリビングと2階が繋がるので体積が増えて部屋が暖まるまでの時間は少し長くなりますが、今の家は家全体をスッポリ断熱材で包むような造りになっているのでリビングがずっと寒いという事はなく、ずっとリビングが寒いままというのは家の中から暖かい空気が外に逃げていってしまっているですね。

 

そのため、家が寒いという失敗を避けるためには、まずは家の断熱性能を上げることが1番効果が高い方法になります。

1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

家は「性能」?それとも「間取り」が大切?

家の断熱性能を上げるのに1番簡単な方法

広い玄関土間のある家ってどうなの?土間の使い方と3つの注意点

リビング階段は寒い?プロが教えるメリットとデメリット。

リビングを広くすれば良かった(バランスの失敗)

家というのは無限に広くできる訳ではなく、限られたスペースを使って家を建てることになります。

そのため、たとえばLDKや水回りに以外に4部屋必要であればそのスペースを家全体の面積の中から割り振ることになります。

 

場合によっては間取りの中にアレもコレも入れたばっかりに、肝心のリビングにしわ寄せがいってしまい、その結果使いにくい家になってしまったという失敗も起こるんですね。

家の間取りは全体のバランスがとても大切なもの。

間取りの優先順位を考えながら時には優先順位の低い要望は大胆に削ってしまったり、場所を1階から2階に変えてしまうなど、優先順位が高い場所が快適になるようにバランスを整えてあげる事が、変に使いづらいスペースを作らないための秘訣となります。

間取りが上手く行かないのはゾーニングが原因かもしれません

間取りが上手くいかない場合の効果的な対処方法

家の間取り。4人家族の場合、最低限どれくらいの広さがあれば生活できますか?

家具を置いたら残念なことに・・(家具の失敗)

Photo:https://truck-furniture.co.jp/

家ができて実際に家具を置いてみたら、思ったよりも家具が大きくて圧迫感が。

さらには部屋が狭く見えて仕方がないなんてことも。

 

このような家具の失敗例の原因としては、間取りの段階で実際に入れるサイズの家具を図面に書き込んでいないのが大きな要因です。

図面には20帖など部屋の広さが数字で表現されていますが、実際にはどこからどこまででで20帖なのかとうのは建築士に聞いてみないと分かりませんし、家具が図面に書き込まれていないと家具を置いたら残りのスペースはどれくらい取れるのかというのもよく分かりません。

家具を図面に書き込むことでサイズ感が出てくるんですね。

 

そうすれば間取りの狭さが原因であれば間取りを広げたり、もう少しコンパクトな家具に変更するという選択肢も取る事ができるようになります。

 

新居で使う予定の家具は必ず図面に書き込んでもらう。

まだ家具が明確に決まっていなくても、家具は大きめ、小さめどちらが好みであるかや何人で使うなどは必ず伝えておきたいですね。

我が家にぴったりのダイニングテーブルのサイズを決める5つの方法

その家具と家電、家の中にちゃんと入りますか?

二世帯住宅の作り方を間違えました(意思疎通の失敗)

親世帯、子世帯など複数の世帯がいっしょに暮らす二世帯住宅。

そんな二世帯住宅も間取りで失敗したというケースをよく耳にします。

その理由としては、二世帯住宅は夫婦二人だけでなく何人もの大人が同じ家に一緒に住むというという点が1番大きな要因となります。

 

例えば、二世帯住宅の作り方として玄関、LDK、お風呂など、どの部分を共用にするのか、それとも別々にするのかで間取りと生活スタイルは大きく違ってきます。

どこを共用、独立するかというのは予算やどう生活したいかという考え方で変わってくるのですが、大人が大勢集まって家の間取りを決める分、その意見はさまざま。

そんな時、意見を言いやすい人もいますし、反対に言いにくいというケースもありますよね。

特に義理の親御さんと一緒に住む方はあまり強く意見を通しにくいということも。

 

そのため、「本当は〇〇したいのに」という気持ちが解消されずに間取りが確定してしまい、その結果、間取りで失敗したと思ったり後悔することも多くなるんですね。

 

これは完全な二世帯住宅だけでなく、将来親御さんを引き取って一緒に暮らすという場合でも同じようなことが起こる場合があります。

住む人が増えれば増えるほど、間取りの段階でお互いに譲れる部分と絶対に譲れない部分は明確にしておくのが間取りで失敗しないためには特に重要なんですね。

また、複数の意見を調整できる住宅会社の担当者を付けてもらうのも大切なポイントです。

二世帯住宅を失敗しないための5つのポイント

良い家をつくる設計士が必ずもっているもの

外から丸見えでカーテンが閉めっぱなし(視線の失敗)

Photo:http://www.trueheart.co.jp/images/handling-items/blind/01L.jpg

せっかく家を建てたけども、道路から丸見えでカーテンが閉めっぱなしに。

間取りではこんな失敗例もよくあります。

たしかに通行する人から家が丸見えだと落ち着かないですよね。

その結果カーテンが閉めっぱなしにしたいという気持ちもよく分かります。

 

このような間取りの失敗の大きな原因としては、窓の配置と間取りの作り方による部分が大きなウェートを占めます。

歩く人と視線が合いにくいような窓の配置にしたり、落ち着かない場所にLDKを配置しないなど、間取りの段階で視線をコントロールしておくのが視線で失敗しないために大切なんですね。

 

また、間取り以外でも庭の作り方次第で家の中が見えにくいようにもできるので、外構計画も含めた視線対策ができるとベストです。

家の中が近所から丸見え?視線をコントロールするための4つの方法

あんまりオシャレにならなかった(インテリアの失敗)

Photo:http://adrooms.com/room/119

新しい家ができたけども、賃貸住宅と比べて素材が少し良くなったくらいであまりオシャレに感じない。

このように感じる方も多くいます。

ちょっと高価な賃貸住宅という感じですね。

 

これは私自身も感じる事があり、今は私は住宅の建築士をしていますが、建築の勉強を始める前に実家をあるハウスメーカーで建て替えた際、家を見るまで最初はすごくワクワクしていたのですが、実際に見て見ると何だか微妙。

こんな普通の家が何千万円もするのかと思ったものです。

 

このように普通に家を作っただけでは、賃貸住宅と家のインテリアはそれほど大きな変わりないんですね。

特に分譲マンションを借りて住んでいる方はこのようにインテリアに物足りなく感じてしまうケースが多くあります。

 

でも実は、オシャレに見える法則に沿って家を建てるだけで家のインテリアは見違えるほどオシャレに見えるようになります。

 

例えば、部屋をスッキリ見せるには部屋の中に無駄なラインが出ないようにするだけでも部屋の見た目は大きく違ってきますし、部屋の中で使う色の数を絞るだけでもインテリアはグッと引き締まるように見えるようになります。

また、家具も安っぽく見えてしまう造りの物と、そうでない物があり、安っぽい物を選ぶと部屋全体が急に安っぽく見えてしまいます。

まずはオシャレに見える法則をしっかり頭に入れる。

そうする事でインテリアの失敗はグッと減らす事ができるんですね。

また、すでに家ができてしまっているという場合も、観葉植物を家の中に置くだけでも家の見た目はかなり変わるので、見た目もオシャレな観葉植物を置くのもとても効果的ですよ。

オシャレに見える家とオシャレに見えない家の違いって何?

お洒落な家具や雑貨が見つかるおススメのインテリアショップ

部屋がおしゃれになる観葉植物25選。おすすめのインテリアグリーンをご紹介します。

まとめ

今回は間取りでよくある失敗例について見てきました。

家というのは一生に一度建てるか建てないかというもの。

そのため、家づくりの経験値というものもどうしても不足しがちになってしまいます。

 

でも、これまで家を建ててきた先輩方の体験談やプロの建築士のアドバイスを聞く事で経験不足というのはカバーする事ができますし、間取りの失敗というのも大きく減らすことができるようになります。

ぜひ、今回のアドバイスを参考にして失敗のないあなたに合った家を建ててくださいね。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

まるで教科書!理想の家をつくる方法【絶対保存版】

土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】

おしゃれな家は皆使っている!おすすめ無垢フローリング12選【保存版】

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あなたはどんなフローリングが好きですか?

フローリングにはいろんな種類がありますが、私が一押しなのは「無垢材のフローリング」。

 

建築士という仕事柄、今まで数多くの家を見てきましたが、無垢材のフローリングを使っている家は他のフローリングを使っている家とはやはり大きな違いがあります。

無垢フローリングは肌触りと質感が普通のフローリングと比べて断然に良いんですね。

 

今回は、そんなワンランク上の家にしてくれる無垢フローリングの魅力とおすすめの床材12選をご紹介していきます。

それではどうぞご覧ください。

無垢フローリングってどんなフローリング?

「無垢材のフローリングが良いって聞くけども、具体的にどんな良さがあるんだろう?」

このように疑問に感じる方や、

「無垢フローリングって何?」

という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

無垢フローリングとは「天然の木から採れる、一枚板のフローリング」のことを指します。

昔の日本の住宅では木を切り倒して板を削り出すというのは当たり前のことでしたが、現在では集成材といって薄い板状の木材を圧着させて厚みを作り、その最上部に木目柄のシートを貼った集成材をフローリングとして使うことが多くなっています。

 

無垢材のフローリングとと集成材の複合フローリングの断面を比べてみるとこのような感じです。

Photo:http://www.alberopro.com/news/archives/332

Photo:http://yukamaru.jp/wp/wp-content/uploads/2014/08/sheet.png

断面を見てみると同じようなフローリングに見えても、全く違うフローリングであることが分かりますね。

一定の品質とリーズナブルなコストの建材に比べて無垢材フローリングは手間や品質などで値段が高くなりがちですが、無垢材にしかない「生きた木材」の魅力に溢れています。

まずは無垢フローリングの魅力について見ていきましょう。

無垢フローリングの魅力

無垢フローリングは肌触りと質感が最高

無垢フローリングの一番魅力はその肌触りと質感です。

日常生活の中でフローリングは一番肌にふれる場所。

そんな肌に一番ふれる場所が、無垢のフローリングを使うとすごく快適になるんですね。

 

私自身、建築士として初めて働いた会社では無垢フローリングはほとんど使っていなかったので正直それほど無垢フローリングに魅力を感じていなかったのですが、その後、無垢フローリングを標準で使う住宅会社で働いた時に、肌触りの良さに衝撃を受けました。

それほど無垢フローリングと複合フローリングでは肌触りが違うんですね。

まだ無垢フローリングを体感したことないと言う方は、ぜひ一度は体験して欲しいと思います。

人工的に生産された集成材と違って、無垢木材は元の木の細胞がそのまま構造として残っているため、弾力性があり衝撃を吸収してくれるという効果もあるので、足元が悪い方にも無垢フローリングはオススメです。

 

また、無垢フローリングは肌触りだけでなく、見た目や質感もすごく良いです。

おしゃれなインテリアや建築雑誌を見てもらったら分かりますが、ほとんどの家は無垢フローリングを使っています。

無垢フローリングは、それだけ家の見え方や質感を上げてくれるんですね。

インテリアや質感を重視したオシャレな家を目指すなら、無垢フローリングは特にオススメと言えます。

 

無垢フローリングは暖かい

フローリングと言うと、夏はひんやりして冷たいけども、冬は逆に冷たくて足元が冷えることが多いですよね。

でも、寒い日に無垢フローリングを一度さわってみてください。

「ん!?思ったより冷たくない!!」とほとんどの方は言うと思います。

無垢のフローリングは夏は冷たくて気持ちよく、冬はそれほど冷たくならないんですね。

無垢フローリングの樹種によっては逆に「あたたかい!」と感じることもあります。

 

その理由は、木は熱をどれだけ伝えるかという「熱伝導率」という数値が小さく、熱を身体からほとんど奪わないので暖かく感じます。(鉄を触ると冷たく感じますよね。鉄は「熱伝導率」が高く、熱を体から奪うので冷たく感じます)

 

ちなみに無垢フローリングの特徴として、無垢フローリングを「固い木」と「柔らかい木」どちらの木で作ったかで暖かさがかなり違い、「柔らかい木」の無垢フローリングの方がより暖かさを感じます。

 

無垢フローリングには調湿作用がある

無垢材は環境に合わせて呼吸するかのように湿気を吸ったり吐いたりを繰り返しています。

たとえば、桐箪笥の桐はこの性質が強いため衣類を湿気から守っており、実際に桐の無垢材を壁天井に張った空間は夏は涼しく冬は温かいといった適な湿度環境を保っています。

 

そして同じように、無垢材から作った無垢フローリングも調湿作用を持っています。

乾燥すれば水分を出して収縮し、湿気が多ければ湿気を吸収してくれるんですね。

無垢フローリングは四季があり湿気の変化が大きい日本によく合ったフローリングと言えます。

 

その一方、このように無垢フローリングは常に湿気に合わせて動いていますが、これはメリットである反面、注意点もあります。

程度の悪い無垢フローリングを使ってしまうと湿気で木の形が変わってしまい、床鳴りや床の反りの原因になってしまうんですね。

あまりに安過ぎる無垢フローリングを使うのではなく、しっかり乾燥した無垢フローリングを使うのがトラブルを無くすための秘訣です。

 

無垢フローリングは経年変化を楽しめる

無垢フローリングは時間が経つほど変化していきます。

空気に触れて酸化したり紫外線にあたることで、時間が経つごとに色合いや風合いが変化していくんですね。

さらには人が使う事でツヤも出てきます。

よく家はできた時が一番良い状態でその後劣化していくと言いますが、無垢ヒローリングを使うことで時間が経って使えば使うほど味が出てくるんですね。

無垢フローリングの経年変化はよく革製品に例えられます。年数が経つごとに味わいが増していくので、「育てていく」という表現がぴったり。

経年変化を楽しめるのは、新建材には無い自然素材ならではの特徴です。

 

無垢フローリングは香りが良い

新築の家にお邪魔した時、ふんわりと木の香りが室内に漂っていた経験はありませんか?

木に詳しくない人でも「いい香り〜!」と気持ちよく感じたことがあるかと思います。

 

無垢材にはフィトンチッドやヒノキチオールといった、アロマオイルにも使われる精油成分が含まれており、癒しを感じる天然の木の香りが楽しめます。

無垢フローリングを使うことで森林浴やアロマテラピーを家にいながら癒しの香りを楽しめるというわけですね。

特にヒノキの香りなんかは有名ですよね。スッキリしたとても良い香りがします。

この香りの良さも、無垢フローリングの魅力です。

 

ここで無垢フローリングを使っている会社のショールーム担当者の話を少々。

木は水に濡れるとより強く香りを出します。

そのため、お客さんにより木の香りを体感してもらいたくて、ショールームを案内する前に水を含ませた雑巾で床ぶきするという営業マンもいます。

 

上の話は少しやり過ぎかもしれませんが、無垢フローリングを使っている家は玄関の扉を開けただけニオイの違いが分かるので、ぜひ一度体感してみてくださいね。

 

無垢フローリングは傷がつく

無垢フローリングはこれまで見てきたようなメリットが魅力のフローリングですが、無垢フローリングにもデメリットがあります。

それは、天然素材のため傷がつきやすいということです。

理由はフローリングの質感を活かすために、表面にコーティングをしていないので傷がつきやすいんですね。

 

無垢フローリングは無垢材のまま使うという訳ではなく普通は表面にオイルを塗りますが、無垢材の質感を活かすため少し汚れに強くなるというくらいの物です。

そのため、フローリングの材質が柔らかい木材であればある程、傷はつきやすいと言えます。

さらには無垢フローリングはずっと放ったらかしで大丈夫という訳ではなく、定期的にオイルを塗るなどのメンテナンスも必要です。

なんだか革製品と似ていますね。

 

一方、無垢フローリングの傷はある程度補修することもできます。

表層だけがシート材の複合フローリングは、一度削られると中の合板が見えてしまったりするため、クレヨンのような補修材を上から塗ることで色や質感を元のものに近づけていきますが、無垢フローリングは生きている木。

この場合は、水分と熱を加えることで木が膨張して、ある程度表面補修ができます。

無垢木材の繊維に沿ったような傷ができたら、濡れた雑巾を傷の箇所にあて、熱したアイロンを上から数十秒かけてみてください。

水分と熱を加えられた無垢の木材は膨張し、ある程度凹凸が目立たなくなります。

こんな感じですね。

Photo:https://www.asunaro-studio.com/point/2017/05/09/4798.html

また、お子さんが小さい時期はどうしても傷が付きやすいので割り切ってしまい、少し大きくなった段階で無垢フローリングの表面だけを削ってしまい一気に綺麗にするという方法もあります。

無垢フローリングは1枚板なので少し削るくらいは何の問題もありませんし、少し削ることで真っさらな状態と変わらないようになるんですね。

これは集成材の複合フローリングではできない無垢フローリングならではの特徴ですし、私が設計を担当した方もメンテナンスついでにフローリングを綺麗にするという方も結構いらっしゃいます。

 

ここまで見てきたように、無垢フローリングには必ず傷が付きます。

この傷を「味として捉えるか」、それとも「傷は嫌と捉えるか」。

この部分で、無垢フローリングに「合う人」、「合わない人」が決まってきます。

 

傷が絶対嫌という人は、無垢フローリングを採用するのは止めておいた方が無難ですし、反対に傷も味と感じるなら、ぜひ無垢フローリングも検討してみてくださいね。

実際に無垢フローリングの上で生活するとめっちゃ気持ち良くて無垢フローリング無しでは生活できなくなりますよ。

おすすめの無垢フローリング12選

それでは、建築士の私がオススメする無垢フローリングをご紹介していきたいと思います。

(木の硬さと価格の目安を★マークで表現しています。★が多い方が硬く、価格が高価になります)

 

ヨーロピアンオーク

ヨーロピアンオーク

Photo:http://www.aoyamabussan.co.jp/blog/2013/12/post-282.html

「オーク」とは樫の事ですが、フローリングの場合は「欧州ナラ」のことをヨーロピアンオークと呼びます。

ヨーロピアンオークは耐久性が高く耐水性も強いのでフローリングに適した素材と言えますし、見た目もとてもキレイです。

一言でヨーロピアンオークと言っても、塗装の仕上げ方次第でいろんな表情を見せてくれるので、好きな雰囲気に合わせやすいフローリングと言えます。

木の硬さ ★★★★☆

価格   ★★★☆☆

 

ナラ

ナラ

Photo:http://www.mokuzai.com/

その色合いと高い耐久性で人気の無垢フローリングです。

落ち着いた雰囲気の家になるので、どんなインテリアにも合わせやすい無垢フローリングですね。

木の硬さと見た目のバランスの良さから、私も家の設計でよく使う無垢フローリングです。

木の硬さ ★★★★☆

価格   ★★★☆☆

 

タモ

Photo:http://www.mokuzai.com/

明るくスッキリした印象のタモのフローリング。

比較的ナラと似ていますが、より年輪がはっきりしているのが特徴です。

タモは耐久性が高いのでカウンター材にもよく使用されています。

木の硬さ ★★★★☆

価格   ★★★☆☆

 

クルミ

クルミ

クルミはあまり強く主張しない無垢フローリングなので、どんな雰囲気のインテリアにもよく合います。

特にナチュラルなインテリアとの相性は抜群なフローリングです。

価格も比較的手に入りやすい価格なので採用しやすい無垢フローリングと言えます。

木の硬さ ★★★☆☆

価格   ★★☆☆☆

クリ

Photo:http://www.mokuzai.com/

クリというと、刺のついた実が頭に浮かびますが、無垢フローリングとしてもよく使われています。

落ち着いた色合いが人気のフローリングです。

大人の空間が似合いますね。

木の硬さ ★★★☆☆

価格   ★★★★☆

 

赤松

鉄の階段

気持ちいい肌触りが特徴の赤松。

あたたかく、クッション性も高いので、小さなお子さんのいる家に最適です。

ただ、傷がつきやすいのが玉にキズです。

肌触りの良さは折り紙付きなので、私は肌触り重視の方にオススメしています。

木の硬さ ★★☆☆☆

価格   ★★☆☆☆

 

キリ

キリ

Photo:http://www.mokuzai.com/

キリと言えば高級タンスの代名詞。

昔から高級な桐タンスに使われているように、キリは調湿効果や断熱性にとても優れています。

すごくやわらかいので傷はつきやすいですが、クッション性が高く足腰に負担が掛かりません。

また夏は冷たく、冬は暖かいのでお年寄りの方の部屋に使うのに最適な無垢フローリングです。

調湿効果も高いのでウォークインクローゼットなどの収納との相性も抜群です。

ウォークインクローゼットの失敗しない作り方とベストな収納方法

木の硬さ ★☆☆☆☆

価格   ★★★☆☆

 

ヒノキ

ヒノキ

Photo:http://www.mokuzai.com/

もはや説明はいらないくらい日本の代表的な木であるヒノキ。

昔から建築の高級素材として使われてきました。

薄くピンクがかった色味が特徴の無垢フローリングです。

ヒノキ風呂でも有名な香りは「これぞヒノキ」という感じです。

木の硬さ ★★☆☆☆

価格   ★★★★☆

 

スギ

スギ

http://www.shinrinkyodo.co.jp/sugi3.html

独特の赤みがかった木目が特徴のスギ。

柔らかいため傷はつきやすいですが、肌触りはとても気持ちいい無垢フローリングです。

節が多いとちょっとうるさくなるので、節が少なめの物を選ぶのがポイントです。

価格も安価なのも魅力ですね。

木の硬さ ★☆☆☆☆

価格   ★★☆☆☆

 

ウォールナット

Photo:http://www.mokuzai.com/

独特の濃い色合いが特徴のウォールナット。

モダンからアジアンリゾート風のインテリアまで、幅広いスタイルに合うのが人気の無垢フローリングです。

高級感もあるので、大人の落ち着いた家といった雰囲気になります。

色が濃いめの無垢フローリングにしたい場合もオススメです。

木の硬さ ★★★☆☆

価格   ★★★★☆

 

ヤマザクラ

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Photo:http://www.mokuzai.com/

日本人に馴染みの深いサクラもフローリングで使う事ができます。

上品な色合いが特徴の無垢フローリングです。

落ち着いた部屋にしたい時は候補に入れたいですね。

木の硬さ ★★★☆☆

価格   ★★★★☆

 

ローズウッド

Photo:http://www.mokuzai.com/

家具用木材の王様と言われるローズウッド。

濃い縞模様が美しいフローリングで、高級感に溢れています。

耐久性も抜群の無垢フローリングです。

木の硬さ ★★★★★

価格   ★★★★★

フローリングの塗装はどうする?

無垢のフローリングはそのままでも使う事はできますが、長く快適に付き合うなら塗装をするのがおすすめです。

では、どんな塗装方法があるのか見ていきましょう。

 

浸透性塗料(オイル塗装)

木材に塗料を浸透させて、木を汚れから保護します。

木の質感に影響することがないので、無垢フローリングとの相性は抜群。

原料も自然素材由来の物が多いので安心です。

 

ただ、そこまで汚れに対して強くなる訳では無いので、汚れや水分は早めに拭き取るのがベストです。

オスモカラーなどの色付の塗料を使って、木の色を変えてあげる事もできます。

 

木を長持ちさせるなら、1年に1度くらいはメンテナンスとして再塗装してあげたいですね。

 

コーティング塗料(ウレタン塗装)

木材の表面に塗膜をつくる塗装です。

ツヤツヤしているウレタン塗装なんかが代表的ですね。

水や汚れにかなり強くなりますが、反対に木の質感や暖かさはほとんど感じられなくなります。

 

コーティング塗料は、汚れが水跳ねがしやすい洗面やトイレなどに無垢フローリングを使う場合に使用します。

せっかく無垢フローリングを使うなら、コーティング塗装は水まわりのみにしておきたいですね。

 

オイル塗料とウレタン塗装を比べるとこんな感じ。

ツヤが無いのがオイル塗装。ツヤがあるのがウレタン塗装です。

質感がかなり違うので、無垢フローリングにする場合はどちらを使うかは必ず確認してみてくださいね。

まとめ

今回は無垢フローリングについてご紹介してきました。

無垢フローリングは家をお洒落な雰囲気にしてくれるだけでなく、肌触りもとても気持ちが良いフローリングです。

 

少しでも無垢フローリングに魅力を感じる方がいれば、ぜひ一度無垢フローリングを検討してみてはいかがでしょうか。

無垢のフローリングで生活すると、新建材のフローリングには戻れなくなってしまうくらい家が快適になりますよ。

 

余談

最後に余談を少し。

私の実家は古い木造の家で、そこで大学で家を出るまで育ちました。

古い家なので楽しい時間は過ごした思い出はあるものの、友達の新しくて綺麗な家と比べると何だか恥ずかしいし間取りもサザエさんの家のような感じで友達も呼びにくいしと、当時はよくコンプレックスを感じたものでした。

 

月日が経って今現在、私は建築士をしていますが当時と比べて家の性能は抜群に良くなって快適な家が増えたことを日々実感しています。

ただ、家にも効率が求められるようになって実際に自然由来の素材が使われることも昔と比べてかなり減りました。

本物の自然素材にふれ合うことがかなり減ってしまったんですね。

 

昔の私の実家は古くて見栄えもしない家でしたが、古い分、新建材も使われず自然素材にあふれていました。

今はもう建て替わって当時の家はありませんが、自然素材の中で育ったからこそ、畳のニオイであったり木の肌触りといった物を体験しながら育つことができたことはとても価値がある経験だと感じています。

 

お子さんに本物の素材と新建材の違いを知ってもらって体験させたい。

そんな方にも身近に素材を感じられる無垢のフローリングはオススメだと私は思っています。

では。

 

フローリングについてはこちらも参考にしてください。

フローリングの掃除が違ってくる!?フローリングの色によるメリットとデメリット

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無垢フローリングの魅力って何?

  • 無垢フローリングは肌触りと質感が最高。
  • 無垢フローリングは暖かい。
  • 無垢フローチングには調湿作用がある。
  • 無垢フローリングは時間が経って味が出てくる。
  • 無垢フローリングは香りが良い。
  • 無垢フローリングは傷がつきやすいので、傷を含めて無垢材を楽しめるかがポイント。

家が欲しいと思った時に必ず知っておきたい「家で失敗しない秘訣」

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年が明けて新年度が始まる4月を迎えるまでの時期というのは、家を建てたり買おうと思っている方が増える時期です。

皆さんの中にもこの時期に「家を建てよう」と思い始めた方も多いのではないでしょうか。

年末はバタバタすることが多く家づくりを考える余裕が無かった方も、お正月休みを挟むことで気持ちに余裕も出てきますし、お正月の時期は実家や友人などに会う機会も多いので、家や土地と言った話題もよく耳にする季節でもあります。

また、それに合わすようにTVをつければ住宅の宣伝もよく見かけますし、住宅展示場のチラシ、web広告もよく見かけますよね。

中には時間を見て住宅展示場へ行ってみたり、住宅関係の情報収拾を始めている方もいらっしゃると思います。

 

一方、家が欲しいと言っても家にもいろんな種類があります。

例えば、マンションや建売、中古住宅のように「家を買う」というケースもありますし、注文住宅のように「家を建てる」というケースもあります。

そこで今回は「家が欲しい」と思った時、どんな選択肢が有って、それぞれどういう点に注目すれば良いかについて見ていきたいと思います。

家を検討されている方はぜひご覧ください。

家を買う

家が欲しいと思った時、まず選択肢としてあがるのが「家を買う」という選択肢です。

「家を買う」というケースの場合、建築中の建売住宅やマンションであれば多少設備のオプションなども選べることがありますが、基本的には出来上がった家を購入するので注文住宅のように家の打合せを重ねる必要はほとんどなく、時間があまり取られずに早く家が欲しい人にとっては「家を買う」というのは魅力的な選択肢となります。

また、例えば4月の学校が始まるまでに引越したいというように期限が有る方も「家を買う」場合は予定が立てやすいのもメリットと言えます。

3月に引越すなら、いつから家づくりを始めればいいの?

 

一方、「家を買う」場合は極端な話、買う家を決めるだけで良いので家の事を詳しく知らずに家を買ってしまう方も多くいらっしゃいます。

中には家を買ってから後悔するというケースも。

「家を買う」前に本当にその選択肢しか無いのか、またあなたが欲しい家は買って手に入る物なのか、そして「家を買う」にはどのような事に注意したらいいかどうかを予め知っておく必要があるんですね。

 

例えばマンションであれば、その価値はほとんど立地で決まります。

豪華な共用部に釣られてしまうと全て管理費で跳ね返ってくること、また住戸数が多ければ多いほど何かを決めようと思っても住民同士の合意が得にくくなってしまうなど、同じ建物に多くの人が住むマンションならではの注意点もあるんですね。

また、管理組合が機能してなければ将来マンションが古くなった時に売ることもできず廃墟になる可能性があるなど戸建て住宅のように自分で決めることができない部分も多いため、マンションを購入する場合は毎月の固定費や将来の売却も視野に入れた出口戦略まで考えた上で買うのがベストと言えます。

 

その他、建売住宅であれば相続などで売却された大きな土地を分割して手の届く価格で販売していることが多く、あまり土地が出てこない地域では建売住宅は魅力的な選択肢となりますが、建売住宅はすでに完成しているのでどんな工事をして家ができたのかが分からないこと、また間取りやコンセントの位置などもあまり考えられていない家も多いので、建売住宅を販売している会社が家の品質、設計という面で信頼できる会社なのかが重要になってきます。

建売住宅と注文住宅の違い。どっちも造った建築士が分かりやすく解説します。

 

また最近では、このようにマンションや建売住宅を購入する以外でも中古住宅を買ってリフォームをするという方も増えています。

雑誌やTVなどでも見違える程キレイになった物件を見かけることもありますよね。

それまで見た目もくたびれて間取りも使い勝手が良いとは言えない家を全く違ったあなたに合った家に変えることができるというのは「家を買う」際の魅力的な選択肢の1つと言えます。

 

そんな中古住宅をリフォームする場合、不動産屋はリフォームのプロではないのでリフォームを依頼する会社と組んで物件を選ぶことがポイントになってきます。

不動産屋は売るのが目的なので、お客さんが興味を示した物件があればリフォームに向いていなくても勧めてくることもよくあるからなんですね。

建築士の視点から言わせてもらうと、中古の戸建て住宅でもマンションでも床下や天井裏などを確認せずに購入するのはギャンブル以外何物でもありません。

中古住宅は価格も安いからとあまり確認せずに購入する方もいらっしゃいますが、これから住むことを考えるとしっかりしたアドバイスができる人と一緒に購入しないと、安物買いの銭失いなんてことにもなりかねないんですね。

 

ちなみに個人的な意見となりますが、私は古い戸建て住宅を買ってリフォームするのは個人的にはお勧めしていません。

昔の家は性能、耐震面で今の住宅と比べてかなり劣っている事がほとんどで、高いお金を出してリフォームしても新築の住宅ほど耐久力はなく、下手をすれば新築の家を建てるより高く付くというケースも見受けられるからです。

そのため、中古の戸建てをリフォームして長く住むなら、もう少し品質の良い中古住宅がしっかり管理されて売りに出されるようになってからでも遅くはないように思います。

家の建替えとリフォーム、どちらがお得で価値がある?

 

また、中古マンションを大きくリノベーションして住む場合も同様です。

家の中は綺麗に快適にすることができますが、建物本体は個人では手をいれることができません。

リノベーションをして住む場合は10年、20年などある程度の期間を暮らすことが前提となってきますが、将来時間が経った時にもマンションとして価値が維持できるのかどうか。

この部分を見極められるかどうかがとても大切になってきます。

家を建てる

では次に、「家を建てる」ことについて見ていきましょう。

家を建てるという場合、大きく分けて次の3つのパターンに分けられます。

 

1つめはローコストの住宅を建てるというパターン。

一般的にパワービルダーと呼ばれる住宅の家がこれに当てはまります。

価格としては1,000万円代が1つの目安となります。

 

もう1つは工務店などが建てる注文住宅。

(価格としては2,000万円代が目安です)

 

そしてハウスメーカーや一部の工務店が手がける高級住宅。

3,000万円を超えてくるとこの辺りに当てはまります。

 

家を建てる場合、上記の3つから自分が家に使う予算を見ながら、大まかにどの辺りの会社で家を建てるか選んでいくことになります。

 

ちなみに、家を建てると思った時にまず頭に浮かぶのは住宅展示場という方も多いのではないでしょうか?

住宅展示場にはいろんな住宅会社が入っているのでとりあえず見に行ってみようという方も多くいらっしゃいますが、実は住宅展示場へ行くのは家づくりの初期段階であまり得策ではありません。

 

家の知識が何もないと家の基準が無いので、〇〇が良いと言われるとそれが良いように見えてきますし、ハウスメーカーで予算が合わない場合は他の住宅展示場に入っていて予算で建てられそうな会社を選ぶというに、家を建てるのには沢山の選択肢があるにも関わらず、住宅展示場という世界だけで家の判断するようになりがちなんですね。

住宅展示場へ行くのはちょっと待って!

 

まずは家づくりの流れを知って、最低限の知識を持つことであなたの中に判断基準ができるので、住宅展示場に行くのはそれからでも遅くはありません。

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また、家を建てるとなると注文住宅をイメージしがちですが、ローコストな住宅では規格型住宅やセミオーダー住宅が中心となります。

 

企画型住宅とは、あらかじめ間取りが決められている家をカタログなどから選んで建てる家のことです。

名前の通り、規格化された家を建てるという訳ですね。

間取りや窓の位置などの変更は基本的にはできず、壁紙の色や床の色、設備のオプションなど内装に関係する部分はいくつかの中から選べるというのが一般的です。

 

次にセミオーダー住宅とは、家の間取りは設計士や営業マンが作成しますが、家で使える仕様がある程度決まっている住宅のことです。

セミオーダー住宅の場合は間取りに自由はある程度ききますが、使える仕様は限られます。

そのため、デザインなどにこだわった住宅を建てたい場合はギャップが生じる可能性があり、また最初の段階では注文住宅とセミオーダー住宅との区別がつきにくいので、家を建てるのにどれだけ自由があるのか確認するのも会社選びで大切なことです。

 

このような住宅の種類を知っておくだけでも、あなたの家づくりの強い見方になってくれます。

あなたに合っている家はどれ?家は注文住宅だけでは無いんです

 

最後に建築条件付きの土地に家を建てるというケースも見てみましょう。

建築条件付きの土地とは簡単に言うと、家を建てる会社が指定されている土地という意味です。

「この土地を買ったら、ウチで家を建ててよ」という決まりがある土地のことですね。

 

建て替えや元から土地を持っている方なら建築条件付きの土地とは無縁ですが、土地探しから始める方は1度はこの建築条件付きの土地とお目にかかることになります。

その理由は、建築条件付きの土地は条件の良い土地が多いから。

 

建売と同じように大きな土地を仕入れて分割して売ることもできるので立地の良い土地も多いですし、土地と建物で利益を上げればいいので土地の価格も安く表示するのも可能になるので目に止まりやすいんですね。

でも、建築条件付きの土地は意外と後で後悔するケースも多くあります。

家を建てる会社が決まってしまうというのがネックになることが有るんですね。

建築条件付きの土地に家を建てる場合は、建築条件付き土地のメリットとデメリットをしっかり把握してから購入する。

建築条件付きの土地で失敗しないためにも、これだけは忘れないでくださいね。

建築条件付きの土地を買う時に気をつけたい3つのこと

建築条件付きの土地は、なんで間取りで失敗しやすいの?

まとめ

今回は「家を買う」、「家を建てる」という中から、どのような選択肢があるかを見てきました。

家には全ての人に合った家という物はなく、「家を買う」方が条件にあっている人もいれば、「家を建てる」方が良い人もいます。

その家庭、家庭で合う家は違ってくるんですね。

 

そんな中で1番避けたいのは、家の選択肢を知らずに家を手に入れてしまうということ。

例えば「家を買う」と思っていた人が実は「家を建てる」方が良かった何てことになってしまうと、とても残念なことですし家の選択をやり直すとなると高額なお金も必要になってきます。

まずは家を手に入れる場合にはどんな選択肢があるのかを知る。

そしてその中であなたに合った家はどれなのか考えてみる。

これがとても大切なんですね。

 

自分は「家を買う」「家を建てる」と決める前に家の全体像を把握して、ぜひあなたに1番合った家を手に入れてくださいね。

では。

 

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家を手に入れるにはどんな選択肢がある?

  • 「家を買う」、「家を建てる」それぞれに選択肢がある。
  • 1度全ての選択肢を知った上で、家族に合った家を選ぶと失敗が少なくなる。

脱衣所を作る時のメリットとデメリットって何?

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温泉や銭湯などに行くと必ずある脱衣所。

脱衣所というと温泉や銭湯の脱衣所をイメージされる方も多いと思います。

一方、一般的な住宅では専用の脱衣所を設けているケースは比較的少なく、洗面所が脱衣所を兼ねているケースを多く見かけます。

洗面台の横に洗濯機を置いて、洗面で身だしなみを整えたり、洗濯機の前を脱衣所に使うと言う感じですね。

家という限られたスペースの中で、水まわりでまとめられる部分はまとめてスペースを有効活用するという発想から生まれた形になります。

 

このように一般的な住宅では洗面所と脱衣所は一緒になっているケースが多いですが、洗面所と脱衣所を分けて別々に作るという方法もあります。

では、住宅に専用の脱衣所を作った場合にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

今回は家に脱衣所を作った時のメリットとデメリットについて見ていきたいと思います。

脱衣所をつくるメリット

脱衣所

まずは家に脱衣所を作った時のメリットについて見ていきましょう。

脱衣所を作って洗面所と分けた場合のメリットとしては、何と言ってもお風呂と洗面を気兼ねなく使えるようになるという事が挙げられます。

 

例えば、誰かがお風呂に入っている時に洗面を使うという場合、どうしても洗面所に入るのに気を使ってしまいますよね。

特に女性がお風呂を使っている場合に洗面所に入りにくいという方や、お風呂に入っている時に洗面所に誰にも入って来て欲しくないという方も多いのではないでしょうか。

また、洗面所に鍵が付いている場合、お風呂の入浴中に洗面室の鍵を閉めていると、洗面所自体使う事ができなくなってしまうというケースもあります。

 

このように洗面所と脱衣所が一緒だとどうしても困ってしまうケースも出てきますが、脱衣所を作ることでお風呂に入る人はお風呂と脱衣所を利用し、洗面所は誰でも気兼ねなく使う事ができるようになります。

家族の人数が多くて洗面所を使う頻度が高かったり、朝にお風呂に入ったりシャワーを浴びることが多い家庭なんかでは、脱衣所があるとお風呂を使う人と洗面を使う人を明確に分けられるのでかなり便利ですね。

二世帯住宅でお風呂を1つにする場合なんかでも、多くの人が洗面とお風呂を使うため脱衣所を設けるのは特に効果的です。

二世帯住宅を失敗しないための5つのポイント

 

脱衣所と洗面所が分かれていて便利な例として、洗面所が2カ所から入れるようになっている間取りなど、洗面所が回遊動線になっていて頻繁に人が通るようになっている場合も脱衣所があるとかなり便利です。

回遊できる間取りって使いやすいの?メリットとデメリットをご紹介します

 

その他に脱衣所を作った時のメリットとして、洗面所がスッキリ見えるというメリットもあります。

一般的に洗濯機は洗面所に置くことが多いですが、脱衣所があれば脱衣所に洗濯機を置けば良いので洗面で必要な物だけ洗面に置けば良いですし、洗面からお風呂も見えないので生活感が出にくくスッキリ見えるようになるんですね。

 

また、お客さんが来ることが多くて洗面所を良く使うという場合なんかには洗面と脱衣所が分かれていると生活感を見せなくて済むというのも中々便利なものです。

動線についても、着替えなども脱衣所に置くことができるようにしておけば、お風呂に入ってから着替えるまでの動線がよりスムーズになります。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

脱衣所をつくるデメリット

それでは次に、脱衣所を作った時のデメリットについて見てみましょう。

脱衣所をつくる場合のデメリットを挙げるとすると、脱衣所のスペースが必要になるので他の部屋の大きさにしわ寄せがいったり、家を大きくしないといけないというデメリットが発生する時があります。

一般的に洗面所の広さは1坪サイズのことが多く、要望や間取りに応じて広さ調整していく物ですが、1坪の洗面所を洗面と脱衣に分けてしまうとそれぞれの広さは約1帖ほどのタタミ1枚分のスペースとなってしまいます。

実際に1帖の洗面所、脱衣所の2つに分けた場合、思ったよりも狭くて小分けにされた窮屈な空間に見えてしまい、何やら無理矢理部屋を分けたアパートみたいな印象に見えてしまうなんて事も。

例えば、脱衣所は1帖に抑えたとしても、洗面所は1.5帖から2帖くらいはできればある方が見た目が全然違ってくるんですね。

 

そのため、脱衣所を独立して設ける場合は、一般的な洗面所の広さである1坪よりも広いスペースが必要になってくるので、家の広さに余裕が必要となってきます。

そのため、敷地が広かったり予算に余裕があって床面積を広げられる場合は良いですが、敷地を目一杯使って家を建てる場合や予算をかなり抑えたい場合は、洗面所を設けるハードルが高くなってしまう場合があります。

述べ床面積って何?覚えておきたい建築用語

 

ちなみに、あまりスペースが取れない場合は無理に洗面所を洗面と脱衣に分けず、洗面所内を簡易に区切れるようにしてしまうという方法もあります。

カーテンなどで必要な時だけ脱衣所と洗面所を区切れるようにしてしまうんですね。

その場合、カーテンはヒラヒラ感があり生活感が強く出てあまりキレイに見えないことが多いので、天井にロールスクリーンを付けてしまうのがおススメです。

予め天井を凹ませておいてロールスクリーンを埋め込めるようにしておけば、見た目もスッキリにすることができます。

洗面を別の場所に設ける

脱衣所を設ける場合の一番のメリットはお風呂に誰かが入っている時にも気兼ねなく洗面台を使えるようになる事ですが、脱衣所まで設けるのが難しいケースも有ります。

そんな時に役立つのが、洗面台を別の場所に設けると言う方法です。

この場合、メインの洗面台を廊下などお風呂と離して設置するケースと、洗面所はお風呂の横に作ってサブの洗面台を他の場所に設けるというケースがあります。

 

洗面台をお風呂と離して設置する場合の注意点として、お風呂あがりに洗面台の前で髪を乾かしたりお肌のお手入れをする場合は、お風呂からあがってすぐに使える位置に洗面台を配置するのがポイントになります。

髪を乾かすのに家の中をウロウロというのは避けたいですよね。

また、人が良く通る廊下に洗面台を配置すると移動の邪魔になったり落ち着いて洗面台の前にいられないので、ある程度のスペースを確保しておくことも大切です。

まとめ

今回は脱衣所について見てきました。

脱衣所を作るかどうかは、今の生活で誰かがお風呂に入っている時に洗面所を使う事ができるかどうか、または洗面所に誰も入って来て欲しくないと思っているかどうか。

この辺りが大きなウェートを占めるようになってきます。

また、女の子が多い家庭でも、脱衣所を設ける方はやはり多いです。

今はいいかもしれませんが、将来は洗面所を使いにくくなってしまう可能性が高いので、あらかじめ対策をとっておくという方が多いんですね。

 

このように脱衣所をつくる理由、メリットは色々とありますが、脱衣所を作るにはそれなりのスペースも必要になってきます。

脱衣所を作ったけども、LDKが微妙に狭くて使いにくい何て事になってしまえば本末転倒ですね。

脱衣所を作って「気兼ねなく洗面所、お風呂に入れる」という事と、他の要望、どちらの優先順位が高いかどうか。

この辺りをしっかりと考えながら、脱衣所を作るかどうか。また脱衣所を作るなら使い勝手のよい脱衣所を作っていきたいですね。

では。

 

水まわりに関してはこちらも参考にしてください。

おしゃれで使いやすい洗面所をつくるための5つのポイント

造作洗面台と既製品洗面台のメリットとデメリット

快適なお風呂にするための3つのポイント

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脱衣所を作るメリットとデメリットって何?

  • 脱衣所があると、気兼ねなくお風呂や洗面所を使えるようになる。
  • 脱衣所を作るには、ある程度スペースが必要になる。

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家を建てる時に必ず把握しておきたいこと。

それは家を建てるのに必要な「お金」についてです。

 

家を建てる時はどうしても「アレをやりたい」「コレもやりたい」とついつい夢が膨らんでいってしまいますが、それは予算があって初めて叶えられる物。

実際に色んな物を家に入れた結果、予算が大幅にオーバーしてしまい間取りからやり直すというケースもよく見かけます。

そうならないためにも、現実に家を建てるにはどれくらい費用が必要になるのかをあらかじめ頭の中に入れておくことが大切なんですね。

そこで今回は、家を建てるのに必要な費用について具体的な例を挙げながら見ていきたいと思います。

それではどうぞご覧ください。

家を建てるのに必要な費用

家を建てる費用

家を建てる場合、どれくらいのお金が必要になるのでしょうか?

それにはまず、家を建てるのにどのような費用が発生するのかを見ていくと分かりやすくなります。

 

家を建てるのに必要な費用は大きく3つ。

  • 家の本体工事の金額
  • 諸費用
  • 土地にかかる費用

以上の3つに分けることができます。

 

この3つの費用のトータルが家を建てる時の費用の総額となるんですね。

それでは、1つずつ見ていきましょう。

家の本体工事の金額

家の本体工事

家の本体工事金額とはその名のとおり、家本体の工事に必要な費用のことを言います。

更地の状態から家が完成して住めるような状態になるまでに必要となる家の金額という訳ですね。

 

住宅会社で間取りを作ってもらうと家の見積書を必ずもらうことになりますが、その見積書に書かれてある金額は家を建てるための総額ではなく、家の本体工事の価格である事がほとんど。

一般的によく言われる坪単価というのも、この家の本体工事の価格を坪数で割って坪単価を出すのが一般的です。

坪単価の計算方法とプロでも知らない注意点

 

ただ、家を建てる場合、実は家の本体工事だけでは家に住む事はできません。

家を建てるのには「諸費用」と呼ばれる物も必要になってくるんですね。

それでは次に、家の諸費用について見てみましょう。

家の諸費用

外構工事

家の諸費用というのは聞き慣れないかもしれませんが、簡単に言うと家以外にかかる費用を全部ひとまとめにして「諸費用」と呼びます。

 

例えば暮らしに直接関わる部分を見てみると、ダイニングテーブルやソファといった家具やカーテン、家電の費用も必要になってきますし、庭や駐車場を作るための外構工事や引越し費用も必要になってきます。

このような費用は家の本体価格には入っていないので、「諸費用」の中に入れるのが一般的なんですね。

また、家を建てる場合は地盤が一定の強さを確保する必要があり、地盤が弱い場合の地盤改良費用も諸経費として見ることがほとんどです。

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転居の手続き一覧。新しい家に引越しする時に必要な8つの事。

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その他には、家を建てるために必要な建築確認申請といった申請費用や、住宅ローンを組む場合は保証料や手数料、火災保険などが必要となってきます。(住宅ローンを使う場合は火災保険は入るのが必須となります)

このような申請費や住宅ローン関係の費用も「諸費用」という扱いになってくるんですね。

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また、家は完成すると登記をする必要があり、登記のための手数料や司法書士への報酬なども諸費用の中に含まれます。

 

ここまで代表的な諸費用を挙げましたが、家を建てる最初の段階で全て覚える必要はないので安心してください。

諸費用とは家の本体工事以外でかかる費用全てまとめて「諸費用」と呼んでいるんですね。

また、家づくりの最初の段階では、おおよそどれくらいの金額が諸費用として必要なのかを知っていれば十分ですので、諸費用の目安として家の本体価格の1割〜2割くらいが諸費用で必要ということを覚えておけば十分です。

 

このように家の本体価格だけを見て予算を組み立てるのでなく、諸費用のこともしっかり頭に入れておく事があとでお金に困らないため、ひいては良い家を建てるための秘訣となります。

土地にかかる費用

土地の諸費用

家を建てるには家を建てるための土地が必ず必要になりますが、土地も家を建てる時と同じように諸費用が必要となってきます。

土地を購入してから家を建てる場合はもちろん、元から所有している土地に家を建てる場合も何かしらの費用が掛かってくるんですね。

 

では、土地にはどのような費用が必要になってくるのでしょうか?

 

まず、土地を購入するには当たり前ですが土地の代金が必要になります。

また、土地の代金以外にも土地の仲介手数料として、土地の価格の3%と6万円が掛かってきます。

1,000万円の土地であれば、36万円の仲介手数料を不動産屋に払うことになるんですね。

(仲介手数料に関しては、家を建てる会社で土地を仲介すれば安くしてくれる場合もあります)

 

こうして土地を手に入れる訳ですが、土地を購入すればすぐに家を建てられるという訳ではなく、ガスや給排水の引き込みといったインフラがなければインフラを引き込むための工事をしたり、古屋があるなら古屋の解体工事を、土地に高低差があり造成工事が必要な土地であれば造成工事をするなど土地に家が建てられる状態にする必要があります。

インフラ状況や高低差など、その費用は土地の状態によって変わってるんですね。

また自分の土地だけでなく、家の前の道路が広くて歩道がある場合などはそのままでは駐車場から車道に出れないこともあり、そのような場合は歩道を切り下げて車が車道に出れるようにする必要などもあります。

土地は表面だけを見るとすぐに家が建てられそうですが、家を建てられるようにするには意外と費用が掛かってきてしまう物なんですね。

そのため、家を建てる前にどれだけ手間や費用が掛かる土地かを知るのが重要となってきます。

 

よくあるケースとして、安く土地を手に入れられたと思ったら、土地の諸費用が思いのほか必要なことが分かり返って割高になってしまったというケースや、実家の敷地の一部に家を建てようと思ったらインフラを整備する必要があり土地を買うのとあまり変わらないくらい費用が掛かったというケースもよく見かけます。

土地で思いがけず費用が掛かってしまうと、家の本体の価格を抑えるか予算を増やす必要が出てきて計画自体を見直すことになってしまいます。

 

そうならないよう、早めに住宅会社に土地を確認してもらうと土地での失敗が少なくなるので、住宅会社と一緒に早めに土地を確認しながら家づくりを進めていきたいですね。

土地探しの失敗例② 土地ってこんなお金がかかるの?

広い道路沿いの土地ってどうなの?知っておきたい5つのポイント

土地と工務店、どちらを先に決める方が良い家が建てられる?

 

また、土地の費用の中で忘れてはいけないのが地盤改良の費用。

地盤改良をするとなると100万円近い費用が必要となり、地盤改良の予算をあらかじめ見ておかないと、実際に地盤調査を行い地盤改良が必要になった時に予算が足りず家の計画自体を見直さないといけなくなる可能性があるので、地盤調査を行うまでは地盤改良の費用もあらかじめ諸費用の中に入れてある住宅会社がほとんどですが、中には地盤改良の費用を見ていない住宅会社もあるので地盤改良の費用については必ず確認しておきたいですね。

地盤改良の費用がいらない!地盤の良い土地の見分け方

 

このように土地にも色々な費用が掛かってきますが、通常は資金計画書の中に諸費用と一緒に記載されています。

資金計画書を作ってもらう前に総額を把握する場合、土地に掛かる諸費用の目安としては建物の1割くらいを見ておけば特殊な土地でない限り大体対応できるので、家の諸費用と土地の諸費用を合わせて本体価格の2〜3割くらいを諸費用として見ておきたいですね。

家の資金計画。お金の事を考えてみよう。

家を建てる時の総額

家を建てる総額

ここまで、家を建てる費用にどんな物があるのかを見てきました。

それでは、実際に家を建てるのにどのくらいの費用が必要になるのかを、30坪の家を例に見てみましょう。

ローコスト住宅の場合

『家の本体価格(1,000万円前半〜中盤)』+『諸経費』=『総額(1,000万円中盤〜後半』

(このくらいの価格帯の家では、間取りはある程度自由がありますが、仕様はあまり選べないというケースが多いです)

 

中グレードの住宅の場合

『家の本体価格(1,000万円中盤〜2,000万円前半)』+『諸経費』=『総額(1,000万円後半〜2,000万円代』

(一般的に注文住宅と呼ばれる住宅がこの辺りになります。間取りの自由度は高く、仕様は力を入れる場所と予算を掛けない場所などのメリハリが必要になります)

 

高級住宅の場合

『家の本体価格(2,000万円中盤〜)』+『諸経費』=『総額(3,000万円〜)』

(この辺りの価格帯になると間取り、仕様はかなり自由に選べるようになり、予算が増えれば増えるほど選べる選択肢は増えていきます)

 

上記のように大きく3つの価格帯に区切ってみましたが、記載した総額が家を建てる時の費用の1つの目安となってきます。

 

30坪の例なので、もう少し大きな家にする場合は、ローコスト住宅で坪30〜40万円。

中グレードの住宅で坪50万円。

高級住宅で坪70万円くらいをプラスすれば、家を建てる費用の目安となってくれます。

 

土地を購入する場合は、これに土地の費用を入れる事で、家を建てる時の費用の全体像が見えてきます。

例えば1,000万円の土地を購入して2,000万円(税込)の家を建てる場合、

家の本体価格2,000万円+諸費用400万円+土地1,000万円=3,400万円

これが家を建てる時の総額の目安となるんですね。

(400万円を頭金に、3,000万円を35年固定金利、金利2.2%で借りるとすると、およそ月々10万円ほどになります)

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家の総額を見る場合の注意点

家の注意点

それでは最後に、家の総額を見る時の注意点についても見てみましょう。

家の打合せを進めていくと、具体的に家の総額が書いてある資金計画書を住宅会社からもらうようになります。

この資金計画書が家づくりという家族の大プロジェクトにまつわる金額の全容です。

ただこの資金計画書、会社や工務店によっても書き方が違いますし、営業マンによっても入っている金額の書き方が違うので、しっかりポイントを押さえておくのがとても大切になります。

 

まず、資金計画書に書かれてある家の本体価格。

この価格の中にどこまで含めるかは住宅会社によって違いがあります。

本体価格の中に色んな物が入っている会社もありますし、本体価格を安く見せるために本体価格ではなく諸費用の欄に仮設トイレなど家の付帯工事を入れている会社もあったりと、会社によって書き方は様々なんですね。

 

ですので、もしいくつかの会社で比較検討する場合も、本体価格の高い安いで検討するのではなく、家づくりの総額で高いかどうかで見てみるのが重要になってきます。

 

また、地盤改良費をいくら予算取りをするかどうか、また外構や家具家電をいくら予算取りするかは、資金計画書を作った人次第。

いくら総額が安くなっていても、家具や家電の予算がほとんど入っていなかったりすると、家が建ってから後で困るのは目に見えていますね。

(私自身、営業マンが何でもかんでも実際に必要な金額よりも安く書いた資金計画書に振り回されたことがありますし、何よりもお施主さんが一番困ります。)

 

いくつかの会社の資金計画書を見比べる場合、「予算取り」されている部分に一体どれくらいの金額が入っているかも見比べてみると、その会社は本当に総額が安いのか、それとも「予算取り」を低く見積もって安く見せているだけなのかが分かりますし、家を建てる人のことを考えている会社なのかどうかの判断も付きやすくなります。

 

資金計画書はあなたの家づくりに必要な金額が分かる物であるだけでなく、資金計画書を作る人の性格や考え方が分かる物でもあります。

資金計画書の作り方が甘くて後で予算が足りないというのも困りますし、資金計画書の諸費用に余裕がありすぎて後でもう少し家本体に予算を掛けても良かったとなってしまっても不満が残ってしまいます。

良く話を聞いた上で、できるだけあなたの希望に沿った資金計画書を作ってくれる。

そんな担当者と巡り会うのも家のお金を考える時に大切なことなんですね。

まとめ

今回は家を建てるときの費用について見てきました。

家を建てるには色々な費用が掛かってくるので「ややこしい」と感じてしまうこともありますが、家のお金で一番大事なのが総額でいくらになるかということです。

どんな家を建てようと思っても、家の総額が予算の範囲内でない限り家を建てる事ができないからなんですね。

 

これから家を建てようと思っている方、さらには家づくりが現在進行している方も、ついつい目が行きがちな本体価格だけでなく、家の総額を意識しながら無理のない家づくりを行ってくださいね。

では。

 

家のお金についてはこちらも参考にしてください。

家が予算オーバーする5つの要因とプラスα

家を安くするためのコツ。家の壁は以外にお金がかかる?

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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家を建てるのに費用はどれくらい掛かるの?

  • 家を建てるには、家の本体工事の他に諸費用が掛かる。
  • 諸費用は家の本体工事の2割くらいが目安。
  • 家を建てる費用は総額で考える事が一番重要。

シューズクロークで失敗しないために絶対に知っておきたい5つのこと

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「玄関に物が溢れているので、家を建てるなら片付く玄関にしたい」

このような声はよく耳にします。

靴やベビーカー、傘などが溢れた玄関というのは散らかった家に見えてしまいますし、外に出たり家に入るのも大変です。

 

せっかく家づくりをするのであれば、家の顔となる玄関はスッキリ綺麗に見える玄関にしたいもの。

そんな玄関に大活躍するのがシューズクロークです。

シューズクロークとは、名前のとおり靴をメインに収納するだけでなく、傘やアウトドア用品など外で使う物を入れておける収納のことを言います。

シューズクロークはシューズクロークという呼び名の他に、土間収納やシューズクローゼット、シューズインクローゼットと呼ばれることもあります。

(図面では「SC」、「SIC」と表現されることが多いです)

基本的にはシューズクロークには外で使う物を入れるので、シューズクロークは基本的に玄関の横につくることになります。

 

こんな感じですね。

シューズクローク

中にはシューズクロークをウォークスルーにして通り抜けられるようにして、シューズクロークから家の中に上がれるようになっている家もあります。

 

最近ではシューズクロークがある家がかなり増えてきましたが、シューズクロークは外回りの物をメインに入れる場所なので他の収納とは少し違った特性を持っています。

そのためシューズクロークをつくる時に何も考えずにつくってしまうと、家が建って実際に生活を始めてから「シューズクロークが使いにくかった」なんて後悔をしてしまうこともあります。

では、シューズクロークをつくる時には何に気をつければいいんでしょうか?

今回はシューズクロークについて詳しく見ていきましょう。

シューズクロークのメリット

まずはシューズクロークのメリットについて見ていきたいと思います。

では、シューズクロークのメリットって何でしょうか?

シューズクロークを作りたいという方で1番多い理由が、玄関をスッキリさせたいという理由。

靴だけでなく、傘やベビーカーなどの外用品が溢れがちな玄関にシューズクロークを設けることで収納場所を確保し、その結果スッキリした玄関にできるのがシューズクロークの1番のメリットなんですね。

特に外で使うものは色んな色味の物があるので見えるだけでゴチャついた印象が強くなりますが、一箇所に収納してしまうことで玄関の印象は大きく変わります。

(賃貸住宅は玄関の収納が少ないことが多く、玄関がゴチャゴチャしてしまっているので家を建てるならシューズクロークを作ってスッキリしたいというのも納得ですね)

 

また、シューズクローク内にコートなど冬場外で使うものを置いておくことで外出の際の動線を短くするなど、外出の時の準備が楽になるというメリットもあります。

一箇所にまとめることで、忘れ物がしにくくなるのも良いですね。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

 

その他、外で使うもの、例えば子供が外で使うおもちゃやスポーツ用品、ベビーカーを家の中に持ち込まずシューズクローク内収納できるようになるので、家の中を綺麗に保ちやすいというのもシューズクロークのメリットの1つです。

さらには玄関には靴箱を置くことが多いですが、シューズクロークがあるとシューズクローク内に靴を入れることができるので靴箱を無くしたり、天井までの靴箱ではなく腰高の靴箱にしたりなど、玄関のデザイン性や視覚的な広さを確保できるというメリットもあります。

とくにコンパクトな玄関の場合は靴箱が有ると無いとでは玄関の見た目がかなり変わってきます。

これで失敗しない!!玄関収納の位置とサイズの決め方

 

このようにメリットが多いシューズクロークですが、シューズクロークにはデメリットもあります。

それでは次にシューズクロークのデメリットも見てみましょう。

シューズクロークのデメリット

シューズクロークを作る時のデメリットを挙げるとすると、シューズクロークを作る分だけ玄関が狭くなってしまう可能性が高いということが挙げられます。

特に家の大きさがコンパクトな場合はシューズクロークを作ることで玄関の広さが圧迫されるケースもあるので、家全体のバランスを見ながらシューズクロークを設けるかどうか判断するのが大切になってくるんですね。

 

また、シューズクローク内は使いやすくしておかないと、ただの物置になってしまうということもあります。

出掛けるから靴を取り出したいのにシューズクロークの通路に物が溢れていて靴を取り出すのが大変なんてことになると、どうしてシューズクロークを作ったかわからなくなってしまいますよね。

そのため、シューズクローク内に入れる物の場所や動線計画もしっかり立てておく必要があります。

 

その他、シューズクロークを作ると玄関に窓が配置しにくくなるというのもシューズクロークのデメリットと言えます。

本来であれば玄関の窓をつけたい場所にシューズクロークが来ることも多く、玄関に窓が取れず暗い玄関になってしまうということもあるんですね。

玄関をスッキリ綺麗に見せるのがシューズクロークの魅力の1つですが、シューズクロークのために暗い雰囲気の玄関になってしまうというのは避けたいもの。

そのため、シューズクロークを設ける場合は玄関に光が入るのかどうか。

この部分もしっかり確認しておきたい項目です。

 

いくつかシューズクロークのデメリットを見てきましたが、シューズクロークのデメリットのほとんどは使いにくいシューズクロークを作ってしまったことが大きな原因となっています。

では、どうすれば使いやすいシューズクロークにできるのでしょうか?

それでは次にシューズクロークを作る時のポイントについて見ていきましょう。

シューズクロークの大きさ

シューズクロークをつくる時、まず気をつけたいのがシューズクロークの大きさです。

 

木造住宅の場合、基準となる柱と柱の間の寸法が91㎝となることが多く、シューズクロークも同じ寸法を使ってつくられる事が多くあります。

ちなみに、先ほどのシューズクロークがある図面もそのようなつくりになっています。

 

では、シューズクロークの大きさのどこに注目すればいいのでしょうか?

それは、シューズクロークの幅です。

 

木造住宅の場合、91㎝が基準となるとお伝えしましたが、その基準でシューズクローゼットをつくると、実際に使える幅は75㎝ほどになります。

75㎝というと一般的な廊下の幅くらいの大きさです。

shoes2

シューズクローゼットに何も置かないのであれば問題ないのですが、シューズクローゼットには普通、靴を置くことになるので、靴を置くための棚が必要になってきます。

 

では、75㎝という幅のシューズクロークに実際に棚を配置すると、残りの部分はどれくらいのスペースになるのでしょうか?

実際にシューズクロークに一般的な靴が問題無く置ける35㎝くらいの棚を設けると、棚を除いた幅は約40㎝を切るくらいになってしまうんですね。

40㎝となると普通に歩くのは難しく、カニ歩きのように移動する必要が出てくるくらいの幅です。

ちょっと狭いですね。

 

シューズクロークの入口付近であれば多少狭くても大きな問題はありませんが、奥に物を置いたり取り出したりするのは結構大変。

奥まで行きにくいから、取りあえず手の届く範囲に物を置いて、シューズクロークの奥は物置なんてことにもなりかねません。

そのため幅があまり取れないシューズクロークは、入口を真ん中あたりにもってきて奥へあまり行かないで済むようなつくりにしてあげるか、幅を少し広げてあげるのがオススメなんですね。

幅を広げる場合は、20㎝ほど広げてあげるだけでかなり動きやすくなります。

 

また、シューズクロークの幅を1m50㎝くらいにしてあげると、片面に靴を置くだけでなく、通路を挟んで反対の壁にも物を置けるようになるので、かなり使いやすいシューズクロークにする事も可能です。

このようにシューズクロークをつくる場合は、ただ図面にシューズクロークが入っているから安心というのではなく、シューズクロークの幅がどれだけ取れているのか、また棚に靴や物を置いた時に不便が無いかどうかを検討してみるのが大切なんですね。

シューズクロークの扉

シューズクローゼットの扉

シューズクロークをつくる場合、意外と悩むのが扉を付けるのかどうかという点です。

シューズクロークは靴や外で使う物を置くのがメインなので、できればあまり中が見えない方がいいという方も多いのではないでしょうか?

ただ、シューズクロークは意外と扉をつくることが難しい場所でもあります。

シューズクロークは玄関の横につくることが多く、広さにゆとりのある玄関でないと、下手をするとシューズクロークの扉と玄関にある靴がぶつかってしまう何てことが起こることがあるんですね。

 

そんなシューズクロークに扉をつけない場合に役に立つのが、暖簾やロールスクリーン。

暖簾やロールスクリーンはどこでも簡単に取り付けられるのでシューズクローゼットの目隠しにするというケースも多くあります。

色や柄を家のインテリアに有った物にすれば、より家に馴染んだ目隠しとなってくれます。

 

一方、どうしてもシューズクロークに扉を付けてスッキリさせたいという場合もありますよね。

そんな場合はシューズクロークの扉は引き戸にするのがオススメ。

引き戸であれば扉を開けた時も玄関の靴と干渉することもありませんし、雨の日など湿気やニオイが籠りがちな日は開けっ放しにして換気するなんて事も可能になります。

 

反対に、シューズクロークで1番避けたいのは入口にドアを使うことです。

シューズクローゼットは外から帰ってきて荷物や靴を入れる場合か、外に出かける時に使う場合の2パターンありますが、ドアの場合は開き勝手が固定されてしまうので、例えば外から帰ってきたときは使いやすいけども、外出する時は使いにくい(開けにくい)なんて事が起こる可能性が高くなってしまいます。

また、ドアの高さや場所も上手く配置しておかないと、ドアを開けるたびに玄関に置いてある靴にぶつかるなんてことも。

このような影響が出るケースでは、シューズクロークにドアを使うのは避けておきたいですね。

同じようにシューズクロークの扉に折れ戸を使う場合も開けた時に靴にぶつからないか、そして使いやすい方向に開けやすいかを確認しておくのがベストです。

知らないと後悔する!引き戸とドアのメリットとデメリット

 

ちなみに、最初はオープンなシューズクローゼットをつくったけども、後でどうしても扉を付けたいとなった場合、比較的安価で簡単につけやすいのがウエスタン扉を付けるという方法です。

ウエスタン扉とは、西部劇でよく見る酒場の入口で使われている内側にも外側にも開く両開きの扉のことですね。

Photo:http://roomclip.jp/photo/ttCB

シューズクロークにウエスタン扉を付ける場合は足元から天井まで扉をつけなくても、目線として見える部分に扉をつくればシューズクロークの中は見えなくなるので、比較的簡単に取りつけることができます。

シューズクロークの窓

家の窓3

シューズクロークをつくる場合、必ず必要という訳ではありませんが、窓があると日中でも明かりが入るので電気を付けずにシューズクロークを使えるので便利です。

シューズクロークに窓を付けない場合でも、玄関とトータルに考えてできる限り明るさは確保しておきたいですね。

真っ暗な玄関というのは、思っている以上に暗い印象の玄関になってしまいます。

 

また、シューズクローゼットで意外と気になるのがニオイです。

消臭剤を置いておくのもいいですが、できれば開けられる窓、もしくは換気扇を付けてあげると完璧ですね。

もちろん、シューズクローゼット単体でなく、玄関全体で換気できるとベストです。

 

なお、シューズクローゼットに換気扇を付ける場合に気をつけたいのが、換気扇の給気口の位置です。

外から見た時に、玄関扉のすぐ横に給気口があると見た目にも良くないので、外からあまり見えない位置に給気口をもっていきたいですね。

シューズクロークの位置

土間収納

シューズクロークをつくる場合、シューズクロークの位置も意識しておきたいポイントです。

シューズクロークは基本的に収納なので、あまり見せたいものではないですよね。

 

人は第一印象で8割は決まると言われていますが、家もドアを開けた時の最初の印象次第で家に対する印象はかなり変わってきます。

そのため、玄関のドアを開けて真っ先に目に飛び込んでくる場所にシューズクロークをつくるのはできるだけ避けておきたいですね。

 

玄関を開けた時は、「おっ!」と目を引くものをアイキャッチとしてつくってあげられるとベストです。

玄関にアイキャッチをつくるとオシャレな家になります

シューズクローゼットをウォークスルーにする場合

ウォークスルーシュークローゼット

シューズクロークをウォークスルーにすることで、通常の玄関の他にシューズクロークを通って家の中に入れる間取りもよく見かけます。

簡単に言うと、来客用の玄関と日常使いの玄関という2つの動線がある家になるんですね。

場合によってはさらに複数の動線をつくってあげることで、「シューズクローク」 → 「パントリー」 → 「キッチン」というような動線にすることも可能になります。

一度に食品をまとめ買いする場合にこのような動線になっていると便利ですし、家に畑があったり実家から野菜が多く送られてくる場合は土間に野菜を保管しておけると便利ですが、パントリーの一部をシューズクローク続きの土間にしておけると一石二鳥です。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

パントリーを上手く使って収納上手に!おススメの収納方法7選

 

シューズクロークを上手く使う事で、よりあなたに合った生活スタイルに合わせることができるんですね。

 

では、ウォークスルーのシューズクローゼットをつくる場合に注意したい事とは何でしょうか?

それは、玄関、シューズクローゼットそれぞれにある程度の広さが取れているかという点が重要なポイントになってくるということです。

 

ある程度限られたスペースに玄関とウォークスルーのシューズクロークと言う2つの玄関をつくることになるので、下手をするとどちらも幅が狭い残念な玄関となってしまう可能性があるんですね。

シューズクローゼットをウォークスルーにする理由として、メインの玄関はスッキリしておいて、靴が散らかりやすい家族用の玄関は別にしておきたいということが多いですが、メインの玄関は小さくて見栄えがせず、さらには日常使いの玄関も変に小さくて使いづらいという、どっちつかずの結果になってしまう間取りも見受けられます。

 

そのような場合は、いっそのこと玄関を広く取りウォークスルーを止めるだけで、ゆとりのある素敵な玄関に早変わりすることが本当に多いです。

もし、ウォークスルーのシューズクローゼットにすることで小さな玄関が2つできた場合、本当にそれでいいのか一度振り返ってみるのも良いですね。

何度も言いますが、ウォークスルーのシューズクローゼットは玄関の幅がどれだけしっかり取れているか確認する。

これはシューズクロークをつくる時にとても大切なポイントです。

まとめ

今回はシューズクローゼットをつくる時の注意点をご紹介してきました。

シューズクローゼットがあると玄関がスッキリするのでとても重宝しますが、玄関という家の顔になる部分あるので何となく適当につくってしまうと、後で後悔しやすいポイントとも言えます。

また、シューズクロークに何を入れるかによって、必要な広さや奥行きも変わってきます。

シューズクロークが欲しいと言えば、出てくる間取りにはシューズクロークがあることがほとんどですが、そのシューズクロークが本当に使いやすいのかどうか。

使いやすいシューズクロークになるように今回ご紹介したポイントを押さえながら、ぜひあなたにあったシューズクロークをつくってくださいね。

では。

 

玄関についてはこちらも参考にしてください。

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シューズクロークをつくる時は、何に気をつければいい?

  • シューズクロークはできるだけ動きやすい幅にする。
  • 扉をつけるなら引き戸がオススメ。暖簾やロールスクリーンも有り。
  • ニオイがこもりやすいので、明かり取りを兼ねた換気用の窓か換気扇があるとベスト。
  • 玄関に入った時にできるだけ目につきにくい場所に。
  • ウォークスルーにする場合は、幅がちゃんと取れているか確認する。

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人生の一大イベントとなる家づくり。

せっかく家を建てるなら理想の家を建てたいと思いますし、少なくとも家づくりで失敗するのは避けたいですよね。

 

では、「家を建てたい」と思った時、まず何から始めれば良いのでしょうか?

「住宅会社探し?」「お金について考える?」「住宅展示場に家を見に行く?」

 

ちょっと待ってください。

どれも大切なことではありますが、実は家を建てる時にまず重要なのは、まずは家づくりはどのような流れで進んで行って、どのような事をする必要があるのかという「家づくりの全体像」を知ることなんです。

私は建築士として100件を超える方の家を担当し、日々多くの方から家づくりの相談をいただいていますが、良い家を建てられた方というのは最初に「家づくりの全体像」を把握した上で家を建てた方がほとんど。

 

家を建てる時の全体像を知らないまま、何となく流れにのって家づくりをしてしまうと、「本当は〇〇した方が良かったかも・・」と後になって気付くことが多いんですね。

特に家を建てる契約をした後だと、家づくりをやり直すのは凄く大変。

せっかく家族が楽しく暮らすための家づくりなのに、家を建てた後に後悔してしまってはどうして家を建てたのか分からなくなってしまいますよね。

そうならないためにも家を建てる時はまずは「家づくりの全体像」を把握する。

さらには「家づくりの全体像を把握」することで良い家を建てるのにはどんな事が必要なのかが分かるだけでなく、何があなたにとって良い家で何が悪い家なのかの判断もできるようになります。

 

最初に「家づくりの全体像」を把握しているかどうかで、家づくりの質は間違いなく変わってくるんですね。

今回は、そんな家を建てる時の全体像とポイントについてまとめました。

家のプロとして家づくりの現場を日々目にしているからこその情報を書いていますので、これから家を建てたようと思っている方はぜひ参考に、家づくり中の方はぜひ再確認してみてくださいね。

家を建てる時の流れを知る

家を建てる時、まず大切なのは家づくりの流れを知ることとお伝えしました。

例えば、これまで作ったことのない料理を作ろうと思った時は何が必要かあらかじめレシピを調べて買い物に行きますよね。

レシピを調べることで「美味しい料理を作る」というゴールまでかなり近づくことができます。

 

実は、家づくりも同じです。

家づくりのゴールは、家を建てるのが目的ではなくて、家を建ててから楽しく充実した生活を送ることですよね。

そのためには闇雲に家づくりを始めるのではなく、料理のレシピと同じで、「あなたに合った家を建てて充実した生活を送る」というゴールへたどり着くためには、どういう事をして、どういう流れになっていくかという知識を身につけるのが第一歩となるんですね。

このように家を建てる流れを知ることで、おぼろげだった家づくりが具体的に見えてくるようになり、いつ何をすれば良いかが分かるようになってきます。

 

家を建てる時に知っておきたいのは次の13のこと。

  • どうして家を建てようと思ったのか?
  • 家の資金計画について。
  • 家の種類。
  • 家の価格の目安。
  • 家を建てるタイミング。
  • 土地探し。
  • 家を建てる会社の情報収集。
  • 住宅会社を決めるポイント。
  • 住宅会社の担当者との付き合い方。
  • 家の契約。
  • 家の打ち合わせ。
  • 家の間取りのポイント。
  • 家の工事着工 〜 家の完成に向けて。

 

この中に家づくりの全てが入っています。

1つめの項目は「どうして家を建てようと思ったのか?」

12の項目の中でこれだけ疑問形になっていますが、どうして疑問形の物が一番最初に来ているのでしょうか?

それではまず、「どうして家を建てようと思ったのか?」について見ていきましょう。

 

どうして家を建てようと思ったのか?

家を建てたいと思った時、まずは何を最初にすればいいでしょうか?

「住宅会社や住宅展示場に行く事?」、「ネットで家を建てている会社を探して資料請求すること?」

 

どれも家を建てるのに大切なことですが、まだ家づくりの最初の段階で必要なことではありません。

家を建てるのに一番最初にすること。

 

それは、「どんな家に住みたいか」「家で何がしたいのか」をイメージすることから家づくりは始まります。

家が欲しいと思った時に最初にする事

 

例えば、家と同じように大きなお金が必要となる車を買う時の場合でも、車を何のために使うかでも選ぶ車種は変わってきますよね。

とりあえず買い物などに使うための足が必要というのであれば軽自動車でも十分ですし、大人数で遊びに出かけるのが目的であれば何人も乗れる大きな車を、アウトドアが好きで遊びに車を使うのであれば物が多く乗せられてパワフルな走りをするSUVにするなど、「あなたが何がしたいのか」次第であなたに合う車は変わってきます。

 

家も同じなんですね。

家を建てる前に、まずはあなたがどんな家に住みたいのか、そしてどんな生活を送りたいのかをイメージすることで、あなたの家づくりの目指す方向が見えてくるようになります。

もちろん、1番最初ですので〇LDKの家とかオシャレなキッチンを入れたいなど具体的なところまでしっかり考える必要はなく、「どんな家に住みたいか」や、「どんな暮らしをしたいか」など、ざっくりとしたイメージでも十分です。

細かな要望はあとで家のプロがアドバイスを受けながら色々と検討できるからなんですね。

 

また、どんな家に住みたいかイメージするのと同時に、「どうして家を建てようと思ったのか」というのを明確にしておくのも家づくりの中でとても大切なこと。

例えば、「上下階の音を気にせず子供にノビノビと育って欲しいから」とか「安全で健康な家に住みたいから」など、あなたは家を建てるための何かしらの理由があり、それを叶えるために家づくりをしているはずですよね。

家を建てるというのは長い時間がかかるものです。

基本的に家づくりは楽しい物ですが、その中で迷ってしまう事もありますし、悩むことも必ず出てきます。

そんな時、家を建てる前に「どうして家を建てるのか」という理由をしっかり持っておく事で、長い家づくりの中の道しるべとなってくれるんですね。

「どうして家を建てるのか」が明確になっていれば、長い家づくりの中で迷った時でも家づくりの方向性が合っているのかどうかという判断ができるようになります。

 

これらの手順を省略してしまうと、例えば家の要望を伝える時に何だかアヤフヤな事を伝えてしまったり、住宅展示場などで見た「何となく良さそう」という物や、営業マンから勧められるままに家づくりをしてしまうなど、周りの環境に振り回されてしまう可能性が出てきてしまうんですね。

家を建てると言う事は、「選ぶ事」の連続です。

最初の段階でブレない軸を持っておくことで、あなたが納得する家を建てることができるようになります。

そして、家づくりでどれだけ納得できたのか。

これが家ができて住み始めてからの満足度に大きく影響してくるんですね。

 

まずは「どうして家を建てたいと思うのか」。

あなたも家を建てる前に1度考えてみてくださいね。

そして家づくり中の方は家を建てる理由と今の家づくりがブレていないかどうか定期的に振り返ってみるのもオススメです。

家の資金計画について

家のお金

家を建てる前にぼんやりと「暮らしのイメージ」がついてきたら、今度は少し現実的な部分も考えてみましょう。

(イメージばかりだと、どんどん夢が膨らんでいきますので)

 

現実とは、お金のことです。

やはり家を建てるには予算が有ってのものなので、お金という現実的な面も把握しておく必要があるんですね。

家を建てるのにどれくらいの予算が掛けられるのかどうか。

細かい資金計画までは家づくりの最初の段階では必要ありませんが、リアルな予算の目安を実際に考えてみるのは家を建てるのにとても重要となってきます。

 

では、家を建てる時にはお金の面でどのような部分に注意すればいいのでしょうか?

次は家を建てる時の「家とお金」について見てみましょう。

 

家の頭金について

家を建てるのにはある程度のお金が必要となりますが、一般的にはいくらかの頭金と住宅ローンを組んでで家を建てる方がほとんど。

住宅ローンは言わずもがな家を建てるためのローンのことですが、頭金とは住宅ローン以外に用意するお金のことです。

家を建てる人はどれだけ頭金を用意しているかというデータを見ると、全国平均では約500万円ほどの頭金を用意してから家を建てています。

 

そもそも、家を建てるのにどうして頭金が必要かと言うと、家を建てるための費用全てを住宅ローンで賄うというのは難しいという事が挙げられます。

例えば住宅ローンを組むための手数料であったり、家本体を住宅ローンで建てたとしても住むために必要な家具や家電、引越し費用といった物のお金を用意する必要があるなど、家を建てるには現金があると何かと便利なケースがほとんどです。

そのため、500万円前後の頭金を用意される方が多いんですね。

 

ただ、一概に頭金をいくら用意すれば良いという訳ではなく、家を建てるために必要な資金というのは人それぞれで違ってきます。

そんな時に役立つのが資金計画書という物です。

それでは次に家の資金計画書という物について見てみましょう。

 

家の資金計画書

家の資金計画書とは簡単に言うと、家づくりに必要なお金がすべて分かる物で、普通は住宅会社や工務店があなたの予算や建てたい家に合わせて資金計画書を作ってくれます。

そして、資金計画書の中には、建物の金額、外構の費用や家電、家具の予算。ローンの諸経費や土地の金額など、家に関わるほとんどの項目が書いてあります。

(※外構とは庭の工事の事です)

 

資金計画書を見ることで家を建てるのにどれだけのお金が必要で、住宅ローンを組んだ際は月々どれくらいの返済計画になるかというのが一目で分かるようになるんですね。

実は、この家を建てるための総額が分かるというのがとても大切なことなんです。

 

家の予算で意外と忘れがちなのが、「家の本体金額」だけで家を建てることはできないとういう事です。

家は、家本体ができただけでは住むことはできないからなんですね。

家の総額を式にすると、

家の総予算 = 家の本体価格 + 諸経費

という形になります。

 

ちなみに諸経費とは外構、家具家電や家の登記費用、火災保険など、その他もろもろの経費のことを言います。

このような諸費用は、家の価格のおおよそ2割くらいを諸経費で見ておくのがひとつの目安となってきます。

家の資金計画。お金の事を考えてみよう。

家を建てるには費用はどれくらい必要なの?

 

このように家を建てるには家具、家電や外構工事の予算など家に付属するものの予算も必要になってきますし、土地探しからの場合は「土地代」+「家の本体価格」+「諸経費」という感じで全てトータルの予算としてどれくらい使えるかという全体像を捉えるのがポイントになるんですね。

 

住宅会社のホームページやチラシで家の価格が〇〇万円と書かれていたり、坪単価〇〇万円と書かれていることがありますが、それはほとんどのケースで家の本体価格のことで、その金額だけで家を建てられる訳ではありません。

家を建てるためにはそこにプラスして諸経費が必要なことを把握していれば、大体どのくらいの家を建てられるかの1つの目安となってくれるんですね。

坪単価の計算方法とプロでも知らない注意点

坪単価26万円の会社で、坪26万円の家は建てられるのか?建築士が調査した結果をお伝えします

坪単価45万円の会社だと、いくらで家が建てられるのか調査しました

 

また、家は家の大きさと仕様によって金額が大きく変わってくるものです。

あなたが家の大きさを重視しているのか、それとも家の仕様や住み心地を重視しているのかを家を建てる前に把握しておくと、予算配分にメリハリがつきますし、住宅会社探しの時も判断しやすくなりますよ。

小さな家と大きな家、家はどちらがいい?

 

ちなみに、最近の家を建てられる方の要望を見ていると、メンテナンスコストや税金が多く掛かることになる大きな家よりも、家をコンパクトにしてその分、仕様にこだわったりお気に入りの物に囲まれた生活ができる家を希望される量より質を重視される方が多い傾向にあります。

家の種類

「家を建てる」と一言で言っても、実は家の種類というのは1つではありません。

家にはいくつかの種類に分けられるんですね。

家を建てる前にこの家の種類を知っておくというのも、家づくりを後で後悔しないためにはとても大切になります。

あなたが建てたい家と違った種類の家を選んでしまっては、理想の家を建てるのが難しくなってしまうからです。

そして、家の種類の違いは一般の方では気づきにくいため、よく失敗してしまう部分でもあります。

そうならないためにも、ここでは家の種類について勉強していきましょう。

 

家は4つに分けられる

「家」は大きく4つの種類に分けられます。

「建売住宅」、「規格型住宅」、「セミオーダー住宅」、「注文住宅」の4種類です。

言葉を見ただけではどのような住宅かイマイチ分かりにくいですが、意外と種類があるんですね。

それではまず、建売住宅から見ていきましょう。

 

建売住宅

建売住宅はその名のとおり、あらかじめ家を建ててから販売している住宅のことを言います。

建売住宅の場合はすでに家が建っているので、「家を建てる」というよりも「家を買う」という表現の方が近いかもしれません。

 

建売住宅のメリットを見てみると、建売住宅はあらかじめ家の中を見てから購入できるので、新築の家でよくある「イメージと違った」ということがありません。

また、家づくりは半年から1年くらいかかることが多いですが、建売住宅はすでに家が建っているので、すぐに住み始めることができます。引越しを急いでいる方や家に時間を掛けたくない人にとっては建売住宅はメリットが大きいんですね。

大きな土地を仕入れて小分けにして販売するので、なかなか土地が出てこない場所でも手に入れやすいのも建売住宅の特徴です。

さらに、建売住宅は家の価格が比較的安いのもメリットと言えます。

 

その一方、建売住宅のデメリットとしては、多くの人に受け入れられる必要があるので、ありきたりの家になってしまうことが挙げられます。イメージとしては、ちょっと設備が高級な賃貸住宅という感じの家が多くあります。

また、家の工事が終わっているのでコンセントを増やしたいなどの変更はできませんし、家に生活を家に合わせていく必要が出てきてしまいます。

さらには家のつくりも価格なりのことが多いので、家の性能や家がしっかり作られているかどうかが分からないのも建売住宅のデメリットと言えます。

 

ちなみに、建売住宅と似たような名前で「売建住宅」というのもあります。

これは土地を販売してから家の打合せを行って建てる住宅のことです。

土地探しをする時に1度は見かける建築条件付きの住宅なんかは、この「売建住宅」のことなんですね。

建築条件付きの土地を買う時に気をつけたい3つのこと

 

規格型住宅

規格型住宅とは、あらかじめ間取りが決められている家をカタログなどから選んで建てる家のことです。

企画型住宅では間取りや窓の位置などの変更は基本的にはできず、壁紙の色や床の色、設備のオプションなど内装に関係する部分はいくつかの中から選べるというのが一般的となっています。

名前の通り、規格化された家を建てるという訳ですね。

 

企画型住宅の一番のメリットは、間取りが決まっているのでコストと打合せ時間を削減できることが挙げられます。

また、同じ企画型住宅を販売している会社は多いですが、どこの会社で建てても基本的な仕様が決まっているため会社による仕上がりの差が少ないのも企画型住宅の特徴と言えます。

 

反対に企画型住宅のデメリットとしては、土地に間取りを当てはめることになるので、家の配置や窓が必ずしもベストとは言えない位置に配置されてしまうことが多いことが挙げられます。

そのため、複雑な土地や特殊な土地と企画型住宅との相性はあまり良くないんですね。

 

このような特徴のある企画型住宅ですが、最近では見た目もスタイリッシュなのも増えているので、割安な価格と共に人気がある住宅です。

 

セミオーダー型住宅

セミオーダー型住宅とは、家の間取りは設計士や営業マンが作成しますが、家で使える仕様がある程度決まっている住宅のことです。

 

セミオーダー住宅のメリットは、間取りは自由がきくけども仕様が決まっているのである程度安い価格で家を建てられることです。

 

反対にセミオーダー住宅のデメリットを挙げると、間取りに自由がきくので注文住宅との区別がつきにくく、後で「アレっ?」と思ってしまうこともよくあります。

最初の段階では注文住宅とセミオーダー住宅との区別がつきにくいんですね。

また、仕様がある程度決まっているため仕様自体は建売住宅と大差のない家ができてしまうこともあるので、家にこだわりがある方は注意が必要です。

 

間取りはあなたに合った家にしたいけども、そこまで家にこだわりがないという場合はフルオーダーの注文住宅だと少し重たく感じる場合もあり、セミオーダー型の注文住宅が合っているケースが多くあります。

 

セミオーダー型の注文住宅の傾向として、パワービルダーが建てる家はこのセミオーダー住宅であることが多いですし、建築条件がついている場合なんかもセミオーダー住宅である可能性が高くなります。

パワービルダーでローコスト住宅はできるのか検証してみる

建築条件付きの土地は、なんで間取りで失敗しやすいの?

 

注文住宅

その名の通り間取りも内装や外装で使う素材も自由に選べるのがフルオーダーの注文住宅です。

フルオーダーの注文住宅は、本当にあなた好みの家を建てることができるんですね。

そのため家にこだわりのある方にはフルオーダーの注文住宅というのはとても魅力的な選択肢となります。

 

その一方で、何でも自由に決められるということはそれだけ手間と時間が掛かり、選択肢も沢山あるということ。

さらにはいろんな住宅の中で1番費用も必要となってくるので、フルオーダーの注文住宅は少しハードルが高く感じてしまうこともあります。

 

もちろん、何でもかんでも1から決めるとなると相当な時間が必要となってしまうので、注文住宅を建てる住宅会社では通常は基本的な仕様はあらかじめ決めていて、こだわりたい部分の仕様を変えていくのが基本的な注文住宅を建てる時の流れになってきます。

そのため、それまで住宅会社が建ててきた家を見て「この会社の家いいな」と思えることが、フルオーダーの注文住宅が成功するポイントになってくるんですね。

 

時間も手間も予算も必要となってくるけども、あなた好みの家にできるのがフルオーダーの注文住宅です。

注文住宅で失敗しない!後悔しない注文住宅のつくり方とメリット、デメリット

 

ちなみに、私に相談される方で多いのがセミオーダー型とフルオーダーの注文住宅の違いをあとで知ってギャップに困っているというケースと建築条件付きの土地を買われたケースです。

この2つは特に後で思っていたのと違ったということになりやすいので注意してくださいね。

建築条件付きの土地は、なんで間取りで失敗しやすいの?

家の価格の目安

家の種類がいくつかあるように、家も価格によって建てる家が変わってきます。

それでは、実際に家を建てるのにどのくらいの費用が必要になるのかを、30坪の家を例に見てみましょう。

 

ローコストの家を建てるケース

『家の本体価格(1,000万円前半〜中盤)』+『諸経費』=『総額(1,000万円台後半〜2,000万円前後)』

そこまで多くの予算はないけども家を建てたい場合や、家以外に使うお金も考えて予算を抑えて注文住宅を建てる場合、このくらいの価格帯の家を選ばれる方が多いです。

家の種類で言えば企画型住宅やセミオーダー型注文住宅がこのあたりの価格帯でよく見かけます。

 

ローコスト住宅ではいかにコストをコントロールするかが大切になってきますが、家のコストを抑える場合、家の形はシンプルが基本となります。

家は凸凹したり複雑な形になればなる程、コストが高くなっていってしまうからなんですね。

一番安く家を建てる方法をお教えします。コストパフォーマンスの高い家にする秘訣

 

そのため家の形をシンプルな形にして家全体のコストを抑えつつ、その中であなたに合った間取りにしていくのがバランスの良い家にする秘訣となります。

コストを抑えて家を建てる場合、アレもコレもと色々手を加えてしまうのではなく、引き算でいかにシンプルさを上手く引き出せるか、この部分がローコスト住宅の家づくりを成功させるための1番のポイントとなってきます。

 

中グレードの家を建てるケース

『家の本体価格(1,000万円後半〜2,000万円中盤)』+『諸経費』=『総額(2,000万円台)』

ある程度こだわりをもった家を建てる場合、これくらいの予算があるとかなり選択肢が広がります。

家の種類で言うと、規格型住宅、セミオーダー型注文住宅、注文住宅などいろんな種類が混在している価格帯とも言えます。

 

このあたりの価格帯になってくると、無垢のフローリングにしたり壁に塗り壁を使ったり、キッチンのグレードを上げたりとこだわりたい部分に予算が掛けられるようになるのが大きな特徴です。

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また、家の性能にこだわりたい場合なんかも、この辺りのグレードの注文住宅になるとある程度の性能を備えている家も増えてきます。

家をつくる!そんな時ぜひ覚えて欲しい性能の重要なお話

 

その一方で、色んなことを次から次へと盛り込んでしまい、予算オーバーにもなりやすいのもこの価格帯の家を建てる時の特徴です。

そのため間取りの自由度を上手く活かしつつ、仕様は力を入れる場所と予算を掛けない場所などのメリハリをつけてあげることで、あなたにあった家を建てたいですね。

良い家を建てる秘訣!それは本当に必要な物ですか?

 

高価格の家を建てるケース

『家の本体価格(3,000万円〜)』+『諸経費』=『総額(3,000万円〜)』

この辺りの価格帯の家を建てるとなると、間取り、仕様はかなり自由に選べるようになり、予算が増えれば増えるほど選べる選択肢は増えていきます。

家の種類で言えばこのくらいの価格帯であれば注文住宅であることがほとんど。

家へのこだわりがかなり強い方であっても、満足いく家を建てられる可能性がグッと高くなるんですね。

 

家の高級感や質感というのは、使う部材や細部のおさめ方でかなり変わってくるという特徴があります。

そのため、家の価格が上がれば上がるほど、家を建てる住宅会社の家があなたの好みのテイストに合っているかというのも重要になってきます。

高価格帯の家になればなる程、住宅会社選びが家づくりの成功の分かれ道となってくるんですね。

 

そのほか、高価格帯の家では必然的に選ぶ物が増えるので、住宅会社や担当者との相性と言うものもより重要視されています。

 

ここまで大きく3つの価格帯に区切って見てきましたが、記載した総額が家を建てる時の費用の1つの目安となってきます。

 

上の例は30坪の例なので、もう少し大きな家にする場合は、ローコスト住宅で坪30〜40万円。

中グレードの住宅で坪50万円。

高級住宅で坪70万円くらいをプラスすれば、ある程度の目安となってくれます。

坪単価の計算方法とプロでも知らない注意点

 

では、家のお金の目安が出たところで住宅ローンについても少し見ておきましょう。

 

家の住宅ローン

家を建てる方の多くは、住宅ローンを組んで家を建てる方がほとんど。

やはり住宅というのは何千万円もするものなので、現金でポンッと購入されるという方は稀なものです。

そのため、将来の返済プランをきっちり立てた上で住宅ローンを組むことが大切になります。

 

そんな住宅ローンですが、住宅ローンの種類は大きく分けて2つ有り、1つは銀行などの金融機関が融資する「民間融資」と住宅金融支援機構による「フラット35」に分けられます。

金融機関の住宅ローンのメリットとしては、

  • 事務手数料が安かったり住宅ローンの手続きが楽で審査が早いことが多い。
  • 将来他の住宅ローンに借り換えるのも簡単。
  • 固定金利や変動金利などライフプランに合わせた住宅ローンを選ぶことが可能。

この辺りが代表的なメリットとなります。

 

一方、金融機関の住宅ローンのデメリットとしては

  • 様々な住宅ローンが用意されているため、どの住宅ローンを選べばいいのか判断が難しい。
  • 住宅会社や工務店に勧められた金融機関の住宅ローンが必ずしもあなたに合っている訳ではない。

上記のように金融機関の住宅ローンは種類が多く、あなたに合った金融機関の住宅ローンを選ぶためには、いくつかの住宅ローンを比較、検討が必要となってきます。

 

次に住宅金融支援機構のフラット35のメリットとしては、

  • 固定金利で金利が上がずっと変わらないため生涯にわたって返済計画が立てやすい。
  • 繰上返済がしやすい。

ということ。

そのため、固定金利で住宅ローンを組みたいという方はフラット35を選ばれる方が多いです。

(フラット35という名前の通り、35年まで固定金利の住宅ローンを組むことができます)

また、住宅の性能を上げることで金利を低くすることもできるので、高性能な住宅を建てる方にとってもフラット35は相性の良い住宅ローンと言えます。

 

一方、住宅金融支援機構のフラット35のデメリットとしては、

  • フラット35に適用している住宅かどうか審査が必要なため時間が掛かってしまうこと。
  • 土地のみの取得には利用できないこと。

が挙げられますが、家を建てる場合には打ち合わせ期間としてある程度時間が必要となりますし、家を建てるために土地を購入するのでそれほどデメリットにならない点は便利です。

 

以上のような住宅ローンの特徴を踏まえながら、固定金利、変動金利どちらがあなたに合っているかで住宅ローンを選んでいきたいですね。

住宅ローンは変動金利?固定金利?知っておきたい住宅ローンについての考え方

 

ちなみに、どれだけ住宅ローンを借りられるかどうかはその人の会社の規模や勤続年数などいくつかの項目によって決まってきます。

住宅ローンで借りられる限度額の目安としては年収の7倍程度が目安となります。

注意点としては、家づくりをしているとついつい色んな要望を盛り込んで金額が上がっていってしまいがちになりますが、家は建てるのが目的ではなく家が建ってから充実した生活を送ることです。

いっときの流れで借りられるだけ住宅ローンを組んで、生活がアップアップになってしまっては充実した生活を送るのは難しくなります。

そのため、ある程度金銭的な余裕を持った上で住宅ローンを組みたいですね。

家を建てるタイミング

「家を建てるならいつがベストなんだろうか?」

このように思う方も多くいらっしゃると思います。

家を建てるなら、良いタイミングで家を建てたいと思うのも当然ですよね。

でも、家を建てるベストの時期と言われると、いつ家を建てるのが良いのか迷ってしまうこともあります。

 

特に消費税などの引き上げといった税制のタイミングであったり、昔あったエコポイントのような住宅取得支援制度といった目に見えるものから、物価や人件費の上昇などの価格的な理由から早く家を建てた方が良いのか、それとも少し待った方がいいのかなど、いろんな要素があるので家を建てるベストなタイミングというのは判断が難しいもの。

このように家を建てる時期に迷いが出た方にオススメなのが、家を建てる動機を内的要因、外的要因に整理するという方法です。

 

内的要因とは家族が増えて今住んでいる家が手狭になってきたり、お子さんが学校に入学するなどお子さんに合わせたタイミング、その他に家を建てる理由ができた場合など、あなたの状況による要因のことを言います。

一方、外的要因とは増税やオリンピックによる人手不足や物価の上昇など、世の中の流れで変化するもののことが外的要因となります。

 

では、家を建てる時は内的要因、外的要因、どちらの方を優先した方が良い家を建てることができるのでしょうか?

それは内的要因です。

家を建てるタイミングというのは内的要因で決めた方が満足した家になる確率がグッと上がるんですね。

 

その大きな理由は、外的要因は自分でコントロールすることはほとんどできないというのが大きな理由です。

例えば、オリンピックが終われば人件費や物価の上昇が収まって家の価格が下がりそうだからと家を建てるのを待っていたとしても実際に価格の上昇が収まるかどうかは分からない部分がありますし、反対に急いで家を建てたとしても家の価格が少し下がることもあるかもしれません。

このように外的要因で家を建てる時期を選ぶというのは実はとても難しく、外的要因を家を建てるタイミングで最優先にしてしまうと、「もっと待ってから家を建てれば良かった」や、「もっと早く家を建てれば良かった」など、後で後悔してしまう理由にとなりやすいんですね。

 

一方、内的要因で家を建てるタイミングを決めた場合、家を建てる理由があなたの中にあるので外部要因に左右されることなく、あなたが納得したタイミングで建てることができるようになります。

この自分が納得したタイミングというのが家を建てるのにはとても大切で、外部要因合わせて家を建てるよりも家の満足度というのは高くなりますし、外部要因に合わせてタイトな時間で家を建てるよりも家のクオリティが高くなるんですね。

そのため、家を建てるタイミングは外部要因を見るよりも内部要因で選ぶのが正解となります。

 

ちなみに、家づくりをしていると家の間取りと価格が住宅会社と合意した段階で家の請負契約をすることになります。

この請負契約とはその住宅会社で家を建てるという契約になるので家を建てる時の重大イベントとなりますが、場合によってはそのタイミングで契約をかなり急かされたり、契約の段階であなたの予算と家の価格が合わない場合というケースが出てくることもあります。

強引に契約を迫るのは論外だとしても、住宅会社も無料で間取りを作ったり見積もりを作っても会社が成り立たないので契約について話をしたり背中を押すことは悪いことでは全くありませんが、家の契約のタイミングで大切なのがあなたが契約に納得したかどうかということです。

「なんとなく契約を急かされて」や、「今月中に契約すれば値引きしてくれるから」という理由で契約するのではなく、あなたが納得してこの会社で家を建てると決めてから家の契約をするのが重要なんですね。

住宅会社が提示したものに左右されて家を建てるのではなく、あなたが建てたい家を建てられるから契約するタイミングを選ぶことが重要となります。

 

また、価格が合わない場合は他の住宅会社で家を建てるのを検討してみたり、家を建てるのを一度ストップして、時間が経って予算の調整が付くようになってから家づくりを再開するという選択肢もあります。

(実際、家づくりを一度ストップされた方は最終的に良い家を建てられるケースもよく見かけます)

家を建てるタイミングで必ず頭に入れておきたいのが、あなたやあなたの家族が家を建てるのに納得したタイミングなのかどうか。

この部分を意識しておきたいですね。

土地探し

家を建てるには土地が必要になります。

実家を建て直したり、元からある土地に家を建てる場合は土地を手に入れる必要はありませんが、土地探しから家づくりを始める方は、まずは「土地を見つけよう」と思って、とりあえず不動産屋へ行くという方がとても多くいらっしゃいます。

ですが、ちょっと待ってください。

どういう基準で土地を選べば、あなたの理想の家が建てられるか分かりますか?

 

実は土地の見方が分からない状態で不動産屋へ行くのはとても危険なことなんです。

どうしてなんでしょうか?

 

その理由は、「あなた」と「不動産会社」のお互いのゴールが違うからです。

 

不動産会社は土地が売れれば利益が出るので「土地を売る」というのが目的になりますが、あなたは土地を手に入れるのが目的ではなく理想の家を建てるのが目的となります。

ですので、不動産会社があなたの伝えた条件を元に探してきた土地であっても、あなたの建てたい家が建つ土地かどうかは分からないんですね。

 

土地を先に購入したけども、土地にお金を掛け過ぎて家に使える予算が少なくなってしまったことに後で気付いた。

法律の規制が厳しい土地で、思った大きさの家が全然建てられ無かったなど、土地ばかりを優先してしまうと土地と家のバランスが上手くいかないケースがよくあるんですね。

 

このように、土地を売りたい不動産会社と理想の家を建てたあなたとではお互いの目的が違うためにミスマッチが起こりやすくなってしまいます。

 

では、どうすればいいのか?

実は、土地を決めるよりも工務店や住宅会社など家を建てる会社を先に決める方が家づくりの失敗を減らす事ができるんです。

工務店が決まっていると土地を購入する際もどういう家が建つかアドバイスをもらう事ができるので、家を建てるのにすごくお金が掛かってしまう土地であったり、希望の大きさの家が建てられない土地なんかを購入してしまう可能性がとても低くなりますし、さらには条件が悪い土地で候補に入れてなかった土地でも、家の設計次第で実は希望の家を建てるなんてこともあります。

工務店はあなたに合った家を建てるのが仕事なので、土地だけでなく、そこに建てる家のことについても相談することができるようになるんですね。

これは意外と大きなポイントで、先に土地だけを購入してしまい、後で他の土地にしておけばよかったというケースも多く見受けられます。

極端な話、土地はまた売りに出すことはできますが土地の売買に手数料がかかってしまうので、結果、数百万円ものお金がムダになってしまうため現実的ではありません。

 

家を建てるために土地を購入する際は、家のことを相談できる人を味方につける。

これが重要なんですね。

 

このように、家を建てるときは土地を購入する時にどうすればいいか知っているかどうかで、あなたの家づくりを大きく左右するんですね。

どこに住む?土地探しのポイント

突然ですが問題です。土地と工務店どちらを先に決める方が良い?

土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

 

また、土地には建ぺい率や容積率など、家を建てるのに影響がある専門用語があるので、頭の中に入れておくと土地探しの失敗が少なくなります。

建ぺい率を知らずに土地を買ってはダメ?知っておきたい建ぺい率の事。

容積率って実はこんなに重要です。知ってました?

あなたの土地が狭くなる?道路のセットバックについて解説します

旗竿地って何?旗竿地を買う前に注意したいポイント【絶対保存版】

 

建築士として多くの方の家づくりに関わってきた中で、土地探しは家を建てる立場の人に立ってアドバイスできる人がいるかどうかで土地の選びやすさというのは相当変わってくるというのを日々肌で感じています。

家づくりのプロを味方につける。

理想の家を建てるなら、ぜひこの部分を意識しながら土地探しをしてくださいね。

家を建てる会社の情報収集

家の情報収集

「暮らしのイメージ」「家の予算」などがある程度決まったら、いよいよ住宅会社探しの開始です。

あなたの理想の家を建ててくれる住宅会社の探してみましょう。

 

でも、闇雲に探してみたり、住宅展示場へ何も準備せずに行くのはあまりオススメではありません。

まずはポイントを押さえた情報収集から始めてみると、貴重な時間を効率的に使うことができますし、営業マンに言われるまま家を建てるということも防ぐことができるんですね。

 

家を建てる時、何を基準に見れば良いかという「物差し」を持つことで、言われるまま家を建てるのではなく、あなたに合った家を建てることができるようになります。

このことを家を建てる前に知っているかどうか。

これも家づくりを成功させるためにとても大切なことです。

家を建てるための「物差し」を持っていれば、家づくりで迷った時も「何で家を建てようと思ったのか」という初心に返ることができます。

 

このような物差しを身につけるには家づくりの最低限の知識が必要になりますが、世の中にはいろんな情報が溢れていますし、中にはただの素人が書いているウソか本当かよくわからない情報もあります。

限られた時間を最大限有効に使うには、有益な情報をいかに効率的に身につけらえるかというのも重要になります。

これまで100を超える家を建ててきた建築士の視点から見た家を建てるのに必要なことは全てこちらにまとめていますので、気になる部分だけでも目を通してみてくださいね。

まるで教科書!理想の家を建てる方法【絶対保存版】

300時間も得をする!住宅会社を探す時の秘訣

住宅展示場へ行くのはちょっと待って!

 

ちなみに家を建てる場合は大きく分けて3つの依頼先に分けられます。

  • ハウスメーカー
  • 工務店
  • 設計事務所

の3つです。

 

この3つの違いを簡単に説明すると、ハウスメーカーはCMなどでよく見かける名前の知られた会社が多く、大手の安心感やブランドに魅力を感じる方はハウスメーカーを選ぶ方が多いです。

一方、価格の高さや自由度という点はデメリットになるケースがあります。

 

工務店は昔からやっている地域の工務店から新鋭のデザイン性の高い工務店まで様々。

工務店によって個性があり、あなたに合った工務店と出会えればとても満足行く家を建てることができる一方、レベルの低い工務店も混じっているなど工務店選びの目利きがより問われることあります。

 

設計事務所で家を建てる場合は家の設計、監理を建築家に依頼し、工務店が家を建てるという流れになります。

良くも悪くも建築家次第なので、相性が良い建築家と組んで家を建てられるかどうかがとても重要になります。

 

ちなみに、建築士の私の個人的なオススメ順に並べると、工務店、設計事務所、ハウスメーカーという順番となります。

最近はデザイン、性能にこだわった面白い特徴のある工務店が増えてきているのが大きな理由です。

ハウスメーカー、工務店、設計事務所の特徴をつかんで、あなたに1番合いそうな依頼先を選んでくださいね。

工務店とハウスメーカーの違いについてまとめました

設計事務所って実際どうなの?家を建てる前に知っておきたい住宅業界。

 

住宅会社を決めるポイント

情報を集めた後は、何社か気になる会社をピックアップしていき、いよいよ住宅会社を見に行くことになります。

住宅会社へ行く際は何も連絡せずに飛び込みで行くことも可能ですが、対応できるスタッフが出払っていることもあるので、予約してから行くのが1番確実です。

ただ、「まだその会社のことはよく分からないし、予約までするのもちょっとなぁ・・」というケースもあると思います。

そういう場合は、その住宅会社が開催している見学会などのイベントに参加してみるのも1つの方法です。

イベントなので実際に家などを見ることができますし、何人も参加するので比較的気軽に参加することができますよ。

 

住宅会社を見る際は、気に入った住宅会社があったからと言って1社しか見ないのではなく、複数の住宅会社を見てみるのがポイント。

いくつかの住宅会社や工務店を見ることで住宅会社を見る目も養われますし、あなたの中での住宅会社の基準もしっかり持つことができるようになるんですね。

 

もちろん、住宅会社へ行ったとしてもただ言われるがまま闇雲に家を見るだけでは、何が良いのか判断するのが難しくなってしまいます。

そのため、まずは住宅会社を見るときのポイントを知っておくのが重要。

明確な見るべき所を知っていると何社か見比べた時にも評価しやすくなります。

住宅会社を決めるために知っておきたい3つのポイント

 

ここまで住宅会社を選ぶ基準をご紹介してきましたが、どうして住宅会社を見る目を養う必要があるかというと、あなたに合った家を建てるためには、住宅会社選びがとても重要だから。

 

たとえば、平均点で60点の家を建てる住宅会社が普通に家を建てれば60点の家が建つことになりますし、平均で80点の家を建てる住宅会社で家を建てると80点の家が建つことになります。

実はこの違い、意外と大きな違いが出てくるんです。

 

たとえば60点の家しか建てられない住宅会社で家を建てると、家の打合せを一生懸命して80点まで届くかどうか。

一方、平均点で80点の家を建てる住宅会社であれば普通に家を建てるだけで80点の家ができますし、もっと力を入れれば90点や100点に近い家を建てる事も可能になります。

住宅会社のレベル次第で、どんな家を建てることができるかというスタート地点が大きく違ってくるんですね。

「良い家」を建てるなら、レベルの高い住宅会社で家を建てるというのが大前提となります。

(これは家を建てるのに本当に重要なポイントです)

 

次に大切なのがあなたと住宅会社の相性。

どんなに良い家を建てる住宅会社で家を建てたとしても、その家があなたに合った家かどうかは分かりませんよね。

80点の家を建てる住宅会社が建てた家でも、あなたに合ってなければその家は70点にも60点にもなってしまいますし、その逆で相性がよければ90点や100点に限りなく近い家を建てることも可能になります。

例えば、あなたが家の性能を重視しているのにデザイン中心の住宅会社で家を建てるとミスマッチが起こってしまいますし、担当者との相性が悪ければ家づくりの打合せでストレスを感じる事もあれば、家が建ってからも何だか気持ちの面でスッキリしないなんて事もあります。

料理で例えると、住宅会社が素材であれば、住宅会社との相性は味付けみたいなもの。

住宅会社との相性が良いことで、「良い家」が「あなたに合った良い家」に変わるんですね。

 

この住宅会社のレベルと相性というのは、私が建築士として日々家を見ている中ですごく重要だと感じることで、家を建てるなら必ず知っておいて欲しい事と言えます。

良い家を建てられる人と、良い家を建てられない人の違い

住宅会社の担当者

住宅会社に訪れると、普通は住宅会社の担当者があなたに付くようになります。

よくあるケースとしては始めに話をした営業マンがあなたの担当者となることが多いですが、家を建てる場合は営業担当者だけでなく設計担当者や工事担当者、会社によってはインテリアコーディネーターなど、家に関わるエキスパートがチームを組んであなたの家づくりのお手伝いをしていくことになります。

最初は営業マンだけですが、打合せが進むごとにあなたの担当者が登場してくるんですね。

家を建てるには時間が掛かるもの。

そのため住宅会社だけではなく、どんな人が担当者になるかも理想の家を建てるためには重要なファクターとなってきます。

 

そんな担当者の中で重要な要素が「人間性」「実力」「相性」の3つです。

 

人間性については当たり前のことですが、誠実で約束をしっかり守る担当者の方が確実に満足度の高い家が完成します。

例えばお施主さんをお金や成績としか思っていない担当者なんて嫌ですよね。

また、家を建てるのには何度も打合せを重ねることになるので、時間や連絡事項などの約束がルーズであったりすると、当初思っていたよりもストレスになることもよくあります。

(これは本当によく聞く話です)

やはり基本的な人間性がしっかりしていて信用できる担当者。

これが1番になります。

住宅営業マンの役割とは?理想の営業マンの見つけ方

 

次に実力。

経験ではなく実力と書きましたが、経験が長いから良い担当者とも一概に言えないので、このような表現をしています。

たとえば、普通の住宅会社であれば担当者が新人であっても周りのフォローが付くので、意外とトラブルになることは少ない傾向があります。

その一方で、経験が長くてもあまり良くない担当者というケースもよく見かけます。

 

また、担当者の職種によっても必要な実力は大きく変わってきます。

営業マンであれば、段取りが悪いくらいで何とか納まることもありますが、設計担当者の実力が低い場合は結構辛いケースが多くなりがちです。

本当は家づくりのプロに提案して欲しいのに、例えば間取りの打ち合わせでカウンターを付けたいと言ったらただ図面にカウンターを描くだけで、カウンターを付けるメリットやデメリット、他の代替案の提案がほとんどなければ、何のために設計士と打合せしてるのか分からなくなりますよね。

家を建てるには設計者の実力というのはとても大きな要素となります。

しっかりした腕を持っている設計士に間取りを作ってもらうのも、良い家を建てるためにはとても大切です。

危険な間取りの3つの特徴。あなたの設計担当者はこんな人ではないですか?

 

最後に、担当者との相性について。

簡単に言うと担当者との相性が良いと、家づくりがとても楽しくなります。

家づくりは時間がかかるものなので、家を通して人との繋がりができるようになりますが、やはり相性が良いとその繋がりはより楽しくなります。

また、家を建てた後も家はアフターメンテナンスなどが必要になりますが、そんな時も安心感を持てるようになります。

一生で一度あるか無いかの家づくり。

せっかくなら楽しみながら、あなたに合った家を建てていきたいですね。

家の打合せは楽しいですか?打合せの楽しさで家の完成度は大きく変わります

家の契約

住宅会社を1社に決めて家の間取りや仕様がまとまると、いよいよ家の契約です。

家の契約は人生に1度あるか無いかくらいという方がほとんどですので、家の契約って何をするのかよく分からなくても当然。

ただ、契約書に一度はんこを押してしまうと、その効力は非常に大きいものになります。

(契約後に家を建てるのを解約しようとすると、100万円単位の費用が掛かってしまいます)

 

でもご心配なく。

家を契約するときに注意したいポイントを押さえておけば何も心配することはありません。

逆に、一生にあるかないかの家の請負契約を楽しんでみてくださいね。

ついに家を契約!注意したい3つのポイント

 

一方、家の契約で注意しておきたいのが、値引きなどの理由を付けて契約の中身や家の仕様をよく分からずに契約してしまうということ。

(実際にあなただけに特別な値引きをしてくれるというのはかなり特殊なケースです。全ての人に同じように言って値引きしているのかもしれませんし、そもそも最初の提示価格が値引き前提の提示価格なんてこともあります)

家は値引きしてくれるもの?

 

私は多くの方の家づくりを見てきましたが、契約内容をよく確認せずに契約し、契約後に「こんなつもりでは無かった」と初めて知ったという方はとても多くいらっしゃいます。

家を建てるという場合、完全に自由にできる注文住宅から、仕様がある程度決まっているセミオーダー住宅、間取りに制限がある企画型住宅など、家の種類もいくつかあります。

家の種類を納得して契約していれば問題無いのですが、契約後に家を建てるのにいろいろと制約があるのを知った場合はどうなるでしょうか?

「こんなはずでは無かった」と思ってしまいますよね。

同じように家の契約後に何が変更できて、何が選べるのか。

この部分を明確にしてから家を契約するのがとても大切なんですね。

 

特に建築条件付きの土地を購入して家を建てる場合は上記のようなトラブルがかなり多いので、建築条件付きの土地で家を建てる場合はどこまで希望の家を建てる事ができるのか確認しておくことが、あなたに合った家を建てるための必須項目となります。

失敗に注意!どうして月末に家の契約を迫られることが多いの?

あなたに合っている家はどれ?家は注文住宅だけでは無いんです

建築条件付きの土地を買う時に気をつけたい3つのこと

 

ここまで読んでいただいたあなたは、ただ家を建てるのが目的ではなく、家を建てた後にどんな楽しい生活が送れるかが目的であることを知っています。

そんな楽しい生活を家を建てることで叶えてくれる住宅会社や工務店なのかどうか。

値引きなど目先の物に惑わされるのではなく、その部分をしっかり確信してから家の契約に望みたいですね。

家の打ち合わせ内容

「家を建てる」ということは建売住宅を買う訳ではないので、家の打合せと言うのが必ず必要になってきます。

でも、家の打合せってどういうことをするのかあまりイメージが湧かない人も多いのではないでしょうか。

 

私も家の設計という仕事をしていなければ、おそらく「何となく間取りを決めれば家が建つんやろうなぁ」くらいに思っていたと思います。

家を建てるためにどんな事を打合せするのか。そして、その期間はどれくらい必要な物なのかを頭に入れておくと、家の引渡までの予定がスムーズに立てられるようになります。

特に、いつまでに引越したいという希望がある場合は、どれくらい家づくりに時間がかかる物なのかを把握しておくのはとても重要なことなんですね。

家を建てる前に引越しの時期が決まっているなら、その時期から逆算していくと、いつまでに何をしないといけないかが明確になってきます。

家の打合せ内容。何をするの?

3月に引越すなら、いつから家づくりを始めればいいの?

 

では、家を建てるときの打合せについて具体的に見ていきましょう。

 

住宅会社に最初に行った時、そこでいきなり間取りの詳しい話になるということは稀で、最初はその住宅会社がどんな会社か、またどんな家を建てているのか、さらには全体の資金計画など、家づくり全体の話になることが一般的です。

そしてその後、いよいよ家の間取りの打合せに入っていきます。

 

家を建てる時の具体的な打合せというのは簡単にまとめると、「家の間取り」と「仕様」を決めれば、家を建てる事ができるようになります。

そして、基本的には家の間取りを決めてから家の細部の仕様を決めるという流れで打合せは進んで行きます。

それでは、間取りと仕様の打合せのポイントについて見てみましょう。

 

家の間取りの打合せ

家の間取りの打合せの場合、あなたの希望をヒアリングしてから設計士(または営業マン)が間取りを作成し、何度か打合せすることで間取りが確定するというのが基本的な流れになります。

そして、この間取りのクオリティは間取り作る人によって大きく変わってきます。

 

例えば、設計士がヒアリングをして間取りを作ることもあれば、営業マンがヒアリングをして間取りを作ることもあります。

でもよく考えてみてください。

設計士は間取りを作るプロですが、営業マンは家づくり全体を見ることに関してはプロですが、間取りに関してはプロではありません。

(中には間取りのセンスがとてもある営業マンもいますが、10人に1人か2人くらいです)

 

この時点で出てくる間取りのクオリティが違ってくるのがお分かりになるのではないでしょうか?

 

その他には営業マンがヒアリングをして設計士が間取りを作るというケースも有ります。

その場合、営業マンがただ要望をメモして設計士に伝えるのか、それとも要望を詳しく聞いた上で設計士に伝えるのかでも間取りの質は違ってきます。

どちらが良いかは簡単に分かりますよね。

家の要望はただの伝言ゲームではありません。

「〇〇したい」という要望の背景にある本当の目的が設計士まで伝わることが大切なんですね。

 

ただのご用聞きなのか、それともあなたの理想の家のことを詳しくヒアリングしてくれるのか。

ヒアリング次第でもその会社の設計力を計る事もできます。

 

また、同じ設計士でも提案をしてくれる設計士と、あなたが言った事しかしてくれない設計士というように、設計担当者次第でかなり違いが出てきます。

例えば、間取りが出てきて「次回に変更点を言ってください。その変更をして間取りを確定します」と言われても困りますよね。

「変更が無ければそれで間取りが確定」と言われても何が良くて悪いのかはよく分からないものです。

やはりプロとしての提案が有るか無いかは、家を建てるのに大きな分かれ道となります。

 

本当は間取りの中で気になる点を聞いた上で、その問題を解決するための提案や、変更した場合のデメリットの方が大きいのであればデメリットを踏まえてどうするかなど、しっかりした対話があった上で納得した間取りができあがります。

あなたの打合せしている会社が間取りに対してどんなスタイルなのか。

この辺りも踏まえながら住宅会社選びを行いたいですね。

危険な間取りの3つの特徴。あなたの設計担当者はこんな人ではないですか?

営業マンの作る間取りと設計士が作る間取りの違い

 

家の仕様の打合せ

間取りの次は仕様の打合せについて見てみましょう。

仕様の打合せの場合、どの会社でも基本仕様という物が有り、その基本仕様からどこまで変更できるかというのがポイントになってきます。

例えば、あなたが無垢材のフローリングを使いたいけれども、無垢材が使えない会社であったり無垢材をあまり使わないのでとても割高な無垢材のフローリングしか使えないなんてことになると本末転倒になってしまいますね。

おしゃれな家は皆使っている!おすすめ無垢フローリング12選【保存版】

 

あなたが目指すインテリアや内装があるなら、その雰囲気を持った家を建ててくれる住宅会社を選ぶのが第一歩となります。

 

ちなみに、デザインにこだわりのある方は、ある程度デザインのセンスが合う会社で家を建てるのがお勧めです。

デザインは細部のつくり方で変わってくるため、例えば「この写真どおりの内装にして欲しい」と言っても同じように作るのは中々難しいものなんですね。

 

また、そこまで内装にこだわりが無くても、オシャレに見える家の基本を知っていれば、仕様の選び方次第で家の雰囲気は「アパートとあまり変わらない家」から「オシャレな家」に早変わりします。

せっかく同じ家を建てるのであれば、オシャレな家を目指したいですよね。

仕様選びのポイントを押さえることで、家はグッとオシャレに変わります。

オシャレに見える家とオシャレに見えない家の違いって何?

 

ここまで、家の間取りと仕様の打合せについて見てきました。

この打合せ内容のタイミングというのは住宅会社によって様々で、例えば家の契約前に間取りや仕様など様々なことを決めてしまう住宅会社もあれば、契約後も間取りの打合せを行う会社もあります。

また、家が着工する前にすべてを決める会社もありますし、家の着工後に内装や外壁の打合せをする会社もあります。

 

これは住宅会社のスタンスになるので、打合せのタイミングは住宅会社に合わせる形になりますが、大切なのはいつまで何の変更が可能なのかどうかを必ず確認するという事。

しっかり確認をしていないと、例えば「家の契約後も間取りの変更が可能と思っていたけども、実は窓くらいしか変更できなかった」何てことも普通に起こってしまうんですね。

 

さらには、家を建てるというのは大きな決断の連続です。

そのため、ついつい後まで引っぱりがちになってしまいやすいですが、その変更の期日を知っておかないと、後で決めることが多くなり過ぎてパンク状態になってしまうことも有りえます。

そうならない様、いつまでに何を決めるのか、また変更可能なのかを最初に確認して、後悔をしないようにしないようにするのが大切なんですね。

家の間取りのポイント

理想の家を建てる時に、かなりのウェートを占めるもの。

それが家の間取りです。

 

間取りとは、新しい家であなたの理想の生活を叶えるためのもの。

そのため、家の間取りはあなたの希望が叶っている間取りになっている必要があるんですね。

 

では、どうすればあなたの希望が叶っている間取りができるのでしょうか?

その答えは、あなたの話にしっかり耳を傾け、あなたの事を理解しようとしてくれる人に間取りを作ってもらうということです。

 

例えば、あなたがこんな間取りにしたいという要望を書いた物を担当者に渡しただけだとどうなるでしょうか?

その紙にLDKに20帖欲しいと書いていたとします。

でも20帖とひと言で言っても、その20帖の中にどんな家具を置くかでもLDKは変わってきますし、リビングとダイニングは一体で良いのか、それとも緩やかに区切れる方が良いかというように、どのような生活をしたいかでもLDKの形は変わってきます。

もしかしたら、あなたの希望を叶えるためには20帖よりも広いスペースが必要かもしれませんし、LDKはコンパクトにしても他に寛げるスペースが有る方が、あなたにとっては価値が有るかもしれません。

このケースでは、「そのLDKでどんな生活を送れると楽しいのか」という本当に家を建てるのに大切なことではなく、20帖という「数字」だけがクローズアップされてしまっているんですね。

 

あなたが「こんな家を建てたい」と伝えたことに対して、どうしてそう思うのか。

この部分をしっかり聞いてくれた上で出てきた間取りと、そうでない間取りのクオリティの違いというのは大きく違ってきます。

 

あなたの事をよく分かってくれる人が家の設計をすること。

まずはこれが家の間取りで1番大切になるんですね。

営業マンの作る間取りと設計士が作る間取りの違い

「こんな家にしたい」という要望だけしか伝えていませんか?

設計士さん次第で、どうしてこんなにも違うの?その理由をお答えします。

家は「性能」?それとも「間取り」が大切?

 

こうして間取りが出てきた後は、今度はその間取りがあなたに合った間取りなのかどうかを確認していくことになります。

家の間取りというのは沢山の要素からでき上がりますが、誰でも必ず確認しておきたいポイントという物もあります。

家を建てるなら、少なくとも明るくて家事もしやすい家にしたいですよね。

まずはその間取りが生活しやすい家なのかどうか。

ここを必ずチェックしておくと、あなたの理想の家を建てられる可能性がグッとあがります。

その間取りは動線が考えられていますか?

間取りの善し悪しを簡単に見分ける方法

あとで後悔しない!家で暗くなりがちな場所3選

 

また、間取りの打合せをしている時、何度打合せをしていてもイマイチしっくりこないケースもあります。

そんな時は、そもそも打合せをしている間取り自体があまり良くないため、あなたの理想の間取りにならないケースがほとんど。

そのため1度スタートに戻って間取りを見直してみるのが、とても有効な方法です。

間取りが上手く行かないのはゾーニングが原因かもしれません

 

最後に、どうせ家を建てるなら少しでもオシャレな家にしたいですよね。

実はオシャレに見える家とオシャレに見えない家では法則があります。

オシャレはセンスの部分もありますが、オシャレに見える法則を知っておくことで、あなたの家は見違えるほど変わるようになります。

オシャレに見える家とオシャレに見えない家の違いって何?

 

家の間取りは、家を建てる時のハイライトと言えるものですし、本来は家の間取りの打合せはとても楽しいもの。

でも、間取りが楽しくなるかどうか、あなたの理想の間取りかどうかは、間取りの打合せで何が大切かを知っているかどうかで大きく変わってきます。

家の間取りを楽しめるよう、家の間取りについて一緒に勉強していきましょう。

理想の家を建てるために必ず知っておきたいこと【絶対保存版】

 

ちなみに、間取りと予算について少しだけアドバイスを。

間取りを確定させる時、予算いっぱいまで使ってしまうのではなく、少し余裕を持っている方が満足いく家を建てられる確率はグッと上がります。

間取りで予算がいっぱいになってしまうと、仕様の打ち合わせで選択できる物が減ってしまったり追加したい物が追加できなくなってしまうからです。

実は、このちょっとした追加が家の質や見た目、満足感のアップにかなり影響してくるんですね。

 

何か追加したくても全て追加できないというのは思ったよりも辛いもの。

そのため、仕様選びも楽しめるように少し予算に余裕を持っておくことが、楽しく家を建てる秘訣となります。

家の工事着工 〜 家の完成に向けて

家の打合せが終わると、いよいよ新しい家の工事がスタート。

家の工事前には地鎮祭、家の工事中にも上棟式などのイベントがある工務店もあるので、しっかり押さえておきたいですね。

特にお子さんがいる家庭では、家を建てる時のイベントというのは大人になっても良い思い出になるものです。

建物着工〜引渡しまでのイベント

 

また、良い家を建てる人というのは、工事現場の職人さんとの関係も良好なことがほとんど。

職人さんとの関係を良くする方法は下の記事を参考にしてくださいね。

家の建築中はお茶を持って工事現場へ行くと良い理由って何?

 

その他、家は工事が進めば進む程、何かを変更するというのが難しくなってきます。

気になることがあれば、早め早めに対応するのも大切なことになってきます。

家を建てている時に何か気になる事が合った場合は、担当の営業マンか現場監督にすぐに伝えるのが大切なんですね。

窓を変更したいんですが、着工後の変更はどこまで可能なんでしょうか?

 

また、家は建てるだけで終わりではなく、庭の工事(外構工事)や家具、家電も引越すまでに揃えておきたいもの。

外構工事次第で家の見た目はかなり変わってくるので外構工事の打合せは早めに行いたいですし、外構工事が終わらないと庭に車を止めることもできないので引越しのスケジュールに影響したり、家が建っても外構工事が終わるまで駐車場を別に借りる必要が出たりなど、意外と影響は大きくなります。

外構工事の段取りは早めにして、バタバタしがちな引越し時期に影響が無いようにしておきたいですね。

住宅会社が外構工事もやっている会社もありますし、住宅会社が外構工事を手がけていないので外構業者を紹介してもらったり、探す必要があるケースもあります。

家の契約段階で、外構工事は誰に依頼する流れになるのか確認しておくと、外構の打合せもスムーズに進みます。

外構のデザインで家の外観は驚くほど変わる

外構(庭)の打合せはいつ頃すればいい?

 

その他、家具なども納期が意外とかかる物もよくあります。

ベストは家の間取りの打合せをしているタイミングで家具を決めて、家の工事が始まったと同時に発注して引越しと同時に納品という流れですが、遅くとも引越すタイミングで家具が入るように手配しておきたいですね。

早めにどんな家具を入れるか検討しておけるとベストです。

お洒落な家具や雑貨が見つかるおススメのインテリアショップ19選

 

家の工事が進むと、いよいよ家の完成、引き渡しとなります。

家の完成前後は家の決済や施主検査、引越しなど、いろんなイベントが重なる時期にもなり、予想以上にてんてこ舞いとなってしまうケースも多く見受けられます。

忙しさのあまりに夫婦喧嘩なんてことになると、もったいないですよね。

引き渡し、引越しのスケジュールは営業マンに相談しながらしっかり段取りをつけられると1番スムーズです。

せっかくの新しい家での新しい生活なので、スタートから気持ちよく新生活を始めたいですね。

転居の手続き一覧。新しい家に引越しする時に必要な8つの事。

家の完成

長かった家づくりも、ついに終了です。

「家を建てる」と思った時から、今までの家づくりが懐かしく感じられることだと思います。

でも、家は完成して終わりではなく、家は完成してからが本当のスタートです。

ぜひ理想の家を建てて充実した人生を送ってくださいね。

家は建てるのが目的ではありません。 家族が楽しく過ごすための物です。

 

まとめ

今回は「家を建てる」と思った時から家が完成するまでに知っておきたい家づくりの流れをご紹介しました。

これまで私は建築士として多くの方の家づくりを見てきましたが、家を建てる前に家を建てる時の流れをあらかじめ把握しておくことで、完成する家の質は間違いなく上がります。

(例えば、ここまで記事を読んでくれたあなたと、この記事を読まずに家づくりをしていたあなたでは大きく違いがあるはずです)

 

1番のベストは家を建てる前に、有益な情報を手に入れて頭の中に入れておくこと。

そして、家を建てるため全体像を知っておくと言うこと。

 

もちろん、全てを覚える必要はありません。

家づくりは選ぶことの連続です。

家を建てる時に何かに迷った時、そういえばこんな情報があったなと思い出せることができれば、あなたの判断の質は大きく向上します。

これから家づくりをされる方はもちろん、今、家づくり中方も、ぜひ1度家づくりの全体像を把握してみて、迷った時はどうして家を建てようと思ったかを振り返ってみてくださいね。

そうすることであなたの建てる家はクオリティは間違いなく上がります。

 

また、もっと詳しい家を建てるための知識を知りたい方は、こちらにかなり詳しいまとめ記事がありますので参考にしてくださいね。

まるで教科書!理想の家をつくる方法【絶対保存版】

 

家のことを効率的に勉強して、一緒に楽しい家づくりをしていきましょう!

では。

 

土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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行列ができる間取り診断

これで失敗しない!家の照明プランのチェックポイント

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家づくり中のみなさま、こんにちは。ed-commons(江戸小紋)小林です。

家づくりの打合わせにはいろんな項目があり、照明器具を選ぶのも家づくりの打合わせの1つになります。

そんな照明器具の打ち合わせをする際、通常は設計士さんやインテリアコーデイネーターさんから照明プランというものを提案され、その照明プランを元に家の照明器具を決めていきます。

(照明プランとは上の画像のような物です)

 

そんな照明プランですが、数々の照明器具の仕様や点灯時のイメージ写真だったり、家の図面上に線と点が行き交う配線図もついているものなのですが、正直、何をどう見たらこの照明プランが優れているのかわからず難しく思うかもしれません。(安心してください、皆さんそうです!)

そこで多くの方は、照明器具の写真の印象でこのプランの良し悪しを決めるのではないでしょうか。

 

でも照明プランには、照明器具のデザインの他にも大切な情報がたくさん詰まっています。

それを知らずに器具のデザインだけで判断してしまうのはもったいない!

そこで今日は、照明プランの見方について見ていきましょう。

良い照明プランって?

みなさん、照明器具を選ぶ基準は何でしょうか?

照明器具のデザイン?色?明るさ?

 

実は、プロが照明器具をご提案する際に選ぶ基準としては主に、

  • 照明環境の広さや使用用途
  • 配灯環境(天井付けなのか、壁付けなのかなど)
  • 今までのお住まいの照明環境
  • 照明器具の照度(明るさ)
  • 照明器具の色温度(光の色)
  • インテリアデザインにマッチした形状

このような基準を元にして照明器具をご提案しています。

 

良い照明プランは、「お客様がどのような明かりが好みで」「どんな環境で使用して」「どの程度の明るさが必要なのか」を把握してからそのインテリアに似合うデザインを選んでいきます。

最終的に照明プランの良し悪しは、実際に家が完成してお家に住んだ方の明るさを感じる感覚によって左右されることも多く、「ちょうどいい明るさだ」「明るくしたい場所がしっかり明るくなっている」とご満足いただけることが大切です。

 

たとえば「この照明器具のデザインは素敵だけど、室内が思っていた以上に暗く感じる」ということになったらがっかりですよね。

せっかくカスタマイズして自分たちだけの照明プランを作ってもらったのに、照明器具を買い足すか、照明の点灯数を減らすかで対応することになります。

 

もちろん、明るさの感覚は個人ごとに違うので、明るい明るくないという判断は非常に難しいですが、「思っていた以上に暗い」「思っていた以上に明るすぎる、まぶしい」という感覚は、住む方に多大なストレスを与えてしまいます。

明るさの好みというのは、本当に人それぞれ。

このため、照明プランを作成する前に今のお住まいで使っている照明器具や好みの明るさや光の色を事前ヒアリングし、お客様に最適な環境や仕様を把握してからインテリアデザインにマッチした照明器具というのをご提案していったほうが満足されるプランができやすいんですね。

(もちろん、最初に一般的なたたき台をご覧いただいて修正していくケースもあります)

照明プランで見るべきポイント

では次に、照明プランの中で見るべきポイントと見方についてご紹介します。

まず、照明プランの作成者は、主に3パターンにわかれています。

  • 大手照明メーカー
  • 照明デザイナー、照明士
  • 設計士やインテリアコーディネーター

大手照明メーカーさんはショールームや問い合わせ窓口でも照明プランの作成を受けてくれるので、お客様ご自身が電気図(平面図に電気配線が描かれている図面)や平面図と一緒に、予算やインテリアイメージを伝えて依頼するケースもあります。

昔はA2サイズの大きな厚紙ボードに図面や照明器具の写真を貼った照明プランをお客様にお渡しするのが一般的でしたが、最近はパソコンで作ってA3サイズの紙でお渡しするようなケースも増えてきました。

 

照明プランは、お家の平面図と照明器具の仕様が点(照明の配灯位置)と線で結ばれて「ここの照明配線はこの照明器具を使います」というのが示されています。または、線ではなく平面図と仕様に番号を振り、番号で紐づけて説明しているプランもあります。

照明器具の仕様には商品の写真とメーカーの品番や定価をはじめ、たくさんの情報が載っています。このうち、値段については、ハウスメーカーや工務店からの仕入れの場合は変動することがありますので、別途見積もりが付いてくるケースもあります。

 

以上を踏まえた上で、照明プランの中で見るべきポイントと見方についてご紹介していきますね。

 

サイズ(商品寸法)

基本、メーカーの照明器具のサイズはミリで記載されています。

照明器具本体のW(横幅)D(奥行)H(高さ)で書かれているのが一般的ですが、コードタイプの照明器具などは最長のコード長さといった情報も載っています。

円形の照明器具はΦ(ファイ)で書かれることもあります。Φ350mmは直径35cmの円形または球形になります。

サイズ感に実感が伴わないときは、お手持ちの巻尺や物差しなどで大きさを形づくって実際の大きさ感も見ておくとベストですね。

ちなみに、照明器具の仕様には「6畳用」とか「8畳用」といったように、最適な部屋の大きさも書かれていることがありますので参考にしてみてくださいね。

 

明るさ

今お家づくりをされている皆さんのほとんどのお家ではLED照明を採用されていると思います。

昔は白熱球や蛍光灯が主流だったので明るさの単位は白熱球の明るさを示すワット(W)でしたが、LED電球の明るさのレベルを示す単位は光束(ルーメン(lm))といい、近年はワットとルーメンの表記がされています。

ルーメンという新しい単位に慣れていない方は、まずこちらのワット数との目安をご覧ください。

 

明るさの目安

一般電球タイプ(E26口金)

  • 20W相当  170 lm〜
  • 30W相当  325 lm〜
  • 40W相当          484 lm〜
  • 50W相当          640 lm〜
  • 60W相当          810 lm〜
  • 80W相当       1160 lm〜
  • 100W相当    1520 lm〜
  • 150W相当    2400 lm〜
  • 200W相当    3330 lm〜

 

小型電球タイプ(E17口金)

  • 25W相当        230 lm〜
  • 40W相当        440 lm〜
  • 50W相当        600 lm〜
  • 60W相当        760 lm〜
  • 75W相当     1000 lm〜
  • 100W相当  1430 lm〜

E26口金とかE17口金ってなに?という方、いい質問です!

LED電球には、口金のタイプが2種類あり、E26口金(一般電球タイプ)とE17口金(小型電球タイプ)に分かれます。

26とか17は口金の直径ミリのことを指しています。

 

省エネ指数

照明の詳細情報に「固有エネルギー消費効率」と書いてある物もあります。

こちらは、消費電力1Wでどれくらいの明るさ(lm)を引き出せるかという値で、照明器具の省エネ度がわかります。

この数値が大きいほどエネルギー消費効率が良く、より省エネ照明器具ということになります。

ちなみに下のシーリングライトは、固有エネルギー消費効率140.5 lm/Wなので、省エネ対策としてはいい照明器具ですね。

 

色温度

色温度というのは、光の「色」を数値であらわしたものです。

色温度の単位はケルビン(単位はK)といい、実際に温度が高かったり明るさが違うわけではないので注意してくださいね。

 

一般的な家庭用照明の色は、主に以下の種類があります。

  • 電球色 2700K
  • 温白色 3000K
  • 昼白色 5000K
  • 昼光色 6500K

電球色はケルビンが低い2700K程度で、太陽にたとえると朝日や夕焼けのような温かみのあるオレンジ色です。

昼白色は真昼の太陽のような白に近い色の明かりになります。

6500K程度の昼光色になると、青白い寒色系の蛍光灯くらいの明かりです。

 

光の色が違うとその部屋での過ごし方や滞在時間が変わるので、お子さんの勉強するスペースや読書スペースの照明は高いケルビンにして明るく集中しやすい環境を整えたり、ダイニングなどは低いケルビンで柔らかな温かみのある光を検討するなどして場所や用途によって色温度をコントロールしていきたいですね。

 

また、色温度の近くにRaから始まる数字があるのは、演色値といって自然光の光に近いかの指数です。

太陽の光をRa100とし、この値に近い方が自然光に近く目に優しい光です。

このため、本を読んだり勉強する場所で使う照明器具はこのRaのスペックが100に近いものを重視することをオススメします。

 

LEDの形態

実はLEDは電球が交換できるタイプとできないタイプがあります。

そもそもLEDの寿命は20年とも言われ、電球をストックせずとも数十年使うことができるので、20年ほど経って交換を考えたら新品の照明器具に全とっかえするということも可能です。

 

ただ、中には取替えする際に電気屋さんに工事をしてもらわないといけない器具もありますので、要注意。

そういった意味でも、「LEDを交換できるかできないか」は知っておきたいもの。

提案された照明プランの中で、交換できるもの、できないものはどれなのかを把握しておいてくださいね。

 

素材

照明器具には様々な素材が使われます。

この素材を見るのも選ぶ判断材料の一つです。

 

たとえばカフェに使われているようなインダストリアルランプを選ぶ場合は、ぽてっとしたホーロー性のシェードを選んだり、また子供部屋には子供が触っても安全なやわらかいシリコン製のシェードがついたランプを選んだりします。

和室の照明には木や障子紙を素材につかったものを選ぶのも雰囲気が出ます。

出典:http://www.lightstyle.jp/?cn=100026&shc=10052531

 

スイッチ回路などオプション

照明器具によっては、調光や調色といったように微妙な光源調節が可能な商品があります。

これらはスイッチ回路や調光器、リモコンなどで操作できることが多く、どういった仕様で作動するのかを確認しておくことはとても大事です。

ブルートゥースで調光調色機能を操作するなど特殊な仕様のものは配線も特殊な場合がありますので、どういった配線になるかも仕様に記載されています。

 

また、テープライトや小型ダウンライトなどは商品によっては本体とは別に電源装置を儲けることもあります。

この場合、電源装置を隠して設置するような配線が必要になってくるため、電源装置が別途必要かどうかもチェックすることができます。

まとめ

それでは本日のまとめです。

  • いい照明プランは、お客様がどのような明かりが好みでどんな環境で使用するからどの程度の明るさが必要なのかを把握された上で器具が選ばれている。
  • 照明器具のサイズはミリで記載されている。実際にどの程度の大きさなのか、巻尺や物差しでざっくり大きさを示して見るとよい。
  • LEDの明るさの単位はルーメン(lm)で、ワット数と比較しながら明るさを検討する。
  • 省エネできているかどうかを見るには固有エネルギー消費効率をチェック!
  • 色温度ケルビン(K)は光の色をあらわす。部屋の用途や仕様時間によって最適な光の色を検討していくとベスト。
  • 読書や勉強スペースの照明にはRaが100に近い照明器具を選ぶと目に優しい自然光に近い明るさが得られる。
  • どの照明器具がLED交換できるかも見ておこう。

 

いかがでしたか。

見方のコツさえつかめたら、きっと照明プランや照明カタログを眺める目が変わってきます。

1度家づくりで選んだ照明器具は、当分の間は変えないもの。

細かい部分を見るのは少し手間かもしれませんが、その分だけ照明に愛着も湧いてきます。

上記のポイントを照らし合わせながら、実際にはどんな照明計画になっていくのかを設計士さんやインテリアコーディネーターさん、照明士さんに質問しながら照明計画を完成させていってくださいね。

 

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回遊できる間取りって使いやすいの?メリットとデメリットをご紹介します

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間取り診断をしていると、いろんな間取りを見せていただくのですが、たまに家の中が回遊できるようになっている間取りを見かけることがあります。

家の中が回遊できるようになっているので間取りの質がグッと向上していることもあれば、回遊できる事にあまり効果を感じられない間取りなど、回遊できる間取りも評価は様々です。

また、家の中が回遊できるようになっていない間取りでも、少し間取りに手を加えて回遊できるようにした方が良くなりそうな間取りもあります。

では、回遊できることで価値がある間取りと、回遊できてもあまり価値の無い間取りの違いは何なのでしょうか?

 

今回は回遊できる間取りにするメリットとデメリット、また回遊できる間取りにする時のポイントについてご紹介したいと思います。

回遊できる間取りってどんな間取り?

回遊できる家

まず、回遊できる間取りはどんな間取りというのはどんな間取りか簡単に言うと、部屋に入って行き止まりになっているのではなくクルクルと家の中を回れる間取りのことを言います。

回遊できるような間取りなっていれば、例えば上の画像のようにホールから洗面室に行けたり、さらには洗面室からキッチンへ回れることもできますし、ホールからキッチンへも行くことができます。

クルクル回れるという事は、1つの場所からアクセスできる場所が増えるんですね。

 

では、回遊できる間取りはどのようなメリットがあるのでしょうか?

回遊できる間取りのメリット

まず、回遊できる間取りのメリットを挙げると、動線を短くすることができる事があげられます。

(動線とは家の中で人がどのように移動するかを表した線のことです)

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

 

先ほどの画像を例に見てみると、もし洗面室とキッチンの間が扉でなく壁だった場合、キッチンから洗面室へ行くにはホールをグルっと回って行く必要が出てきてしまいます。

洗面を回遊

でも、洗面室とキッチンの間が壁ではなく扉で行き来できるようにすると、洗面室とキッチンのアクセスが凄く短くなり使いやすくなるんですね。

移動距離が短くなり、動線の短縮ができるという訳です。

このように、かなり遠回りになってしまいそうな部分を回遊できるようにすると、とても効果的になるんですね。

 

基本的に良い家と言うのは動線計画がしっかりしているのがほとんどです。

(何かするのにいつも家の端から端まで移動しないといけない家だと住み心地が良いとは言えないですよね)

そのため、上手く回遊動線を使いこなせれば、良い家になる可能性はかなり高くなります。

 

特に回遊動線は水まわりとの相性はかなり良いのが特徴です。

例えば、玄関ホールと洗面、キッチンが回遊できるようになっていれば、家に帰ってきてから手を洗ったりすぐお風呂に入る生活スタイルだけども、キッチンで料理をしながら洗濯もすぐできるようにしたいというように、それぞれ違った要望を両立しやすくなるんですね。

そのため回遊動線は誰にでも合うという物ではなく、各家庭にあった回遊動線をつくるのが重要になります。

 

また、回遊動線があると、家の中の開放感が上がります。

例えば下の間取りは洗面室などの部屋ではなく階段を中心に回遊できるようにしていますが、この部分が回遊できるかどうかで家の中の移動の自由度がかなり変わってきます。

回遊できる間取り

家の中で行き止まりがあると、どうしても通路のようになり閉塞感が出てきてしまいますが、行き止まりでなく先が続く事で家に広がりを持たせる事ができるんですね。

また、回遊できると単純に楽しく感じる方が多く、遊び心を取り入れたい場合なんかも回遊できる間取りというのはとても効果的です。

回遊できる間取りのデメリット

回遊できる間取りのデメリットを挙げるとすると、回遊できるための動線を確保する必要があるので、本来であれば棚が置けた場所に扉を付ける必要が出てきたりなど、一定のスペースが必要となってしまう事が挙げられます。

ウォークスルーになっている収納なんかは、特に影響が出やすいんですね。

回遊動線

そのため回遊できる間取りを検討する場合、回遊できるメリットの方が大きいのか、それとも物を置けるようになっている方が生活上のメリットが大きいかなど、本当に回遊できる事に価値があるか1度考えてみるのがポイントになってきます。

 

さらには回遊できるようになっているので、特に水まわりは2カ所に鍵が必要になってくる場合もありますし、スイッチの計画をしっかりしておかないと、洗面室の中にいるのに外から電気を消されたなんてことにもなりかねません。

また、洗面室に鍵を掛ける場合は回遊できる扉全てに鍵を掛ける必要があるので、一手間増えてしまうという点もあります。

回遊できるということは、それだけ色んな場所から家族が入ってくる可能性が高くなるので、あらかじめ不便がないかシミュレーションしておくのが大事になるんですね。

電気配線図はここを注意!スイッチを使いやすくする方法

 

また、どちらかと言うとコンパクトな家は回遊動線を作るのが難しく、回遊できてもメリットが小さいことが多いので、ある程度の大きさがある家の方が回遊動線を作った時の効果が大きくなりやすい傾向があります。

(特に回遊させる部屋は必ず隣り合わせに配置する必要があるので、小さな家だと間取りの制約が出やすくなってしまいます)

回遊動線をつくるのが目的になってしまってムダな廊下やスペースができてしまうと本末転倒ですよね。

廊下のない間取りにするための5つのポイント

 

回遊できる間取りをつくる場合、ただ何となく回遊できるようにするのではなく、回遊できる事でどれだけ生活がしやすくなるかを考えて作るのが重要なんですね。

まとめ

今回は回遊できる間取りについてのメリットとデメリット、つくり方のポイントについて見てみました。

回遊できる家は動線が短くなり生活を便利にする効果がありますし、単純に回遊できる家は生活していて楽しく感じます。

その一方、回遊できることで物を置けなくなったり、間取りに制約が出てしまう可能性もあります。

 

回遊できる事の価値が高いのか、それとも回遊しない方が実は生活がしやすいのか。

回遊できる間取りにする時は、この部分を一度しっかり確認すると、よりあなたの生活に合った家にする事ができるようになるんですね。

では。

 

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家づくりで失敗したくない!そんな方こそ、間取りが重要です。

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回遊できる家のメリットとデメリットって何?

  • 回遊できると動線を短縮することができるようになる。
  • 回遊動線があると行き止まりが無いので閉塞感が少なく、開放的で楽しい空間になりやすい。
  • 回遊できるようにするための動線を確保する必要があり、場合によっては収納力が落ちたりする。
  • 小さな家よりも、大きな家の方が回遊動線にした時の効果は高くなりやすい。
  • 回遊できる部屋はお互い隣り合わせにする必要があり、間取りに制約ができることも。

吹き抜けのメリット、デメリットと失敗しない吹き抜けの作り方

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「吹き抜けにはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?」

これは家を建てる方からよく聞かれる質問です。

吹き抜けを作ってみたいと考えているけども、吹き抜けをつくることで実際にどんなメリットやデメリットがあるか知っておきたいという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに、吹き抜けを作るかどうかで家の間取りは大きく変わってきますし、実際に家が完成してからの生活スタイルというのも吹き抜けが有るか無いかで変わってきます。

 

そこで今回は吹き抜けが気になっている方に向けて、吹き抜けのメリットやデメリットといった基本的な部分から、吹き抜けを作るのに最適な場所や吹き抜けに合わない場所、さらには「吹き抜けは寒いの?」といった疑問まで、実際に家を作っている建築士だからこそ分かる、吹き抜けの実際のところについてまとめました。

吹き抜けが気になっている方はぜひご覧ください。

吹き抜けについて

まず始めに、吹き抜けとはどんな物かについて改めて見てみましょう。

吹き抜けとは簡単に言うと、天井が無く、上下階がつながった空間のことを言います。

こんな感じですね。

一方で、吹き抜けを作らない場合の家も見てみましょう。

吹き抜けが無い場合はこんな感じになります。

吹き抜けのある家と普通に天井を作った空間と比べてみると、家の中の雰囲気が少し違ってくるのがお分かりになると思います。

 

ただ、吹き抜けのある家と吹き抜けを作らなかった家を見比べただけでは、ザックリとした雰囲気の違いは分かっても実際に吹き抜けを作ることでどういうメリットとデメリットがあるのかは分からないもの。

そこで、まずは吹き抜けを作るとどんなメリットとデメリットがあるのか具体的に見ていきましょう。

吹き抜けのメリット

それでは、吹き抜けを作るメリットを考えてみましょう。

吹き抜けの大きなメリットは次の3つです。

  • 吹き抜けがあることで光が家の奥まで入り、明るい家になる。
  • 天井が高くなるので開放感がある家になる。
  • 1階、2階につながりのある家になる。

以上の3つが吹き抜けの大きなメリットとなるんですね。

 

では、吹き抜けのメリットを1つずつ具体的に見ていきましょう。

 

吹き抜けがあると明るい家になる

吹き抜けをつくることで、家の中を明るくする。

これは吹き抜けを作る際の1番の目的と言っても過言ではありません。

 

本来は2階の床になる場所がオープンな吹き抜け空間になるので光が入りやすくなるんですね。

お隣までの家の距離が近くて1階の窓にあまり日が入ってこない場合なんかでも、吹き抜けがあれば2階の高い位置に窓を設けてその光を家の中に入れられるようになります。

簡単に言うと、吹き抜けがあることで日の光が家の奥まで入ってきやすくなるんですね。

そのため、「明るい家にしたい」、「太陽の光がたくさん入ってくる家にしたい」と考えている方にとっては吹き抜けはとても効果的な手法になりますし、吹き抜けを活用することで実際に明るい部屋を作ることができるようになります。

特に、都市部ではお隣までの家の距離が近いために普通に家を建てると光があまり入らない土地というのは数多く有るので、その場合は吹き抜けをつくるか、もしくは2階リビングにするなどの明るさ対策をしっかり取りたいですね。

【保存版】2階リビングまとめ

 

吹き抜けで家を明るくする。

これは吹き抜けのメリットであると共に、価値のある吹き抜けにするための必須項目とも言えます。

このように「日の光が入る明るい家にしたい」という要望の優先順位が高い場合、吹き抜けはあなたにとってとても心強い味方となってくれるんですね。

 

吹き抜けがあると開放感がある家になる

明るさ以外の吹き抜けのメリットとして、吹き抜けがあると開放感がある家になるということが挙げられます。

吹き抜けをつくると、本来あるはずの天井が丸々1階分無くなって視線が抜けるようになるので家の中に開放感が出るようになるんですね。

また、吹き抜けに窓を設けると、光が入ると共に視線が窓の外にも抜けるようになるので、家の中はより広く見えるようになります。

 

そのため、「開放感のある家にしたい」という場合は、吹き抜けはとても効果的な手法と言えます。

 

一方、ただ吹き抜けをつくれば家の中の開放感が必ず上がると言う訳ではなく、吹き抜けのつくり方、吹き抜けの広さによって開放感が出るかどうかは大きく変わってきます。

吹き抜けを活かすも殺すも、吹き抜けのつくり方次第という訳なんですね。

詳しくは後でご紹介しますが、あまり意味のない吹き抜けであったり、家ができた時に思ったより開放感を感じない吹き抜けというのもあります。

吹き抜けは「吹き抜けを作る」というのが目的ではなく、「吹き抜けを通して開放感や明るさのある家にする」というのが最終的な目的なので、それが叶っている吹き抜けを目指したいですね。

 

吹き抜けを通して1階と2階につながりができる

吹き抜けがあることで、1階と2階につながりができるようになるのも吹き抜けのメリットと言えます。

1階と2階につながりができることで、家の中の空気が上下に抜けるようになるので家の中の風通しが良くなりますし、窓を上手く設けることでその効果はより高くなります。

吹き抜けで1、2階が繋がることで、家の中の風通しを良くする効果があるんですね。

さらにはシーリングファンなどを使って家の中の空気を撹拌することで快適に過ごすことができるようになります。

 

また、吹き抜けを通して1階、2階にいる家族との距離感も近くなるので、食事の時に2階にいるお子さんに声をかけるのも簡単になりますし、家族がどこにいるかという気配も伝わりやすくなります。

なにより、お互い顔を合わせる機会が増えるので、家族のちょっとした変化にも気付きやすいといったメリットもあります。

吹き抜けがあると、家族との距離感が近くなりやすいんですね。

家族と顔を合わせるためにリビング階段にするのと同じように、吹き抜けにも似たような効果が期待できます。

リビング階段は寒い?プロが教えるメリットとデメリット。

 

吹き抜けのメリットまとめ

ここまでは吹き抜けの代表的なメリットを見てきました。

明るさや開放感など、吹き抜けをつくるメリットというのは吹き抜け独特のオープンな作りに目が行きがちですが、実は、吹き抜けにはもっと単純なメリットもあります。

それは、吹き抜けがあると家がお洒落に見えるようになるんです。

 

簡単にお洒落な家にするポイントとしては、ムダなものをいかに見せなくするかと、センスのいい家具と小物、そして開放感のある空間というのがポイントになってきます。

家のデザインにこだわるのであれば、大きく開放感のある吹き抜けは、家の中をよりお洒落な空間にしてくれる強い味方になってくれるんですね。

オシャレに見える家とオシャレに見えない家の違いって何?

 

吹き抜けのデメリット

吹き抜けのメリットを見ていると、吹き抜けがある方がオシャレで開放感があったり明るい家になったりと良いことばかりのように感じますが、吹き抜けを作ることでデメリットというものも出てきてしまいます。

このデメリットを知らずに吹き抜けを作ってしまい、あとで「こんなはずでは無かった」なんてことになってしまっては、何のための家づくりか分からなくなってしまいますよね。

そのため吹き抜けを作る場合は、吹き抜けのメリットとデメリットをしっかり把握した上で吹き抜けを作るのが、吹き抜け成功の鍵となってきます。

 

それでは改めて吹き抜けのデメリットについて見てみましょう。

吹き抜けの代表的なデメリットは以下の4つです。

  • 冷暖房の効率が下がりやすい。
  • 2階のスペースが狭くなる。
  • メンテナンスに手間がかかる。
  • 音が2階に聞こえやすい。

この4つが吹き抜けの大きなデメリットとなります。

それでは、吹き抜けのデメリットについて具体的に見てみましょう。

 

吹き抜けがあると冷暖房の効率が下がる

吹き抜けを作ると部屋の中の体積が増えるので、冷暖房の効率は下がるようになります。

吹き抜けがある部屋は暖まるのに時間が掛かるようになってしまうんですね。

また、暖かい空気は高いところに上がっていくので、吹き抜けの空気をかき混ぜてあげるのも重要です。

そのため、吹き抜けには空気が動くようにシーリングファンを設けたいですね。

(お手軽に扇風機やサーキュレーターを使うのも効果的です)

 

もちろん吹き抜けがあるだけでずっと寒くなるという訳ではなく、基本性能の良い家では体積が多い分冷暖房が効いてくるまで時間がかかりますが、1度冷暖房が効いてくればその効果は持続できるようになります。

吹き抜けを作って寒いかどうかは家の性能に左右される部分も多く、吹き抜けを作るなら断熱性能の高い家を建てる住宅会社や工務店で家を建てるのが必須と言えます。

1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

 

また、吹き抜けに窓を設けた場合は光が入りやすくなる反面、太陽の熱も家の中に入りやすくなってしまいます。

吹き抜けの窓は開放感があるからと言ってカーテンなどを設けないでいると、冷房の効率がとても悪くなってしまうんですね。

そのため、吹き抜けの窓には軒を出して夏は日が入りにくく冬は日が入りやすいようにするなどの日射対策を取っておくことも大切になります。

知らないと損をするカーテンの種類と選び方

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2階のスペースが狭くなる

吹き抜けを作ることで2階のスペースが狭くなってしまうというのも吹き抜けのデメリットになります。

本来であれば部屋になる部分を吹き抜けにするので、どうしても2階のスペースにしわ寄せがいってしまうケースがあるんですね。

 

そのため、家族の人数が多いので2階にたくさんの部屋を作る必要が有る場合や、各部屋の広さにゆとりを持たせたい場合などは、吹き抜けとあまり相性が良くないケースと言えます。

吹き抜けを作る場合は家全体のバランスがおかしくならないかどうか。

この部分は吹き抜けを作る場合には必ずチェックしておきたいポイントとなります。

 

また、吹き抜けは床面積には入りませんが、吹き抜けを作るのに費用は掛かるので、吹き抜けのある家は坪単価は上がってしまう傾向があります。

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坪単価の計算方法とプロでも知らない注意点

 

メンテナンスに手間がかかる

吹き抜けを作った場合、床がないオープンな空間だからこそ、メンテナンスに手間がかかるようになってしまいます。

例えば、吹き抜けの窓や吹き抜けに付けたシーリングファンを掃除する場合、普通では手が届かないのでホームセンターで売っている高所用の掃除用具を買ったり、建てた住宅会社や工務店のアフターサービスにお願いするなど普通の掃除に比べて手間がかかります。

 

また、吹き抜けに付いている照明器具の電球が切れた場合なんかも意外とたいへん。

吹き抜けの電球を交換する場合は脚立が必要になりますし、高さがかなり高い場合はかなり危険です。

(吹き抜けの天井まで届く脚立ということは、屋根まで届く脚立と言っても大差ないので、そんな長い脚立が倒れると大怪我につながります)

 

そのため、吹き抜けの電球交換は家を建てた工務店にお願いするのが無難です。

(吹き抜けを作る場合、電球交換などのアフターメンテナンスの対応をしてくれるのか、またその場合の費用をあらかじめ確認しておくと安心です)

また、照明器具等は、できるだけ交換が少なくなるLEDの物を使いたいですね。

LED電球はオシャレに進化しています。白熱灯のようなLED電球が登場

 

その他、壁紙の一部を汚してしまい張り替えとなった場合も、新品の壁紙と比べて経年変化で色合いの違いが出てきているのでその部分だけ張り替えると変なことになってしまうので、壁1面張り替えることになります。

壁紙クロスを選ぶ際に気をつけたい6つのポイント

 

吹き抜けを作る場合、こういったメンテナンスの手間が普通よりも掛かってしまうことは頭に入れておきたいですね。

 

音が2階に聞こえやすい

吹き抜けのメリットとして、1階と2階のつながりができる反面、つながるからこそのデメリットも出てきます。

そう、音の問題ですね。

 

1階と2階が吹き抜けでつながっている場合、1階の音は2階までそのまま響くようになるので夜寝る時に1階のTVの音が2階の寝室まで聞こえてうるさいという事はもちろん、1階、2階の生活音がそれぞれ聞こえやすくなってしまうので、家族お互いが音に対して配慮しあう必要が出てきます。

もちろん、吹き抜けはなくても上下階の音は聞こえることはありますし、時間帯に応じた音の配慮というのは家族と言えども同じ家に住むので配慮が必要ですが、吹き抜けがある方がより音が響きやすくなるのは確かです。

そのため、物音がすると眠れないなど音に敏感な方が家族にいる場合は、吹き抜けから離れた場所に寝室を設けるか、吹き抜けを本当に作って音がストレスにならないかどうかは1度確認しておきたいですね。

特に2世帯住宅など、お互いの生活時間帯が違うケースでは音は非常にデリケートな問題になってくるので、そのような場合は吹き抜けは避けた方が無難です。

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また、吹き抜けがあると音と同じようにニオイも2階まで伝わりやすくなります。

特にキッチンの料理の匂いは2階まで上がりやすいので、換気扇は換気力が強い物を、また、キッチンの上は吹き抜けにしないなどの配慮や、1、2階とも風が抜けやすいようにして、少しでも匂いが残りにくいようにしておくのがポイントとなります。

 

その他、吹き抜けに面した2階のホールは光が入りやすいので、ついつい室内干しのスペースにしてしまいがちですが、吹き抜けを通してLDKから洗濯物が丸見えになってしまってはせっかくの吹き抜けが台無しになんてことも。

吹き抜けで1階と2階につながりが出る分、それぞれの階から吹き抜けを通して何が見えるのかについても考慮しておきたいですね。

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吹き抜けのデメリットまとめ

吹き抜けには開放感があるというメリットがある反面、開放感があるからこそのデメリットも起こりえます。

特に吹き抜けは、本来であれば2階の部屋や収納にできたスペースをわざわざ削って作るものです。

このようなデメリットも踏まえながら、吹き抜けのメリットである明るさや開放感、上下階のつながりといった吹き抜けのメリットにどれだけ価値を感じるかが吹き抜けが成功するかどうかの鍵になります。

 

では、これまでの吹き抜けのメリット、デメリットを踏まえた上で、吹き抜けを作る時のポイントについて見ていきましょう。

吹き抜けを作るポイント

吹き抜けと一言で言っても、吹き抜けの形や場所というのは色んなケースが考えられます。

効果的でオシャレな吹き抜けがある一方で、吹き抜けを設ける場所を誤ったり、大きさや形次第で残念な吹き抜けとなってしまうこともあります。

「これなら吹き抜けは無くてもよかった・・」というケースも多々見受けられるんですね。

読者の皆さんにはそんな吹き抜けを造ってほしくないので、今回は今まで私が見てきた中で「これは残念」と思う吹き抜けと、効果的な吹き抜けのつくり方をご紹介していきます。

 

周りが壁に囲まれた吹き抜け

吹き抜けを作る場合、吹き抜けのまわりに壁が囲まれた吹き抜けと、吹き抜けの周りがホールなどオープンになった吹き抜けがあります。

例えば壁に囲まれた吹き抜けというのはこのような感じの吹き抜けです。

一方、吹き抜けの周りがオープンな吹き抜けとはこんな感じになります。

大分見た目が違いますね。

 

特に注意したいのが壁に囲まれた吹き抜けのケースです。

このタイプの吹き抜けは意外とよく見かけますが、吹き抜けの周りが壁に囲まれる事で、吹き抜けの良さである開放感が少なくなってしまうので、せっかく吹き抜けを設けても効果が少なくなってしまうので注意が必要です。

 

壁に囲まれた吹き抜けの対策としては、間取りでこのような吹き抜けにならないように工夫するのが一番ですが、家の大きさや間口の関係など、どうしても間取りで対応できないケースも有ります。

そんな場合は一部でもいいので視線の抜けを作って対応したり、できるだけ壁の位置が離れるような広い吹き抜けにするのが効果的です。

(視線が抜ける方法としては、先ほどの吹き抜けで言えば、窓を大きく等の方法が考えられます。)

 

特に壁に囲まれた吹き抜けの場合は、吹き抜けの大きさが鍵となります。

次に、吹き抜けの大きさのどこが鍵になる見てみましょう。

 

吹き抜けの大きさ

「吹き抜けの大きさはどれくらいが良いですか?」というのはよく聞かれる質問です。

それだけ吹き抜けの大きさというのは判断が難しい部分でもあります。

 

そんな吹き抜けの大きさの中でも吹き抜けの幅と奥行きの関係はとても重要なポイントです。

まずは先ほどの壁に囲まれた吹き抜けをご覧ください。

この吹き抜けは幅が広くて奥行きが少ない吹き抜けになっていますね。

吹き抜けでは特にこの奥行きが家の開放感に大きく影響してきます。

 

例えば、壁に囲まれた吹き抜けの場合であっても吹き抜けの奥行きが広くなればなるほど開放感が出て見栄えがする吹き抜けになっていきます。

 

その一方で、これ以上吹き抜けの奥行きが狭くなると、この吹き抜けはほとんど意味が無くなってきます。

窓から入ってきた光がすぐに壁に当たってしまって、部屋の奥にまで光が届かなくなってしまうからなんですね。

そのため吹き抜けの奥行きが狭いなら、せめてまわりは壁ではなくホールにするといった対策が必要になってきます。

 

吹き抜けの大きさをみる場合は吹き抜けの奥行きを見てみる。

これが価値のある吹き抜けにするためのポイントなんですね。

 

また、吹き抜けを作る場合は、吹き抜けの形もできるだけシンプルにするのも大切です。

吹抜けに凸凹した部分が多いと、無理に吹き抜けを作った感じがでてしまい、ゴチャゴチャした空間になってしまいオシャレに見えなくなってしまうんですね。

いかにキレイな形の吹き抜けになっているか。

吹き抜けを作るならこの部分もしっかりチェックしておきたいですね。

 

位置が中途半端な吹き抜け

上の画像は吹き抜けのある家の断面図です。

実は上の画像のような吹き抜けは、残念な吹き抜けの1つです。

では、どの部分が残念なんでしょうか?

答えはコチラです。

吹き抜けの外壁側の壁の位置が中途半端なんですね。

どうして中途半端かと言うと、LDKの一部が吹き抜け、一部が平天井になっているため吹き抜け部分がポッカリ空いた穴みたいに見え、ゴチャゴチャしている空間に見えてしまうからです。

吹き抜けはスッキリとした感じを出すのがオシャレに見えるポイントなので、吹き抜けの位置が中途半端だとスッキリ感が出てくれないんですね。

 

また、先ほどの吹き抜けのように中途半端な位置に吹き抜けがある時に注意したいのが、カーテンやブライドなどのウィンドウトリートメントを付ける場合です。

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高い位置にウィンドウトリートメントを付ける場合、一般的にはヒモなどを下に垂らして開閉を行うのですが、先ほどのように中途半端な位置にある吹き抜けの場合、ヒモを垂らすとリビングの真上からヒモが垂れてしまうなんてことも普通に起こってしまいます。

天井からヒモがヒラヒラしているリビングは見た目が何か変ですよね。

歩くたびにヒモにぶつかるのも邪魔になります。

 

そのため、ウィンドウトリートメントは電動にする以外に選択肢は無くなり、あらかじめ電源を用意しておく必要があるんですね。

家が出来てから気付いた時は遅いので、まずは中途半端な位置の吹き抜けにしないこと。

吹き抜けがどうしても中途半端な位置になった場合はカーテンやブラインドなどが問題なく開け閉めできるのかどうか確認するのが重要になってきます。

 

ちなみに、先ほどの家の吹き抜けの位置を整えるとこのようになります。

先ほどの家の場合、1階の外壁に合わせて吹き抜けをつくるのが正解となるんですね。

そうすることで家の中のラインが整ってスッキリ見え、明るく開放感のあるオシャレな吹き抜けになってくれます。

オシャレに見える家とオシャレに見えない家の違いって何?

 

玄関の上の吹き抜け

玄関の真上にもうけた吹き抜けがある家もたまに見かけます。

でも実は、玄関というのは家の中でもできるだけ吹き抜けを避けておきたい場所でもあります。

 

「ちょっとだけ吹き抜け欲しいから玄関に」とか「玄関を明るくしたいから」、「空いたスペースがあるから吹き抜けに」くらいの理由であれば、玄関の上に吹き抜けを持ってくるのは止めた方が無難なんですね。

玄関に吹き抜けを持ってくるなら「窓が取れず暗い玄関になるので玄関の上に吹き抜けを設けた」場合や、「吹き抜けをアイキャッチとして使う」など吹き抜けが必要な特別な理由があるか、もしくは家の広さにかなりゆとりがある家でないと残念に感じる可能性はかなり高くなってしまいます。

アイキャッチを上手く使ってオシャレな家にする方法

 

では、どうして玄関の吹き抜けは避けた方が無難なんでしょうか?

玄関の吹き抜けを避けたい1番の理由として、玄関の土間部分というのは家の中でもかなり断熱性能が落ちる場所のため、吹き抜けを設ける事で家全体が寒くなるということが挙げられます。

土間に床暖房を入れたり全館空調にするなど何らかの寒さ対策を取らない限りは、家の中で冷え込みの大きい場所となってしまうんですね。

そのため、吹き抜けで2階のホールなどと繋がっている場合は玄関の寒い空気が家の中を巡ってしまうということが起こってしまいます。

これは家の中が寒いと感じる大きな原因となってしまうので、特に断熱性能があまり良くない家の場合は1番避けたいケースとなります。

 

また、玄関の吹き抜けをやめた方がいい理由として、他の場所に吹き抜けを作った方が価値が高いという事が挙げられます。

たとえば、玄関に長時間いる人はそうそういませんよね。

それなら人が長くいる場所に吹き抜けを持ってきた方が吹き抜けの価値は高くなります。

このように、限られた家の中で玄関に吹き抜けを設ける意味というのはあまりないんですね。

 

以上のことから、「吹き抜けを玄関につくるしっかりした理由がある」または「吹き抜けがあって間取りが成り立つ」といったケース以外で玄関に吹き抜けがある間取りの場合は注意してくださいね。

 

似たようなケースとして、日の当たりにくい場所、例えば北側などに吹き抜けを設けるのも避けた方が無難です。

 

吹き抜けはリビング階段と相性が良い

吹き抜けとリビング階段はとても相性が良い組み合わせです。

特にオープンな階段と組み合わせると視覚的に吹き抜けがより広く見えると同時に、開放感も高まります。

階段にはどんな種類がある?知っておきたい階段の4つの形

また、吹き抜けに面するホール部分も、手すりをスチールなど軽さがある素材で作ってあげると、吹き抜けの雰囲気はよりオシャレに見えるようになります。

素材の見た目と開放感が上手くマッチしてくれるんですね。

吹き抜けの周りに「軽さ」を出すことで、吹き抜けの見え方というのは何倍にも変わってきます。

 

窓の高さは揃える

吹き抜けには明るさを取り込むために窓を設けますが、窓の大きさや位置というのも吹き抜けでは重要です。

失敗例としてよく見かけるのが、窓の高さがバラバラになっている吹き抜け。

部屋から見上げた時、位置や大きさがバラバラな窓というのは思ったよりも変に感じるものです。

吹き抜けの窓は明るさを取り込むだけでなく、窓の大きさも吹き抜けのデザインの一部。

窓も統一感のある吹き抜けを目指したいですね。

 

吹き抜けの照明

吹き抜けをつくる時、意外と難しいのが照明計画。

吹き抜けの照明は天井から高く吊り下げるか、吹き抜けの壁を使って照明計画を行うことになります。

 

そんな中、特に難しいのがダイニングの照明計画。

吹き抜けの一部がダイニングと重なっていると、照明の配置がかなり難易度が上がってきます。

ダイニングの照明には複数の照明を使うこともよくあり、ダイニングの一部に吹き抜けがあると照明が付けにくくなってしまうんですね。

そのためダイニングの上に吹き抜けがくる場合は、どのような形でダイニングテーブルを照らすか。

この部分もしっかり考慮した上で吹き抜けの大きさや範囲、ダイニングテーブルの置き方を決めたいですね。

(付けたい照明器具が有る場合は特に注意が必要です)

 

また、同じように吹き抜けの上にキッチンが来る場合も要注意。

特にアイランドキッチンの場合は換気扇を取り付けるための壁が無いので、換気扇をいかにスムーズに見せられるかで印象は大きく変わってきます。

そのため大きな吹き抜けを作る場合もキッチン部分だけは吹き抜けにしないようにするなど、LDK全体のバランスを見ながら吹き抜けの範囲は決めたいですね。

対面キッチンはどれがおすすめ?5つの対面キッチンとメリット、デメリット

吹き抜けを止めた方がいいケース

ここまで吹き抜けのメリット、デメリットと吹き抜けを作る場合のポイントについて見てきましたが、吹き抜けを作るかどうか迷うこともあります。

そこで吹き抜けを作る必要がないケースについても見てみましょう。

 

吹き抜けを作るかどうかは、その方の要望、敷地条件に左右されることが多く有ります。

例えばプライベートを重視したり静かな環境が好きな方には吹き抜けはあまり向いていません。

吹き抜けがあることで音は響きやすくなってしまいますし、吹き抜けはどちらかというとオープンな家の作り方になるので、プライバシー重視の方とは相性が良くないんですね。

 

また、家の中にたくさん日の入る日当たりの良い土地に家を建てる場合も吹き抜けを作る必要性はかなり少なくなります。

吹き抜けを作らなくても明るい家にできるので、吹き抜けを作る必然性がかなり低くなるんですね。

その他、家の大きさや土地の広さ次第では吹き抜けを作らずに部屋にしてしまった方が良いというケースもあります。

 

そのため、家を建てる土地や環境、要望などを見てもらった上で、担当の設計士さんから吹き抜けが有った方が良いか、それとも無い方が良いかのアドバイスをもらうというのも効果的な方法です。

特に吹き抜けは設計士さんの腕に左右される部分が大きいものです。

担当の設計士さんが信頼できるかどうかも吹き抜けを作るかどうか迷った時の判断材料の1つとなります。

吹き抜けは寒い?

では最後に、吹き抜けは寒いのかどうか。

多くの方が気になる吹き抜けの寒さについて見ていきましょう。

 

「吹き抜けを作ったら寒いのでは・・?」、「吹き抜けのある家の人から吹き抜けは寒いと聞いた」などなど、吹き抜けは寒いという印象を持たれている方も多いのではないでしょうか?

実際に「吹き抜けは寒いですか?」という質問はよく耳にします。

 

では、吹き抜けは本当に寒いのでしょうか?

その答えは「吹き抜けが寒いかどうかは家の性能次第」というのが答えになります。

 

どういう事かというと、今の家の作り方にそのヒントが有ります。

 

今の家では、家の外側をグルッと囲むように断熱する作り方が主流となっており、家全体が1つの魔法瓶のようになっています。

そのため、家の中で日が当たる、当たらないなど多少の違いはあるとしても、部屋による温度差という物はそこまで大きくありません。

家全体を断熱材で包んでいるので広い空間があるからといって寒くなる訳ではないんですね。

そのため、吹き抜けがあると部屋の体積が広くなるので部屋全体が暖まるまで時間は掛かりますが、性能がある程度しっかりしている家では1度暖まってしまえば吹き抜けがあるから寒いということは基本的にありません。

寒い場合は単純にその部屋の広さがエアコンの容量を超えているなど熱源が足りないのが原因なので、エアコンの容量を大きくするなど熱源を確保できれば改善することができます。

 

ただ、この場合の例外として玄関土間は断熱性能が低いことが多く、土間までオープンにした場合は寒さを感じる原因となってしまいます。

そのため、土間に床暖房を入れたり全館空調にするなど玄関土間の寒さ対策を取っていない場合は、玄関土間は扉などで区切れるようにしておいた方が無難です。

 

また、性能の低い家の場合も吹き抜けは止めた方が無難です。

家の性能がよくないため熱が逃げやすく部屋が暖まりにくいので、吹き抜けを作るとより寒さを感じやすくなってしまうんですね。

 

このように、吹き抜けをつくる場合は家の性能がしっかり確保された家であること。

これが何より重要になります。

1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

家の断熱性能を上げるのに1番簡単な方法

 

それでも寒さが心配な方へ

吹き抜けの寒さがどうしても気になる場合の1番効果的な方法。

それは、「最近その住宅会社や工務店で吹き抜けをつくったOBさんの家を見せてもらい、住んでいる人に吹き抜けの感想を聞く事」です。

(OBさんとはその会社ですでに家を建てた方のことです)

できれば、建てる予定の家と近い大きさの家であれば、よりイメージがつきやすいです。

さらには、5年とか10年前に建てた家ではなく、家が完成してここ1年から2年くらいの方の家を見せてもらえるとベストですね。(最近の仕様で、家の性能がより近いので)

 

そこで吹き抜けを造って寒かったかどうかや冷暖房の使用状況(家の性能が分かります)、吹抜けをつくってよかったかどうか(家の大きさが近いと、とても参考になります)といった話をきくことができれば、気持ちの上でも整理が付いて、気持ちよく吹抜けをつくるかどうかの判断ができるようになります。

ここでのポイントは、家を立てる予定の工務店のOBさんであることです。

違う会社で建てた人の話だと、家の性能や仕様も違いますし、設計の方針も違ってきます。

違う土俵での話のため、すべて鵜呑みにしてしまうと、「あーじゃない」「こーじゃない」と迷いの渦に飲み込まれ、最終的には中途半端な家になってしまうというケースがあるんですね。(まわりの友達がみんな家を建てていたら要注意です。みんな良かれと思っていろんなアドバイスをくれますが、まわりの意見に振り回されすぎて疲弊する人も多く見かけます)

 

また、「OBさんの話も聞いたけど、私は冷え性だしまだ寒いかどうか心配」という方もいらっしゃると思います。

そんな方には床暖房を入れる事をおススメします。

エアコンで暖房した場合、暖かい空気は上の方にいくので、1階の足元が暖まるのに時間がかかります。

そのため、シーリングファンなどで空気を下に落とすなどの対策を行いますが、床暖房であれば、足元から暖まっていき、暖かい空気が上の方に登っていきます。

エアコンとは反対ですね。

そのため床暖房は、冷え性の方には特に有効です。

どんな床暖房を使えば良い?おすすめの床暖房3選

 

さらに言えば、フローリングは無垢材にして、杉や松などの冷たくなりにくい材料を使えば、より寒さを感じる事が少なくなります。

床暖房対応の無垢フローリングも出ているので、そんなフローリングを使ってみるのもいいですね。

おしゃれな家は皆使っている!おすすめ無垢フローリング12選【保存版】

 まとめ

今回は吹き抜けについて詳しく見てきました。

吹き抜けは家の明るさや開放感を出すにとても効果的な反面、開放的だからこそデメリットも存在します。

また、吹き抜けと一言で言っても大きさや形は様々。

日の光が良く入りとてもオシャレな吹き抜けもあれば、これなら吹き抜けを作らなくても良かった・・という吹き抜けもあります。

人によって吹き抜けを作って良かったかどうかは変わってくるんですね。

 

では、その境目は何なのでしょうか?

それは、吹き抜けを作るのが目的なのか、それとも吹き抜けは1つの手段であって、その先の家が完成してからの生活を見ているのかどうか。

この部分を意識するかどうかで、吹き抜けが成功するかどうか変わってくるんですね。

 

今回お伝えした吹き抜けを成功に導く方法や、止めておいた方がいい吹き抜けの例を踏まえながら、あなたが新しい家でどんな生活がしたいのか。

そして、そのために吹き抜けは必要なのか、それとも必要無いのかどうか。

この部分をしっかり考えた上で、あなたの理想の家を建ててくださいね。

では。

 

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引き戸とドアのメリットとデメリットと後悔しない使い方

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「部屋の入り口をドアにするのが良いのか、それとも引き戸にすれば良いのかで迷っています。ドアと引き戸、どちらの方が使い勝手がよいのでしょうか?また、ドアの方が良い、引き戸の方が良い場所などあったりするのでしょうか?」

読者さんからこのような質問をもらいました。

確かに家には必ずドアや引き戸を付けることになりますが、どちらの方が良いかと言う説明はあまりなく、最初の間取りについていた物のまま家づくりが進む事が多いですよね。

 

でも、よくよく考えてみると、建具は毎日開け閉めする場所なので使いやすい物を選びたいですし、その人に合った仕様にしておきたい場所でもあります。

そこで今回は、引き戸とドアのメリットとデメリットを見ながら、家のどこにどのような扉を付ければ良いのかを見ていきたいと思います。

家の使い勝手が気になる方は、どうぞご覧ください。

引き戸の特徴

引き戸

それではまず最初に、引き戸のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

 

引き戸のメリット

引き戸のメリットを挙げるとすると、ただ扉を閉めるという機能だけでなく引き戸を開け放しにもできますし、少しだけ開けておくといったフレキシブルさが挙げられます。

個室として使いたい時は引き戸を閉め切れば良いですし、風を通したい時や部屋の中の様子を見えるようにしておきたい時は少し扉を開けておくなど、開き具合を調整しやすいため使い勝手が良いんですね。

 

また、引き戸は扉を引き込む事ができるので開放感が出しやすく、2枚や3枚の引き戸を使えば建具で仕切っているのにも関わらずかなりの開放感を出せるようになります。

特に2枚や3枚の引き戸はLDKの隣にある和室なんかでは空間の一体感を出すのに大活躍します。

家の広さは面積よりもどれだけ視線が抜けるかで決まってくるので、引き戸を上手く使うと大きな1つの空間にすることがでるだけでなく、視線も抜けて視覚的にも広く感じることができるんですね。

さらに引き戸をハイドアにすれば、より空間の一体感を高めることができるので、引き戸を使う場合はハイドアも上手く取り入れていくとキレイに見える部屋となります。

部屋がスッキリ見える!ハイドアの驚くべき効果を検証します

 

その他には、ドアとは違い扉を開けるのにスペースがいらないので、人がよく通る動線上では引き戸を使うと安心感があります。

ドアの場合だと扉を開けた時に人に当たることもあるのでドアが開く側はスペースが必要となりますが、引き戸の場合はそのようなスペースはほとんど必要無いので部屋を広く使う事ができるんですね。

そのため、コンパクトな家の場合やあまりスペースの無い部屋の場合はドアよりも引き戸の方が使えるスペースが広くなることが多いです。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

 

引き戸のデメリット

それでは次に、引き戸のデメリットを見ていきましょう。

 

引き戸のデメリットは、引き戸を引き込むスペースが必要になるので、引き戸が付けられる場所は限られてしまうということです。

ドアとは違いどこでも取りつけられる訳ではなく、引き戸が付けられない場合もあるんですね。

そのため、引き戸を多用したいと言う場合は間取りをつくる段階であらかじめ意識しておく必要が出てきます。

 

また、引き戸を引き込む場所にはコンセントやスイッチは付けられないですし、洗面室やトイレの場合なんかではタオル掛けなども取り付ける事ができないので、部屋の使い方が制限されてしまう場合があります。

その他に引き戸には枠が付くことがほとんどなので、壁の色との調和を考えておかないと家ができてから思っていたよりも枠がうるさく見えてしまうということもあるので注意してくださいね。

引き戸の種類には引き戸にはレール式と上吊式があり、レール式はレールがあるので扉の開け閉めに安定感が、上吊式はレールが無いので引き戸を開け放した時に部屋がスッキリ見えます。

 

上記以外にも、ドアよりも引戸の方が扉の開閉の際に音が出やすいので、寝ている時にチョットした物音でも目が覚めやすいという方は、寝室には引戸よりもドアを使った方が寝ている方も部屋に入ってくる方も気を使わずにすみます。

ドアの特徴

ドア

それでは次に、ドアのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

 

ドアのメリット

ドアのメリットを挙げると、引き戸よりも気密性が良い事が挙げられます。

引き戸よりもドアの方が密閉して閉まるので、気密性が良くなるんですね。

そのため、音が気になる場合なんかにはドアを使用される事が多くあります。

また、気密性の良さから防音ドアも用意されているので、オーディオルームや楽器を使う部屋ではドアにしておきたいですね。

(防音ドアはいろんなグレードのドアがあるので、必要レベルに応じて選ぶ事ができます)

 

その他にドアならではの点を見てみると、例えばドアの場合はペットが通り抜けられるペット用ドアも用意されています。

(引き戸の場合は危険なので、基本的にペット用の入口を付けられる建具はドアのみになります)

ペット用ドア

Photo:https://www.ipros.jp/product/detail/1312467003/

その他にも、ドアの方が引き戸よりもレパートリーが多く、お気に入りのドアを1つでも取り入れてみるのも楽しいですね。

さらにはドアはどこにでも付けやすいので、間取りを選ばないのもドアのメリットと言えそうです。

 

ドアのデメリット

次にドアのデメリットを挙げると、人がよく通る場所にはドアはあまり向かないことが挙げられます。

ドアを押して開ける場合、人がよく通る場所だと気付かずにドアを人にぶつけてしまう可能性が出てきてしまうんですね。

特に、LDKの出入り口や廊下にあるトイレをドアにするとその危険は上がりますし、一番避けたいこととして階段の登り口や降り口にドアがあるとより危険なので、ドアを設けて問題無い場所かどうかはしっかり確認しておきたいですね。

意外と見落としがちですが、洗面室の入口をドアにするとお風呂のバスマットとドアが毎回ぶつかってしまうような配置になっていることもあるので注意が必要です。

 

このようにドアが邪魔になってしまうケースの場合、中折れ戸にするという方法もあります。

中折れ戸というのはこのような開き方をする建具ですね。

中折れ戸

Photo:http://alumi.st-grp.co.jp/products/interior/wooderia_vs/point_door_n.html

ドアよりも開くためのスペースがコンパクトで済むので、人の邪魔になる可能性が低くなります。

 

その他、ドアは開き勝手は自由に設定できますが、部屋のスイッチが押しにくい開き勝手になっていたりと、もったいない配置になっている場合があります。

そのため、始めに提案された開き勝手で本当に不便がないかどうかをシミュレーションしてみると、あとで失敗したというケースを避けることができるようになるので、1度は全てのドアを確認してみてくださいね。

電気配線図はここを注意!スイッチを使いやすくする方法

 

ちなみに、ドアの場合は開け放てないと思ってしまう方も多いですが、新築の家ではドアを全開にできる金具が付いていることがほとんどなので、そこまでドアを開けておけば家の中で風が吹き込んだとしても風に押されていきなりドアが閉まるというのは避けることができます。

引き戸とドア、どちらがいい?

これまで引き戸とドアのメリットとデメリットを見てきましたが、では引き戸とドア、どちらの方が使い勝手が良いのでしょうか?

これは人にもよる部分もありますが、これまで多くの人の話を聞いたり多くの間取りを作ってきた経験上、引き戸の方が便利だと感じる方の方が圧倒的に多いです。

 

ドアは開けるか閉めるかの2択となってしまいますが、引き戸のように開き勝手を自由に調整できるのは思っているよりも便利に感じるんですね。

また、コンパクトな家であればあるほど、開け閉めするのに場所を取らない引き戸は便利な存在となります。

 

そのため、基本は引き戸で使い勝手を良く。

引き戸が付けられなかったり、音が気になる場合はドアに。

そして、LDKなどいくつかの空間を一体にしたい場合は2枚や3枚の引き戸に。

このようなスタンスでいくと、家が広く使い勝手が良くなることが多いです。

そのため、ドアと比べて引き戸はいかに上手く使えるかは設計者によるという部分もあります。

良い家をつくる設計士が必ずもっているもの

設計士さん次第で、どうしてこんなにも違うの?その理由をお答えします。

 

また家をオシャレに見せる場合、引き戸、ドアという種類だけでなく、建具の枠も含めたトータルで見てみるとバランスの良い家になります。

オシャレに見える家とオシャレに見えない家の違いって何?

まとめ

今回は引き戸とドアについて見てきました。

家は建具の使い方次第で住みやすくもなったり、その反対で住みにくい家にも早変わりしますし、家の中の見た目と言うのも建具次第で大きく変わってきます。

それだけ建具と言うのは家に対する影響力が大きいんですね。

 

たかが建具、されど建具。

建具を上手く使いこなして、どれだけ住み心地の良い家にしていきたいですね。

では。

 

玄関の引き戸とドアについてはこちらも参考にしてください。

玄関ドアの種類と、玄関ドアを選ぶ時のポイント

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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あとで後悔しない!家で暗くなりがちな場所3選

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家を建てるなら光の入る明るい家にしたい。

このように思われる方は多いのではないでしょうか。

せっかく家を建てるのに暗くて雰囲気もどんよりした家をつくりたいという方は、ほとんどいないですよね。

 

このように、家の明るさというのは家づくりで重要なポイントですが、家ができてから実は思っていたよりもかなり暗かったと知って後悔される方も多くいらっしゃいます。

それだけ家の明るさというのは、図面を見ただけでは明るいかどうか判断しにくいんですね。

 

そこで今回は、家を建てる時に気をつけておかないと暗くなりがちな場所についてご紹介したいと思います。

あらかじめ注意するポイントが分かっていれば家ができる前に対応できるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

それではまず、暗くなりがちな1つ目のポイントを見ていきましょう。

玄関

玄関UP

間取りを見ていてよく見かけるのが、暗〜い玄関になりそうな間取りです。

玄関ドアを開けて目に飛び込んでくるのが暗い玄関だと、印象も良くないですよね。

玄関は家の第一印象を左右するので明るくしておきたい場所ですが、どうして暗くなってしまうのでしょうか。

 

玄関が暗くなってしまう一番の原因は窓。

玄関に窓が無いので、暗い雰囲気の玄関になってしまっているんですね。

 

昔の家では玄関にガラスが沢山入った引違い戸を使うことが多くありましたが、家の断熱、気密性能が重視されるにつれ引違い戸が使われることはほとんどなくなりました。

また、最近では玄関にシューズクロークや土間収納をつけることが多く、間取りの関係で窓が取りづらくなっているのも暗い玄関になってしまう1つの要因となっています。

シューズクロークをつくるなら絶対に知っておきたい5つのこと

 

では、どうすれば明るい玄関にすることができるのでしょうか?

玄関を簡単に明るくする方法としては、やはり窓を取り付けるのが一番効果的です。

さらには開けられる窓だと玄関の換気もできるのでプラスαの効果も見込むことができます。

玄関に窓をつけるスペースが無いと思っていても、玄関ドアの位置を上手く調整すれば窓ぐらいは付けられることがほとんどなので、玄関には窓が取り付けられる場所を積極的につくって、明るい雰囲気の玄関を目指したいですね。

 

玄関に窓をつける場合は普通の窓でもいいですが、スリット状の窓や地窓など、大胆な窓の使い方をしてみると、より印象的な玄関になります。

スリット状の窓にする場合は、高さなどできるだけ玄関ドアに合わせるとキレイに見えまし、坪庭が見える地窓なんかにするのも面白いですね。

 

ちなみに、ガラスのついた玄関ドアにするという方法もありますが、ガラス面の小さい玄関ドアでは気休め程度の明るさしか取り込むことができないので注意が必要です。

 

その他にも、玄関の近くに明るいリビングを持ってきてリビングの光を玄関に入れるなど、玄関を明るくする方法はイロイロ考えられるので、間取りに合わせながら明るい玄関になるよう柔軟に対応していきたいですね。

 

2階の廊下やホール

螺旋階段

2階の廊下部分やホールが暗くなってしまいそうな間取りも見かけることが多くあります。

リビングが1階、2階に寝室や子供部屋がある間取りでよく見かけるケースですね。

特にアパートやマンション生活が長い方にとっては階段や2階の廊下の明るさというのは盲点になりやすく、家ができてから暗さに始めて気付いたという声も多く耳にします。

 

では、どうして2階の廊下やホールが暗い間取りになりやすいのでしょうか?

その理由は、普通は階段部分に窓を設けますが、それ意外に窓を付けることなく、2階の階段、廊下、ホールに対して階段の窓1つで賄おうとすることが多いからなんですね。

 

階段にしか窓がないのに、廊下が少し折れ曲がっていたりすると、その先は真っ暗。

特に階段の窓は階段の途中でも開けられるように低めの位置に窓がついていることが多いので、より暗く感じてしまう原因ともなってしまいます。

窓で失敗しないために知っておきたい3つのポイント

 

廊下の先が真っ暗なのは大人でも気持ちいい物ではありませんが、小さな子供にとってはより気味が悪く怖い印象を与えてしまうので、階段や廊下、ホールはできるだけ明るくしておきたいですね。

(特に暗い階段は子供が1人で2階で寝るのを怖がる傾向があります)

 

さらには、なぜか階段についてる窓が小さな窓をつけているでことが多いですが、家が密集していて全く光が入らない場合を除いて、ある程度明るさを感じられるサイズの窓を設置した方が明るくてオススメです。

また、手で開けられる窓以外に高窓を取り付けたり、どうしても窓が付けられないならトップライトをつけたりすると、明るさの面でかなり効果があります。

家の光や風を左右する!家を建てるなら知っておきたい窓の話

 

その他には吹抜けをつくって廊下やホールの明るさを確保するのもいいですね。

 

敷地環境を考慮に入れつつ、2階の廊下の明るさを確保できるようにするのが重要と言えます。

キッチン

なかなか気付きにくい場所ではありますが、キッチンも暗くなってしまいがちな場所です。

キッチンはLDKとして一体につくることが多いのでリビングが明るいならキッチンも明るいというイメージを持つことが多いですが、実は明るいのはリビングだけで、ダイニングからキッチンにかけては全く日が入ることがない間取りというのもよく見かけるんですね。

特に、南北にLDKが配置されている間取りの場合に多く見られ、そのような場合はキッチンまで光が入る間取りなのかどうかはシッカリ確認しておく必要があります。

また、キッチンが家の真ん中にあり、キッチンの周りが部屋や水まわりに囲まれている場合も窓が取れずに暗いキッチンになる可能性が高くなってしまいます。

 

もちろん、敷地の形状からリビングに光を入れるためにキッチンはどうしても暗くなってしまうという事もありますが、明らかに間取りのゾーニングが原因で暗くなってしまっている時があるので注意してくださいね。

キッチンにも光を入れたい場合、家の要望を伝える時にただ「明るい家」と伝えるだけでなく、「明るいキッチンで料理をしたい」など、より具体的にどこを明るい家にしたいかを伝えると、あとで暗くて失敗したというのを防ぎやすくなります。

 

間取りの打合せ中にキッチンが暗いと気付いた場合、これまで見てきた玄関や2階の廊下と違い間取りを作り直すところから始めないといけないことがとても多くなってしまいます。

そのため、間取りが出てきた最初の段階で満遍なく明るさを確保できているかどうか確認しておくと、打合せがかなり進んでしまって大幅な変更が利かないとか、一からやり直しという事態を防ぐことができるのでオススメです。

まとめ

今回は、家の中で暗くなりがちな場所についてお伝えしました。

せっかく家を建てるのであれば、暗い場所が少なく明るい雰囲気の家にしたい方がほとんどです。

今回ご紹介した玄関、2階の廊下、キッチンは実は暗いことに意外と気付かない場所なので、明るさには特に気をつけてくださいね。

 

その他にも、敷地条件や家全体のバランスで家の中の明るさというのは大きく変わってきますが、実際には「家ができて始めて暗いのに気付いた」となりやすいポイントでもあります。

間取り診断でも家の明るさについてはチェックしているので、家の明るさや間取りについて気になる方はぜひご利用くださいね。

では。

 

家づくりで失敗したくない!そんな方こそ、間取りが重要です。

行列ができる間取り診断

家の明るさについてはこちらも参考にしてください。

家の明るさは大丈夫?後悔しない明るい家にする方法

玄関についての記事はこちら。

汚れが目立たない玄関タイルって何色?建築士がお答えします

価値のある玄関のつくり方

広い玄関土間のある家ってどうなの?土間の使い方と3つの注意点

暮らしやすい玄関ポーチのつくり方。家の外観も高級感が出ます。

これで失敗しない!!玄関収納の位置とサイズの決め方

廊下や階段についてはこちらも参考にしてください。

階段にはどんな種類がある?知っておきたい階段の4つの形

廊下のない間取りにするための5つのポイント

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間取りで見る使いやすいキッチンと冷蔵庫の配置4選

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キッチンカウンターの効果的な作り方3選

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建築士が教える今日の問題解決

意外と暗くなりがちな場所ってどこ?

  • 玄関、2階の廊下、キッチンは暗くなる間取りが多い。
  • 窓で明るさをコントロールしたり、暗い場所が少ないゾーニングにするのが重要。

床下収納庫はどこに設置するのがベスト?床下収納の位置を検証しました

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「床下収納庫を1カ所、家のどこかに設置するのですが、どこに設置するのがいいのか迷っています。床下収納庫を設置するのにオススメの場所というのはあるのでしょうか?」

読者の方より、このような質問をいただきました。

 

床下収納庫とはその名の通り床下を収納に活用した収納のことを言います。

床の一部が開くようになっていて、その下に物が入れられるようになっているんですね。

床下収納は通常は家の1階に設けることになり、最近では床下収納庫のある家がほとんどとなっています。

ではその床下収納庫はどこに付けるのがベストなんでしょうか?

今回は床下収納庫の取り付ける場所と注意点について見ていきたいと思います。

床下収納庫は必要?

家を建てる場合、床下収納庫は少なくとも1カ所は標準装備になっていることがほとんどです。

その理由は床下収納庫は家のメンテナンスをする際に活用できるというのが大きな理由です。

実は、床下収納庫は取り外すことができ、そこから床下の点検ができるようになっているんですね。

そのため床下収納庫は、床下点検口と表記されていることもあります。

 

床下や基礎、配管のチェックをするために、最低でもどこか1カ所は床下に潜れる場所をつくる必要があるんですね。

昔は畳の下を開けて床下に潜ることが多かったですが、今では床下収納庫を取り外して点検口を兼ねるケースがほとんどで、床にただ穴を開けるだけでなく床下収納にも活用するようになっています。

床下収納庫はどこに付ける?

yukasitaPhoto:http://www.daiken.ne.jp/products/interior.html

では、床下収納庫は家のどこに設けるのがいいのでしょうか?

床下収納庫は、キッチンや洗面脱衣室に付いているケースをよく見かけます。

キッチンであればペットボトルや食品などのストック入れとして、洗面脱衣室では洗剤などの収納として使われることが多いんですね。

 

それならいっその事、キッチンと洗面脱衣室の両方に付けた方がいいのではないかと思いますが、実はこの床下収納庫、頻繁に使うには意外と手間がかかるので、そこまで使い勝手のいい収納とは言えないのがネックとなってきます。

物を取り出すびにしゃがんで床下から物を取り出すので、結構手間になってしまうんですね。

それなら、床下収納ではなくて普通に収納できる場所をつくった方が何倍も楽に出し入れできるようになります。

床下収納庫を重宝するということは、それだけ普通に収納できる場所が少ないことの裏返しとも言えるんですね。

 

また、床下収納庫には金具の部分があり、冬場などは素足で踏むと冷たいですし、見た目もあまりいいものではありません。

床下収納は床下を収納に使えるという反面、寒さを感じたりギシギシと軋んで音がなる原因にもなってしまうんですね。

そのため、頻繁に人が通ったり行き来する場所には床下収納はあまり向いていません。

キッチンなら頻繁に床下収納の上に人がので音が鳴るようになればうるさく感じますし、洗面脱衣室は裸になる場所なので足に冷たさを感じてしまう原因にもなってしまうんですね。

 

では、どこに床下収納庫を付けるのがいいかというと、収納の中など人が通りにくくて目立たない場所が床下収納庫の設置場所としてオススメと言えます。

「収納の中に床下収納?」と思ってしまうかもしれませんが、床下収納庫はそんなに収納として便利な物ではないので、滅多に出し入れしない物を入れるのがいいですし、収納の中なら見た目や音も気になることがありません。

 

このように床下収納庫を付ける場合、収納力に期待するよりも、いかに目立たず邪魔にならない場所に付けられるかを優先するのがベストとなってくるんですね。

床下収納庫の種類

床下収納庫は大きく分けて「固定型」「スライド型」「和室用」の3つに分けることができます。

それぞれ具体的に見てみましょう。

 

固定型の床下収納というのは一般的に良く見かける床下収納庫で、フタを開けると収納ボックスがあるタイプのことです。

固定型の床下収納は一番よく見かけるタイプの床下収納になります。

BOX

Photo:http://sumai.panasonic.jp/interior/miriyo/yukashita/kotei.html

 

次に、スライド型の床下収納というのは収納ボックスが複数有り、収納ボックスをスライドで動かすことができます。

大量に床下に収納したい時に合っている床下収納なんですね。

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Photo:http://sumai.panasonic.jp/interior/miriyo/yukashita/slide.html

 

最後に和室用というのは畳のサイズに合わせて収納できる床下収納庫です。

普通の床下収納庫よりも長細いので、長いものを収納する時に便利な収納になります。

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Photo:http://sumai.panasonic.jp/interior/miriyo/yukashita/jproom.html

 

このように床下収納はいくつかの種類がありますが、床下収納を付ける場合に気をつけたいのが、基本的には高気密・高断熱住宅用の床下収納庫を使うということです。

一般的には床下に断熱材を入れている住宅が多く、断熱性能のない床下収納庫を使ってしまうと、その部分が断熱の弱点となってしまうんですね。

そのため、基本的には高気密・高断熱住宅用の床下収納庫を使うことが重要となります。(高気密、高断熱住宅用の床下収納庫はフタ部分に断熱材が付いています。また、基礎断熱で床下に断熱材を入れていない場合は、高気密・高断熱住宅用を使わなくても大丈夫です)

床下収納をつくる

既製品の床下収納庫を付ける以外にも、独自に床下収納を付ける方法もあります。

小上がりになった和室で良く見かけるスライド式の収納も、一種の床下収納と言えますね。

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小上がりの和室ってどうなの?小上がり和室のメリットとデメリット

 

また、あえて部屋に段差をつけることで、床下収納のスペースをつくることもできます。

造作床下収納

段差部分はベッド代わりにするなど、使い方はアイデア次第なんですね。

このような床下収納は床を上げた分だけ収納をつくることができるので、コンパクトな住宅の場合に特に効果を発揮します。

大きな開口の場合は油圧式の金具を使ってあげれば女性でも簡単に持ち上げるのが可能になるので、とにかく収納力を上げたい時に効果的です。

 

このように床下収納はやり方次第でいろんな収納を作ることができますが、床下収納を作る場合に気をつけたいのが、いかに家の性能を落とさずに収納をつくれるのかという点です。

先ほどの既製品の床下収納庫と同じで基礎断熱の場合は気にする必要はありませんが、床下に断熱材を入れる場合はできるだけ簡単な構造にして複雑な構造にしないのがポイントになってきます。

複雑な構造にしてしまうとそれだけ断熱材をキレイに入れるのが難しくなり、家の断熱性能が下がってしまう原因ともなってしまうので、断熱の弱点にならないような床下収納にする必要があるんですね。

床下に無理に収納をつくって家の性能が下がってしまうと、何で収納をつくったか分からなくなってしまいます。

1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

 

また、場合によっては床下収納を作るよりも家を大きくして収納を作る方が費用も割安で使いやすい収納にできるというケースも有り得ます。

そのため、床下収納はロフトと同じようにコンパクトな家の方がより効果が高くなるんですね。

ロフトのある家って実際どうなの?100棟以上見てきた正解がコチラです。

 

このように床下収納は、つくり方次第で生活の味方にもなってくれますし、あまり意味の無い物にもなる可能性を秘めています。

床下収納をつくるなら、有効活用できる床下収納なのかどうか。

この部分を意識しながら床下収納をつくりたいですね。

まとめ

今回は床下収納について見てきました。

床下収納は、既製品の床下収納庫を付ける場合と、造作で床下収納を作るという2つのケースに分けられます。

 

既製品の床下収納庫を付ける場合は床下点検口としての役割をメインとして、できるだけ目立たない場所に。

造作で作る場合はコンパクトな家の方が効果が高く、家の性能を落とさないように注意しながら床下収納をつくるのがポイントになってきます。

 

それぞれのケースに合わせて、効果的な床下収納にしていきたいですね。

では。

 

収納についてはこちらもご覧ください。

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  • 既製品の床下収納は収納としては使いにくいので、床下点検口と割り切ってできるだけ目立たない場所につけるのがベスト。
  • 造作で作る場合は、複雑な構造にして断熱性が落ちないように注意しながら作るといい。
  • 床下収納をつくる場合、コンパクトな家の方が効果が高い。

アイランドキッチンで後悔しないために知っておきたいメリットとデメリット

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先日、「キッチンを独立したアイランドキッチンにするか壁付タイプの対面キッチンにするかで迷っています」という方がいらっしゃいました。

詳しく話を聞いてみると、小さいお嬢さんが二人いるので、一緒にケーキや料理をつくる場としてアイランドキッチンを検討したいとのこと。

でも、今の間取りでアイランドキッチンにするとキッチンが狭く感じるのでは?費用も高いですよね・・とお悩みのご様子。

 

このようにアイランドキッチンにするか、それとも他のキッチンにするかどうか悩まれる方は多くいらっしゃいます。

特にアイランドキッチンは他のキッチンとは特徴が大きく違うので、アイランドキッチンを採用するかどうかはメリット、デメリットをしっかり把握してから決めるのが大切なんですね。

そこで今回はそんなアイランドキッチンのメリットとデメリットについて詳しく見ていきたいと思います。

キッチンを検討されている方はぜひご覧ください。

アイランドキッチンてどんなキッチン?

アイランドキッチン1

photo:https://hs-kitchen.shopinfo.jp/

アイランドキッチンとはキッチンの名前にアイランドという言葉がつくように、キッチンと壁が接する部分が無く、部屋の中で島のようになっているキッチンの事をアイランドキッチンと呼びます。

言葉で聞くと少しややこしい感じもしますが、簡単に言うとキッチンの周りをクルクル回れるのがアイランドキッチンになります。

 

アイランドキッチンは数あるキッチンの中でも見た目のインパクトも大きいので、対面キッチンというとアイランドキッチンを思い浮かべる方も多いと思います。

アイランドキッチンは、いわゆるオープンキッチンの代名詞ともいえる存在なんですね。

 

では、そんなオープンキッチンの代表とも言えるアイランドキッチンにはどのようなメリットがあるのか見てみましょう。

アイランドキッチンのメリット

アイランドキッチンならではの開放感

アイランドキッチン2

photo:https://www.goodrooms.jp/journal/?p=18855

アイランドキッチンにはいくつもメリットがありますが、その中でも一番特徴的なのはその開放感です。

アイランドキッチンは島のように独立しているので壁など視線を遮る物が近くにないため、キッチンとは思えない程の開放感があるんですね。

 

また、せっかく開放感のあるアイランドキッチンを入れるのであれば、アイランドキッチンからの眺めも意識してみると、よりアイランドキッチンを活かせるようになります。

例えば、料理をしながらTVを見るのが好きな場合はアイランドキッチンに立った時に見える位置にTVを配置するのも良いですし、アイランドキッチンから庭が眺められるように大きな窓をつけるなど、アイランドキッチンが持つ開放感を活かした間取りにすると、アイランドキッチンがより活きてくるようになります。

 

アイランドキッチンは移動が楽

アイランドキッチン3

photo:http://toyokitchen.co.jp/ja/

アイランドキッチンには壁が無くて島のようになっているという事は、キッチンの周りをクルクルとまわることができるようになります。

実際にダイニングテーブルへ料理を運ぶときなど、自由に最短距離で移動できるというのはかなり移動の自由が広がり便利なもの。

そのため、アイランドキッチンは食事の準備、片付けがしやすいんですね。

 

また、キッチンについて考える場合は冷蔵庫をアクセスしやすいキッチンの入口側に置くのか、それとも目立ちにくいキッチンの奥側に置くのかというのも悩みやすい部分ですが、アイランドキッチンはどこからでもアクセスしやすいので自由に冷蔵庫を配置できるというのもメリットと言えます。

間取りで見る使いやすいキッチンと冷蔵庫の配置4選

 

コミュニケーションが取りやすい

アイランドキッチンは開放感があるので人とコミュニケーションをとるのも簡単。

料理をしている時にも孤立する事がありません。

遊んでいるお子さんや、リビングにいる人と会話しながら調理できるというのは良いですね。

 

また、アイランドキッチンは存在感のあるキッチンなので、キッチンの周りに人が集まりやすいという求心力を持っているキッチンとも言えます。

 

ちなみにアイランドキッチンのちょっとしたマメ知識として、料理や洗い物をしている時の音がうるさくて会話できないよならないよう、アイランドキッチンのシンクは水の音が響きにくい静音シンクがお勧めです。

 

料理教室など複数人でキッチンを使いやすい

アイランドキッチンは作業スペースも広く様々な方向から使えるので家族で料理する時にもアイランドキッチンはとても便利な存在です。

友達を呼んでホームパーティーをする時なんかでもアイランドキッチンは複数人で作業ができるので準備や片付けがしやすくなります。

また、将来家で料理教室をやりたいと考えている場合なんかでも、複数人で作業がしやすく手元が見やすいアイランドキッチンはお勧めのキッチンです。

 

アイランドキッチンの仕様設計はかなりフレキシブル

料理をする時以外にもアイランドキッチンの向かい側はカウンターとして簡単な食事スペースとして使ったり、収納、飾り棚として使う事もでき、キッチンを360°使えるのも大きな特徴です。

また、アイランドキッチンはダイニングテーブルもセットになっているキッチンや、「くの字型」になっているキッチン、四角いキューブになっているキッチンなど、スペースや使い方によって色々とアレンジしたり選ぶことができるのもアイランドキッチンならではと言えます。

アイランドキッチン4 アイランドキッチン5

photo:http://toyokitchen.co.jp/ja/

 

アイランドキッチンはお洒落なキッチンが多い

どのキッチンメーカーでもアイランドキッチンは最上級グレードに位置するのでお洒落なキッチンが揃っています。

そのため、アイランドキッチンは基本的にお洒落なキッチンが多く、見た目も様々です。

そのため家の雰囲気に合わせてアイランドキッチンを選ぶのも楽しいですね。

アイランドキッチンのデメリット

アイランドキッチン6

Photo:http://ekrea.jp/

アイランドキッチンには広いスペースが必要

それでは次に、アイランドキッチンのデメリットを見てみましょう。

 

まず、これまで見てきたようにアイランドキッチンは圧倒的な存在感がありますが、それだけ存在感のあるアイランドキッチンを設置するにはかなり広いスペースが必要となります。

そのため、キッチンにある程度の広さが必要となってくるんですね。

 

よく見かけるアイランドキッチンの失敗例として、狭いLDKにアイランドキッチンを配置してしまい、キッチンの存在感が大き過ぎてアンバランスなLDKになってしまうなんてことも。

アイランドキッチンは開放感が魅力ですが、その分、まわりの環境にアイランドキッチンをいかに自然に馴染ませるかが大切になってくるんですね。

特にLDKの広さがあまり取れず、ソファに座った時に視線のすぐそばに大きなアイランドキッチンが目に入ってしまうようなレイアウトにしてしまうと思ったよりも圧迫感を観じてしまうので注意が必要です。

(圧迫感が気になる場合、脚がついていて少し軽さを出したアイランドキッチンにしたり、キッチンの天板以外はコンパクトにするなど軽さを重視すると効果的です。家具と同じ考え方ですね)

アイランドキッチン7

アイランドキッチンを入れるために日常生活に支障が出てきていないか。

アイランドキッチンを入れる方は必ず一度はチェックしてみてくださいね。

 

油や水はね、ニオイは広がりやすい

アイランドキッチンの開放感の裏返しとして、油はねやニオイも部屋に広がりやすくなってしまいます。

キッチンの周りに壁がないので、油はねは特に飛びやすくなってしまうんですね。

 

そのため、汚れが気になる場合はアイランドキッチンのコンロの前にはオイルガードを設置したり、換気扇はパワーの強いものを設置したいですね。

(アイランドキッチンには壁が無いので換気扇は天井につける必要があり、換気扇の種類に限りが出てしまうのもデメリットと言えます。)

 

アイランドキッチンは手元が丸見え

アイランドキッチンはオープンな開放感が魅力の反面、手元が丸見えになってしまうというデメリットも。

キッチンの上を常にキレイにしておかないと、せっかくのアイランドキッチンなのに生活感が丸出しの残念なキッチンに・・、なんてことにもなりかねません。

そのためアイランドキッチンを造るときは、いつでもキッチンをキレイにできるかどうかがポイントになってくるんですね。

先ほどの油はね等も含めてアイランドキッチンを魅力的に見せるには日常のお手入れがとても重要です。

 

アイランドキッチンは子供に注意

アイランドキッチンはクルクルと回れるのはメリットですが、小さなお子さんがいる時はお子さんがキッチンの中に入ってきやすいというデメリットもあります。

熱い物を持っているときや包丁を持っているときなどはお子さんの居る場所には気を配っていたいですね。

特に小さいお子さんが何人かいる場合は、料理だけでなくお子さんの動きにも配慮が必要です。

 

アイランドキッチンは価格が高い

アイランドキッチンのデメリットとしては、価格が高い事もアイランドキッチンのデメリットになってきます。

アイランドキッチンは使い勝手だけでなく見た目も重要な要素なので、どうしても価格が高くなってしまうんですね。

また、一般的なキッチンと比べて数が出る事が少ないですし、オーダーメイドにもなりがちなのも価格が上がる要素となっています。

 

その他、キッチン本体以外にもアイランドキッチンは換気扇も天井付けの換気扇となりデザイン性が高いものが多いですが、その分高価な物が多いです。

そのため憧れだけではなく、使いこなせるかどうか(いつも奇麗にしておけるかなど)を一度よく考えてみるとアイランドキッチンを選んだ時の失敗がとても少なくなりますよ。

アイランドキッチンの事例紹介

アイランドキッチンのメリット、デメリットを見てきましたが、アイランドキッチンにはいろんな形のアイランドキッチンがあります。

アイランドキッチンはアイデア次第でアレンジがしやすいので、様々なアイランドキッチンがあるんですね。

それでは次に、実際にちょっと手を加えたアイランドキッチンを見ていきたいと思います。

 

テーブルと一体になったアイランドキッチン

Photo:http://daiwa-xevo.com/archives/264

キッチンの天板をダイニングテーブルと一体にしたアイランドキッチンです。

広ーい作業場とテーブルとの一体感が魅力のアイランドキッチンとなっています。

テーブルとキッチンが一緒なので料理の配膳や食器の片付けも楽チンなのが良いですね。

ダイニングテーブルとキッチンと一緒にした場合のデメリットはキッチンから他の場所へ移動する動線が長くなってしまうのがデメリットとなりますが、アイランドキッチンで左右どちらにも移動できるので移動のデメリットもほとんどなくなるのも魅力の1つです。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

 

一方、ダイニングテーブルとキッチンを一緒にした場合に気をつけたいのが「高さ」について。

ダイニングテーブルとキッチンの高さを同じにすると、椅子の高さを高くする必要が出てくるからです。

その理由としては、キッチンは通常の高さが85㎝、一方でダイニングテーブルの一般的な高さは70㎝というようにそれぞれの高さに違いがあるので、その分を調整する必要があるんですね。

ちなみにダイニングテーブルの高さを一般的な高さにしてアイランドキッチンと一体に作った場合はこのようになります。

Photo:http://daiwa-xevo.com/archives/264

キッチンとテーブルに少し段差があるのが分かりますね。

そのためアイランドキッチンとダイニングテーブルを一体で作る場合は高さに注目して見るのがポイントとなってきます。

(段差が気になる場合は椅子の高さを高くする、キッチンの前だけ床を低くするという方法があります)

 

段差が気になるのかどうか、それとも気にならないかは人によってやインテリアによって変わってくるものです。

例えばモダンなインテリアを目指すのであれば直線を強調するために段差は余計なものになりますし、ナチュラルな雰囲気であれば段差があってもあまり気になることはないなど、段差を良しとするかは状況によって変わってきます。

アイランドキッチンとダイニングテーブルを一体にするのは魅力的な方法ですが、実際に家が完成してからアレっ?と思ってはもったいない物です。

そうならないためにもアイランドキッチンとダイニングテーブルの高さはしっかり確認しておきたいですね。

(アイランドキッチンにしない場合も、キッチンとダイニングテーブルでは段差が付くことを頭にいれておけるとベストです)

 

木の質感を強く出したアイランドキッチン

Photo:https://www.homify.jp/photo/921524/h-s-house

木の質感をうまく使ってインテリアと合わせたアイランドキッチンです。

アイランドキッチンは四方が見えるキッチンなので、キッチンをどのような素材で作るか次第で見た目というのは大きく変わってくるんですね。

シンプルな家具を入れるならシンプルなアイランドキッチンに。

木のテイストを出した家具を入れるなら木をうまく活かしたアイランドキッチンにするなど、質感にこだわって見るのもアイランドキッチンの魅力の1つです。

 

コンクリート製のアイランドキッチン

Photo:https://suvaco.jp/room/9zt8ooAIvc

先ほどのアイランドキッチンは木の質感を活かしたキッチンでしたが、こちらはコンクリートで作ったアイランドキッチン。

コンクリートみたいな重いもの家の中に入れてキッチンとして使えるの?と思う方もいらっしゃると思いますが、コンクリートで作る家の基礎と一緒にキッチンの大枠を作ってしまい、シンクやコンロなどを後で取り付けることで重たいコンクリートでもキッチンとして使うことが可能になります。

個性的なアイランドキッチンを探している方にとってはコンクリート製のアイランドキッチンというのは面白いですね。

コンクリートは熱くなりにくく冷めにくいので、キッチンとしてだけでなく蓄熱体としても使う方もいらっしゃいます。

 

段差を利用したアイランドキッチン

Photo:http://npo-iezukurinokai.jp/prize2015/material/木のキッチン/

アイランドキッチンの前に小上がりを設けて、キッチンの前に座れるようにしたアイランドキッチンです。

先ほどキッチンとダイニングテーブルでは高さに違いが出るとお伝えしましたが、その高さの違いを小上がりで上手く調整してあるキッチンなんですね。

さらには小上がり部分にアイランドキッチンと同じ高さになるテーブルを用意しておけば見た目の高さが揃って綺麗に見えるだけでなく、大人数が集まった時にはテーブルをアイランドキッチンにくっつけてキッチンと一体の大きな大テーブルにすることも可能となります。

そのため、小上がりのあるアイランドキッチンは大勢の人が集まる場合に特に重宝するアイランドキッチンと言えます。

キッチンカウンターでおつまみなどサッと作って振る舞えば、まるでお店のマスターのようにもなり、人が集まる楽しいアイランドキッチンになるのも魅力の1つです。

 

斜めになったアイランドキッチン

Photo:https://www.toyokitchen.co.jp

アイランドキッチンは必ずしも四角という訳ではなく、一部を斜めにしたアイランドキッチンもあります。

普通のアイランドキッチンよりも広いスペースが必要になってしまいますが、一部が斜めになっているアイランドキッチンには抜群の存在感があります。

変形地で家の一部が斜めになっている場合など、家の形に合わせてアイランドキッチンの一部を斜めにして間取りを綺麗におさめるのも良いですね。

 

アイランドキッチンのアレンジ

アイランドキッチンには様々な種類があるとご紹介しましたが、アイランドキッチンでは無くてもアイランドキッチン風にアレンジするという方法もあります。

 

例えば、アイランドキッチンの左右どちらかが壁にくっついた対面キッチンの事をペニンシュラキッチンと言いますが、ペニンシュラキッチンの壁を下の写真のように作ればアイランドキッチンと同じようにクルクル回れるようになり、アイランドキッチンとほぼ同じメリットを維持しつつ、汚れにも強いキッチンにすることもできます。

アイランドキッチン8

ペニンシュラキッチンで後悔しないために知っておきたいメリットとデメリット

 

また、一般的なキッチンの事をI型キッチンと言いますが、価格を抑えつつアイランドキッチンのようにしたいという場合は、次のような形でI型キッチンを配置してあげると、開放感のあるキッチンにすることができます。

アイランドキッチン9

I型キッチンの周りを壁ではなく腰壁で囲むだけでアイランドキッチンに近い開放感を出しつつ、手元も隠せるようになるんですね。

 

これはほんの一例ですが、アイランドキッチンを入れる事を目的とするのではなく、「開放感+汚れにもある程度対応」「開放感+手元も隠したい」など、どんなキッチンにしたいかを明確にすることで結果的アイランドキッチンにすることもあれば、他のキッチンをアイランドキッチンのように作るなどアレンジをした方があなたに合うキッチンになる場合もあります。

アイランドキッチンに魅力を感じている場合、アイランドキッチンの何に魅力を感じているのか。

その部分を明確にしてみると、よりあなたに合ったキッチンにすることができるようになりますよ。

まとめ

今回はアイランドキッチンのメリットとデメリットについて見てきました。

 

アイランドキッチンは対面キッチンの中でもかなり個性の強いキッチンです。

また、価格も高価ですし部屋の広さもある程度必要となるなど普通のキッチンとは少し違う部分も有り、魅力的な反面、失敗もしやすいキッチンとも言えます。

そのため憧れだけではなく、使いこなせるかどうか(いつも奇麗にしておけるかなど)を一度よく考えてみるとアイランドキッチンを選んだ時の失敗がとても少なくなります。

せっかくアイランドキッチンを入れるのであれば、ぜひあなたに合ったアイランドキッチンを入れて、毎日の料理が楽しくなるようにしてくださいね。

では。

 

キッチンについてはこちらも参考にしてください。

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リビング階段は寒い?プロが教えるリビング階段のメリットとデメリット。

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「リビング階段にしようと思っているのですが、リビング階段は寒いとよく聞くので心配です。リビング階段にすると寒いのでしょうか?またリビング階段のメリットとデメリットを教えてもらえないでしょうか?」

読者さんよりこのような質問をもらいました。

確かに「リビング階段にしたら寒かった」って話を聞く事がありますよね。

 

では、リビング階段にすると実際に寒い家になってしまうのでしょうか

今回は、リビング階段にすると本当に寒くなるのかどうか、またリビング階段にした時のメリット、デメリットについてお話したいと思います。

家づくりを考えている方はぜひご覧下さい。

リビング階段とは

リビング階段

リビング階段とはその名のとおりリビングに階段がある間取りの事で、リビングイン階段とも呼ばれます。

リビング階段の家は階段がリビングにあるので子供部屋がある2階へ行くのに必ずリビングを通る間取りになるという訳ですね。

このようなリビング階段は十数年くらい前から採用する方がかなり増えるようになりました。

メディアでリビング階段は子供がいる家庭に良いという情報が発信されはじめた頃ですね。

今では6割から7割くらいの方がリビング階段を採用されています。(日々の設計業務、間取り診断からの統計です)

 

それだけ人気のリビング階段ですが、リビング階段にすることでメリットもあればデメリットもあります。

では、リビング階段にはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

それではまず、リビング階段のメリットについて見てみましょう。

リビング階段のメリット

螺旋階段

家族が顔を合わせる機会が増える

まず、リビング階段の一番のメリットは、家族がリビングで顔を合わせる機会が増えるという事が挙げられます。

リビングを通らないと2階に上がることができないので、必然的に家族が顔を合わせる機会が増えるんですね。

 

そのため家に誰がいるのか把握しやすくなりますし、お子さんが夜勝手に出歩いたりするのをかなり防ぐ事ができます。

やはり顔が見えるのに堂々と夜遊びに行きづらいですよね。

 

もちろん、リビング階段だけでお子さんが夜遊びをしないとかグレるのを防げるという訳ではありません。

グレるがどうかは教育、しつけなどお子さんに対する接し方もとても重要な要素となるからです。

でも、リビング階段で強制的に顔を合わせる家になる事で、少なくとも子供の顔色であったり様子は分かります。

また、リビング階段にする事で子供を気にかけるきっかけが増えるので、お子さんのちょっとした変化にも気付きやすくなるという事なりますし、反対に子供も親御さんの日々の変化にも気付きやすくなります。

マザーテレサの言葉で「愛の反対は憎しみではなく無関心です」という言葉がありますが、リビング階段にすることで少しでもお互いに関心を持つきっかけとなってくれるんですね。

 

リビングが広く見える

リビング階段にした時のその他のメリットとして、階段がリビングにあることでリビングが広く見えるという効果があげられます。

階段をLDKに取り込めるので、実際のLDKの広さよりも広く見えるようになるんですね。

例えば20帖のLDKに2帖の階段があれば、視覚的には22帖の広さのLDKとなります。

特にコンパクトなLDKの場合は視覚的に少しでも広く見えるだけでリビングの印象というのはかなり変わってきます。

開放的なリビングを目指す場合やリビングの広さによっては、リビング階段は有力な選択肢の1つとなってくれるんですね。

リビングの広さはどれくらい必要?16帖、18帖、20帖で比べて見ました

 

明るい階段になる

リビング階段にすると明るい階段になりやすいというメリットもあります。

リビング階段にしない場合、廊下など比較的光が入りにくい位置に階段が配置されることが多く、比較的暗い階段になりがちです。

一方、リビング階段の場合は光が入りやすいリビングに階段があるので明るい雰囲気の階段になりやすいんですね。

家の明るさは大丈夫?後悔しない明るい家にする方法

 

ただ、いくらリビング階段だからと言ってもそれだけで明るい雰囲気の階段になる訳ではなく、階段を登りきった場所に光が入るようにするのも重要なポイントです。

リビング階段の場合は、階段に光が入るよう設計しないとリビングを見上げるとぽっかりと口を開けた真っ暗な階段があることになってしまうなんてことも。

そうなるとせっかくのリビング階段がマイナスになってしまいますよね。

 

リビング階段は明るい階段にしやすい反面、リビングの印象も左右するので階段の明るさも意識すると、より魅力的な空間をつくることができます。

 

ストリップ階段は特にオススメ

Photo:https://suvaco.jp/project/68fCvIMIjP

階段にはいくつか種類がありますが、リビング階段にする場合は下がオープンになっているストリップ階段は特にオススメです。

(階段の下を壁にしたり収納にしたりするのではなく、オープンな作りの階段のことをストリップ階段と呼びます)

リビング階段はリビングが広く見えるようになりますが、オープンな作りのリビング階段にしてあげることでさらに視界は抜けるようにすることも可能となるんですね。

階段にはどんな種類がある?知っておきたい階段の4つの形

 

また、ストリップ階段は見た目が軽い作りなのでお洒落な階段に見えることがほとんどです。

そんなストリップ階段をリビング階段に使うことで、LDKもグンとお洒落に見えるんですね。

 

一方、ストリップ階段にしない場合でも、リビング階段にする場合は階段の見え方を意識するかしないかで空間の雰囲気というのは随分変わってきます。

リビング階段はLDKのいろんな場所から見えるので、LDKの印象にも影響を与えるんですね。

せっかくリビング階段にするのであれば、階段がリビングやキッチンからどのように見えるのかどうか。

この部分をしっかり確認しておきたいですね。

 

リビング階段は吹抜けとの相性がいい

リビング階段は吹抜けともとても相性が良いのも大きな特徴です。

特にリビング階段に面して吹抜けを設けると、吹抜けの開放感がより一層際立つようになります。

こんな感じですね。

吹抜けは家の明るさを確保するのに効果的な方法ですが、吹抜けの広さの設定を間違うとあまり効果の無い吹抜けとなってしまいます。

でも、リビング階段と吹抜けを一帯にすることで、吹抜けを広げなくても視覚的に吹抜けを広げたのと同じ効果をもたらすことができるんですね。

吹き抜けのメリット、デメリットと失敗しない吹き抜けの作り方

 

例えばそれほどLDKに広いスペースを確保できないでも、リビング階段を先ほどご紹介したストリップ階段にして階段の下をTVスペースやデスクスペースにすることでLDK内に置く家具を減らして広さを感じられるリビングにすることもできますし、吹抜けがあることで実際の広さよりも開放感のあるリビングにすることもできます。

 

もちろん、必ず吹抜けにしないといけない訳ではなく、敷地条件や間取りの要望によってリビング階段に吹抜けを設けるかどうかは変わってきますが、より開放感のあるリビングを目指すならリビング階段と吹抜けを検討してみたいですね。

また、リビング階段にする場合はストリップ階段+吹抜けというのはお洒落に見せるための王道とも言えます。

 

家の1階と2階につながりができる

リビング階段にすると、家の1階と2階にゆるやかな繋がりができるようになります。

ゆるく繋がることでお互いの階の声が聞こえやすくなるんですね。

 

例えば、ご飯の支度ができた場合もわざわざ2階に言って声をかけなくても階段下から声をかえければ2階にまで声が届きやすくなります。

その他に、夜も誰かが帰ってきた時なども気配が感じやすいのもリビング階段の特徴と言えます。

リビング階段のデメリット

リビング階段2

ここまでリビング階段のメリットをご紹介してきましたが、リビング階段にはデメリットもあります。

では次に、リビング階段のデメリットを見てみましょう。

 

リビング階段は家の性能が重要

まず、リビング階段のデメリットでよく話題に上がるのが、リビング階段は寒いという話です。

 

確かにリビング階段の家がよく造られはじめた頃、リビング階段にすると寒いという声を聞く事が多くありました。

家の性能、特に断熱、気密性能についてそこまで重要視されていなかったので、リビング階段にすると家が寒くなってしまったんですね。

ただ、今は断熱、気密性能の高い家が多く、「リビング階段にすると寒い」と言う会社は自分の会社の性能は悪いですよと言っているのと同じという時代になりました。

吹抜けが寒いというのも同じですね。

吹抜けのある家は寒い?家を建てた人100人に聞きました

 

そのため、リビング階段にするなら断熱、気密性能の高い会社で家を建てるのが必須となります。

1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

家は「性能」?それとも「間取り」が大切?

 

ただ、いくら性能が良くても玄関に吹抜けがある家が寒い家になりやすいように、家の間取り次第で暑い、寒いなんて事が起こる場合があるので、リビング階段にしても問題ない間取りにするのも重要になります。

(なぜ玄関に吹抜けをつくるとダメなのかはこちらをご覧下さい)

こんな吹抜けはイヤだ!!残念な吹抜け3選

 

また、いくらリビング階段が寒くないと言っても、部屋が暖まったり冷えるにはリビング階段の方が時間が掛かります。

リビング階段を通して2階にも繋がっているため、暖めたり冷やす体積が多くなってしまうからなんですね。

そのため、少しでも部屋が暖まりやすいようエアコンの配置位置もしっかり意識しておく必要があります。

エアコンで失敗しないために知っておきたいこと10選

 

ニオイや音は伝わりやすい

リビング階段のその他のデメリットを挙げるとすると、ニオイや音に関してもリビング階段の方が2階まで伝わりやすくなるということが挙げられます。

 

リビング階段を通して空間が2階まで繋がることになるので、どうしてもニオイや音というのは伝わりやすいんですね。

特に料理のニオイが気になる方は多いのではないでしょうか。

魚や肉を焼いた時のニオイというのは結構気になりますよね。

 

そのため、リビング階段にするならキッチンはある程度リビング階段から離した上で、換気扇も換気量が大きいものを選びたいですね。

また1階、2階とも風が抜けるように窓を配置しておくのも効果的です。

家を建てるなら必ず知っておきたい窓の話

 

大人になった時に気になる可能性も

リビング階段にした場合、お子さんが小さい時はいいですが、お子さんが大学生から社会人になってくると「リビング階段はちょっと微妙」と思い始める事が多くなります。

まぁ大人ですから毎回毎回顔を合わせなくてもと思う訳ですね。

確かに大きくなってから友達を呼んだとして毎回リビングを通らないとけないというのも少し気を使う可能性もあります。

このあたりはどのような親子関係で育ったかというのもありますし、大人になったら家から出て自立してもらうという方針の家もありますので、人によってはデメリットに感じるかどうか違いが出やすい部分でもあります。

 

来客とも顔を合わせやすい

もうひとつ、意外に住んでみるまで気付かないリビング階段のデメリットを1つご紹介しておきます。

リビング階段の家は家族がリビングに集まる事が多いですし、お客さんやお子さんの友達もリビングに居たり通ったりする事になります。

言ってみれば、リビングに全ての人が集まったり通ったりする訳ですね。

 

そうなってくると、リビングが汚いとちょっと締まらない家になってしまいます。

そのためリビング階段の家はリビングをいつも奇麗にしておかないと、締まりのない家になってしまいやすいんですね。

おしゃれなリビングにするための収納術。片付く部屋にする方法をご紹介します。

 

また、休日にパジャマのままリビングでゴロゴロしていて、子供の友達が「こんにちは」と遊びに来ると、ちょっと気まずいですよね。

子供たちが子供部屋にすぐ行ったとしても、リビングでゴロゴロしている姿を見られてしまうのは気持ちいいことではありません。

何かだらしないお父さんに見られてしまうことも・・。

 

そのため、誰か来る予定があるのかどうかを確認できるようにしたり、休みの日もある程度身だしなみを整えるなど、ダラ〜とした感じではなく多少緊張感を持って生活する必要が出てきます。

この辺りがストレスになるのか、それともメリハリがつくので逆に良いのか。(ダラッとするのは寝室だけにするなど)

リビング階段にする場合は実際に生活をした時に生活スタイルに合っているかどうか。

このあたりもリビング階段の重要なポイントなんですね。

迷ったらこんなリビング階段も

リビング階段間取り

リビング階段と一言で言っても、リビングのど真ん中に階段がある家もあれば、リビングのスミッコに階段がある場合もあります。

リビングに階段があるのでリビング階段の家ですが、同じリビング階段の家でも階段の位置によって家の印象はかなり違ってきます。

 

そのため、もし「何となくリビング階段がいいかなぁ」とか「リビングでゆっくりしたいなぁ」と思うのであれば、玄関に近くてリビングの隅っこの辺りをとおるリビング階段にするという方法もあります。(上の図参照)

リビングの隅っこに階段があると、リビング階段のメリットは受けつつも、リビング階段のデメリットもかなり減らせます。

リビングのど真ん中を通らないので、プライベート感のある落ち着いたリビングになるんですね。

お子さんが帰ってきた時に顔をちらっと見る事はできますが、友達が来た時なんかはそこまで気にしなくても大丈夫という訳です。

このように、落ち着いたリビングにするならリビングの隅っこに階段を持ってくるのを検討してみるのも1つの方法と言えます。

どうしてもリビング階段の寒さが気になる方へ

ここまでリビング階段のメリット、デメリットなど様々なことをみてきましたが、最後に、どうしてもリビング階段の寒さが気になる場合の方法についてみてみましょう。

リビング階段の寒さがどうしても気になる。

そのような場合は階段に扉を付けてしまうという方法があります。

階段の扉

Photo:http://blog.livedoor.jp/shokenhirakata/archives/8956095.html

リビング階段に扉をつけることで、寒い時期だけ閉めてしまい寒さを和らげるという方法ですね。

階段に扉がつくため部屋の体積は少なくなり部屋も暖まりやすくなります。

このように、リビング階段に扉を付けておいて、通常は開け放し。

冷暖房の効率が気になる時だけ閉めるられるようにしておけば、リビング階段で寒いという事は避けられるようになるんですね。

 

この場合のポイントとしては、扉は引き戸。

できればハイドアにしておくのがオススメです。

 

人がよく通る場所なのでドアだと開け閉めする場合に人にぶつかりやすいため危険なのと、冬以外の時期は開けっ放しにするので引き戸の方が使い勝手がいいんですね。

また、開け放していることも多いため、できるかぎり扉の存在感を消してしまうのもリビングの見た目を考えると大切なポイント。

そのため、できる限り扉の存在感を消すことができるハイドアを選ぶのが正解となってきます。

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また、可能であれば扉を開けてすぐ階段ではなく、扉と階段の間に50㎝ほどのスペースを設けることができればベスト。

このスペースがあるかどうかで扉の開けやすさ、階段の上り下りのしやすさが変わってくるんですね。(ケースによってはこのスペースを取ることで間取りの他の部分にしわ寄せが来る場合があるので、間取り全体のバランスを見ながら調整したいですね)

 

その他、もしリビング階段にした後に寒さを感じた場合はロールスクリーンやカーテンなどで階段とリビングを区切るという方法もあります。

 

最後に、同じリビング階段でも2階リビングにした場合のリビング階段というケースもあります。

暖かい空気は下へ流れて行くので、2階リビングのリビング階段は寒さを感じやすいんですね。

その場合、このように階段に腰高の引き戸を取り付けてしまう方法もあります。

階段 扉

Photo:https://blog.goo.ne.jp/akatuki-design/e/aacbca415cf2a20d3334ae557853af16

腰高の引き戸なので圧迫感はありませんし、暖かい空気が下へ降りるのを防いでくれるのでかなり重宝します。

かなりオープンな階段で無い限り引き戸は取り付けられるので、私の場合は2階リビングの標準装備にしています。

2階リビングのメリット、デメリットをプロの建築士がまとめました【絶対保存版】

まとめ

今回はリビング階段についてメリットとデメリットを見てきました。

リビング階段にする時の何よりのポイントは、断熱、気密性能の良い会社で家を建てる事。

次に生活スタイルに合うかどうか考えてみる事。

この2点がとても大事なポイントとなります。

 

その上でリビング階段に期待するコトと、リビング階段で心配なコト。

リビング階段という一言で区切らず、上手くアレンジしてあなた仕様の階段にする方法もあるんですね。

 

ちなみに私は、カッコいい階段をリビングに造りたい派です。

(建築士というのは大体カッコいい階段を造りたがるものなので、よく見える所に階段を造りたくなるんですね。笑)

階段次第で家での生活は変わってきます。

ぜひあなたに合う階段をつくって快適な生活を送ってくださいね。

では。

 

リビングについてはこちらも参考にしてください。

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3月に引越すなら、いつから家づくりを始めればいいの?

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家を建てるとき、家の引渡しの時期で1番多いのが3月です。

新しい年度までに引越したいという方は多いですよね。

特に学校が幼稚園から小学校に変わったり学年も代わる時期なので、学区や学校の関係や年度の途中での転校は避けたいなど、3月までに新しい家に引越したいというニーズはかなり高いです。

 

では、3月に家を完成して引越したい場合、どのようなタイミングで住宅会社を決めて家づくりの打合せを進めれば、3月までに間に合うのでしょうか?

今回は家づくりで3月に引越しするためのスケジュールについてお伝えしたいと思います。

3月だけでなく、いつまでに引越したい、引越す必要があるというように引越すタイミングが決まっている方はぜひご覧ください。

3月までに引越すにはどうすればいい?

引越し

3月中に引越したいという場合、まずは家がいつ完成すれば3月に引越せるかを知るのが1番重要になってきます。

そのため、3月の引越しを目標にするなら、まずは家の完成の日から逆算していくと分かりやすくなります。

 

家の完成から反対の順番に、工事の着工時期、打合せ期間、そしていつまでに住宅会社や工務店を決めればいいのかを遡って見ていけば、3月に間に合うかどうかが分かりやすくなるんですね。

 

それでは、3月に引越すためには工事の着工時期はいつ頃が目安なのかを見てみることにましょう。

工事の着工はいつ?

大工

3月に家を完成したいといっても、3月末のギリギリに家が完成する予定の場合、3月に引越すのはかなり難しくなります。

家の工事や新生活の段取りで万が一の不測の事態も考えられるため、引越しや引渡しの予定が立てづらくなってしまうんですね。

 

そのため、3月中に引越すなら遅くても3月前半に家の工事が終了、施主検査と手直し期間を経て3月中頃の引渡を目指すのが現実的な日程になります。

 

それでは、3月の前半に家が完成するとして家の工事期間はどれくらい必要なのでしょうか?

 

たとえば木造2階建て、30坪前後の場合、家の工事の期間は4ヶ月前後が一般的な工事期間となります。

ただ、家が3階建てになったり、家の大きさが40坪を超えてくるともう少し時間がかかるようになりますし、丁寧な大工仕事がウリの工務店なら工事期間が半年というのも普通にあります。

その一方で、スピードが要求される売建ての住宅なんかだともっと早くなりますし、プレハブ住宅など工場で部材をつくって現場で組み立てるだけならもっと早くなります。

ここはどんな家を建てるかで期間が変わってくるんですね。

その他に、土地の形状によっても工事期間が左右されるので、高低差があったり、普通とはちょっと違う土地の場合は、引越し時期が決まっている場合は注意が必要です。

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ここでは一般的な工事期間の4ヶ月間を取ってみましょう。

 

4ヶ月の工事期間を見ながら逆算していくと、3月始めに工事を終わらせるなら、少なくとも11月の始めには工事を着工。

こんな工程になってくるんですね。

その間に、地鎮祭や上棟など、家に関わるイベント事もあります。

建物着工〜引渡しまでのイベント

打合せ期間はどれくらい?

打合せ

それでは次に、家の打合せ期間について見てみましょう。

ここで言う打合せ期間とは、家の間取りがある程度決まっていて、詳細の設計や仕様の打合せ期間を言います。

家の打合せ内容。何をするの?

 

詳細の打合せは、ある程度こだわった注文住宅であれば約3ヶ月ほどかけて打合せすることが多いです。

3ヶ月というと長いように感じますが、週に1回やたまに2週に1回打合せしたとして8回や9回くらいの打合せという感じですね。

 

その間に、設備や仕様など家のすべてを決めていくので、工事の準備期間も考慮すると3ヶ月というのは結構アッという間です。

 

この打合せ期間は、あまり決めることが無い規格住宅やあまりこだわりが無い人であれば、打合せ期間は1ヶ月くらいに短縮するのも可能ですし、反対に家が大きければ決めることも当然多くなってくるので、打合せ期間は長くなっていきます。

特に、二世帯住宅は意見を持っている人が多くなりますし、家の規模も大きいので、打合せ期間が長くなる傾向にあります。

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その他、工務店によっては工事が着工してから壁紙の色を決めたりする工務店もあるので(場合によっては外壁の色も)、その場合は詳細を決める打合せ期間は短くなります。

 

詳細打合せの期間を3ヶ月とすると、11月に工事を始めるなら8月の頭には詳細打合せを開始したいですね。

工務店を決める

工務店

1番時間が読みづらいのが、この工務店を決めるための時間、いわゆる工務店探しの期間です。

人によっては何年も工務店探しに時間がかかることもありますし、早い人なら1ヶ月で工務店を決める人もいます。

 

長く工務店探しをしていると、忙しい中でそれだけ膨大な時間を使うことになりますし、反対に1ヶ月というのも少し早いかもしれません。

1ヶ月で会社を決める場合、あまりよく分からない状態で急かされて工務店を決めてしまうなんてケースも。

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もちろん人によって違いますが、時間と体力のことを考慮すると、工務店探しは3ヶ月から半年くらいが丁度よい期間のように感じます。

できれば闇雲に工務店探しをするのでなく、工務店探しの前に1ヶ月から3ヶ月くらい家づくりの勉強にあてる期間を取れればベストですね。

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工務店探しの期間を3ヶ月としてみてみると、工務店探しは5月くらいには始めて、8月頭には間取りと金額をある程度FIXした上で工務店と契約、もしくは仮契約という流れになってきます。

(土地探しからスタートする方は、工務店探しと平行して土地探しをすることになります)

突然ですが問題です。土地と工務店どちらを先に決める方が良い?

 

家づくりの基礎知識を頭に入れる期間を含めると、来年の3月に引越すなら、そろそろ家づくりをスタートしておかないと「出遅れを挽回するのが大変」となってしまうんですね。

 

出遅れを挽回する場合、工事期間を詰めるのは難しいので打合せ期間を詰めるほか無く、打合せは決めることが多いので思ったより疲弊して疲労困憊というのは、「家づくりあるある」としてよく聞く話です。

(繁盛している工務店の場合、打ち合わせを多くして打合せ期間を詰めるという方法も取れない事もあります)

 

後で後悔せず、また正しい判断をするために、しっかり考える時間は確保しておきたいですね。

まとめ

今回は3月に引越しするという目標を例に、家づくりのスケジュールについて見てきました。

家づくりは工事期間や打合せ、工務店探しなど、時間が月単位でかかる物が多いので、1年間というのは結構アッという間なんですね。

もちろん、今回のケースはモデルケースなので、どの人にも完全に当てはまる訳ではありませんが、家づくりにはある程度の時間が掛かること、またどのような流れになるかを頭に入れておくと、あとで予定に全然間に合わないという事態を防ぐこともできます。

 

家づくりは決断する内容も大きいものが多く、焦れば焦るほどストレスになってしまいます。

引越しの時期を決めている場合は、早めに家づくりを始めて悪いことはありません。

時間と心に余裕を持った家づくりをして、後悔しない家を建ててくださいね。

では。

 

家づくりの流れについてはこちらも参考にしてください。

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3月に新しい家に引越すには、いつから家づくりを始めればいい?

  • 家づくりは勉強期間を含めて最短で1年くらい掛かる。
  • 遅れを挽回しようとすると打合せにしわ寄せが来て、正常な判断ができなかったり、ストレスが溜まりやすい。
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