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家や部屋によって運気がアップする!?建築士が見てきたホンネをお話します

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「住む家や部屋で、人の運気って変わるの?」

建築士という職業柄、このような質問を時々聞かれることがあります。

実際にいろんな家や部屋を見てきましたし、新しく家を建てたりリフォームをして生活がどう変わったかというお話もよく聞かせてもらいます。

そんな中で思うのは、「住む家や部屋によって少なからず人は変わる」ということです。

 

あなたの最近の運気はどうですか?

運気がいい方もいると思いますし、ちょっと調子が悪いなと思う方もいると思います。

もしかしたら、それはあなたの住む家や部屋が影響しているかもしれません。

今日はそんな話をしたいと思います。

家(部屋)で運気が変わる

運気アップ

まず最初にお伝えしておきたいのですが、私は占いや風水、家相というのはあまり信じません。

建築士という仕事柄、家相や風水について基本的な知識は頭に入っていますが、特に家相や風水を意識して家づくりをするべきだと思っている訳ではありません。

家相に合った間取りにした方がいいの?読者さんの質問にお答えします。

「占い」の先生に家の間取りを見てもらうと、家はどうなるの?

 

その理由としては、「家相」は昔の建築基準法と呼ばれるくらい理に叶った部分も多いのですが、性能が大きく向上した現代の家に無理に当てはめてしまうと生活しづらい間取りになることが多く、その敷地条件に合った家にする方が良い家が建てられる可能性が高いからです。

 

また、ついでに言うと私は霊感のようなものも全く感じません。

 

そんな現実的な私ですが、家や部屋次第で運気は変わると思っています。

私の感覚では、かなりの確率で影響があるように感じます。

 

家は持ち家もそうですし、賃貸でも同じです。

また、家ももちろんですが、日頃過ごす部屋によっても運気は変わってきます。

 

さらには、家だけでなく土地も運気がアップしそうな土地、運気が下がりそうな土地というのもあります。

何となく嫌な感じがしたり、日があまり当たらず辛気くさい感じがする土地ってありますよね。

そのような土地で家を建てる場合、より家のつくり方というのが重要になってきます。

 

辛気くさい土地にパッとしない家の中も暗い家をつくってしまうとさらに辛気くさい雰囲気になってしまうので、土地がいまいちパッとしない時は、土地の負のオーラを和らげるような光が入る明るい家を目指す必要があるんですね。

 

では、なぜ家や部屋が運気に影響するのでしょうか?

考えられる理由を見ていきましょう。

何で家が運気に影響するのか

運気

それでは、どうして家が運気に影響するのか考えてみることにします。

 

占いなどによっては、方角や時期が重要な場合がありますが、私は占いの専門家でも何でもないので、単純に部屋が人に与える影響に付いて考えてみたいと思います。

 

まず、家や部屋は毎日生活する場所です。

日常と切っても切り離せない場所ということですね。

 

日頃過ごす部屋というのは、光の入る明るい部屋で過ごしていれば気持ちは晴れ晴れしますし、落ち込んでいても「何とかなるか」という気持ちになりやすいと言えます。

日光を浴びることで精神を安定させて幸福を感じやすくする「幸せホルモン」が分泌され、気分が安定する効果も期待できます。

 

一方、どんよりした家や部屋で生活していれば気分よく帰ってきたとしても、何か気持ちが重たくなってしまいますよね。

(余談となりますが、先日テレワークで外出せず、あまり光の入らない部屋で毎日仕事をしている人に会うことがありましたが、表情を見ると負のオーラを醸し出していました。その後、外に出るようになって元の表情に戻って行きました)

 

同じように、掃除が行き届いた部屋にいれば気持ちがスッキリしますし、物が散らかっている部屋にいれば意味もなくイライラすることもあります。

また、オシャレな部屋がいいなと思うのは見ていて気持ちがプラスに作用するからいいなと感じるのであって、汚い部屋がいいなと思う人はほとんどいませんね。

雑多な部屋が好きな人以外、居心地がいいと思えないからです。

 

これがどういう影響を与えるかを考えると、特に毎日生活する場所であれば、潜在意識に部屋の印象が刷り込まれてしまうことが挙げられます。

プラスのイメージなら部屋にいることで気持ちがプラスに。

マイナスのイメージなら部屋にいることで気持ちがマイナスに引っ張られやすくなってしまうんですね。

もちろん、気持ちの問題なので必ずしもそうなる訳ではありませんが、少なくとも気持ちがプラスになりやすいか、マイナスになりやすいかについては住環境が影響してきます。

 

その結果、気持ち良い家や部屋というのは気持ちが前向きになるので運気がアップしやすくなりますし、どんよりとした空気の部屋では気持ちが後ろ向きになるので運気が下がってしまう可能性が高くなってしまいます。

 

こうして、住む家や部屋次第でその人の持つ運気という物は大きく変わってくることが考えられます。

 

日頃付き合う人次第でプラスの影響を受けることもあればマイナスの影響を受けることがあるのと似ていますね。

 

そのため間取り診断でも安易に暗くなる部屋やスペースを作っている家があると、物凄く気になってしまいます。

「ホントに毎日ここで生活するの?」って思ってしまうんですね。

 

家のつくりもそうですし、物が片付かない家だといつも散らかった家になってしまい、気分よく過ごす家とはほど遠くなってしまいます。

人の動線がおかしな家なんかもそうですね。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

 

やはり運気をアップしたいと思うなら、パワースポットなどで時には神頼みも有りだと思いますが、少なくとも日頃生活する場所は気持ちよく感じるような場所にしておきたいですね。

 

実際に、私は仕事もプライベートも住む家や部屋によって順調にいくかどうかが全然違うので、変な家や部屋では住めないです(笑)

私の体験談

最後に運気とは少し違いますが、余談を少々。

 

私はたまに土地探しをしているお施主さんと一緒に土地を見に行くときがあるのですが、ある時土地の裏に林が茂っている土地を見に行くことがありました。

敷地の東隣に林があったのですが、多少日当りは悪いものの真っ暗になるという感じの土地ではありませんでした。

ただ、手入れされた林ではないので何となく重苦しい雰囲気を感じるような林でした。

 

土地の周囲を確認している時にふと気付くと、お施主さんが林の方を見ているので、

私「どうしたんですか?何か気になる事がありました?」

お施主さん「・・・。いえ、何も。大丈夫です」

結局その土地は候補に挙がることはありませんでした。

 

後日、家の間取りの打ち合わせをしながらそのお施主と雑談をしていると、

「以前見に行った林のある土地覚えていますか?」

と聞かれました。

 

私も覚えていたので、覚えている旨を伝えた所、

お施主さん「あの林、何かいる感じがするんですよね」

私「んっ!?」

よくよく話を聞くと、その方はいろんな物が見えるそうです。

 

これは特殊な例ですが、最初に感じたイメージというのは土地や家が合う合わないに大きく関わることなのかもしれません。

 

先の例では、土地の雰囲気でたまたま私も重苦しいと感じましたが、実際に土地を買われた方で最初のイメージがあまり良くない物件を買う方はあまりいらっしゃいません。

やはり良くない印象が残ってしまいますし、無意識のうちにそこに住みたいと思はないんですね。

 

家や部屋も同じです。

意外に見過ごしがちかもしれませんが、いつも生活する場所の雰囲気というのは、思っている以上にあなたの生活に大きな影響を持っています。

あなたもぜひ、運気がアップするような家や部屋に住んでくださいね。

 

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

まるで教科書!理想の家をつくる方法【絶対保存版】

土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】

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家づくりで失敗したくない!そんな方こそ、間取りが重要です。

行列ができる間取り診断

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照明計画の失敗例と、照明で失敗しないためのポイント

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家づくりの中でも意外に多いのが、「照明計画の失敗」。

家づくりではどうしても間取りなど派手な部分に目が行ってしまい、照明計画についてはあまり目が行き届かないことがあるんですね。

中には間取りや仕様決めで力を使いきってしまい、気づくといつの間にか照明計画が決まっていて家ができてから「照明で失敗した」ということに気付いたというケースも。

また、照明がどのように家の中を照らすかは中々イメージは付きにくいものです。

そのため、照明は家づくりの中でも失敗しやすい場所なんですね。

そこで今回は、照明計画でよく見かける失敗例、照明計画で失敗しないためのポイントについてお伝えしたいと思います。

家の照明が気になる方はどうぞご覧ください。

玄関の照明

照明計画の中でも失敗しやすい場所というのはある程度決まってきますが、玄関の照明というのも失敗しやすい確率がかなり高いポイントです。

玄関の照明計画でどのような失敗が多いかと言うと、それは照明の位置次第で表情の見え方が変わってしまうという点です。

 

どういうことか見てみましょう。

 

照明は、人の前から光が当たるのか、人の後ろから光が当たるのかで顔の見え方が大きく変わってきます。

前から光が当たれば表情は明るく見えますが、うしろから光が当たると影になり表情が暗くなってしまうんですね。

表情が暗く見えてしまうのと表情が明るく見えるのとどちらが良いと聞くと、誰でも明るい表情の方が好印象を持ちますよね。

特に玄関は家に入って一番最初の場所なので、家の人の印象や来客の印象を大きく左右します。

 

玄関の照明計画を考える場合は、以上のことを大前提に踏まえながら計画する必要があるんですね。

では、玄関ではどのような照明計画を避けるべきなんでしょうか。

玄関の照明計画で一番避けたいのは、人が立つ位置の後ろに照明を配置してしまうことです。

このような位置ですね。

light

玄関はある程度の広さがあるので、何となく玄関部分に照明を1つ、そしてホール部分に照明を1つ配置されていることがありますが、上のような配置は一番避けたい照明の配置です。

来客時など玄関の中心付近に立った時に後ろから照明に照らされることになってしまうんですね。

 

一方、靴を抜いでホールに上がる框(かまち)上部に照明を配置すれば顔に光が当たるので、顔の表情が明るく見えます。

このような位置ですね。

light2

正面から光が当たるので、玄関、ホールそれぞれの人の正面から光が当たるようになります。

玄関が広くて複数照明を付ける場合でも、少なくとも玄関の框部分には照明を付けて顔の表情が明るくしてあげるのが正解なんですね。

これは玄関だけでなく、人が立つ位置や座る位置が決まる場所では必ず押さえておきたい照明計画のポイントと言えます。

ダイニングテーブルの照明

luisPhoto:http://www.louispoulsen.com/jp/products/

ダイニングテーブルの上には必ずと言っていいほど照明器具が付きます。

やはりせっかく食事をするなら料理がおいしく見えるような照明器具を選んだり照明の配置したいですよね。

ダイニング用の照明で有名なルイスポールセンなどダイニング専用の照明があるように、ダイニングは光の照らし方次第で料理の見え方はかなり違ってきます。

 

そんなダイニングの照明ですが、意外と難しいのがダイニング照明の位置です。

基本はダイニングテーブルの真ん中に照明を配置する必要があるのですが、何となくこの辺りがダイニングという感じで照明を配置してしまうと思わぬ失敗をしてしまうことがあります。

実際にダイニングテーブルを配置してみると、照明の位置が上手く合わないなんてことが起こってしまうんですね。

 

そうなってくると無理矢理テーブルの位置を照明に合わせるか、照明が中心からズレてしまうけども割り切って使うという選択を選ぶことになってきます。(このような場合、どちらかというと照明が中心からズレるけども諦めて使っている方が多いです)

ダイニングテーブルは家具の中でも大きな物なので、照明とズレていたり位置がおかしかったりすると結構目立ってしまいます。

とくに照明を1灯ではなく3灯など複数配置する計画にしていた場合は、より照明のズレが目立ってしまい、残念で仕方がないダイニングになってしまうということも。

 

ダイニングテーブルの照明の位置を決める時はテーブルの大きさをしっかり踏まえた上で寸法を出し、最適な位置に照明が来るようにする必要があるんですね。

間違っても電気配線図に書いてあるからそのままにするのではなく、どのようにテーブルを置くかを明確にしておくことがポイントです。

(初期段階の電気配線図の照明の位置は、何となくで描かれていることが多いです。そのままの照明計画にすると、どうなるか簡単にイメージできますね)

 

また、どのダイニングテーブルを入れるか決まっていない場合でも、どれくらいのサイズや形の物にするかは照明計画の段階である程度決めておくのも大切なポイントとなります。

(家具選びは家づくりと同じくらいに始められるとベストです)

 

その他、ダイニングテーブルを縦置きにするか横置きにするか迷うケースもたまに出てきます。

そんな時は90度回転できる照明取り付け用のレールも販売されているので、縦置き、横置きどちらにも対応できるようにしておくのがおススメです。

ダイニングで美味しいご飯を食べるために気をつけたい3つの事

洗面化粧台の照明

洗面アイキャッチ

洗面化粧台を見た時、既製品の洗面化粧台は照明や収納もセットになっている物が多いですが、見た目が味気ない物も多く、洗面台を造作にしたり鏡部分は自分でお気に入りの鏡を取り付けるという方も多くいらっしゃいます。

そんな場合に気をつけたいのが鏡を見るときの照明です。

 

この場合、玄関と同じように前から光が当たるようにするのが基本となります。

後ろからの光だけだと、顔の表情がよく分からなくなってしまうんですね。

 

また、最近では家の照明は落ち着いて見える白熱灯のような赤みがかった光が主流になってきましたが、洗面所の鏡を見る照明だけは蛍光色など明るい色の方がおススメです。

蛍光色の方が白熱色よりも細かな部分が見えるんですね。

 

白熱色で見たときは気にならなかったけども、太陽の下で見たら実は気になったという事も普通にありますので、鏡を見る照明はできるだけ明るい色の方が実用的で効果が高くなります。

おしゃれで使いやすい洗面所をつくるための5つのポイント

窓への映り込み

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最近では家の中から庭が眺められるようにするなど、外のスペースを積極的に使う間取りが増えてきました。

家の中から庭を眺められれば視線が外にも抜けますし、ライトアップをすればホテルや旅館のようなおしゃれなスペースを演出することもできます。

ただ、そんな時に気をつけたいのが窓ガラスへの光の映り込みです。

 

折角おしゃれな庭を作ってライトアップまでしたのに、室内の光が窓ガラスに映り込んで外がよく見えないという事態となっているのをよく見かけるんですね。

これは室内の照明が強すぎることと、窓ガラスへの映り込みを無視した照明計画が大きな原因です。

実際にこのような照明計画は多くあり、夜に庭を眺める場合や大きな窓の近くにダウンライトがいくつも並んでいる場合などは、写り込みを配慮しているか必ず確認しておきたいですね。

外の空間もライトアップして楽しむ場合は、室内側の照明はできるだけ絞って外の明かりが映えるように、また、室内側も間接照明など光源が見えず窓ガラスに反射しにくいよう配慮するのがポイントになります。

調光機能をつけてしまい、外を眺める時の明かり、カーテンを閉めた後の明かりなど、より綺麗に見えるよう光をコントロールするのもおススメです。

均一な明かりの照明計画

照明計画では、電気配線図というどこにどんな照明を配置するかというのが描いてある図面を元に照明計画を決めていきます。

そして、この電気配線図を見ればその家の照明計画が良く考えられているかどうかはすぐに分かります。

 

電気配線図を見ていて一番多くて味気ないのは、とにかく部屋全体を明るくしようとする電気配線図です。

部屋の明かりと言うのは必ずしも天井から取る必要もありませんし、明かりの重心を低くした方が落ち着く空間になりやすいのですが、とにかく天井から部屋を明るくしようとしている照明計画が多いんですね。

例えばオシャレな家や宿を見てみると、天井からだけでなくいろんな位置から光を採り、空間に陰影をつけているのが分かります。

 

一方、天井からの光だらけの家が完成するとどうなるのかというと、とにかく均一な光で面白みのない空間になります。

場合によっては、そんなに照明が必要無いので使わないダウンライトがチラホラあるという家も。

とにかく照明の配線を増やすと言うのは、図面を描く人間の心理からすると後で暗いとクレームを言われないためという背景も大きく、実際には必要の無い過剰な照明計画になっていることも多いんですね。

 

本当にそれだけ天井から照明が必要なのか。

そして作る家はそのような均一な空間を目指しているのかどうか。

このあたりはしっかり考えた上で、配線計画を見ていきたいですね。

照明プランは鵜呑みにしない

img_index01Photo:http://www.koizumi-lt.co.jp/showroom/pia/

照明の配線を決める時、普通は照明プランと言うものも一緒に出てきます。

照明プランと言うのは照明器具を販売しているメーカーが電気配線図を元に自社の照明器具を写真入りで図面化しているものになります。

 

照明プランは照明器具のイメージをしやすいので照明器具を決めるには必須となってくるものですが、だからといって照明プランを鵜呑みにしてしまうのは結構危険なんです。

基本的に照明プランはパナソニックなどの照明機器を取り扱っているメーカーが作ってくれるのですが、反映されるのはある程度の予算内に納まる計画がメインとなり、そこには家を建てる人の好みやインテリアが反映されていることが少ないですし、照明プランをつくる人の腕によっても出来映えは違ってきます。(これは、依頼者の顔を見ながらつくるという仕組みではないので、ある意味仕方ない部分ではあります)

 

そのため照明プランをそのまま鵜呑みにしてしまうのは危険ですし、要はたたき台といった感じで見るのが正解となってくるんですね。

 

一方、照明プランを照明器具メーカー任せにせずに、自社で作っている住宅会社や工務店もあります。

その場合は、あらかじめ照明の好みや完成する家のイメージを共有することができるので、最初から完成度の高い照明プランができ上がります。

やはり手間がかかっている分だけ信用度が高い物ができあがるんですね。

提案もできる住宅会社や工務店なのか、それともお施主さんに物を選んでもらうのがメインの住宅会社や工務店なのか。

この辺りが現れてくる部分とも言えます。

 

言い換えると、照明に関しては外部任せなのか、それとも自社で責任を持って対応するのか。

照明は家づくりの打合せの最後の方になりますが、家の契約前にこの部分も確認しておくと、どれくらいのクオリティの家をつくっているかが判断しやすくなります。

良い家を建てられる人と、良い家を建てられない人の違い

しっかりした工務店かどうかを簡単に見極める方法

良い家をつくる設計士が必ずもっているもの

プロとしての意見がない設計士、プロとして個性が強すぎる設計士

まとめ

今回は照明で失敗しやすいポイントについてお伝えしました。

照明の配線や照明器具は家づくりの終盤で決めることが多いですが、家の雰囲気を左右する大きな部分でもありますし、毎日使う物なので暮らしやすさと言う部分に直結してくる部分でもあります。

しっかり考えられた照明計画を元に、暮らしやすい生活を送りたいですね。

では。

 

照明やコンセントはこちらの記事も参考にしてください。

すごく簡単!おしゃれに見える照明の配置3選。

間接照明を上手くつくるコツと失敗例

照明器具で気をつけておきたい4つのポイント(施主支給編)

コンセントの配線を失敗しないための5つの方法

電気配線図はここを注意!スイッチを使いやすくする方法

スイッチの種類。おすすめのスイッチとおしゃれスイッチをご紹介します。

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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建築士が教える今日の問題解決

照明計画で失敗しやすい点でどこ?

  • 玄関など、人の立ち位置が決まる場所では顔が影にならないようにする。
  • 位置を決める必要があるものは、曖昧にせず必ず位置を決めておく。
  • 強い光はガラスに映り込みやすいので、外を見る場合は光のバランスに気をつける。
  • 天井からの明かりが強すぎると、面白みのない均一な空間になりやすい。
  • 照明プランは鵜呑みにしない方がベスト。自社で作っている所は信用度大。

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ダイニングの広さはどれくらいが最適?LDKの広さ別に比べてみました

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「間取りができたのですが、いまいちダイニングが狭いような気がしています。ダイニングはどれくらいの広さがあると適切なのでしょうか?」

読者さんからこのような質問をもらいました。

実際に色んな図面を見ていると、使いやすいダイニングの間取りもあれば、これはちょっと・・というダイニングになっている間取りもあります。

特にダイニングはテーブルを置く場所でもあるので、使いにくい広さだとこれからズッと不便を感じながら生活していくことになります。

やはりそんな家は避けたいですよね。

そこで今回は16帖、18帖、20帖のLDKを元にダイニングの最適な広さを出してみました。

快適な生活を送るのにダイニングはどのくらいの広さが必要なのでしょうか?

間取りが気になる方はぜひご覧ください。

ダイニングはどれくらい広さが必要?

ダイニングの広さについて見ていく前に、下の間取りをご覧ください。

ダメなダイニングの例

この間取りは以前に「ツッコミどころ満載の住宅のチラシ」という記事でご紹介させていただいた間取りなのですが、この間取りはダイニングという観点で言うと物凄く使いづらい間取りとなっています。

その理由は間取りでダイニングテーブルを想定していないことが大きな要因です。

ダイニングとダイニングテーブルはセットで考えることで使いやすい家かどうかが変わってくるからなんですね。

 

ちなみにダイニングテーブルってどのくらいの大きさかご存知でしょうか?

たとえば、一般的な4人掛けのダイニングテーブルであれば幅150㎝、奥行き80㎝くらいのサイズを使うケースが多くなります。

ダイニングテーブルのサイズ

この大きさには理由があり、ダイニングテーブルで大人1人が使うスペースは、幅60㎝、奥行き40㎝くらいです。

ただ、これだと寸法的にギリギリになってしまうので左右に少し余裕を取って150㎝のダイニングテーブルを使うことが多いんですね。

また、同じような計算で6人掛けであれば幅が180㎝〜200㎝くらいとあると不便なく使うことができるようになります。

 

その他、ダイニングに丸テーブルを使うという方法もあり、4人掛けで直径90㎝ほどに、6人掛けで直径120㎝くらいの大きさが目安となってきます。

ダイニングの丸テーブル

Photo:http://wazawaza.or.jp/daikunote/is-4-i-round-table/

丸テーブルというのは意外と便利で、特に丸テーブルが活躍するのが大人数で使うというケースです。

例えば同じ6人掛けのテーブルでも、四角いテーブルだと6人ぴったりしか座れませんが、丸テーブルだとちょっと間を詰めれば1人や2人は座ることができます。

丸テーブルだと人数を柔軟に対応しやすくなるんですね。

そのため、来客が多い家庭や、よく誰かが遊びに来るという場合は、ラウンドスツールなどの邪魔にならない椅子を用意しておくだけで柔軟に対応することができるのも大きな魅力です。

丸テーブルってどうなの?丸テーブルの魅力とメリット、デメリット

 

このようにダイニングとダイニングテーブルは切り離せない物で、どのようなダイニングテーブルを置くのか、またサイズはどれくらいなのかというのは大きなポイントになってくるんですね。

 

一方、ダイニングにテーブルがダイニングの中に収まればOKかと言うと、実はもう1つ注目しておきたい部分があります。

それは、ダイニングテーブルに座るには椅子を出すスペースが必要ということです。

椅子を出したら狭くて人が通れなくなったり、立ち上がる度に椅子が壁やソファにぶつかるというのは避けたいですよね。

そうならないように、ダイニングテーブルの周りにはスペースに余裕を見ておく必要があります。

一般的なダイニングチェアの寸法は横幅奥行きともに各40~50cmで、これにひじかけや背もたれがつく場合は若干サイズが大きくなりますが、椅子のスペースとして基本的に50㎝は確保しておく必要があるんですね。

でも、しかしこれだけの寸法では椅子の後ろを人が歩けません。

人が椅子に座った後ろを歩行する場合は、椅子スペース50cm+歩行者スペース60cmで110cmは確保したいんですね。

また、椅子を使わない場所でもテーブルの先端から80cmくらい離しておくと移動の邪魔になりません。

テーブルの周りに必要なスペースを絵にするとこんな感じですね。

ダイニングテーブルに必要な広さ

特に人がよく通る場所はしっかりスペースを確保しておかないと頻繁にテーブルにブツかってしまったり邪魔に感じてしまいます。

ダイニングの広さを決める場合、このようにダイニングテーブルを余裕を持って配置できるかどうか。

この部分がとても大切なんですね。

 

ちなみに冒頭でご紹介した間取りに4人掛けのダイニングテーブルを入れるとこんな感じになります。

ダメなダイニングの配置

LDKに入ってすぐにダイニングがあるためテーブルを置くと通路スペースも狭くなってしまいますし、ダイニングテーブルに座っていると人が通れなくなってしまったりと、テーブルが邪魔で仕方がない生活になってしまうんですね。

ダイニングの広さ、場所、動線を考えるととても使いにくい間取りと言えます。

ダイニングの広さは

それでは次に、実際の間取りを見ながらダイニングにはどれくらいの広さが必要か見ていきましょう。

まずはLDKの大きさ別に、ダイニングの広さがどれくらい変わるか見ていきたいと思います。

 

16帖のLDKのダイニング

5帖のダイニング

16帖のLDKの場合、ダイニングとして使える広さは青線で囲った部分になります。

面積で言うと約5帖ほどの広さです。

5帖のダイニングだと横幅は2mと少しくらいになるので、横幅150㎝のダイニングテーブルがギリギリ置けるといった感じですね。

 

このような5帖のダイニングで意識しておきたいのが、あまり大きなダイニングテーブルを入れないということ。

ダイニングテーブルの存在感が大きくなりすぎて圧迫感を感じてしまうからなんですね。

また、ソファとの距離感によってはソファに座った時の目線のすぐ先にダイニングテーブルが見えて落ち着かないというケースも出てくるので、ダイニングテーブルは丸テーブルや木目の物など柔らかい雰囲気の物を選んで圧迫感を減らすと言うのも効果的です。

 

18帖のLDKのダイニング

6帖のダイニング

18帖のLDKになると、ダイニングの広さは6帖ほどの広さが取れることになります。

横幅も250㎝ほど取れるようになるので、広めの4人掛けのダイニングテーブルを置いても余裕があるんですね。

6人掛けのダイニングテーブルも置くことができますがスペース的には余裕は無くなってしまうので、6人掛けのダイニングテーブルの中でもできるだけコンパクトな物を選んで圧迫感が出ないようにしておくのがポイントとなってきます。

また、このくらいの広さになるとダイニングの近くにカウンターなどちょっとした作業スペースなども作れるようになります。

 

20帖のLDKのダイニング

7帖のダイニング

20帖のLDKの場合、ダイニングとして取れる広さは7帖ほどの広さになります。

これくらいの広さがあると6人掛けのダイニングテーブルを置くのも余裕がありますし、ダイニングテーブルとキッチンの間にスペースを作って回遊できるように作るなど、テーブルを選ぶ時の選択肢や配置の幅というのがグッと広がってきます。

ダイニングテーブルとソファとの距離感にも余裕を持てるので、ゆったりしたLDKを目指す場合は20帖くらいの広さを目安にしておくのも効果的です。

 

ちなみに、LDKをどんどん大きくしていくとダイニングのスペースが広くなっていくという傾向があります。

リビングを広くしすぎるとTVとソファの距離が空きすぎてしまうため、リビングの広さと言うのはある程度決まってくるからなんですね。

広いダイニング

また、キッチンもあまり広くしてしまうと食器棚や冷蔵庫との距離感も離れすぎてしまい、使い勝手が悪くなってしまいます。

そのため、LDKを広げるほどダイニングが広くなりやすいんですね。

そのためスペースに余裕があって間延びした感じになってしまう場合は上手くワークスペースやソファベンチを設けたりダイニングとリビングの間に腰高の飾り棚を設けてワンクッション入れるなど空間が間延びしないようにしておきたいですね。

 

その他、先ほど見てきた16帖〜20帖のLDKはシンプルな形の分だけ無駄なスペースのない間取りとなっているため、LDKの間取りに無駄が無いかの判断に使うこともできます。

たとえば間取りの数字上は広いLDKでもこれまで見てきたダイニングの広さが確保できない場合というのもあり、その場合は無駄なスペースが多い間取りになっていることもあるので、LDKの広さに対するダイニングの広さを覚えて置くことで無駄の多い間取りなのかどうかを判断しやすくなるんですね。

 

ダイニングの位置

ダイニングの位置

これまで見てきたダイニングは「キッチン」「ダイニング」「リビング」とLDKが一続きになっていましたが、上の間取りのようなダイニングの配置になることもよくあります。

そしてこの場合はダイニングテーブルのサイズというのがより大きく影響してきます。

LDKが一続きの場合はリビングのソファの位置をちょっとズラしてなど調整できますが、この場合はテーブルの大きさ以外に調整できないからなんですね。

そのため、何となく入るだろうと思ってダイニングテーブルを購入して実際に入れてみると通路スペースが狭くて不便という失敗が起ることも。

ダイニングに必要な広さ

そうならない様に、テーブルを置いてどれくらいの通路スペースを確保できるのか。

この部分は必ず確認しておきたいですね。

 

その一方で、このようなダイニングの場合は奥まった場所を活用しやすいという利点もあります。

この部分ですね。

ダイニングをアレンジ

たとえば収納が足りない場合は腰高の収納を作って上を飾り棚にしたり、お子さんのスタディースペースにするといった方法や、収納とスタディースペースを組み合わせるなど色んな使い方が考えられます。

家は居心地の良いスペースをどれだけ作れるかで楽しさが変わってくるので、空いたスペースがあれば色々とアイデアを盛り込みたいですね。

 

キッチンカウンターは要注意

キッチンで料理したものを簡単にテーブルに出せるよう、キッチンカウンターを作るというケースもよくあります。

作ったばかりの料理や使い終わった食器を簡単に出したり片付けられるというのは便利ですよね。

ただ、実はキッチンカウンターが有るか無いかでダイニングに必要な広さというのは結構変わってきます。

カウンターとダイニングテーブルが重なる部分は人が座れないからなんですね。

断面を絵で描くとこんな感じです。

キッチンカウンターとダイニングテーブル

キッチンカウンターとダイニングテーブルが干渉する場合、ダイニングテーブルのサイズも余裕を持ったサイズの物を選ぶ必要があるんですね。

通常はキッチンカウンターの奥行きから15㎝引いた数字がテーブルとカウンターが干渉する寸法となります。

たとえば奥行き30㎝のキッチンカウンターを作った場合、ダイニングテーブルは15㎝大きなサイズにする必要が出てくるんですね。

 

キッチンカウンターの下にダイニングテーブルを置かないでもカウンター分だけダイニングの広さが必要になるので、キッチンカウンターを作る場合はダイニングの広さにより気をつけてたいですね。

キッチンカウンターの効果的な作り方3選

ダイニングの広さが取れない時はどうすればいい?

たとえば地価の高い都市部など、LDKの広さがそれほど確保できないというケースもよくあります。

そうなるとダイニングの広さにも影響が出てくる訳ですが、そのような場合はどんな事に気をつければいいのでしょうか?

それは、ダイニングテーブルの近くに物を置かずにできるだけスペースを作るということです。

ダイニングテーブルは小さいものでも存在感があるので、テーブルの周りが狭いと部屋全体が窮屈に見えてしまうからなんですね。

そのためソファなどの配置を上手く調整してテーブル周りを広くするという方法が効果的です。

たとえばこんな感じですね。

狭いダイニングを広く見せる

ソファとダイニングテーブルの間に広いスペースができることで圧迫感が少なくなりますし、空間に余裕が出てくるようになります。

このようにダイニングの広さが取れない場合はちょっとした家具の配置で印象はかなり変わってくるので、間取りを見ながら最適な配置を検討したいですね。

(家が建ってからだとコンセントの位置が決まりTVの移動が難しくなるので、間取りの段階で検討するのが失敗しないポイントです)

 

その他、LDKにそれほど広さが取れない場合はダイニングテーブルを置かないというのも1つの方法になってきます。

ソファに大きめのローテーブルを置いて食事をする時はテーブルを囲み、くつろぐ時は床にクッションを置いてもいいですし、家族用のソファの他に1人用のソファを置くというのもいいですね。

ダイニングテーブルがない分だけ広く使えるので、大きめのクッションなども部屋に上手く馴染みます。

また、キッチンにカウンターを設けて簡単な食事はカウンターで済ませるようにするなど、アレンジもアイデア次第で色々と考えられます。

どうしてもダイニングの広さが取れない場合はダイニングテーブルを無くすことも検討してみる。

そうする事で生活スタイルの可能性というのはグッと広がってくるんですね。

まとめ

今回はダイニングの広さについて詳しく見てきました。

ダイニングはテーブルを置く場所でもあるので、広さ次第で使い勝手というのは大きく変わってくるんですね。

もちろん、あとでテーブルのサイズを小さくして調整するという方法もありますが、生活を間取りに合わせるというのは窮屈なものです。

そのため、できれば間取りと一緒にどれくらいのダイニングテーブルがあると快適に生活できるかを見ながらベストな大きさを決めたいですね。

ダイニングは毎日使う場所ですし、1日に複数回使う場所でもあります。

ぜひ快適なダイニングにして毎日の食事を楽しみたいですね。

では。

 

ダイニングについてはこちらも参考にしてください。

ダイニングの間取りを考える時に必ず気をつけたい3つの事

我が家にぴったりのダイニングテーブルのサイズを決める5つの方法

家の大きさについてはこちらも参考にしてください。

家の間取りは4人家族の場合、最低限どれくらいの広さがあれば生活できますか?

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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ファミリークローゼットで失敗しないために知っておきたい3つのこと

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「家にファミリークローゼットを作るかどうか検討しています。ファミリークローゼットを作ったらいい場所や注意点があれば記事にしてもらえないでしょうか?」

読者の方からこのようなリクエストをもらいました。

家を建てる時、やはり収納は気になるものです。

賃貸住宅では収納が足りないというケースも多く、家を建てるなら収納力があって使いやすい収納を作りたいですよね。

そこで今回はファミリークローゼットを作る時のポイントや注意点を踏まえた上で、ファミリークローゼットが合う人、合わない人にといった部分も見ていきたいと思います。

ファミリークローゼットや収納が気になる方はぜひご覧ください。

ファミリークローゼットってどんな収納?

それではまず、ファミリークローゼットとはどういう物か見ていきましょう。

ファミリークローゼットとは簡単に言うと「家族みんなが使う広い収納」の事を言います。

ウォークインクローゼットと近いですが、大きな違いは家族みんなが使う収納なのか、それとも部屋を使う人のための収納なのかという違いがあります。

また、ファミリークローゼットに収納するものとしては家族が日常で使う服やカバン、小物などを収納するケースが多いです。

 

もっとも、ファミリークローゼットは家族みんなが使う収納という意味以外に明確な定義はなく、ファミリークローゼットの中に服だけでなく着替えができるスペースを作ったり、洗濯物がたためる場所などユーティリティや家事室のような機能も加えた部屋にすることもあります。

ファミリークローゼットと一言で言っても、いろんなファミリークローゼットがあるんですね。

そのため、ファミリークローゼットに何をどれだけ収納するか、またどのように使うかというのを明確にすることが、あなたに合ったファミリークローゼットにするためにとても大切なことになるんですね。

ファミリークローゼットのメリット

それでは次に、ファミリークローゼットのメリットについても見ていきましょう。

 

効率的に家事ができる

ファミリークローゼットのメリットとしては、効率よく家事がができるということが挙げられます。

たとえば洗濯物を取り入れたあとに各部屋に持っていくよりも1ヶ所に収納する方が効率は良くなりますし、室内干しスペースの近くにファミリークローゼットがあれば洗濯〜収納までがとてもスムーズになり家事の効率はグッと上がります。

このようにファミリークローゼットを間取りの中に上手く組み込む事で家事の動線がすごく楽になるんですね。

特に家族が多い場合なんかはより効果が高くなります。

そのため、あなたの生活スタイルに合った場所にファミリークローゼットを作って時間を有効活用できる家にしたいですね。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

 

物の量を管理しやすくなる

ファミリークローゼットの大きなメリットとして、物を管理しやすくなるという点もあります。

たとえばあなたは家の中にどれくらいの量の衣類があるかと聞かれた時、頭の中にパッと浮かびますか?

各部屋に服を収納していると具体的にどれくらいの量の衣類があるかというのは中々把握しづらいですよね。

その結果、家にどれだけの物があるか性格に把握できず収納が溢れてしまうというケースも出てきます。

 

その一方、ファミリークローゼットがある場合は服などを1カ所にまとめて収納することになるので家の中にどれだけ服があるのかを一目で把握する事ができます。

ファミリークローゼット1つで家全体の衣類の量を管理できるようになるんですね。

その結果、限りがある家の収納をより有効活用できるようになります。

 

服をシェアできる

これは特に女性が多い家庭の場合に多いのですが、ファミリークローゼットがあることで服の貸し借りがしやすくなるというメリットもあります。

たとえば姉妹がいれば服の貸し借りはよくしますよね。

コーディネートの幅も広がりますし、いろんなオシャレを楽しむことができます

さらには親御さんと娘さんの間でも服の貸し借りをしているのもよく見かけます。

最近では親子の関係が友達感覚に近くなったこともあり、服をシェアするケースがとても増えているんですね。

時代も物をシェアすることが当たり前のようになってきていますが、家の中でもファミリークローゼットがあることで自然とシェアすることができるようになります。

ファミリークローゼットを作る時のポイント

ファミリークローゼットを作る場合、ファミリークローゼットの特徴やポイントを知ることで暮らしやすい間取りにすることができます。

それでは次にファミリークローゼットを作る時のポイントについて見てみましょう。

 

ファミリークローゼットを作るには場所が必要

ファミリークローゼットを作るにはデメリットもあります。

それはファミリークローゼットを作るにはある程度のスペースが必要となり、家のボリュームも大きくなってしまうということです。

 

たとえば1階にファミリークロークを作る場合、1階にLDKや水まわりなど比較的広いスペースが必要なものが集まった上にファミリークロークのスペースが必要となるので、1階がかなり大きくなる可能性がとても高くなります。

そのため、家を建てる土地の広さもある程度の大きさが必要になってきますし、家が大きくなると言うことは予算や間取りにも影響が出てきます。

そのためファミリークローゼットを作る場合は予算、間取り両方のトータルバランスにも注意する必要があるんですね。

 

用途に合わせて必要な広さが変わる

ファミリークロークを作る場合、どのように使うかで必要な広さと言うのも変わってきます。

たとえばある程度の服が収納できればOKであれば2帖くらいの広さでも大丈夫ですが、ファミリークローゼットで着替えもする場合は最低でも3帖の広さは必要になりますし、全ての衣服を収納するとなれば4帖くらいは欲しいところです。

 

また、服の数や小物が多い場合はプラスアルファの広さを確保したり、姿見用の鏡を付けるなら全身が見える場所に鏡がつけられるよう場所を確保する必要が出てきます。

このように、ファミリークローゼットはどう使うかで必要な広さは結構違ってくるんですね。

 

収納したい物はmust、wantで伝える

ファミリークローゼットが欲しいと言っても、実際にどれくらいの広さのファミリークロークを作れるかというのは中々分からないものです。

土地の広さや予算に余裕があれば別ですが、実際には間取りを見てどれくらいの広さが取れるか初めて分かるからなんですね。

また、ファミリークローゼットを作りたい場合は要望の伝え方も少し工夫が必要です。

たとえば要望を伝える時に「4帖以上の広さが欲しい」、「全ての服を収納したい」と言うような伝え方をしてしまうと、ファミリークローゼットの広さを優先してLDKなどにしわ寄せが行った間取りが出てきたり、家が大きくなって予算オーバーした間取りが出てきてしまうことも。

実は要望を伝える段階で広さを指定することで、間取りの幅というのは狭まってしまうんですね。

 

このような自体を避けるために有効な方法としては、「必ず収納したい物(must)」、「できれば収納したい物(want)」の2つを要望として伝えるという方法が効果的です。

そうすることで必要な広さのファミリークローゼットを確保しつつLDKなど他の部屋のバランスも考えられた間取りになりますし、他の部屋に影響が出ないのであれば全ての要望を満たしたファミリークローゼットにすることもできます。

私たち建築士は要望に応える間取りにしようと常に考えていますが、要望に強弱が無いと全て叶える間取りにするしかなく、結果的に予算オーバーしたりバランスの悪い間取りになってしまうこともあるんですね。

一方、要望に幅を持たせることで提案の幅も広がりますし、より土地や予算に合った間取りにすることができます。

特にファミリークローゼットは広さが必要なもので間取りへの影響が大きいため、must、wantを上手く使うことがバランスの整った間取りにするための秘訣となります。

注文住宅が予算オーバーした時に効果的な5つの方法

 

ファミリークローゼットの用途は絞る

ファミリークローゼットを作る場合、家事の効率などを考えて色んな用途をファミリークローゼットに組み込みたくなってしまう場合もあります。

でも、ちょっと待ってください。

たとえば家事室などをファミリークローゼットに組み込んだ場合は部屋の広さがどんどん大きくなってしまい、将来あまり使わないなんてことも起こる可能性があります。

その理由は家族は成長していきますし、家族構成も変化していくからです。

そして子供が大きくなり独立してしまうと、あまりに広いファミリークローゼットというのは持て余すことになってしまうからなんですね。

特にファミリークローゼットは服が日に焼けないようあまり大きな窓を設けることは少なく、収納以外の用途に使いにくいという特徴もあります。

そうならないようファミリークローゼットの用途は収納に絞り、他の要素を付け加えたい場合はファミリークローゼットの近くに別スペースとして設けるようにしておきたいですね。

 

また、ファミリークローゼットを必ず通らないと洗面室やお風呂などに行けないという間取りも見かけることもありますが、そうなるとお客さんが来て手を洗う場合に必ずファミリークローゼットを通るなど何だか落ち着かない間取りになってしまうことも。

たとえば間取りの関係で通路としてもファミリークローゼットを使う場合はファミリークローゼットを通らなくても各部屋に行けるように別動線も確保しておくことで、毎回収納の中を通るというケースを避けることができます。

また、ファミリークローゼットの通路の幅は余裕を持たせておくとグッと使いやすくなります。

ウォークインクローゼットの失敗しない作り方とベストな収納方法

 

各部屋にも収納は必要?

ファミリークローゼットを作った場合、寝室や子供部屋にも収納を作るかどうか迷うこともあります。

では、各部屋に収納は作った方がいいのでしょうか?

たとえばファミリークローゼットに服全部を収納できるようにした場合は部屋に収納を作る優先度が低くなりますし、ファミリークローゼットに主な服を入れるだけであれば各部屋に収納が有った方が便利です。

ファミリークローゼットの使い方次第で、部屋に収納を作った方がいいかどうかは変わってくるんですね。

 

また、子供部屋では子供が成長するにつれ服以外の物も増えてきます。

たとえば学校で使う物や本などは必ず必要になってきますよね。

収納家具などで対応も可能ですが、何かしら収納できる場所が有った方が便利というのは覚えておきたいですね。

ファミリークローゼットはどこに作ればいい?

それでは次に、ファミリークローゼットはどこに作れば便利なのか見ていきましょう。

ファミリークローゼットを作る場合は主に3つの場所を意識すると上手くいきます。

その3つとは、

  • 洗面や室内干しスペース、バルコニーなど洗濯動線を重視した場所
  • 玄関付近など帰宅や出勤の時に使いやすい場所
  • 子供部屋や寝室など複数の場所から使いやすい場所

以上の3つです。

それでは具体的に見ていきたいと思います。

 

洗濯動線を重視したファミリークローゼット

洗濯動線を重視したファミリークローゼットの間取り

洗濯をする時の一連の流れは、

洗濯する → 干す → 取り入れる → 収納する

という4つの流れになります。

この4つの流れがスムーズになるようにファミリークローゼットを配置する事で洗濯を効率的に行うことができるんですね。

具体的には洗濯物を干す場所の近くにファミリークローゼットを作ることで、洗濯物を簡単に片付けることができるようになります。

 

また、頻繁に服を着たり脱いだりする洗面室の近くにファミリークローゼットを作るのも効果的です。

服の出し入れが簡単になるからなんですね。

 

そして一番効率的なのは、洗面室、洗濯物を干す場所、ファミリークローゼットを近くにまとめるという方法です。

そうすることで洗濯の動線をとてもコンパクトにできるんですね。

さらには回遊動線にしておくことで、より使いやすい家事動線にすることができます。

回遊できる間取りって使いやすいの?メリットとデメリットをご紹介します

 

玄関近くのファミリークローゼット

玄関近くのファミリークローゼット

ファミリークローゼットを玄関近くに配置し、家に帰ってきた時や出かける時の動線を優先するという方法もあります。

家に帰ってきてすぐに着替えたり、服を着てそのまま出かけることができるようにするという訳ですね。

また、ファミリークローゼットの近くに洗面室を作れば、家に帰ってきてすぐに手を洗ったり出かける前に顔を洗ってすぐに服を着て出かけるなど、朝の忙しい時間をより効率的に使うことができるようになります。

 

一方、玄関の近くにファミリークローゼットを作った場合に多いのが、玄関の周りに窓が取れず暗い雰囲気の玄関やホールになってしまうというケースです。

そうなると玄関を開けた時の家の雰囲気というのはちょっと重い雰囲気になってしまいます。

そのため効率だけを重視して部屋を配置するのではなく、窓も取れるくらいの余裕を持たせるような配置を心がけたいですね。

 

複数の場所から使えるファミリークローゼット

複数の場所から使えるファミリークローゼット

水回りと違う階にファミリークローゼットを設ける場合、上のような形で複数の場所から使えるようにしておくと各部屋から使いやすく、また移動距離も短いファミリークローゼットにすることができます。

部屋だけでなくバルコニーの近くなど、洗濯物が収納しやすい場所に配置するのもいいですね。

 

その一方、複数の動線を作るという事はそれだけ通路スペースが増えて収納スペースが少なくなることもあります。

そのため収納力を重視するか、それとも色んな場所から使いやすいファミリークローゼットにするか。

どちらの優先順位が高いかを考えながらより使いやすいファミリークローゼットにしたいですね。

 

ファミリークローゼットを作る場合は、まずはどこにあると便利なのか。

この部分を意識した上で、必要な広さを確保するという流れがベストなんですね。

もし迷った場合は洗面室の近くか洗濯物を干す場所の近くに配置する。

この部分は覚えておきたいですね。

ファミリークローゼットが合う人、合わない人

それでは最後に、ファミリークローゼットが合う人、合わない人についても見てみましょう。

ファミリークローゼットは家の物を1ヶ所で集中的に収納、管理するという少し特殊な収納になります。

そのため「誰かがルールを作り、しっかり管理できる人がいる」というのが大前提の収納になってきます。

この部分がアヤフヤになってしまったり、家族の中にルールを守るのが苦手な人がいるとストレスが溜まりやすい収納方法と言えますす。

反対にしっかり管理されて家族がルールに沿って使うことができればとてもスッキリ片付いた家にすることができますし、洗濯などの家事も効率的に行うことができます。

このように家族構成やそれぞれの性格によってとても使いやすい収納になるか、それとも上手く機能しない収納になるかが分かれてくるんですね。

そのため、今の家の収納が上手く機能しているかどうか。

この部分がファミリークローゼットが合うか合わないかの第一歩となります。

(これはファミリークローゼットが機能している方に共通して言えることで、建築士として家を設計する際にファミリークローゼットを希望される方には必ず確認している項目です)

 

また、大きな収納というのは何でも入れられるという安心感がある反面、上手く収納するにはそれなりにテクニックも必要になってきます。

そのため一見すると大きな収納は物を沢山入れられるので片付けが苦手な方に合っているようにも感じますが、実は片付けが苦手な人はとにかく物を収納に入れてしまい、その結果収納の中が雑多になってしまうというケースもよく目にします。

ファミリークローゼットのような大きな収納はある程度は収納や整理整頓するのが好きな方に向いている収納なんですね。

 

ファミリークローゼットは作れば終わりではなく、作った上でしっかり機能するかどうかの方が重要な収納になります。

率先して管理する人がいるかどうか。

この部分がファミリークローゼットを作る上ではとても大切なんですね。

まとめ

今回はファミリークローゼットについて詳しく見てきました。

ファミリークローゼットは上手く機能すればとても効果的な収納となり、まずは使いやすい場所に配置する、そしてしっかり管理する。

この2つをしっかり押さえることで最大限の効果を発揮してくれるんですね。

 

ファミリークローゼットを作るには広さも必要となるのでやはり失敗は避けたいもの。

今回の内容を参考に、ぜひあなたに合ったファミリークローゼットを作ってくださいね。

では。

 

収納についてはこちらも参考にしてください。

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注文住宅でトラブルになりやすい7つの事と、トラブルを避けるための秘訣

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注文住宅というのは間取りや仕様など自由に決められるのが大きな魅力ですが、オーダーメイドとなるのでそれだけ時間も掛かりますし、時間が掛かるということはそれだけ決めることも多く、残念ながらトラブルが起こってしまうこともあります。

でも、せっかくの注文住宅だからこそトラブルは無くしたいものですし、気持ちよく家を建てたいですよね。

そこで今回は注文住宅でトラブルが起こりやすい部分と、トラブルにならないための秘訣について見ていきたいと思います。

家を建てるという方はぜひご覧ください。

注文住宅を建てる時のトラブル

注文住宅を建てる場合、大きく分けて2つのフェーズに分けることができます。

1つは住宅会社を決めたり、間取りや内装を決める注文住宅の打合せの段階。

もう1つは家の工事が着工して完成するまでの工事の段階です。

 

注文住宅では最初はモデルハウスなどやショールームで打合せを行いますが、工事が着工した後は工事現場での打合せというように内容も場所も大きく変わっていくんですね。

それではまず、注文住宅の打合せで起こりやすいトラブルについて見てみましょう。

注文住宅の打ち合わせのトラブル

契約を急がされた

注文住宅では「請負契約」というのは必ず必要になってきます。

注文住宅の請負契約とは住宅会社と家を建てることを契約するという意味になりますが、たとえば契約した後にもし解約したいという場合であれば手付金の放棄など少なくても100万円以上の費用が必要になってくるなど、契約という名前通り大きな効力を持っています。

そして、重要な意味合いを持つという事は、それだけ契約部分は注文住宅の中でもトラブルが起こりやすい場所になります。

 

ではどんなトラブルが起こりやすいかと言うと、一番多いのが「契約を急かされた」というケースです。

家に納得した上で契約するのであれば全く問題ありませんが、「今月内に契約してもらえれば〇〇円値引きします」など契約を急がされるケースがあるんですね。

これは住宅会社が月単位で営業成績を出している会社がほとんどで、ひと月の間にどれだけ家の契約をしたかが営業成績として問われるというのが大きな理由です。

その結果、月末に向かうにつれて住宅の営業マンは各自の目標を達成するためにヒートアップしてくることが多く、家の契約も月内にという話になることが多くなります。

 

もちろん、営業マンの役割の1つとして「契約を取る」という役割があるので、月内に契約を取ること目指すということ事態は悪いことではありませんし、なかなか踏ん切りがつかない方の背中をソッと押すという側面もあります。

その一方、「契約」の部分が強引になってくると、家を建てる人にとっては大きなプレッシャーになったりストレスに感じる原因ともなり、場合によってはトラブルに発展することもあります。

考える期間が短くなればなる程、「一生に関わる大きな決断を、この短期間で決めてもいいんだろうか」「自分の決断は正しいのだろうか」などなど、いろんな不安が生まれてしまいやすいんですね。

失敗に注意!どうして月末に家の契約を迫られることが多いの?

 

また、契約の内容をしっかり確認せずに契約してしまうと後で思っていたのと違ったという事も多くなります。

特にこれからどのように家づくりを進めるのか、たとえば建築士と家の打ち合わせができるのかどうか等もそうですし、打合せ回数が決まっているのか等、あなたの理想の家が建てられる仕組みかどうかは必ず確認しておく必要があるんですね。

間違っても「とりあえず契約して詳しい事はまた後で」ということにならない事が、注文住宅でトラブルにならないためにとても大切な事になります。

 

間取りや仕様に制限があった

これも契約後に起こりやすいトラブルですが、打合せを進めていくに連れて間取りや仕様に制限があることを知ったというケースもあります。

注文住宅は一生に一度建てるか建てないかという物なので、思っていた家が建てられないというのは必ず避けたいですよね。

でも、このようなトラブルが残念ながら起こってしまうことがあります。

 

たとえば、このようなケースは建築条件付き土地の住宅でよく耳にします。

(「建築条件付きの土地」とは簡単に言うと、土地を買えば家を建てる会社がセットで決まってしまう土地の事で、「この土地を買うなら、うちの会社で家を建ててよ」というような条件が付いている土地が建築条件付きの土地になります)

建築条件付きの住宅では土地を購入する話が先行するので、どんな感じで家づくりをするのか、また何が選べるかというのが後回しになって家づくりが進んでしまい、後で思っていた家づくりと違うとなってしまうんですね。

建築条件付きの土地は、なんで間取りで失敗しやすいの?

 

また、注文住宅と言っても完全にオーダーメイドの注文住宅もあれば、間取りはある程度自由だけども仕様に制限があるセミオーダーの注文住宅と言うものもあります。

その他、住宅会社それぞれで独自のルールを決めていることも多く、何が自由に決めれて何に制限があるのか。

この部分を最初に確認することで、後で思っていた家づくりと違うというトラブルを避けることができるんですね。

注文住宅で失敗しない!後悔しない注文住宅を作るために知っておきたい4つの事

 

予算と合わない

家の間取りや内装のことを考えるのは楽しいものですが、家づくりはお金という現実も見ていく必要があります。

そしてそんなお金のトラブルで起こりやすいのが「予算と合わない」というケースです。

 

予算と合わないのが家の契約前に分かっていれば他の住宅会社を検討したり頭金が増えてから家を建てるという選択肢もありますが、反対に家の契約後に予算と合わないというケースはできる限り避けたいものです。

たとえば契約後にいろいろとオプションを付けたり追加工事を増やしているといつの間にか予算オーバーしてしまったという話はよく聞く話です。

この追加分が「できれば家に欲しいもの」であれば優先順位に合わせて調整することもできますが、「必ず家に欲しいもの」の場合は途端に話が難しくなってきます。

「必ず家に欲しいもの」が入っていないと建てたい家と違う家になってしまうからなんですね。

 

そうならない方法として、見積もりの中に「必ず家に欲しいもの」が含まれているかどうか確認するというのがとても大事になってきます。

担当者との話の中で欲しいと伝えたから当然、見積もりの中に入っているだろうと思っていても、実際には上手く伝わっていなくて見積もりに入っていないこともあるんですね。

(よく有るケースとしては、モデルハウスで立ち話している時に「〇〇を入れたい」と伝えたなど、間取りの打合せ以外で伝えたことは含まれていない確率がグッと上がります)

また、造作など細かい打ち合わせをしないと正確な金額を出すのは難しい物もあり、その場合は概算見積もりとなってしまうこともあり、未定な物が有れば有るほど予算には余裕を見ておくのがポイントです。

 

家づくりでは見積もりの中身は必ず確認する。

お金の無用なトラブルを避けるためにはそのような癖を付けておきたいですね。

注文住宅の着工後のトラブル

それでは次に、注文住宅の工事が始まってから起こりやすいトラブルについて見ていきましょう。

 

打ち合わせ内容と違う

工事が進むにつれ自分の家が形になってくるというのはとても楽しいものです。

これまで色々考えてきた家が少しずつできていくという感覚は、注文住宅を建てる人の醍醐味とも言えます。

ところが、そんな楽しい時にトラブルが起きてしまうことがあります。

では、注文住宅の工事中にはどんなトラブルが多いのでしょうか?

 

それは打合せした内容が実際の工事現場には反映されていなかったというトラブルです。

 

具体的に起こりやすいのは「打ち合わせで変更したと思っていたのに変更前の状態で工事が進んでいた」など、住宅会社とお施主さんお互いの認識にズレがあるというケースです。

このようなケースは間取りなど大きな部分で起こる可能性は低いのですが、特に内装の色など細かい部分でこういった違いが起こることがあります。

そしてそのような場合、まずは本当にそのような話が打合せにあったかどうかを過去に遡って確認する必要が出てくるんですね。

では、どうすれば打合せ内容と合っているか確認できるのか?

それには打合せ記録が重要な役割を担ってきます。

 

打合せ記録というと聞き慣れないかもしれませんが、家の打合せ記録とは、打合せで決めた内容を書面や図面に書き込んだもので、通常は複写式になっており、打合せ後に確認、サインをして住宅会社とお施主さん、それぞれが保管しておきます。

そして打合せ記録を見れば、いついつに何の打合せをして何を決めたかどうかを遡ってみることができるんですね。

(基本的に住宅会社や工務店の担当者が打合せ記録を作成してくれます)

 

中には打合せ記録を全く作成しない住宅会社や担当者もいますが、「言った、言わない」の無駄なトラブルを避けるためには打合せ記録というのはとても大事な物になります。

そのため何を決めたかの記録は必ず残す。

これは忘れないようにしておきたいですね。

家づくりで失敗しないために!家の打合せ記録はもらってますか?

 

イメージと違った

家が完成に近づいて実際に家の中を見てみると、「思っていた家とイメージと違う」と感じてしまうこともあります。

これは私たち建築士、そしてお施主さんにとっても必ず避けたいことです。

では、どうしてこのような事が起こってしまうかと言うと、建築士とお施主さん、お互いの目指す家にズレがあることから起こってしまいます。

要はコミュニケーション不足が大きな原因なんですね。

 

そうならないように打合せの段階で写真など建てたい家のイメージを共有したり、どんな家で暮らしたいかなどコミュニケーションをしっかり取っておくことがとても大切です。

また、内装などにこだわりが有る場合はできる限りパースや詳細図、模型などで確認する。

そうすることでイメージと違うというトラブルは未然に防ぐことができます。

どんな家に住みたいかが分かる方法

 

近隣とトラブル

これから新しい家に住むなら近隣とのトラブルはやはり避けたいものですよね。

そんなトラブルが起こらないようにするためには、住宅会社選びや間取りでの近隣への配慮というのがポイントになってきます。

 

たとえば住宅会社選びで言えば、工事現場をいつも綺麗にしている会社は近隣とのトラブルも起こりにくく、工事現場が汚いほど近隣とのトラブルも起こりやすい傾向があります。

やはり綺麗で整理整頓されている現場であれば近所で工事していても不快に感じることは減りますし、反対にいつも汚いと無用なトラブルを起こす原因ともなってしまうんですね。

 

また、注文住宅だからと好き放題に家を建てるのではなく、住宅街では近隣にも配慮した家を建てるというのも近隣トラブルを避けるためには大切となってきます。

たとえばお隣の家の日差しをできるだけ遮らないようにお隣の近くの屋根は低くする、窓もお隣の窓と被らないようにするなど、ちょっとした配慮をしているかしていないかでも近隣の方が受ける印象というのはかなり違ってくるんですね。

家は長く住むものです。

できる限り近隣の方とも友好な関係を築けるような配慮をしておきたいですね。

 

引っ越しに間に合わない

注文住宅を建てる場合、「いつまでに引っ越したい」と思っている方も多くいらっしゃいます。

たとえば、お子さんの学区が変わる場合は転校が必要になってしまったり、先に学区は変更できても遠くまで通学が必要になったりするので3月末までに引っ越したいというニーズは根強くありますし、賃貸住宅の更新期日までには引っ越したいなど、人によってその理由は様々です。

 

天災やコロナの蔓延など人の力でどうしようも無いで理由で工期が延びてしまうことはどうしても有りますが、そうで無い限りは予定通りに家づくりを進めたいものですよね。

ちなみに、一般的な家の工事で工期が延びるケースというのは実はかなり稀なケースとなります。

住宅会社はアクシデントに備えて少し余裕を持った工期を取っていることがほとんどですし、工事が始まる前に必要な職人さんは押さえておくので、普通に工事をしていて工期が延びることはかなり少ないんですね。

 

では、引っ越しで間に合わないというトラブルはどこで起こってしまうかと言うと、もっと早い段階、住宅会社選びの段階で決まってきます。

その理由は住宅会社によって家を建てるのに必要な時間が違うからです。

 

たとえば引っ越しの期限が決まっている場合、最初の段階で「いつまでに引っ越したい」という旨を伝えて家の完成までの工程表を作ってもらい、いつまでに間取りを決めていつまでに工事が着工すれば間に合うかを提示してもらうというのがポイントになってきます。

そうすることで日程に無理が無いのかどうか、また打合せするための時間が確保できるかどうかの判断ができるようになるんですね。

住宅会社によっては打合せのスピードが早い会社もあれば、じっくり打合せをする会社もありますし、工事も早い会社、ゆっくり丁寧に作る会社など様々な会社がありますし、人気の住宅会社では着工まで順番待ちなんてことも有ります。

そのため最初の段階で引っ越し予定に間に合うのか、また間に合わせるためには何が必要なのかを確認しておくことで無用なトラブルを避けることができるんですね。

3月に引越すなら、いつから家づくりを始めればいいの?

まとめ

今回は注文住宅で起こりやすいトラブルと、トラブルが起きないための方法について詳しく見てきました。

トラブルが起きてしまうと時間もエネルギーも沢山必要になってきますし、せっかく注文住宅を建てるならその時間は楽しいものにしたいものです。

そして注文住宅でトラブルが起こりやすい場所というのは有る程度決まってきます。

あらかじめトラブルが起こりやすい場所と対応策を知っておくことで、トラブルが起こる可能性というのは限りなくゼロに近づけることができるようになるんですね。

注文住宅を建てる時は今回の内容をぜひ頭の片隅に覚えておいてくださいね。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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ロフトへは階段で行く?それともハシゴ?あなたに合った階段の選び方

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「ロフトを作るのですが、階段とハシゴ、どちらでロフトに行けるようにするか迷っています。選び方のポイントなどがあれば教えてもらえないでしょうか?」

読者の方からこのような質問をもらいました。

ロフトは小屋裏に作るケースがほとんどですが、小屋裏という高い場所柄、階段やハシゴなど何かしらのアクセス方法を作る必要が出てきます。

では階段とハシゴ、どちらの方が良いのでしょうか?

今回はロフトへ行くのに階段にするのか、それともハシゴにするのか。この部分にスポットを当てて見たいと思います。

ロフトや小屋裏収納を作る方はぜひご覧ください。

ロフトへの階段は制限がある

ロフトへのアクセス方法を階段にするのか、それともハシゴにするかを見る前に、少し法律的なお話もしておきたいと思います。

家を建てるときは建築基準法という法律で建てられる家が決められていますが、家の形というのは様々ですし色んなケースが出てきます。

イレギュラーなケースというのも多くあるんですね。

そして実際は法律で大枠の基準は作るけども細かい部分は事例ごとにOKかどうか判断するという感じになっており、各地域の建築主事という人物が法的にOKかどうかの判断をしています。

 

ではその結果どうなるのかと言うと、各地域によってOKな事、NGな事というように地域によって差が出てくるようになります。

今回のテーマとなるロフトへのアクセスについて見てみると、基本的に可動ハシゴであれば日本のほとんどの地域で使用が可能となります。

その一方、階段については各自治体でバラツキがあり、固定階段自体がNGの地域もあれば、一定の要件を満たした階段であればOKであったり、ほとんど自由に階段が作れるなど地域によって取り扱いが様々なんですね。

そのためロフトを作る場合は階段もOKなのか住宅会社や工務店に最初に確認しておくと、その後の打合せがスムーズに進みます。

 

それでは上記を踏まえた上で、階段とハシゴのメリット、デメリットについて見ていきましょう。

ロフトへの階段を作るメリット、デメリット

ロフトを作る場合にやはりオススメなのが固定階段でロフトへ上がるという方法です。

固定階段であれば両手に物を持っても登りやすいですし、なにより頻繁に物を出し入れする場合は簡単に登れるというのはかなり便利なもの。

物を持ちやすく簡単に上り下りできるというのは、固定階段の大きなメリットなんですね。

そのためロフトを頻繁に使うのであれば、できる限り固定階段で上り下りできるようにしておくのがベストと言えます。

 

その一方でロフトへのアクセスを固定階段にした場合にはデメリットもあります。

たとえば固定階段の方がハシゴよりも費用が必要になってきますし、ロフト専用の階段が必要となるのである程度のスペースが必要になってきます。

階段を設けるには1.5帖ほどのスペースが必要となり、それだけのスペースを用意する必要があるんですね。

(ハシゴの場合は使う時に1帖ほどの空いたスペースがあればOKです)

 

そのため、固定階段でロフトにアクセスしやすい方がメリットが大きいのか、それとも階段分のスペースを他の用途に使った方がメリットが大きいのか。

そして、どれだけ頻繁にロフトを使うのか。

この部分が大きなポイントになってくるんですね。

 

ちなみに、スペースを有効活用する場合は階段下に他の用途を組み合わせるというのも方法の1つです。

ロフトへの階段

Photo:http://kanna-design.co.jp/pickup/?p=1128

ロフトの使用頻度を考えると階段が多少急でもそこまで影響はないので、階段下をTV台や棚などを組み合わせた階段にする方法もあるんですね。

ロフトへ登れさえすれば形は自由で良いので、アイデア次第でいろんな可能性が出てくるのも面白いところです。

 

その他、階段の場所をできるだけコンパクトにする場合は、上下階の階段の位置を揃えるというのも効果が高い方法になります。

ロフトのある間取り

そのためロフトに固定階段を作る場合、まずは階段の位置を揃えられるかどうかというのはチェックしておきたいポイントです。

 

ちなみに階段でロフトに登る場合、ロフトの広さも意外と重要なポイントです。

たとえばロフトが小さく、階段を全部収納にした方が実は収納力が多かったなんてことになると何のためにロフトを作ったか分からないですよね。

そのため、固定階段にする場合はロフトにある程度の広さがあることでより価値が出てきます。

ハシゴでロフトに登るメリット、デメリット

それでは次に、ハシゴでロフトに登るケースについても見てみましょう。

ハシゴもいくつか種類がありますが、代表的なのが可動式のハシゴを使うというケースです。

可動式ハシゴとはこんな感じですね。

ロフトへのハシゴ

ハシゴを使わない時は壁に掛けておき、ロフトに登る時にハシゴを掛けて使うというのが可動ハシゴの基本的な使い方となります。

一般的にハシゴは登りやすいようにある程度角度がつけられており、ハシゴを出しっぱなしにしておくと意外と広いスペースが必要になるので、使わない時は壁に掛けられるようになっているんですね。

ちなみにハシゴを使う場合はこれくらいのスペースが必要となります。

造作ハシゴ

Photo:https://www.hokuonomori.net/shopdetail/000000000341/

意外と角度が付いていることが分かりますね。

この角度は既製品のハシゴの場合は変更できませんが、造作でハシゴを作った場合は自由に角度を設定することができ、登りやすさ重視にするか、それとも省スペースを重視するかなどのアレンジができます。

 

また、ハシゴをできる限りコンパクトにする場合は下の画像のような固定ハシゴにしてしまう方法もあります。

固定ハシゴ

このような固定ハシゴは場所も取らず見た目もスッキリするので採用しやすいのですが、実際に登ってみるとハシゴに角度が付いている場合と固定ハシゴの場合では結構登りやすさが変わり、物を持って登る必要があるロフトではハシゴにはある程度の角度が付いている方が使いやすくなります。

 

その他、ハシゴと他の用途を組み合わせるという方法もあります。

たとえばベンチとハシゴというのは相性の良い組み合わせです。

こんな感じですね。ロフトへのハシゴとベンチ

スペースを有効活用するだけでなく、ベンチが階段のような役割を果たしてくれるのでハシゴの長さを短くでき、見た目もスマートなハシゴにすることができます。

その他では外国製品になりますが折りたたみ式の簡易的な階段などもあるので、色々アイデアを取り入れてみるのも楽しいですね。

 

一方、ロフトへのアクセスをハシゴにした時のデメリットとしては、あくまでハシゴなので重い物や大きな物を収納するのが大変なこと、また頻繁に物を出し入れする場合は手間に感じてしまうことが挙げられます。

ハシゴと階段を比べると、登りやすさという点ではやはり階段の方に分があるんですね。

また可動ハシゴの場合、ロフトにいる間はハシゴは出しっ放しという形になります。

そのためロフトを長時間使う場合はハシゴが邪魔にならないかどうかというのもしっかり確認しておきたいポイントと言えます。

 

ロフトに何を収納するか、そしてロフトを使う頻度と時間はどれくらいか。

この部分がハシゴにするかどうか大きなポイントなんですね。

まとめ

今回はロフトへ階段でアクセスするか、ハシゴでアクセスするかについて詳しく見てきました。

階段、ハシゴともそれぞれメリットとデメリットがありますが、大切なのはロフトをどのように使うのか。

その用途に合ったアクセス方法を選ぶのが重要なんですね。

それにプラスして、スペース的に大丈夫か、また予算的にもOKかという部分を見る事で、よりベストな選択をすることができます。

また、階段やハシゴというのは作り方一つで印象や使い勝手というのはかなり変わってきます。

ただ移動する場所にするのではなく、スペースを無駄なく使えるようなアイデアも盛り込むなど色んな可能性を探って見るのも楽しいですよ。

では。

 

ロフトについてはこちらも参考にしてください。

ロフトのある家って実際どうなの?100棟以上見てきた正解がコチラです。

ロフトへは階段で行く?それともハシゴ?あなたに合った階段の選び方

階段についてはこちらも参考にしてください。

間取りを左右する階段の位置を決めるための3つのポイント

スケルトン階段を使ってリビングをおしゃれに!間取りで見るスケルトン階段の効果的な作り方

らせん階段って使いやすいの?らせん階段のポイントを建築士が解説します

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おしゃれな階段を作るにはどうすればいい?おしゃれな階段にする3つのポイント

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ロフトの階段の記事を読みました。おしゃれな階段を作りたいのですが、おしゃれな階段にする方法があれば記事にしてもらえないでしょうか?」

このようなリクエストを読者の方からいただきました。

 

たしかに、おしゃれな階段で検索すると色んな階段が出てきますが、「こんな階段、ウチの家でも本当にできるのかな?」など実際に再現できるかどうかはイマイチ分かりにくいですよね。

特に階段は間取りが出来てから変更するのが難しい部分なので、後から階段を変更するというのは難しいものです。

そのためおしゃれな階段にする場合、最初にどんな階段を目指すか大まかに決めておくことが大切なんですね。

 

また、おしゃれな階段と言ってもどこまで手を加えるか、また予算をどれくらい掛けるかというのでも大きく違ってきますが、どうすればおしゃれな階段を作れるか頭の中に入れておけば、おしゃれな階段は意外と簡単に作ることができます。

今回は、そんなおしゃれな階段を作る方法を具体的に見ていきたいと思います。

おしゃれな階段を作りたいという方はぜひご覧ください。

おしゃれな階段にする方法

おしゃれな階段を作る場合、まずは3つの法則を頭に入れておくことで劇的におしゃれな階段にすることができます。

その3つとは、

  • 見た目をスッキリさせる
  • 使う部材を工夫する
  • 形を綺麗に見せる

以上の3つです。

 

この3つに沿って階段を作ることで、おしゃれな階段になるんですね。

それでは順番に見ていきましょう

 

おしゃれな階段の法則1:見た目がスッキリさせる

まず、家全般に言えることですが、部屋の中を簡単におしゃれに見せるためにはスッキリした見た目を目指すというのが一番の近道となります。

見た目がゴチャゴチャするほど部屋の印象は雑多な感じになってしまいますが、その反対にルールに沿ってスッキリまとめると誰でも簡単におしゃれな部屋にできるんですね。

もちろん色々とプラスしてオシャレにすることもできますが、インテリアの知識やセンスもかなり必要になってきますし、雑貨や家具などでもアレンジできることを考えると、ベースとなる家の内装はできるだけスッキリ見せるのが基本となってきます。

オシャレに見える家とオシャレに見えない家の違いって何?

 

そして同じように、階段もどれだけスッキリ見えるかというので印象はかなり変わってきます。

たとえば、下の2つの階段をご覧ください。

階段の比較

左側の階段はオーソドックスな階段、そして右側の階段は少しアレンジされた階段になっています。

階段の横に壁が有るか無いか以外に、階段のどの部分が違うかお分かりになりますか?

それは、この部分です。

階段をおしゃれにするポイント

この階段の横に付いてる物を階段巾木と呼びますが、この部分が目立つか目立たないかで階段の印象はかなり変わってきます。

木の階段を使うので木目感を強く出したい場合などは良いですが、それ以外の場合は階段巾木はできるだけ目立たない方が階段はスッキリ見えるようになるんですね。

たとえば階段巾木を無くしてしまうとこんな感じに。

スッキリした階段

さっきの階段と印象が違い、なんだか洗練された感じを受けますね。

このように余分な部分を削ぎ落としてスッキリさせることで、階段のオシャレ感が増すようになります。

もちろん、階段巾木が有ることで階段に掃除機をかける時などに壁を守る役割もあるので階段巾木を無くせば良いという訳ではなく、階段以外の余計な物はできるだけ目立たせなくする。

それがおしゃれな階段にする1つのポイントとなってくるんですね。

巾木(はばき)って何?巾木で部屋オシャレにするための5つのポイント

 

また、もう一度先ほどの2つの階段を見てみると、右側の階段は一部に壁がなくオープンな作りになっているのが分かります。

階段の比較

実はこのように壁を少なくするというのも効果的で、階段の横に壁が無いと視線が抜けるようになり、部屋が広く見えるという効果が期待できます。

たとえば壁ではなく格子状にするだけでも視線の抜けを作ることができるので、階段周りの壁が視線を遮っていないかどうかもチェックしておきたいポイントです。

 

おしゃれな階段にする場合は、スッキリした見た目と抜け感を出す。

まずはこの部分が基本となってくるんですね。

 

おしゃれな階段の法則2:使う部材を工夫する

階段を一番簡単におしゃれにする方法。

それはスチール製の階段にするという方法です。

先ほど、おしゃれな空間にするためには無駄な物を省いてスッキリさせるのが効果的とお伝えしましたが、スチール性の階段は薄く作っても強度を出すことができ、とてもスッキリした階段にすることができるからなんですね。

おしゃれな階段

そのため無駄なものを省いてスッキリと、また軽さも出るので抜け感のある階段にすることができます。

 

もちろん、スチールの階段と言っても踏み板は木で作ることができるので冬の寒い時期でも足が冷たいということはありませんし、先ほどの階段巾木も必要なく、階段のデザインも自由に作ることができます。

そのため、色んなデザインを楽しめるのもスチール階段の魅力の1つです。

たとえば、ストレートな形より段差を強調したい場合はこんな風なデザインにすることもあります。

おしゃれなリビング階段

Photo:https://www.arbrehome.com/works08.html

また、階段を薄く作れるという利点を活かし、階段下を上手く活用するのもおしゃれですね。

階段下を上手く使ったおしゃれな階段

Photo:https://www.pinterest.jp/pin/684758318318440439/

このようにスチール階段は色んなアレンジができるので、おしゃれな階段を目指すという場合はスチール階段を選択肢に入れておくと間違いありません。

 

その一方、スチール階段にもデメリットがあります。

それはスチール階段にすると金額が高くなってしまうということ。

オーダーメードで作るので階段を作るのに安くても100万円くらいの金額は必要となり、一般的な階段と比べると結構金額に差が出るようになります。

(一般的な階段であれば数十万ほどです)

そのためスチールの階段を採用するのが難しいケースも出てきます。

 

そのような場合にオススメなのが、階段の手すりをスチールで作るという方法です。

おしゃれな手すりを使った階段

Photo:https://www.homify.jp/ideabooks/46101/

スチールは薄くても強度を出せるため、しっかり抜け感を出しつつ落下防止という手すりの役割も果たしてくれますし、デザイン面でもスッキリした印象になるんですね。

手すりをスチールで作るだけであれば階段ほど予算も必要ないので、取り入れやすいというのも大きなポイントです。

おしゃれな階段にする場合は手すりも含めた全体を見ながら素材を選ぶ。

これが重要なんですね。

 

おしゃれな階段の法則3:形を綺麗に見せる

階段をおしゃれに見せる場合、階段の形というのも意識しておきたい場所の1つです。

回り階段や直線階段など、階段がどのような形状になっているかでも、おしゃれに見えるかどうかに違いがあるんですね。

綺麗に見えるのは、やはり直線階段。

階段の形がシンプルなのでスッキリ見えやすく、階段本来のデザインがより活きるようになります。

 

また、地味な印象がある回り階段でもスケルトン仕様にすると階段の形が綺麗に出ておしゃれに見せることができます。

こんな感じですね。

おしゃれな玄関の階段

Photo:https://roomclip.jp/photo/bKOJ

その他、周り階段の場合はらせん階段にしてみるのもおしゃれでスタイリッシュです。

おしゃれならせん階段

Photo:https://horaguchi.cc/

らせん階段って使いやすいの?らせん階段のポイントを建築士が解説します

 

このようにシンプルな階段というのは綺麗に見えるので、できる限りシンプルな形にしておきたいですね。

 

では、階段が複雑になるとどのような影響があるのでしょうか?

階段が複雑になると階段本体の見え方もスッキリ見えなくなってしまいますが、その他に気を付けたいのが手すりの継手です。

手すりの継手とはこの部分ですね。

階段はシンプルに

複雑な階段は勾配が色々と変わるため、手すりの角度もその都度変更する必要が出てきます。

その結果、手すりの角度がバラバラになり継手がとても目立つようになってしまいます。

そうなると複雑な階段がよりうるさく見えてしまい、おしゃれな階段を目指すのが難しくなってしまうんですね。

そのため階段がどうして複雑になってしまう場合は継手が目立たない手すりを使ったり、造作で手すりを作るなどの一工夫をするなど、色んな対策を取る必要が出てきます。

 

このように階段の形を複雑にすると階段だけでなく色んな部分が雑多に見えてしまうため、階段をおしゃれに見せる場合はできる限りシンプルに。

これは覚えておいてくださいね。

 

また、階段がよく見える間取りにするというのもおしゃれな階段を目指す時には効果的です。

たとえば階段と吹き抜けの組み合わせというのはおしゃれな階段を目指す場合の鉄板の組み合わせとなります。

吹き抜けに面したおしゃれな階段

吹き抜けがあるので階段のシルエットがよく見えるようになりますし、階段を上り下りする時の開放感というのも吹き抜けならではですね。

吹き抜けのメリット、デメリットと失敗しない吹き抜けの作り方

 

その他、よく目につく印象的な場所に階段を作るというの効果的です。

たとえば玄関に入った時のアイキャッチとなる場所に階段を作るのも良いですし、リビングに入った時に階段が目に入ってくるなど、印象に残りやすい場所に階段を作ることで階段をより活かすことが可能になります。

アイキャッチを上手く使ってオシャレな家にする方法

リビング階段は寒い?プロが教えるリビング階段のメリットとデメリット。

 

また、スケルトン階段にすれば大きな窓が横にあっても階段を配置することが可能なので、庭が借景となって光がたっぷり入る階段を目指すのもいいですね。

庭に面したおしゃれな階段

Photo:https://inakagurashi.tatsumi.com/voice/index/368

スケルトン階段を使ってリビングをおしゃれに!間取りで見るスケルトン階段の効果的な作り方

 

このように、階段はどこに作るかで表情は大きく変わってきます。

おしゃれな階段にする場合は、どこで階段を見せるかというのも頭の片隅に入れておいてくださいね。

まとめ

今回はおしゃれな階段を作る方法について詳しく見てきました。

階段をおしゃれにする場合、まずはスッキリした見た目を目指す。

そして抜け感を出しながら素材を選び、見え方や見せる場所を決める。

そうすることでおしゃれな階段を作ることができるんですね。

ぜひ今回の内容を参考に、おしゃれな階段のある素敵な家を作ってくださいね。

では。

 

内装についてはこちらも参考にしてください。

新築の内装はどうすればオシャレに見える?内装を決める時の6つのポイント

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

まるで教科書!理想の家をつくる方法【絶対保存版】

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細長い家をおしゃれで暮らしやすくするにはどうすればいいの?間取りのポイントを建築士が解説します

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「今検討している土地がかなり細長く、家も必然的に細長い家となってしまいそうです。細長い土地に家を建てる時のアドバイスがあれば記事にしてもらえないでしょうか?」

このようなリクエストを読者の方からいただきました。

たしかに土地だけを見ていると、どのような家になるかイメージするのは難しいものです。

特に細長い土地など個性が強い土地ならなおさらですね。

 

でも、どんな土地にも家を建てる時のセオリーであったり、失敗しやすいポイントというのがあります。

その部分を頭に入れておくことで、実際に間取りが出てきた時にチェックすることができますし、その分だけ間取りで失敗する可能性というのを減らすことができるんですね。

そこで今回はいろんな土地がある中でも細長い土地にスポットを当てて、細長い家になる時に確認しておきたいポイントについて詳しく見ていきたいと思います。

細長い土地を選ぶ時のポイント

細長い土地で家を建てるのを検討する場合、まずはその間口がどれくらいの広さがあるのかで建てられる家が大きく違ってきます。

(ちなみに、間口とは下の絵ように道路に面した長さのことを言います)

間口

この間口に一定の広さがあるのか、それとも無いのかで間取りの難易度というのは大きく変わってくるからなんですね。

では、どれくらいの間口の広さが基準となるかというと「6m」というのが一つの基準となってきます。

6mあれば細長い家になっても必要な要素を上手く入れやすく、6mを切ると間取りのいろんな場所に支障が出やすくなってくるからなんですね。

たとえば6mあればこんな感じの間取りになります。

細長い間取り

家自体は細長いですが、必要な要素は無理なく入る大きさになっているのが分かります。

その一方で、これより細長くなってくると部屋やLDKといったスペースをしっかり取るのが難しくなり、建てたい家が建てられないというケースなんかも出てきます。

もっと細長い家になると下のような間取りになることも。

細長い家の間取り

すごい形の土地に建つ家

こうなると家に合わせて生活するといった感じになってきますね。

そのため、まずは6mと言うのが細長い土地を検討する時に覚えておきたい数字となります。

例外としては、都市部では6mを少し少し切っても何とかなることもあります。

普通は家を建てる場合はお隣とは50㎝以上空ける必要がありますが、都市部ではすぐ隣に家が建っているというケースもあり、その場合は50㎝以上スペースを空けてなくても家を建てられるからなんですね。

その場合でも工事の足場などを考えると数十㎝くらいは必要なので、6mを大きく切るようだと間取りの難易度はグッと高くなります。

 

ちなみに、家の間口がかなり小さくなると間取りを普通に作るだけでは成り立たないことも多く、その分だけ間取りをその土地に合うように調整するなど色んな工夫をする必要が出てきます。

そうなると規格化が進んでいるハウスメーカーなどで家を建てるのは難しく、小さな住宅を得意としている設計事務所や工務店に依頼するのがベストな選択となってきます。

たとえば家の幅が2mくらいになると間取りの難易度は格段に上がりますが、下の間取りはお風呂は必要な時だけ間仕切りをして使わない時は通路として使えるようにしたり、キッチン、ダイニング部分を1つの広い空間にしつつ、開けた方角に窓を設けて視線が抜けるようにすることで狭さを感じさせないようにしています。

おしゃれな細長い家の間取り

Plan:http://www.kmrmtmt.com/s_b.html

このように細長い土地に家を建てる場合は間取りのセンスや経験というのがとても問われるようになります。

そのため細長い家になりそうな時は、そのような条件が得意な設計事務所や工務店も選択肢にしっかり入れておきたいですね。

細長い家を建てる時のポイント

Photo:https://kentikusi.jp/dr/users/1788

それでは次に、細長い家を実際に建てる場合にどんな部分をチェックすればいいのか見ていきましょう。

 

まず、細長い家になる場合は物理的に横幅を広げることはできません。

その一方、細長いということは縦には長くスペースを取れることになります。

そして、実はこの長く取れるというのは家を建てる時の大きな武器になってくれます。

その理由は、家ではどれくらいの抜け感を出せるかで空間の見え方というのは大きく違ってくるからです。

 

たとえば壁ばかりある家と、奥まで視線が抜ける家だと、後者の方が広く見えますよね。

そうなんです。

細長い家というのは細長い分だけ抜け感を出しやすいという特徴があり、「長さを活かしてどれだけ視線を抜けるか」というのがとても重要となってくるんですね。

広く見える細長い家

そのため、間取りを見る時も家の中が壁で分断されていないか、また視線が抜けるようになっているかどうかという視点を持つことで、実際の広さ以上に見える家にすることができます。

 

その他、細長い家の間取りで多いケースとしては、家が細長くなってしまうので南面が広く取れないというケースも出てきます。

特に南道路の場合であれば、玄関が南側に来ることでLDKに十分な光が入ってこないということも。

細長い家

特に間口がコンパクトになればなる程影響が大きくなり、場合によっては玄関が邪魔してLDKの形が歪になってしまうなんてことも。

そのような場合は玄関を道路側に配置するのではなく、少し奥まった位置に配置するという方法も効果的です。

玄関の位置を工夫する

そうすることで、本来一番明るさの欲しいLDKに光を入れることができるようになり、その結果、住み心地のよい家にすることができるんですね。

玄関を例に挙げましたが、玄関でなくても同じことで、光を入れる場所をLDKにしっかり確保する。

細長い家の場合は光が入る場所が限られることも多く、薄暗い雰囲気のLDKにしないためにも、この部分は必ずチェックしておきたいですね。

 

また、細長い土地の周りでは、周辺のの土地も細かく区分けされていることが多く、その分だけ住宅が密集した状態になりがちです。

そうなると普通に家を建てるだけでは周りの家で日差しが遮られ、家の中に光が入って来るのは太陽の高さが高い夏場などに限定されてしまうこともあります。

一番日差しが欲しい冬に光が入ってこないと言うのは辛いですよね。

そうならないよう、LDKを2階に配置したり勾配天井や吹き抜けなど上の方から光が入ってくるような工夫もとても効果が高い方法と言えます。

また縦方向に広がりが出るのという点も大きなメリットです。

勾配天井ってどうなの?勾配天井の魅力とデメリット

吹き抜けのメリット、デメリットと失敗しない吹き抜けの作り方

 

その他に細長い家の間取りを大きく左右するものとしては、駐車場をどう作るかというのも影響してきます。

たとえば奥行きがかなりある土地であれば普通に車を止められるようにするだけで十分ですが、そうでない場合は道路に平行に車を止めるようにするか、家をL字型にして車を止めるようにするかという選択肢になってきます。

道路に平行の場合はこんな感じに。

細長い家のダメな駐車位置

 

家をL字にして止める場合は下のようになります。

細長い家の駐車位置

このように車をどう止めるかで間取りはかなり変わってきますが、特に注意したいのが道路に平行に車を止めるというケースです。

図面の中には綺麗に車が収まっていますが、実際に車を出し入れする場合は何回も切り返しが必要になってしまう間取りというのも非常に多く見かけます。

間取りを描く場合はクリックひとつで車を入れられるので、安易に車を配置して実際の車の軌道まで考慮されていない間取りというのも多くあるんですね。

図面を描くときにCADというソフトを使いますが、CADには車の車種を入れれば車の軌道を入れられる物も多いので、車の駐車スペースが窮屈な場合は切り返しが必要になるか確認しておくというのも後で後悔しないためのポイントとなります。

 

次に、L字型の場合はどうなるでしょうか?

L字型に車を止める場合は必要な間口というのが間取りによって違ってきます。

たとえば下の図ように1階にリビングを作るとなると、最低でも7.5mくらいの間口は欲しいところです。

LDKの広さをしっかり確保するためには、これくらいの間口が必要になってくるんですね。

 

その一方で、リビングを2階に配置すればそれほど間口がなくても間取りを作ることは可能となります。

一般的な部屋とLDKでは必要な大きさが違ってくるからなんですね。

細長い家の2階リビング

1階部分は小さくても、2階部分を跳ね出して作ることで2階に広い空間を確保することが可能となります。

このように家が細長くなるほど、広さが必要になるLDKは2階に配置した方が間取りが綺麗に収まることが分かります。

リビングを1階にするか、それとも2階リビングにするかはよく悩むポイントでもありますが、このように細長い家の場合は土地と間取りを一緒に考えることで、どちらの方が相性が良いかと言う判断材料となってくれるんですね。

2階リビングのメリット、デメリットをプロの建築士がまとめました【絶対保存版】

まとめ

今回は細長い家を建てる時のポイントについて詳しく見てきました。

細長い家は間取りの難易度は高くなりますが、その分土地も安く手に入りやすいですし、細長い部分を活かすことでとても魅力的な家にすることも可能となります。

その一方、土地が細長くなればなるほど間取りのセンスや経験も問われるようになるので、細長い土地で家を建てる場合は設計力の高い住宅会社に依頼する。

この部分もしっかり意識しておいてくださいね。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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家の口コミサイトってどうなの?プロの建築士が本音でお答えします。

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「気になる工務店があるのですが、口コミを見るとあまり良いことが書いてありません。口コミサイトに書いてあることが本当のことのようにも感じますし、実際に話を聞くと少し違うような気もします。家の口コミサイトはどれくらい信用度があるのでしょうか?」

読者さんからこのような質問をもらいました。

 

今では建てたい住宅会社があると、インターネットでホームページを検索するのが当たり前になりましたが、住宅会社名で検索すると口コミが書いてあるサイトもよく目につきます。

そして口コミサイトを見てみると、そこにはいろんな事が書いてありますよね。

良いことも悪いことも書いてあるので、どれが本当に信じていいか迷われる方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、家を建てる時や住宅会社を選ぶときの口コミサイトとの付き合い方について見ていきたいと思います。

それではどうぞ、ご覧ください。

口コミサイトの内容を信じていい?

家の口コミ

まず最初に結論を書いておきますね。

私が建築士として多くの方の家づくりに携わってきた経験から見ると、「家の口コミサイトは軽い参考程度くらいに思っておいて、あなたに合う住宅会社かどうかは住宅会社を訪れて、実際の家を見たり話を聞いて判断するのがベスト」という事です。

 

もちろん、口コミという仕組みは実際のユーザーさんの声なのでとても参考になります。

食事に行くときなんかは食べログなどでお店の評判を口コミサイトで調べるのも当たり前のようになりましたし、amazonや楽天で買い物する時なんかはレビューを参考にすることも多いですね。

口コミの評価が高ければ良いお店であったり良い物である可能性が高くなるので、店選びや商品選択の失敗の確率が低くなるため、口コミを参考にされている方も多いのではないでしょうか。

このように、口コミを上手く使えば口コミは確かに貴重な情報となってくれます。

 

では、口コミについて家づくりでも同じことが言えるのでしょうか?

実は家づくりと口コミの相性はそんなに良くないんです。

家づくりにも口コミが上手くマッチするかと言うと、そういう訳ではないんですね。

 

どうしてでしょうか?

 

その理由を見ていきましょう。

家は人によって求める物が全く違う

価値観が違う

口コミが家づくりで大きな役に立たない理由の1つとして、まずは家は人によって求めている物が大きく違うことが挙げられます。

良い家を建てるという目標は家を建てる全ての方が持っていると思いますが、「良い家」の定義が人によってかなり違ってくるんですね。

 

たとえば家を建ようと思った時、デザインを重視する人もいれば、家の性能を重視する人もいます。

また、人によっては家の価格であったり住宅会社の対応やアフターメンテナンスを重要視するという方もいますよね。

そして、デザインを重視する人が性能は高いけどもデザインが得意でない会社で家を建てれば不満がでますし、反対にデザインよりも家の性能を重視する人のとってはその会社で家を建てると満足のいく家が建てられる可能性が高くなります。

これは当たり前のようですが、家づくりでは意外とこういったミスマッチが起こることが珍しくありません。

では、どうしてこういう事が起こるのでしょうか?

 

例えば、よく口コミが活用される飲食店を例に見てみましょう。

 

飲食店の場合、最終的な目標はある程度決まってきます。

和食が食べたい、洋食が食べたいという目的に合わせて、和食屋、洋食屋といったお店を選ぶのがとても効果的です。

その他にはデートで行くためのお店だったり、宴会をするためであったりと目的がかなり明確です。

パッと見ただけで何を得意にしているお店かすぐに分かるので絞り込みが楽ですよね。

ここである程度の好みは選別できるので、ミスマッチはかなり少なくなります。

 

ところが家づくりの場合、味が濃いめの洋食を食べたいのに和食の店に入ってしまい、そこで出てきたのがさっぱりしたお寿司だったので悪い店という評価になるということが普通に起こります。

工務店を決める段階で何を重視(何を食べたいか)が決まっていない事も多く、工務店が何が得意か(何料理店か)もイマイチ分からないことが非常に多いんですね。

 

そしてこの事に家が完成してから気付いてはもちろん手遅れですし、家の打合せ中だとしても一度家の契約をしてしまってからでは手付金の放棄や打合せが進んだ分の費用が発生したりなど、会社を変更する労力と費用はかなりの負担となってしまいます。

このように家を建てる際は、最初の入口の段階でミスマッチが起こりやすい上に、あとで変更するのが難しいんですね。

そのため、人によって評価がバラツキやすくなります。

 

そして何より料理というのは人それぞれ味覚が違うとしても、そこまで大きな違いがありません。

美味しい物は美味しいですし、不味い物はほとんどの人が不味いと感じます。

ここが大きなポイントで、料理は毎日食べるものなので客観的に評価しやすいんですね。

 

その一方、先ほどご紹介したように家の善し悪しは人によって感覚が大きく違いますし、何より家を建てる経験というのはほとんどの人にとって一生に1度あるか無いかなので経験という部分でも評価が難しくなります。

その結果、客観的に評価がしづらく偏った意見になってしまうことが多くなってしまいます。

このように、家づくりというのは客観的な評価をしにくいんですね。

ここが家の口コミの評価が難しくなる大きな理由です。

家の価格の評価は正しい?

家と価格

家の満足度を見る場合、コストパフォーマンスという部分も大きなウェートを占めるようになります。

では次に、家の価格やコストパフォーマンスの口コミについても見ていきましょう。

 

家の見積もりの場合、家一式でいくらという見積もりが多く、使っている物がどれくらいの価格なのかとても分かりにくいという特徴があります。(良いことだとは思いませんが)

飲食店で言うと、ビール1杯であれば¥500-前後というお店が多いのでビールの価格を見ればそのお店の価格が高めなのか休めなのかの判断がつきやすいですが、家の場合は価格が高いのか安いのか分かるような基準が無いんですね。

例えば飲食店であれば、ビール1杯が700円なら全体的に高め路線の店、400円ほどなら安いお店と想像がつきます。

 

一方、家の場合は総額だけ安く見えても、使っているものもスカスカで返って割高である場合もありますし、まずまずの値段がしていても使っているものは良いものでコストパフォーマンスを見るととても良い会社もあります。

 

さらには家の価格の場合は極端な話、見積もり上で何かを安く見せたければ、他の物に金額を上乗せして安く見せるという方法もあります。

たとえばキッチンを安く見せたい場合はキッチンの価格を下げて、柱や土台など定価の無い物の価格を高くするといった方法も取れるんですね。

定価のない物は、一般の方にはそれが高いか安いか分からないからです。

また同じような家に見えても、ちょっとした違いで見積もりの金額に大きな影響を及ぼす場合もあります。

家がコストアップする5つの要因とプラスα

 

そのため、実際に家が高いか安いかというのは見積もりを何社か取るなど、家のことにかなり詳しくなる以外方法が無いんですね。

注文住宅に相見積もりは必要?相見積もりをする時の3つのポイント

 

また、同じ2,000万円の家でもキッチンなどの設備にお金をかけた2,000万円の家もあれば、設備は質素だけども構造材にお金をかけた家もあります。

そうなると同じ2,000万円の家でも、この2つの家の中身は全然違ってきますよね。

そのためパッと見で高いか安いかは、プロでも中身をしっかり吟味しないと高い家なのか安い家なのか判断が難しいと言えます。

 

このように家の価格は口コミだけで判断するのはとても危険で、家と口コミの相性が悪い一因にもなります。

家を建てる経験は一度だけ

家を建てることは、普通の人であれば一度あるか無いかがほとんどです。

何度も家を建てている人というのはすごく稀ですよね。

そのため、その一度の体験が家の口コミサイトに口コミとして書かれることになります。

 

もちろん、あくまで経験したことを書くので口コミなのですが、ここで1つ問題が出てきます。

それは、家づくりは一生に一度の経験なので基準となるベンチマークが無いということです。

 

先ほどのように飲食店と比べてみると、人生で一度しか飲食店に行かないなんてことはまず無いですよね。

あなたもこれまで相当の数の飲食店に行かれたことがあると思います。

その結果、良い飲食店や悪い飲食店といった自分の中の基準が定まってくるので、経験を積めば積むほど良いお店かどうかを判断できるようになっていきます。

 

一方、家を建てるのは一生に一度なので、このように判断をするための基準となる経験がほぼありません。

そのため基準となるものが圧倒的に少なく、良いか悪いかはその人の印象に大きく左右されてしまうことになるんですね。

 

そうなると飲食店など多くの方が何度も経験した結果から生まれた口コミよりも、家の口コミサイトはかなり人によるバラツキが大きくなってしまいます。

このことも、家の口コミサイトを鵜呑みにしない方がよい理由の1つです。

誰でも書き込める

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どの口コミサイトでも同じですが、口コミサイトには基本的に誰でも書き込むことができます。

そのため、例えば競合する住宅会社の人間が悪い評判を書き込むこともできますし、自分の会社のことを良い会社だと書き込むこともできるということを意味します。

 

実際にこのような書き込みはよく目にすることがありますし、口コミサイトの運営会社もかなり悪質な誹謗中傷で無い限り消すことがありません。

要は、情報の信頼性というところで大きな疑問符がついてしまうんですね。

 

家の口コミはほとんどが匿名です。

一般的に、匿名で発言している人の口コミは信用度が低いですし、極端な話、匿名だと自作自演で褒めたり貶したりすることもできます。

そんな信用度の低い情報で、もしかしたら、あなたととても相性の良い住宅会社との出会いが無くなるというのはとても惜しいことですよね。

 

「信じるか信じないかはあなた次第」というフレーズが昔に流行りましたが、家の口コミサイトの場合は信じる信じないでなく、「こう思う人もいたんだな」くらいのただの軽い参考程度に留めておくのが1番の得策です。

そして口コミで先入観を持つのではなく、あなたが実際に見てみて合うか合わないかを感じてみるのがベストなんですね。

 

また、家を建てる場合は住宅会社の口コミよりも、実際に住宅会社を見て、住宅会社を見る目を鍛えるのが1番です。

たとえば、工務店を見る目を養うなら闇雲に見るよりも一定の基準を元に工務店を見てみると、良い工務店かどうか、またあなたに合っている工務店かどうかを判断しやすくなります。

 

その他で言うと、これは私が今まで多くの工務店を見てきた感想ですが、紹介のお客さんが多い工務店は良い工務店である確率がとても高くなります。

紹介すると言う事はそれだけ家に満足しないとあなたの大切な友人や家族を紹介しようとは思いませんよね。

ましてや一生に一度くらいの高価な物なら尚更です。

 

そのため、どれくらいの割合で紹介で家を建てている人がいるのか実際に聞いてみるというのは、口コミ以上の効果を発揮してくれますよ。

(大きな工務店ほど宣伝力があるので紹介の比率は下がり、小さな工務店の方が紹介の比率は大きくなる傾向はあります)

まとめ

今回は家の口コミサイトについて見てきました。

家の口コミサイトは情報の信頼性というところで疑問がある上に、家づくりの特性上、口コミの精度というのも他の口コミよりも偏った意見になってしまうんですね。

そのため、軽い参考程度にするくらいであれば良いですが、その口コミに左右されるのはとてももったいない事と言えます。

もしかしたらその人の価値観に合わなかっただけで、あなたにとても合う工務店かも知れないからなんですね。

 

それでも口コミが気になるなら、工務店の担当者に直接口コミについて聞いてみるのも良い方法です。

きちんとした工務店であれば、あくまで噂レベルであれば疑問を払拭できるきっかけになりますし、本当のクレームであればそれを踏まえてどういう改善を施すようになったかを正直に話をしてくれるはずです。

(反対に適当にごまかす場合は要注意です)

 

口コミに惑わされず、ぜひあなたの目で確かめて良い工務店と出会ってくださいね。

では。

 

家づくりの流れはこちらも参考にしてください。

【保存版】必ず知っておきたい家づくりの流れをまとめました

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

まるで教科書!理想の家をつくる方法【絶対保存版】

土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】

建築士が教える今日の問題解決

家の口コミサイトは信用して大丈夫?

  • 家の口コミサイトは軽い参考程度に。自分の目で確かめるのが1番です。

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工務店で良い家を建てるためにとても大切なこと

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「工務店で家づくりを考えています。担当してくれている方も信用できそうなので、このまま進めていきたいと思っているのですが、工務店で家を建てる時に『こうした方がいい』など何かアドバイスがあれば教えてもらえないでしょうか?」

このような質問を読者の方からもらいました。

この方のように信用できる担当者と巡り会えてたというのは良い家を建てるためにとても重要な事です。

できればその関係をもっと良い物にしながら、理想の家を建てたいですよね。

そこで今回は、工務店で良い家を建てるために大切なことについてお話していきたいと思います。

工務店で家を建てる、建てることを検討しているという方はぜひご覧ください。

工務店をしっかり選んだ後は、信用して任せる

工務店で家を建てる時に大切な事。

それは、まず最初にあなたに合う工務店をしっかり選ぶ。

そしてこの工務店で家を建てると決めた後は、信用して任せる。

これが理想の形となります。

 

私は自社の工務店で家を建てた方だけでなく、他の工務店で家を建てた方も多く見てきましたが、家が建ってから満足度の高い生活を送っている方は、かなりの確率で上記のような形で家を建てられています。

では、しっかり選んだ後は信用して任せることでどうして満足度の高い家ができるのでしょうか?

次に、具体的な理由について見ていきたいと思います。

あなたに合った工務店を選ぶ

家を建てる場合、人によって求めるものは違ってきます。

たとえば床に無垢材のフローリングを使った優しい雰囲気の家を建てたいという方もいれば、かっこいいモダンな印象の家を建てたい方、家はデザインよりも暖かさや快適さなどの性能を重視したいという方もいらっしゃいます。

このように「いい家」とひと事で言っても、人によって「いい家」の定義というのは違ってくるんですね。

そのため、まずは建てたい家はどういう家なのか。

その優先順位を決めるというのが家づくりの最初のスタートになってきます。

 

そして優先順位がある程度固まれば、次に実際に工務店の建てた家を見ていくことになり、その中であなたの理想の家を建ててくれそうな工務店を見つけていきます。

もちろん、雰囲気や性能だけでなく価格など現実的な部分も見る必要がありますが、複数の工務店を見てみることで家を見る目が養われますし、それぞれの工務店の特徴や違いというのもだんだん見えてくるようになります。

そのため1つだけでなく、いくつかの工務店を見てみるというのはとても大事なことなんですね。

 

また、工務店選びで80%くらいは家づくりが成功するかどうかが決まってきます。

たとえば得意なテイストというのも工務店によって違いがあり、施工事例によく載っている家がその工務店が得意なテイストということになります。

モダンが得意な工務店はかわいいテイストの家を建てるのが苦手なように、工務店が得意な家を建てることで、その工務店の腕を一番引き出すことができるんですね。

 

その他、レベルの高い工務店と、普通の工務店では作る家のアベレージがかなり変わってくるので、できるだけレベルの高い工務店を選ぶというのも重要です。

いくつか工務店を見る中で、まずはあなたに合った工務店を、そしてできる限りレベルの高い工務店を選ぶというのがとても大切なんですね。

良い家を建てられる人と、良い家を建てられない人の違い

選んだ後は信用して任せる

工務店選びの段階では他の工務店といろいろ比較すると言った事も出てきますが、「この工務店で家を建てる」と決めた後は他に目移りせず、信用して任せるというのが良い家を建てるためのベストな方法となってきます。

その大きな理由としては、信用して任せる事で設計担当者が最大限の力を発揮してくれるからです。

 

たとえば、何かするにしてもアレコレ細かく支持されるのと「あなたに任せる」と言われるのでは、どちらの方がやる気が出るでしょうか?

「あなたに任せる」と言われる方がやる気が出ますし、任されるという事は責任も持ちますよね。

これを家づくりに当てはめると、「任せる」ことで設計担当者が家づくりにより力を入れるようになる。

という事なんですね。

 

また、設計担当者というのは設計士という技術者であるのと同時に、家でいろんな事を表現するデザイナーという側面も持っています。

そして任されることで、その技術者とデザイナーという職人魂に火が付くんですね。

 

その結果、いろんな提案も出てくるようになりますし、工事が始まっても現場に頻繁に足を運ぶなど、家づくりにとても力が入るようになるだけでなく愛着を持つようになり、その結果、建築士の力を引き出せるようになります。

(これは多くの建築士がそうですし、実際に建築士である私も少しでも時間を空けて現場に足を運んでしまいます)

ただ仕事で家づくりをするのか、それとも愛着を持って家づくりに取り組むのとどちらがクオリティが高い家ができるのかは一目瞭然ですよね。

もちろん、任せると言っても要望はしっかり伝える必要はありますし、提案された事が合わなければ上手く修正するなどコントロールする必要もありますが、基本姿勢は建築士に任せるというスタンスを取るのが良い家を建てる一番の近道となります。

 

ちなみに、たまに任せても何の提案もない建築士もいますが、そのような建築士はできるだけ避けることも大切です。

工務店選びの段階で担当建築士が頼りなさそうであれば、その工務店をやめておくか他の建築士を担当にしてもらうなどの方法を取っておくなど、あらかじめ対策を取っておきたいですね。

また、比較的年配の建築士でたまに見かけますが、意見が強すぎる建築士というのもいます。

そうなるとお施主さんの意見が流されてしまい、誰のための家づくりか分からなくなってしまうので、このような建築士が担当になるのも避けておきたいですね。

工務店選びの際は、どのような建築士があなたの家を担当するのか。

この部分もしっかり確認して、任せられる建築士と一緒に家を建てる。

これが工務店で良い家を建てるためにすごく重要なんですね。

プロとしての意見がない設計士、プロとして個性が強すぎる設計士

まとめ

今回は工務店で良い家を建てる方法について見てきました。

まずはあなたに合った工務店をしっかり選び、その後はある程度任せるというのが工務店で良い家を建てる時のポイントなんですね。

これはハウスメーカーなど大きな会社でも使う事ができますが、大きな会社ほどシステム化されており、工務店の方が個人の力量や裁量が大きいので、工務店の方がやはり効果が大きくなります。

 

家を建てる場合、お施主さんというのは舞台監督ようなものです。

脚本(要望)を用意し良い役者(工務店)を見つけ、その中で最大限の力を発揮してもらう。

その結果、ベストな物を作る。

このような視点で見ることで、家づくり全体を俯瞰してみることができ、その時その時で何をすればベストか判断ができるようになるんですね。

 

ぜひ、今回の内容を参考に良い家を建ててくださいね。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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家を建てる時の流れを建築士が簡単にまとめました

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家を建てる時、まずは何から始めれば良いのでしょうか?

それは「家を建てる時の流れ」を知るという事です。

 

私は建築士として100件を超える方の家を担当し、日々多くの方から家づくりの相談をいただいていますが、良い家を建てられた方というのは最初に「家を建てる時の流れ」を把握した上で家を建てた方がほとんど。

では、どうして家を建てる流れを知る事が良い家を建てることに繋がるのでしょうか?

 

人にとって家づくりは一生に1度あるか無いかの物です。

例えば、初めて行った街で美味しいお店の情報をあらかじめ知っているのと、その場で一から探すのとでは美味しいご飯を食べられる可能性はかなり違ってきますよね。

同じように、まずは家を建てるのにはどういう事かという全体像を知ることが、良い家を建てるための一番の近道になってくれます。

さらには家を建てる流れを頭に入れておくか、それとも知らずに家を建てるかで、できる家の質も変わってくるんですね。

 

今回はそんな家を建てる時の流れを簡単にまとめました。

家づくり中の方も、これから家づくりを始める方もぜひご覧ください。

どんな家を建てたいのか

家を建てようと思った時、まずは何を最初にすればいいでしょうか?

「住宅会社や住宅展示場に行く事?」、「ネットで家を建てている会社を探して資料請求すること?」

 

どれも家を建てるのに大切なことではありますが、まだ必要なことではありません。

家を建てるのに一番最初にすること。

 

それは、「どんな家に住みたいか」「家で何がしたいのか」をイメージすることから家づくりは始まります。

家が欲しいと思った時に最初にする事

 

家を建てる前に、まずはあなたがどんな家に住みたいのか、そしてどんな生活を送りたいのかをイメージすることで、あなたの家づくりの目指す方向が見えてくるようになるんですね。

もちろん、まだ最初の段階ですので〇〇LDKの家とかオシャレなキッチンを入れたいなど具体的なところまでしっかり考える必要はなく、「どんな家に住みたいか」や、「どんな暮らしをしたいか」など、ざっくりとしたイメージの段階で十分です。

(具体的な間取りは建築士がそのイメージを元に間取りを作ってくれます)

 

また、どんな家に住みたいかイメージするのと同時に、「どうして家を建てようと思ったのか」というのを明確にしておくのも家づくりの中でとても大切なこと。

例えば、「まわりを気にせず子供にノビノビと育って欲しいから」とか「安全で健康な家に住みたいから」など、あなたは家を建てるための何かしらの理由があり、それを叶えるために家づくりをしているはずです。

でも、家を建てるというのは長い時間がかかるもの。

基本的に家づくりは楽しい物ですが、その中で迷ってしまう事もありますし、悩むことも必ず出てきます。

そんな時、家を建てる前に「どうして家を建てるのか」という理由をしっかり持っておく事で、長い家づくりの中の道しるべとなってくれるんですね。

 

このように家を建てる時には最初に「どんな家を建てたいのか」「どうして家を建てるのか」を考えてみるのが成功する家づくりの第一歩となります。

家の予算を考える

ある程度建てたい家のイメージが固まってきたら、次に考えたいのが家の予算について。

 

家の予算を考える場合は住宅ローンを組むことがほとんどですが、ここでのポイントは住宅ローンを借りられる金額から家の予算を考えるのではなく、月々の返済額から逆算して建てる家の予算を決めるということ。

 

今の生活にちょっと余裕があるのなら今の家賃よりも少し高い返済額でも可能ですし、今の家賃が日常生活とのバランスがよいのであれば今の家賃を目安に、今より家賃を下げたいなら家賃より安い返済額を目標にするのが理想です。

この場合の注意点としては、住宅ローンは借りる種類によって月々の返済額が違ってくるということ。

月々の返済を考える場合は、変動金利と固定金利の違いを頭に入れておくことも大切になります。

住宅ローンは変動金利?固定金利?知っておきたい住宅ローンについての考え方

 

また、家の予算を考える場合は家本体だけではなく家全体の予算で考えるのもポイントになります。

家ができたけども家電や家具が買えなかったり、庭の工事ができないなんてことになると困りますね。

そうならないためにも家を建てる場合は家の総額で予算を考えるのが重要になります。

家の資金計画はどうすればいい?資金計画書の見方と押さえておきたいポイント

家を建てるには費用はどれくらい必要なの?

家の知識を身につける

理想の家を建てるには、家の知識を身につけるのも大切な事です。

まずはポイントを押さえた情報収集から始めてみると、貴重な時間を効率的に使うことができますし、営業マンに言われるまま家を建てるということも防ぐことができるんですね。

家を建てる時、何を基準に見れば良いかという「物差し」を持つことで、言われるままの誰の家か分からない家を建てるのではなく、あなたに合った家を建てることができるようになります。

 

このような物差しを身につけるには家づくりの最低限の知識が必要になりますが、世の中にはいろんな情報が溢れていますし、中にはただの素人が書いているウソか本当かよくわからない情報もあります。

限られた時間を最大限有効に使うには、有益な情報をいかに効率的に身につけらえるかというのも重要になります。

これまで100を超える家を建ててきた建築士の視点から見た家を建てるのに必要なことは全てこちらにまとめていますので、一緒に勉強していきましょう。

まるで教科書!理想の家を建てる方法【絶対保存版】

家の種類を知る

家を建てる場合、大きく4つの種類に分けられます。

「建売住宅」、「規格型住宅」、「セミオーダー住宅」、「注文住宅」の4種類です。

 

この4つの違いとしては、

  • 建売住宅はその名のとおり、完成した家を買う。
  • 規格型住宅は間取りがある程度規格化されていて、気に入った間取りを選ぶ。
  • セミオーダー住宅は間取りはある程度自由だけでも、仕様に制限がある。
  • 注文住宅は間取りも仕様も自由。

このような違いがあります。

 

家を建てるのに後悔しやすいポイントが、家を契約した後に「こんなはずではなかったのに」と思うことです。

例えば何でも自由にできる注文住宅だと思っていたのに、実は仕様があまり選べないセミオーダー住宅で契約してしまうと大きな不満が残ってしまいますよね。

このようなことを避けるために、家の種類を頭に入れておくことはとても大切となります。

4つの違いについて詳しくはこちらの記事に書いてあるので、家を建てる前に一度は目を通して見てくださいね。

あなたに合っている家はどれ?家は注文住宅だけでは無いんです

家の依頼先を決めるポイント

「暮らしのイメージ」「家の予算」などがある程度決まったら、いよいよ住宅会社探しの開始です。

あなたの理想の家を建ててくれる住宅会社の探してみましょう。

 

ちなみに家を建てる場合は大きく分けて3つの依頼先に分けられます。

  • ハウスメーカー
  • 工務店
  • 設計事務所

の3つです。

 

簡単に違いを挙げると、

  • ハウスメーカーは大手の安心感や品質のバラツキが少ないが、間取りの自由度が低く価格も高い。
  • 工務店は良い工務店もあれば悪い工務店もあったりと、振れ幅がかなり広い。
  • 設計事務所は家に凄くこだわれる反面、良くも悪くも建築家の腕と相性次第。

このような違いがあります。

 

それぞれ特徴がありますが、最初の段階では気になる依頼先に話を聞きにいく感じで大丈夫です。

ハウスメーカーに行ってちょっと自由度が少ないなと思えばデザインや間取りに力を入れている工務店に方向性を変えれば大丈夫ですし、さらに家にこだわりたい場合は設計事務所で家を建てるというように依頼先を修正していけば良いからなんですね。

また、価格も会社によって様々なので、坪単価など価格の目安も聞いておくのも忘れずに。

家が予算オーバーする5つの要因とプラスα

坪単価の計算方法とプロでも知らない3つの注意点

 

ちなみに、建築士の私の個人的なオススメ順に並べると、工務店、設計事務所、ハウスメーカーという順番となります。

その理由として、最近はデザイン、性能にこだわったレベルの高い工務店が増えてきているのが大きな理由です。

また、最初に工務店を見に行けば、もっと会社の規模や安心感が欲しいと思えばハウスメーカーを見にいけばいいですし、もっと家のデザインにこだわる場合は設計事務所に行くなど、工務店は良い意味でハウスメーカーと設計事務所の中間という立ち位置になるので、あなたに合った依頼先を探しやすいという部分もあります。

工務店とハウスメーカーの違いについてまとめました

設計事務所って実際どうなの?家を建てる前に知っておきたい住宅業界。

 

その他、住宅会社を見る際は、気に入った住宅会社があったからと言って1社しか見ないのではなく、複数の住宅会社を見てみるのがポイント。

いくつかの住宅会社や工務店を見ることで住宅会社を見る目も養われますし、あなたの中での住宅会社の基準もしっかり持つことができるようになるんですね。

注文住宅に相見積もりは必要?相見積もりをする時の3つのポイント

 

また、家づくりは住宅会社選びで成功するかどうかの80%くらいは決まってきます。

レベルの高い会社で家を建てること、また会社の相性というのは家を建てるのにとても重要な部分になってくるんですね。

良い家を建てられる人と、良い家を建てられない人の違い

土地探し

家を建てる場合、実家を建て直したり元からある土地に家を建てる場合以外は土地を購入して家を建てることになります。

このように土地探しから家づくりを始める方は、まずは「土地を見つけよう」と思って、とりあえず不動産屋へ行くという方がとても多くいらっしゃいます。

ですが、ちょっと待ってください。

どういう基準で土地を選べば、あなたの理想の家が建てられるか分かりますか?

 

実は土地探しから家づくりをする場合、先に土地を購入するよりも住宅会社を見つけてから土地を探した方が失敗が少なくなるんです。

その理由は、不動産屋と住宅会社でお互いのゴールが違うから。

不動産会社は土地を売買することがゴールですが、住宅会社は家を建てることがゴールとなります。

 

住宅会社に土地探しのアドバイスをもらうことで、「土地を先に購入したけども土地にお金を掛け過ぎて家に使える予算が少なくなってしまったことに後で気付いた」、「法律の規制が厳しい土地で、思った大きさの家が全然建てられ無かったなど、土地ばかりを優先してしまうと土地と家のバランスが上手くいかない」というようなケースを避けることができるようになるんですね。

このように土地を決めるよりも工務店や住宅会社など家を建てる会社を先に決める方が家づくりの失敗を減らす事ができます。

 

もちろん、全ての住宅会社が土地探しを手伝ってくれる訳ではなく、その姿勢は様々ですが、土地探しから始める場合は土地のこともアドバイスをくれる住宅会社と一緒に家づくりをするのはとても効果的です。

家を建てるために土地を購入する際は、家のことを相談できる人を味方につける。

これが重要なんですね。

どこに住む?土地探しのポイント

突然ですが問題です。土地と工務店どちらを先に決める方が良い?

土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

家の契約

建てる住宅会社が決めて間取りが決まると、家の請負契約を行うことになります。

家の契約は人生に1度あるか無いかくらいという方がほとんどですので、家の契約って何をするのかよく分からなくても当然。

ただ、契約書に一度はんこを押してしまうと、その効力は非常に大きいものになります。

(契約後に家を建てるのを解約しようとすると、100万円単位の費用が掛かってしまいます)

 

そのため、契約前に仕様はどれくらい選べるのか、何が変更できるのか、また変更にはどれくらいのお金が掛かるのか。

この部分を押さえておくことが大切になってきます。

 

後で「こんなはずでは」と思わないためにも、契約前には上記のことを必ず確認してみてくださいね。

ついに家を契約!注意したい3つのポイント

 

また、契約前には値引きを提案される場合もあります。

値引きなど目先の物に惑わされるのではなく、その部分をしっかり確信してから家の契約に望みたいですね。

家は値引きしてくれるもの?

家の打ち合わせ内容

家を建てる場合、理想の家にするために家の打ち合わせというのが行われます。

打ち合わせをすることであなたに合った間取りや仕様の家になっていくんですね。

 

基本的な家を建てる時の打ち合わせの流れとしては

  • 最初にどんな家を建てているかなどの会社説明。
  • 間取りのヒアリングと間取りの打ち合わせ。
  • 仕様の打ち合わせ。

このような流れになることが一般的です。

 

基本的には最初に担当の営業マンが付き、家の設計段階や仕様の打ち合わせ段階で建築士やインテリアコーディネーターといった専門家が打ち合わせを行うようになります。

 

ただ、これは住宅会社によって違いがあり、営業マンが間取りを作る会社もあれば、設計事務所のように全て建築士が担当することもあります。

家にこだわりがあればある程、間取りの打ち合わせは建築士とする方が良いですし、間取りのクオリティも建築士の方が高くなります。

そのため、住宅会社選びの段階でその会社はどういうスタンスで家の打ち合わせをしていくかをあらかじめ確認しておくとベストなんですね。

営業マンの作る間取りと設計士が作る間取りの違い

設計士さん次第で、どうしてこんなにも違うの?その理由をお答えします。

家の工事着工

家の打ち合わせが終わると、いよいよ家の工事がスタートします。

工事の着工の際には地鎮祭、家の工事中にも上棟式などのイベントも有り、家が完成するまでにどのようなイベントがあるか確認しておきたいですね。

建物着工〜引渡しまでのイベント

 

また、良い家を建てる人というのは、工事現場の職人さんとの関係も良好なことがほとんど。

職人さんとの関係を良くする方法は下の記事を参考にしてくださいね。

家の建築中はお茶を持って工事現場へ行くと良い理由って何?

 

ここまで来ると家の完成は近づいてきます。

そのため、実際に新しい家で生活するための準備も必要になってきます。

例えば、駐車場や庭などの外構工事であったり、新居に入れる家具、家電というのもすぐに手配できるものではないので、余裕を持って準備しておきたいですね。

(特に家具は意外と納期が掛かる物が多いので、早め早めの対応が大切です)

家の外構(庭)の打合せはいつ頃すればいい?

お洒落な家具や雑貨が見つかるおススメのインテリアショップ19選

 

また、家の引き渡し前には家の決済や施主検査、引越しなどいろんな事が一気に重なる時期でもあります。

忙しさのあまり夫婦喧嘩をしてしまう何てことになると、せっかくの家づくりに残念な思い出ができてしまいます。

引き渡し、引越しのスケジュールは営業マンに相談しながらしっかり段取りをつけられると1番スムーズです。

せっかくの新しい家での新しい生活なので、スタートから気持ちよく新生活を始めたいですね。

転居の手続き一覧。新しい家に引越しする時に必要な8つの事。

家の完成

長かった家づくりも、ついに終了です。

でも、家は完成して終わりではなく、家は完成してからが本当のスタートです。

これから新しい家でたくさんの思い出をつくりつつ、充実した人生を送ってくださいね。

家は建てるのが目的ではありません。 家族が楽しく過ごすための物です。

まとめ

今回は家を建てる時の流れについて見てきました。

家を建てる時の流れを最初に頭に入れておく事で家を建てるのに何が必要かが分かるようになりますし、

完成する家の質は間違いなく高くなります。

 

一番大切なのは家を建てるための全体像を把握して、有益な情報を頭に入れておく事。

家づくりは選ぶことの連続です。

家を建てる流れを知ることで、より納得できる選択ができるようにしたいですね。

では。

 

家づくりにどれくらいの時間が掛かるか知りたい方はこちらもご覧ください。

家を建てるにはどれくらいの期間が必要なの?家づくりの理想的な時間の使い方

今回の内容をより詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。

→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット

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住宅会社、工務店選びで失敗しない!必ずチェックしておきたい8つのポイント【絶対保存版】

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これまで当サイトを運営を始めてから多くの相談をいただいてきましたが、その中でも多いのが「間取りの相談」と、今回の「住宅会社や工務店の選び方、見極め方について」の相談です。

特に、住宅会社や工務店の選び方を詳しく解説しているモノってあまり無いんですね。

そのため、住宅会社や工務店を見極めるための1つの指標となるものを家づくりをする方に少しでも知って欲しいと思い、住宅会社や工務店選びをする時のポイントと、実際にどう評価すればいいかをまとめました。

これから家づくりを始められる方や、どこで家を建てようか迷っているという方はぜひご覧ください。

住宅会社選びがどうして重要なのか?

良い家を建てられる人と、良い家を建てられない人の違いってなんなのでしょうか?

 

良い間取りの家ができるかどうか?

コストパフォーマンスが高い家づくりをすること?

素敵なインテリアの家?

 

どれも大切な事ですが、家づくりで1番大切なことは何かと聞かれると、私は間違いなくこう答えます。

「良い家をつくるために1番大事なことは、実力のあるレベルの高い住宅会社や工務店で家を建てる事です」

 

では、なぜ実力のあるレベルの高い住宅会社や工務店で家を建てる事が大切なのでしょうか?

その理由を解説していきますね。

 

私は住宅業界に入って20年近く経ちます。

その間、住宅の建築士としてのキャリアを積み、また工務店向けのセミナー講師として様々な工務店を見てきました。

 

そんな中、自社の家ばかり設計していただけでは気づかなかったかもしれませんが、多くの工務店を見ることで住宅業界にはある特徴があることが分かってきました。

 

それは、住宅業界とはレベルの高い工務店とレベルの低い工務店が混在し、その実力差が物凄くある世界だということです。

 

どのような業界にもレベルの差は当然ありますが、古い体質も根強く残る住宅業界はこのレベルの差がとてつもなく大きいんですね。

言い換えると新しい技術や知識を吸収し、それを家づくりに活かすよう日々進歩している会社か、それとも昔のままのレベルで家づくりをしている会社かで、同じ家とは思えないくらいの差がつくという事になります。

それだけ住宅会社や工務店にはレベル差があるので、最初の工務店選びで失敗してしまうと、あとで取り戻すことはほぼ不可能なくらい大きな影響が出てしまうんですね。

 

では、工務店のレベルの差というのはどれくらい家づくりに影響を及ぼすのでしょうか?

 

たとえば、アベレージ(平均点)で80点の家を建てられるA工務店と、50点の家を建てるB工務店があるとします。

A工務店はアベレージが80点なので、普通に家を建てると80点の家ができあがります。

では、B工務店が80点の家を建てようとしたらどうなるでしょうか?

 

B工務店が家を建てた場合、会心の出来の家を建てたとして70点くらいがいいところでしょうか。

70点というと、A工務店のアベレージよりも下回る家しか作れないんですね。

テストと同じように、残念ながら家づくりで奇跡は起こりません。

今まで工務店が家に対して積み重ねてきたものと同じ家しか建たないんですね。

アベレージが50点の工務店が80点の家を建てるというのは、夢のまた夢という感じになってきます。

 

このように、家づくりの最初の入り口である工務店選び(住宅会社選び)を間違ってしまうと、あとでどうやっても取り返せないほどの差がついてしまうんですね。

 

ここで1つ大きな疑問が・・。

 

レベルの高い工務店が存続し続けるのは納得できますが、レベルの低い工務店も当たり前のように存在し続けているのはどうしてでしょうか?

 

理由はとても簡単です。

存続し続けているということは、誰かがそのレベルの低い住宅会社や工務店で家を建て続けているんですね。

 

では、どうしてレベルの低い住宅会社や工務店で家を建ててしまうのでしょうか?

それは住宅会社や工務店を見るための基準を誰も教えてくれないからです。

そして住宅会社や工務店を見るときの基準が分からないので、住宅会社や工務店の言ったことをそのまま信じるしかありません。

さらには、どの住宅会社は自社の家の悪いことは言わないので何があなたの家づくりに本当に必要なのか分からず、曖昧な評価しかできなくなるんですね。

 

その結果、間取りや金額、雰囲気で何となく住宅会社や工務店を選ぶという人がほとんどとなります。

こうなると、良い家が建つかどうかはギャンブルになると言っても過言ではありません。

 

何度も言いますが、良い家を建てるためには、まずはレベルの高い住宅会社や工務店を選ぶ。

これがとても重要なんですね。

 

では次に、このことを踏まえながら実際に住宅会社や工務店を選ぶ力を身につけるための具体的な方法を見ていきましょう。

住宅会社や工務店を見る時の8つのポイント

あなたが工務店を訪れた時、まずは何を見ればいいでしょうか?

建てる家の雰囲気?

担当者との相性?

会社の信用性?

 

上に挙げたものはどれも重要です。

もっと言えば、あなたが工務店で見たこと、聞いたこと、感じたことすべてが工務店選びの重要な情報になります。

 

でも、それでは評価の基準が曖昧になってしまいますし、言われたことや感じたことを全部覚えておくなんて不可能ですよね。

 

そこで、8つのポイントを元に住宅会社や工務店を見ていきます。

住宅会社や工務店を見る時の8つのポイントとは、

  • 会社の信用力
  • デザイン(間取り)
  • 性能(構造)
  • 性能(断熱性能)
  • 工事現場
  • 価格と仕様
  • 社員
  • アフターサービス

以上の8つです。

 

この8項目は、私が今まで数多くの住宅会社や工務店を見てきた中で、特に注目した方がよいポイントを厳選したものです。

実際に住宅会社や工務店を見たときに客観的に評価しやすくなるので、ぜひこの8項目に注目して住宅会社や工務店を見てみることをオススメします。

 

それでは、実際に評価する時のポイントを見ていきましょう。

会社の信用力

会社の信用力とは何でしょうか?

 

信用力というと会社の規模やブランドといったところを思い浮かべる方も多いと思います。

もちろんハウスメーカーのように会社の規模が大きいほど信用力が高く感じられますが、ここで言う会社の信用力はそれだけではありません。

 

たとえば、いくら会社の規模が大きくても会社の雰囲気が暗ければ何か問題を抱えている可能性が高いですし、そんな会社では社員のパフォーマンスも落ちますし離職率も高くなってしまいます。

家というのは生活スタイルであったり家でどう楽しく過ごせるかなど、目に見えないものをどう形にするかがとても大切なのに、会社の雰囲気がくらいと楽しい家なんてできる気がしないですよね。

このように会社の雰囲気も会社の信用力を見るときの大事なポイントです。

 

さらにはいつも掃除が行き届いているなど、当たり前のことがしっかりとできている会社なのかも見るべきポイントです。

意外と忘れがちですが、当たり前のことがしっかりできている会社は、お客さんに対してもしっかり対応をしているので、トラブルが起こる可能性はグッと減らすことができます。

 

いくら会社が大きくても、態度が横柄であったり事務所がいつも散らかっていたりする会社は、やはり信用力は落ちてしまいます。

いつも汚い会社に、物が片付く家を作れるとは到底思えません。

第一、いくら良いことを言っても行動が伴っていないので説得力に欠けますよね。

でも、こういう住宅会社や工務店は意外と多くあります。

それが当たり前になってしまい、家づくりに対する感性が劣化してしまっているんですね。

このように、当たり前のことができる会社かどうかは結構重要なポイントです。

 

そのほかには、会社の信用力には社長の人柄や考え方も重要なポイントになってきます。

住宅会社や工務店は中小企業がほとんどで、特に社長の考え方や人柄が会社の個性に大きく影響するからです。

そのため、一度社長と顔合わせをして雰囲気を見てみるのもオススメです。

社長が営業マン出身なのか、設計出身なのか、それとも現場出身なのかでも、工務店の個性は違ってきますよ。

工務店の個性が瞬時に分かる、たった1つの質問

 

会社の信用力としていくつかの例を挙げましたが、会社の信用力を簡単に言うと、どれだけその住宅会社や工務店に対して魅力を感じられたか、そして一緒に家づくりをしたいと思えたかどうかということです。

せっかく家を建てるなら、やはり魅力を感じる会社で家を建てたいですよね。

長い目で見れば、魅力のある会社はそれだけ長く存続したり成長する可能性が高く、家ができてからも長いお付き合いができる会社になってくれます。

デザイン(設計力)

それでは次に、住宅会社や工務店のデザイン(設計力)について見てみましょう。

デザインや設計力も、家づくりで押さえておきたいポイントです。

 

まず、住宅会社や工務店を決める時に必ずよく見て欲しいのが、これまでにその住宅会社や工務店が建てた家のデザインが好みなのか、そうでも無いのかという点です。

簡単に言うと、その工務店がつくる家のことが好みなのか、それとも好みに合わないのかという事ですね。

 

たとえばモダンな家が建てたいのに、室内の壁に木を使っているログハウス調の家が得意な工務店に依頼してしまうと、完全にデザインの好みが噛み合っていないですよね。

反対にナチュラルな雰囲気の家が好きなのに、尖ったデザインが上手い工務店に依頼すると言うのも少し違ってきます。

 

住宅会社や工務店には必ず色という物があり、得意なスタイルというが間違いなくあります。

そのため多少の細かい作りなどは問題ありませんが、これまでと丸っきり違うデザインの家を建てる場合はかなりリスクが高くなってしまいます。

得意ではないので打ち合わせも時間が掛かりますし、新しいことをする場合はリスクも含むので見積もりも高めになりがちです。

おまけに思っているのと同じものができるかは、家が完成するまでハッキリと分かりません。

そうなると、家ができるまで安心できないですよね。

そのため、最初の段階で住宅会社が建ててきた家のデザインが、あなたに合っているかどうかが重要となるんですね。

 

デザイン以外にも、家を建てるには間取りが必要となってきます。

この間取りをどれだけ希望に沿ったもの、さらには希望を超えるものにしてくれるのかどうかは、その住宅会社や工務店の設計力次第となってきます。

担当する設計者のレベルが高いことが一番ですが、住宅会社や工務店によっては設計者が登場してくるタイミングは違ってくるので、最初に設計力を判断できない時もあります。

そういう時は、それまでにその工務店が作ってきた家の間取りを見せてもらい、会社としての設計力を見てみるのがオススメです。

 

実力のある設計者がいる住宅会社や工務店の場合、周りの設計者も実力のある設計者の影響を大きく受け、その結果レベルの高い家が多くできるという傾向があります。

反対にいつもパッとしない間取りしか作っていない工務店では、残念ながらそれ以上のものを作るのは難しくなります。

「あなたの間取りだけ奇跡的にすごく良い間取りになった!!」

こんな奇跡が起こることはまず無いんですね。

設計士の腕がいきなり上がることはないですし、腕の良い相談できる設計者がいないと会社としてフォローもできなくなります。

その結果、微妙な間取りになってしまい、間取りの打ち合わせがずっと続くというケースも有りえるんですね。

【間取りの失敗まとめ】よくある間取りの失敗と後悔しない秘訣

 

また、間取りを誰が作るのか、誰が打ち合わせするのかというのも意識しておきたい部分になります。

間取りは建築士が必ず作るという訳ではなく、住宅会社や工務店によっては営業マンが間取りを作るというケースもあるんですね。

また、間取りの打ち合わせを建築士がするのか、それとも営業マンがするのかでも違いが出てきます。

営業マンは家のプロですが、設計のプロでは無いので、やはり建築士が間取りの打ち合わせをした方が間取りのクオリティは高くなります。

誰が間取りを作るのか、打ち合わせをするのかも始めの段階で確認しておきたいですね。

営業マンの作る間取りと設計士が作る間取りの違い

 

このように、会社選びの段階でデザインにプラスして設計力を見ておくのも重要なポイントになります。

デザイン、設計力共に施工事例を見てみるのが一番ですので、施工事例は必ず確認してみてくださいね。

家の性能(構造について)

家を建てるにあたり、家の性能というのはかなり重要です。

良い性能の家というのは、家での生活を豊かにしてくれます。

家の性能とは言い換えると、家に住む人にとって快適な空間を提供し、住む人を守ってくれる力のことなんですね。

 

家の性能と言ってもその範囲はかなり広く、性能評価という家の評価制度では10項目の性能を評価するなど家の性能は滝に渡ります。

 

そんな色んな項目がある家の性能ですが、住宅会社や工務店を選ぶ際は特に2つの項目を重要視すると、その会社のレベルを判断しやすくなります。

それは「構造」と「断熱」という2つの性能です。

なぜなら、その2つは家に住む人を守ってくれるかどうかや、住み心地に直結するからなんですね。

 

それではまず、構造の評価方法について見ていきましょう。

 

構造というと、よく家を勉強されている方であれば「耐震等級」という言葉が出てくる人もいるかと思います。

耐震等級とは1〜3まで等級があり、数字が大きい方が耐震性の高い家ということになります。

ちなみに、耐震等級1というのは建築基準法をクリアするレベル。耐震等級2で建築基準法1.25倍。耐震等級3で建築基準法の1.5倍の強さがある家となります。

 

このように家の耐震性能は3つのレベルに分かれますが、できるだけ狙いたいのは耐震等級3の家です。

家は家族を守るものなので地震が多い日本ではできる限り地震への備えをしておきたいですし、大きな地震がきて家は崩れなかったけども家が傾くなどダメージが大きくなると、住み続けるのは難しくなってしまいます。

そうなると、地震保険でカバーできる部分も限られるため住宅ローンが残っているのに新たなローンを組むという事態も起こってしまう可能性があるんですね。

このようなケースを避け、また家族を守るためにも、耐震等級3はできる限り確保しておきたいところです。

 

その一方、耐震等級3にすると間取りに制限が出る場合も出てきます。

実際に大きな吹き抜けや第空間なんかがあると、耐震等級3を取るハードルは上がってきます。

また、断層に近く大きな地震が起こりやすい地域や地盤が弱く揺れやすい地域というのもありますし、反対に断層がなく地震が起こりにくい地域や地盤が強く揺れが小さい地域というのもあります。

このように地域性や、家に何を求めるかでも耐震の優先順位というのは変わってくるんですね。

そのため、できる限り耐震等級は3を目指し、場合によては耐震等級2を選ぶというのがバランスの良い選び方となります。

地震が来てもあなたの家は大丈夫?家の耐震性能について知っておきたいこと

 

では、この耐震性を住宅会社選びの基準にした場合にどこを見れば良いかというと、構造計算をしているかどうか、また標準仕様の家の耐震等級はどのレベルなのかを確認することで判断することができます。

避けたいのは標準で耐震等級1というケースです。

耐震等級1というのは木造2階建てレベルであれば簡易的な計算で家を建てることができ、さらには第三者によるチェックもされません。

また、場合によっては建築士も住宅会社もその内容をよく分かっていないのに家を建てているというケースも有ります。

そのため、標準仕様が耐震等級1というのは大きな減点部分となるんですね。

家を建てる人が知らない耐震等級1の不都合な話

 

また、性能(構造)は耐震等級だけでなく、構造材として使う材料も評価の基準となってきます。

分かりやすいところだと、柱の太さや梁と呼ばれる構造材の大きさを見てみるのもいいですね。

柱だと建売住宅など価格を落とした家では105角という10.5㎝の柱を使いますし、構造に力を入れている会社では120角という12㎝の柱を使います。

 

家を見慣れてくると、105角の柱の家と120角の柱の家では家の見た目の安心感というのはかなり違いがあり、実際に柱は太い方が家が安定します。

このように柱の大きさや使う材料は住宅会社や工務店によって違うので、ここは必ずチェックしたいポイントです。

 

他には基礎をどれくらい頑丈に作っているかも工務店により違いがあります。

やはり基礎も強ければ強いほどメリットがあるので、基礎についても確認しておきたいですね。

ただ、基礎は強くするだけでなく換気も重要です。

床下が乾燥することで木が腐らなくなるからなんですね。

そのため基礎と一緒に換気についても確認できるとベストです。

 

最後に、工務店独自の工法やフランチャイズとして特殊な工法を使っているというケースもあります。

「〇〇工法」みたいな感じですね。

 

この場合、本当に強いかどうかは実際に大きな地震が起きるか、大きな施設で実験する以外に結果は分かりません。

そのため、あまり工法には深入りせず、しっかりした公の実験結果が有る場合に限り評価するくらいのスタンスがベストと言えます。

家の性能(断熱について)

構造の次は、家の断熱性能について注目して見ましょう。

耐震性能はいざ何か起きた時に効果を発揮してくれますが、断熱性能は日々の生活に直結してくるのが大きな特徴です。

 

そんな家の断熱性能について見る時に注目したいのが、UA値とC値という2つの数値です。

 

簡単にこの2つの数値を説明すると、UA値は家の熱がどれだけ外に逃げるかを数値にしたもので、値が小さいほど断熱性能が高いことを表します。

次にC値とは家の気密性能を表す数値となり、こちらも数値が小さい方が家に隙間が少なく気密性能が高い家ということになります。

 

ちなみに、日本は地域によって寒暖差が大きいので下のような8つの地域に分けて、UA値の基準を設けています。

性能

たとえば太平洋側の人口の多い地域は5、6地域となっており、省エネ基準でいうとUA値は0.87以下というのが一つの基準となっています。

heat20

ただ、これは最低限の基準であってクリアして当たり前の基準という点は覚えておきたいポイントです。

「うちは省エネ基準をクリアしています」という住宅会社や工務店は別にすごい基準を超えている訳ではなく、当たり前の基準をただクリアしているだけなんですね。

 

そこで基準としたいのが「HEAT20」という基準。

これは「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」というところが出している基準になります。

たとえばHEAT20にはG1とG2という2つがあり、性能が高い方のG2レベルであれば、各階にエアコンが1台あれば大丈夫というレベルで、冬に寝る時に暖房を切っても13℃を下回らない性能の家ということになります。

heat20 g1 g2

これくらいのレベルになると省エネ基準よりも暖房費は半分になるだけでなくエアコンの台数も抑えられますし、何より朝起きた時も寒くて布団から出れないというのも防ぐことができるようになるんですね。

 

このように断熱性能は省エネ基準ではなく、HEAT20の基準で見る。

そしてできればG2レベル、そうでなければG1レベルをクリアしている。

このような視点で住宅会社を見てみると、断熱性能についてのレベルを判断しやすくなります。

5分で分かる!家づくりで大事な高気密と高断熱の話

 

次にC値を見てみると、隙間のない家は何か息苦しそうと感じてしまうかもしれませんが、隙間が多いとせっかく温めた空気が外にダダ漏れとなってしまい、冷暖房効率が悪くて夏暑く、冬寒い家となってしまいます。

昔の家なんかはそんな感じですね。

気密性が悪く隙間風だらけでコタツから出られないなんて経験が有る方もいらっしゃると思います。

そうならないためにも、C値というのは重要な数値なんですね。

 

では、C値ではどれくらいの数字を基準にすればいいのでしょうか?

実はC値に関してはUA値のように明確な数値という基準が存在していません。

ただ、最低限欲しい数値としてはC値1.0以下にはしておきたいところ。

これくらいあると、気密性も意識しているのが分かる数値となってきます。

 

一方、C値で注意しておきたいのが自分の家のC値は家が完成してからでないと分からないという点です。

C値はUA値と違って計算して数値を出すのではなく、家が完成してから現場で機材を使って測定すること初めて分かるからなんですね。

では、どうすれば高気密の家を建てる会社か判断すればいいのでしょうか?

 

その方法としては、住宅会社や工務店が建てている家はこれまでどれくらいのC値になっているかを聞くことである程度判断できるようになります。(実際の測定結果を見せてもらうのがベストです)

たとえば、ここ1年ほどで建てた家のC値は最低、最高でどれくらいのレンジなのか。また平均してどれくらいなのか。

この部分を確認することでその住宅会社や工務店の気密性を判断することができるんですね。

(特に全棟気密測定している会社はすべての家の気密性を確認することでフィードバックができますし現場監督、大工の評価にも繋がってくるので気密レベルが高い会社が多いです)

 

また、どれだけの頻度で気密測定をしているのかもポイントになってきます。

たとえばモデルハウスだけ気密測定をしていてその結果を説明されても信頼性はあまり高くありません。

モデルハウスなので丁寧に作っているのは当たり前だからなんですね。

平均の数値と気密測定の頻度。

この2つは家づくりで必ず確認しておきたいポイントと言えます。

 

最後に、C値は義務ではないので「C値?何それ?」や「気密測定をしたことがない」という住宅会社や工務店も残念ながら存在します。

そのような会社は時代の流れに完全に逆行している会社で進歩もしていないので、選択肢から外してしまって全く問題ありません。

住宅の気密性ってこんなに大切!快適な家を建てるために知っておきたい家の気密

工事現場を見る

住宅会社や工務店を決める際、実際に工事している現場を見るというのはとても大事なことです。

工事現場は家に対する姿勢がとても表れる場所なので、その住宅会社や工務店のことがよく分かるんですね。

 

たとえば、工事現場を見に行ってグチャグチャに散らかっていたとするとどうでしょうか?

単純に自分の家の工事現場が散らかっていて歓迎する人はいませんよね。

さらには、家の柱などは家が完成するまでに見えなくなりますが、そんな汚い現場だと壁の中に何が紛れ込んでいるかも分かりません。

ひどい現場だと、壁の中にゴミが入っているなんてことも。

 

そのため、工事現場が綺麗なことは基本中の基本となります。

工事現場は会社として意識しないと綺麗になることはありません。

また、職人さんからすると掃除に時間も手間も余計に掛かるので、歓迎されることではありません。

それでも綺麗にするということは、会社と現場の意思疎通ができていることの現れとなります。

 

また、雨が降っている時の養生なども意識している工務店と意識していない工務店の差も大きく、家を丁寧にあつかっているのか。

それともただの商品として見ているのかという違いも見ることができます。

 

その他、工事現場の主役と言えば、やはり実際に家を作ってくれている大工などの職人さんです。

そしてそのレベルは様々で、住宅業界では建売住宅など数をこなしてご飯を食べている職人さんと、丁寧に家を作ってご飯を食べている職人さんの2パターンに分かれます。

やはり数をこなしていくとスピードが命になってくるので、先ほどのC値なんかは手間が掛かるのでおざなりになりがちです。

そうなると性能の良い家なんてできませんし、家の作りが粗くなってしまう可能性も出てくるんですね。

 

一方、丁寧な仕事だと性能まで意識が行きますし、作りも丁寧で綺麗な仕上がりになります。

 

このように、家が完成してしまうと現場がどうだったかは全くわからなくなりますが、できる家は全然違うんですね。

工事現場は家づくりの根幹を成す場所です。

家を建てるなら工事現場の綺麗さといのは必ずチェックしておきたいポイントなんですね。

価格と仕様

家を建てる時、避けて通れないのが家のお金について。

家づくりには予算があるので、お金はとても大事ですよね。

そのため、建てたい家がいくらくらいになるのか早い段階で把握するのが重要となります。

 

ただ、家の価格というものに定価はありません。

坪単価〇〇万円と書いてある住宅会社や工務店もありますが、基本的に坪単価表示は広告用という意味合いも強いため最低限の金額になっていることも多いですし、坪単価にどこまで含めるかは住宅会社や工務店によって違いがあります。

床面積と施工面積ではどっちが重要?数字に惑わされない家づくりの方法をお伝えします

 

まず最初に家の価格で大きい部分は、当たり前ですが家の広さです。

大きければ価格が上がりますし、コンパクトにすればその分価格を抑えることができます。

そのため最初の段階で家の大きさを指定すると予算をかなりオーバーした間取りが出てくるというケースも。

そうならないように、大きさはあくまで目安くらいに伝え、予算に合う間取りを提案してもらうというスタンスの方がスムーズに家づくりが進むようになります。

 

また、家の形でも家の金額は結構変わってきます。

凸凹など家の形が複雑であればあるほど手間や材料が必要となるため価格が上がり、シンプルな形の家ほど価格を抑えることができます。

ちょっと価格が高いなと感じる場合、そういった無駄にコストアップしている部分が無いかどうかを確認してみるのも有効な方法なんですね。

一番安く家を建てる方法をお教えします。コストパフォーマンスの高い家にする秘訣

家が予算オーバーする5つの要因とプラスα

 

その他、家づくりでは複数の住宅会社や工務店を比較、検討することもよくあります。

でも、それぞれの会社で間取りも違えば、使っている物も違ってきます。

では、どうすれば価格面でうまく比較できるのでしょうか?

 

それは、家の仕様に注目するということです。

たとえば家の仕様は設備や建具など目に見える部分から、家の耐震性能や省エネ性能など目で見えにくい物など様々あり、特に性能の部分は家の金額にも大きく影響してくる部分になるので必ずチェックしておきたい部分となります。

その一方、すべての会社が同程度の仕様、性能があれば比較しやすくなりますが、そうで無いケースも多くあります。

その場合、どこか1社と同程度の仕様、性能にした時に金額がどれだけ増減することになるか聞いておくと、価格に基準ができ高いか安いかの判断がしやすくなるのでオススメです。

また、同じように家の設備もどれくらいのグレードの物が入っているのか、また他の会社に合わせた場合どれくらいの増減が発生するのかを確認しておけると比較しやすくなります。

(比較することで標準仕様のグレードが高い会社、低い会社も見えてくるようになりますし、今後の打ち合わせで追加金額が出そうな会社かどうかも何となく分かるようになってきます)

 

このように仕様は金額への影響が大きい場所なので、金額を確認する時は仕様も確認するようにしておくことが大切なんですね。

注文住宅に相見積もりは必要?相見積もりをする時の3つのポイント

 

最後に、家の価格の場合は総額でいくらになるかを比較するというのも重要なポイントです。

家の価格の中に何が含まれているかは住宅会社や工務店で違いがあり、A社は本体価格に入っているけども、B社は本体価格に入っていない何てことも普通にあるからなんですね。

 

単純に家の価格だけを下げるのであれば、家の本体価格に入っているものを抜いていけば価格は下がります。

たとえば、柱やフローリングなど見積もりから抜いてしまうと家が建たなくなってしまうものは本体価格から抜けませんが、家の工事の時に出る残土であったり、仮設のトイレなんかは本体価格の中に入っていなくても家を建てることはできます。

では、その本体価格から抜いたものはどこに行くのかというと、資金計画書という家づくりの総予算が載っているものに記載されることになります。

そうすれば見積もり上、家の本体価格は安くみせることが可能となるんですね。

これは家の見積もりや資金計画書を見ていると本当によくある方法です。

いっそのこと、日本で統一した資金計画書を作ってしまえばこんなことは起こらないのですが、本体価格に何が含まれるかは住宅会社や工務店によってバラバラなのが現実です。

 

では、どうすれば住宅会社や工務店の家の価格を比べられるのでしょうか?

それは、資金計画書の総額を見ることで判断することができます。

本体工事に含まれていない物も資金計画書の中には入っていることがほとんどなので、総額を見ることで実際に必要な金額が分かるようになるんですね。

 

このように家の価格は本体価格や坪単価はあくまで目安にして、資金計画書を元に総額でどれくらいになるかという視点でいつも見ることが最重要となってきます。

家の資金計画はどうすればいい?資金計画書の見方と押さえておきたいポイント

住宅会社の社員

住宅会社や工務店に家を建てる相談に行くと、必ずあなたの担当者が付くようになります。

まず最初に営業の担当者が付き、その後必要に応じて建築士やインテリアコーディネーターなど家の専門家が担当につくという流れが一般的です。

家づくりの場合、住宅会社や工務店のいろんな人と関わるというよりも、あなたの担当者とのやり取りがほとんどになってくるんですね。

そのため、担当者との相性はとても重要になってきます。

 

家づくりは意外と時間が掛かるものです。

そのため、合わない担当者との家づくりは想像するよりも大変なものになってきます。

長い時間が掛かるものですし高い買い物でもあるので、やっぱり相性の良い人と家づくりをしたいですね。

 

一方、ただ相性が良いだけでは家づくりのパートナーとしては物足りません。

やはり家づくりのパートナーとしての知識であったり、経験、情熱(気持ち)も必要になってきます。

これから先の長い家づくりを支えるわけですから、営業マンであればお金やローンのことはもちろん、いろんな段取りをしたり調整役として家づくり全体を統括してもらう必要があります。

そのため、信頼できる人間なのかも大切な要素となります。

住宅営業マンの役割とは?理想の営業マンの見つけ方

 

設計担当者であれば、間取りの良し悪しやデザインを任せることになるので、明らかに力が足りない人やセンスが悪そうな人が出てきたら大変です。

どんな家になるか心配になりますよね。

やはりプロの建築士に求めるのはただ図面を描く人ではなく、いろんな提案なども含めて家づくりをリードしつつ話をしっかり聞いてくれるという人です。

 

こういったプロとして信頼できる担当者が付くのか。

この部分も住宅会社や工務店選びで評価しておきたいポイントとなってきます。

良い家をつくる設計士が必ずもっているもの

危険な間取りの3つの特徴。あなたの設計担当者はこんな人ではないですか?

アフターメンテナンス

それでは最後の8つめの項目、アフターメンテナンスについても見てみましょう。

 

家づくりをしていると、家を建てるのが目的のように感じてしまう事もありますが、家は建てるのが目的ではありません。

家ができて住み始めてからが本当のスタートとなるんですね。

そのため、アフターメンテナンスというのは家を末長く楽しむためにはとても重要な要素になってきます。

 

長く家で暮らしていると、どこか不具合も必ず出てきます。

また、家に問題がないか定期的に確認するアフター点検など、住宅会社や工務店との関わりは家が建ってからも続いていくことになります。

そんな時、しっかりと動いてくれる住宅会社や工務店だと頼もしいですよね。

 

また、アフターメンテナンスで確認しておきたい部分として、定期点検はどれくらい有って、不具合に対しての保証は何年付くのか確認しておくのも、あとでトラブルを避けるために大切なことです。

 

ちなみに、地域密着の住宅会社や工務店というのはアフターサービスを重要視している会社が多いという特徴があります。

地域で悪い噂がたてば仕事が難しくなりますし、反対に良い噂が多ければ口コミで広がったり家を建てる人を紹介してもらうこともふえてきます。

それだけアフターサービスは地域を大切にしている会社にとっては死活問題になるくらい重要なことなんですね。

 

そして、家を建てる人にとってもアフターサービスが良くて悪いことは1つもありませんし、そんな地域を大切にしている会社で家を建てたことがブランドに変わって家に付加価値が生まれてきます。

 

家を建てるならアフターサービスにも力を入れている住宅会社や工務店に。

このように会社選びの段階で、家ができてからのことも考えておくことも大切なんですね。

住宅会社や工務店の評価方法

ここまで、住宅会社や工務店を見るときの8つのポイントについて見てきました。

では最後に、これまで見てきた8つの項目の具体的な使い方についてご紹介したいと思います。

step
1
8つの項目を評価する

これまで見てきた8つの評価項目に対して、10点満点であなたの評価を入れていきます。(80点満点)

 

step
2
あなたのこだわりを反映させる

家づくりをする時にこだわるポイントは人によって違います。今回の記事を読まれているあなたも、きっと何かしらのこだわりたい所があるのではないでしょうか。

今はまだ、8項目×10点で80点満点です。

そこで合計100点満点になるように、あなたのこだわりのある項目の上限値を上げます。

 

たとえば「デザイン(間取り)」に1番こだわりが有るけれども、「性能(断熱)」と「価格と仕様」も気になるという場合は、「デザイン(間取り)」を20点満点に、「性能(断熱)」と「価格と仕様」をそれぞれ15点満点に。

これで100点満点の評価書ができあがります。

こうすることで、世界に1つだけのあなたのこだわりが反映された工務店評価シートが完成します。

たとえば、下のような感じですね。(下のものは、必要に応じてお渡ししている評価シートです)

工務店評価シート

この評価書を住宅会社や工務店ごとに作成することで、どの会社で家を建てるのがベストなのか。

それが簡単に分かるようになるんですね。

 

その他のアレンジ方法としては、興味の少ない項目があれば10点満点でなく5点満点にするなど、よりあなた好みに評価をアレンジする事も可能です。

何があなたの中で重要で、何が重要でないかを改めて知るきっかけにもなりますので、好みに合わせてアレンジして見てくださいね。

まとめ

今回は、住宅会社や工務店を実際にどのように評価すればいいのかを詳しく見てきました。

家づくりはどこで家を建てるかで成功するかどうかが決まってきます。

ただ、実際にどの部分を見て、どのように評価すればいいかは分かりにくいものです。

そのため、住宅会社や工務店を見極めるための1つの指標となるものを家づくりをする方に少しでも知って欲しいと思い、今回の記事を作成しました。

今回まとめた内容が、少しでもあなたの家づくりの役に立ってくれれば幸いです。

一緒に少しでも良い家を日本に増やしていきましょう!

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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家の設計で一番大事な事

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こんにちは、O型建築士です。

 

「家を設計するのに一番大事な事って何なのか?」

これは、先日、建築士仲間が集まった時に出た話題です。

家を建てる皆さんが「自分たちに合った最高の家にして欲しい」と思うように、私たち建築士も「お施主さんの家を最高の家にしたい」と考えていますし、どのようにすれば最高の家にできるか日々自問自答しています。

 

では、そんな最高の家を作るには実際どうすればいいんでしょうか?

家を建てる人も、私たち建築士も、家を設計する中で何が一番大事か知っておく必要があると思い、「家の設計で一番大事な事」をテーマに今回はお話させてもらいます。

それでは、どうぞご覧ください。

ある別荘の話

別荘

まず最初に、ある別荘にまつわる話をしたいと思います。

 

以前、とある会社の社長さんが軽井沢に別荘を建てたいとい話が出ました。

別荘をつくる場合、普通ならどんな別荘にしたくて部屋がいくつあってという打合せを重ねていきます。

でも、その社長さんの打合せは全く違いました。

 

別荘の打合せは毎回雑談のような話をするだけで、別荘に何が欲しいという話は社長さんから一切出てきません。

そして、そのような打合せを何度も重ねてた上で、全てを建築士に一任しました。

また、その社長さんは別荘の仕様を決める事も無く、工事現場に行く事も有りませんでした。

 

その結果どんな別荘ができたのでしょうか?

 

結果は、普通に打合せしていては出来ないような、すばらしい別荘を完成することができたのです。

 

なぜ素晴らしい別荘ができたのか

この方の別荘づくりでは、設計の打合せは別荘のコンセプトをつくることに集中して、あとはプロである建築士に全て任せています。

そして全て任されるという事は「無制限に自由に何でもしていい」という事ではなく、「相手の価値観を理解し、その期待に応えるという責任を伴った上での自由」を与えられたという事になるんですね。

そのため建築士は全て任されることで、より相手の価値観を深く理解しようとします。

価値観を理解することでしか、その社長が本当に求めている理想の別荘をつくれないからなんですね。

そして全て任される事によって、自分の作れる中で最高の物をつくりあげたのです。

家の設計で一番大事なのは何?

家づくり

家の設計でも、先ほどの別荘の話と同じ事が言えます。

家の設計で一番大事なのは、「建築士と家を建てたいと思うあなたが同じ価値観を共有する」という事です。

価値観を共有することで、建築士と家を建てるあなたが同じ方向に向かって家づくりができるようになるからなんですね。

 

冒頭で建築士仲間と集まって話をしたと言いましたが、集まった建築士全員が価値観の共有が一番大事と考えていました。

(もちろん、一定の技術的な部分は身に付けているというのは大前提となります)

また、実際にこれまで会った建築士の方でしっかり考えられた良い家をつくっているなと感じる方は、価値観を共有するのが上手い方がとても多いです。

言われた事を図面に反映するだけでは建築士ではなく、それはただのご用聞きの図面を描く人。

建築士が「言われた通りに図面にしているから」という姿勢では価値観の共有は難しく、より良い家にするためにはどうすればいいか。

このような考え方を持っている建築士と家を建てることが大切なんですね。

危険な間取りの3つの特徴。あなたの設計担当者はこんな人ではないですか?

 

ちなみに、価値観の共有と言うと難しく聞こえるかもしれませんが、実はまったく難しく考える必要はありません。

しっかり対話してくれる建築士であれば、何を重視していてどんな価値観を持っているのかということを家の要望を聞いていく中で理解してくれます。

それは雑談の中でもそうですし、家の話でも同じです。

 

ちなみに、建築士である私の場合は、話の中で何度も出てくる言葉を特に重視しています。

それだけ潜在意識の中で気になっている事だからなんですね。

家の要望を聞いているときは話しやすい雰囲気をつくるために顔は穏やかな表情をしていますが、実は頭も手もフル回転で唸りを上げています。聞いてイメージしてメモしてと一時も休む暇がないので、家の要望を聞き終わった後はヘトヘトに疲れきった状態になりますが、反対に頭は冴えまくります。

それだけ、家を建てる方との最初のお話というのはとても重要ですし、価値観を共有できる場所としてすごく大事な時間なんですね。

 

どんな生活がしたいかを建築士に話す。

そうすれば、その生活のイメージに合った家を、建築士が間取りという方法で形にしてくれます。

これが家の設計の中で一番大事な事で、自分にあった最高の家をつくるために必ず必要な事なんですね。

良い家をつくる設計士が必ずもっているもの

 

もちろん〇〇帖のLDKが欲しいなど数字で伝えることもできますが、それより大事なのはLDKでどんな生活を送りたいのか。

この部分を伝えることで、本当にあなたに合った広さのLDKの家が出来上がるんですね。

(さらには、LDKだけでなく家全体のバランス、コストなども踏まえた上での最適解を出せるようになります)

 

あなたはどんな生活をイメージしていますか?

もし、まだどんな生活がしたいかイメージが浮かばない人はこちらをご覧になってくださいね。

→どんな家に住みたいかが分かる方法

 

そして、この建築士と一緒に家を建てると決めたあとは、信用して任せる。

そんな家づくりができると一番ですね。

工務店で良い家を建てるためにとても大切なこと

 

では。

 

家づくりで失敗したくない!そんな方こそ、間取りが重要です。

行列ができる間取り診断

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

まるで教科書!理想の家をつくる方法【絶対保存版】

土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】

建築士が教える今日の問題解決

  • 家の設計で一番大事なのは、皆さんと建築士が同じ価値観を共有する事。
  • 価値観を共有するには、家でどんな生活がしたいかを話せばいい。

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間取りを見る時に気になること、TOP3

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「工務店に間取りを作ってもらいました。何となくこれでいいかなとも思うんですが、間取りを見るときにはどこに注目すれば良いのでしょうか?」

読者さんから、このような質問をもらいました。

 

私は建築士として仕事で間取りを作ったり間取りをチェックしたりする他に、希望される方へ向けて間取り診断というのもさせてもらっているので、ほぼ毎日間取りを書いたり見たりしている訳ですが、長い期間、間取りの事を考えていると、間取りを見るときにどこに注目すれば良い間取りになるかというポイントが見えてくるようになります。

今回は、そんな間取りを見る時のポイントについてご紹介したいと思います。

間取りのバランスが良いかどうか

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間取りのバランスが取れた家。

実はこれ、家づくりでは物凄く重要な事なんです。

 

間取りと言うと、「部屋の広さがどれくらい」とか、「要望がアレコレなのでココはこうしたい」など、それぞれの場所による個別の話になってしまいがちですが、その個々を含めた全体のバランスの見善し悪しを判断する力というのが間取りの質を大きく左右します。

 

例えば間取りをパッと見たとき、バランスの良い間取りならスッと頭の中に入ってきます。

すんなりと間取りを受け止められるんですね。

 

その一方、変な間取りの場合、建築士なら「何か変だなぁ」と感じます。

「何か変だなぁ」と感じる原因をさがすために間取りを良く見てみると、実はその「何か変だな」と思う理由は間取りのバランスがおかしくなってしまっていることがほとんどです。

 

例えば、家が大きいのに玄関が凄く小さいと何だかバランスが悪い間取りになりますし、反対に家が小さいのに玄関が無駄に広いと家全体のバランスがとても悪くなります。

もし、玄関を広くしたいというのが強い要望なのであれば、玄関と他の部屋の機能を兼ねた玄関をつくってバランスを取るなど、バランス感覚に基づいて家を整えていく必要が出てくるんですね。

 

このバランス感覚が不足してしまうと、「要望で言われたことだけ詰め込んだ」ヘンテコな家が完成してしまいます。

家の要望で「〇〇が欲しい」と伝えるのは、住みやすくて使いやすい家にするため。

ただ単に要望が入っただけのヘンテコな家が欲しい訳ではないですよね。

本当は要望を踏まえた上で間取りを整えながら、住んでいて暮らしやすく楽しい家をつくって欲しいという人がほとんどだと思います。

 

その全体を整える力が、家づくりで言うバランス感覚なんですね。

 

このバランス感覚が欠けてしまうと、日当りの良い場所なのにスペースがあるからという軽い気持ちで収納にしてしまっていたり、微妙な場所に階段を持ってきているために家全体が上手くまとまっていないなど、ヘンテコな間取りになる危険性がとても高くなります。

ここにコレがあったら変になるというバランス感覚が働いていない状態なんですね。

間取りを左右する階段の位置を決めるための3つのポイント

 

間取りを見る時は、変な違和感が無いかバランス感覚を働かせる。

そして、何か違和感があったとき、何で変に感じたのかを検証して修正していく。

このように家のバランスが整っているということが間取りづくりでとても大切なことなんです。

 

もちろん、間取りを見てバランスが良いかどうか判断するのは、はじめて家を建てる方にとっては判断がしにくい部分でもあります。

また、場合によってはあまり優先順位の高くない要望を間取りに入れるために家のバランスがくずれてしまうということもあります。

そんな時は要望を優先するか、それとも家全体のバランスを優先するかなど、アドバイスを交えながら間取りの打ち合わせをしてくれる建築士というのは、あなたに合った間取りを作ってくれる可能性が高い建築士と言えます。

そのような建築士と家づくりができるかどうかも、住宅会社選びの際の1つのポイントになります。

広く見えるかどうか

DSC01842

形が違う広さが20帖の部屋が2つあるとします。

数字上は同じ20帖の部屋だとしても、家の間取り次第で20帖以下にも20帖以上にも見え方は違ってきます。

どうしてそうなるのでしょうか?

 

理由は様々で、部屋の壁が原因で狭く見えることもありますし、部屋の形によっても部屋が広く見えたり狭く見えたりしてきます。

例えば、細かく区切った部屋が多い家は狭く見えやすいように、家が広く見えるかどうかというのは視覚に大きく影響されるんですね。

他にも窓の配置次第で家の中の広さの見え方に影響することがあったりと、部屋が広く見えるのかどうかは理屈と経験がとても重要になってきます。

すごく簡単に言うと、視線が抜ける間取りにすれば、家の中は実際の広さよりもずっと広く見えるようになるんですね。

天井高はどれくらいがいい?最適な天井高を決める方法

 

でも、世の中には狭く見える家や部屋が沢山溢れています。

どうしてでしょうか?

それだけプロの建築士でも部屋の広さや見え方を意識している人もいれば、意識していない人もいるということなんですね。

 

平面図上に20帖と書いてあったら20帖の空間があると思いますし、プロが書いているから大丈夫だろうと普通は思います。

けれども決してそれで大丈夫な訳ではなく、その20帖の部屋は本当に20帖の価値がある部屋なのか見極める必要があるんですね。

 

先ほどのバランス感覚と、部屋が広く見えるような間取りをつくれるようになるかどうかは、これはもう訓練を積むしかありませんが、間取りや実際の家をたくさん見ることで感性が研ぎすまされていきます。

できるだけ多くの間取りを見るように心がけるだけでも結構見方が違ってくるので、家を建てようと思う方はできるだけ多くの間取りを見てみるのがオススメです。

窓の形と位置

家の窓3

家づくりで意外と大きな影響を持っている窓。

窓はかなり重要なので、これまでも窓の記事はいくつかご紹介させてもらいました。

家の光や風を左右する!家を建てるなら知っておきたい窓の話

新築の家を建てるなら気をつけたい外観の話

 

そんな家づくりで重要な窓ですが、間取りを見ていてよく見かけるのが、「とりあえず必要そうだから付けた」という窓です。

特に、家の外観や気密性、風通しに影響のある引違い窓を何も考えずにとりあえず付けている間取りをよく見かけます。

1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

 

そうなると、家の外観も微妙になってしまいますし、家の気密性も微妙、何だか明るさも中途半端で風通しも悪い家が完成します。

住んでいて楽しそうなイメージが全然湧かないですよね。

けれども、こんな家が本当にたくさんあります。

窓をつけるのに、設計者の意図を感じないんですね。

 

一方、窓についてしっかり考えている間取りを見ることも、もちろんあります。

「ここは風通しを重視したい」「ここは目隠ししつつ光を入れたい」など、それぞれの窓に、なぜその窓を付けているのかという意図が感じられるんですね。

また、窓をしっかり考えている家は窓の配置も家の中がキレイに見えるように配置されています。

オシャレに見える家とオシャレに見えない家の違いって何?

 

そのような間取りは、よく考えられた良い間取りであることが多く、間取りを見ていても安心感があります。

たかが窓かもしれませんが、窓が考えられていないのに完成したら良い家になるという事はあまり考えられません。

窓ひとつ取れば小さな物ですが、そんな小さなものにも細かな気遣いができるということが、良い間取りをつくるには重要なんですね。

まとめ

今回は間取りを見るのに重要なことを3つご紹介しました。

「始めから良い間取りかどうか判別することはかなり難しく、かなり鍛錬をつまないと良い間取りか悪い間取りなのかを判別するのは難しい」

という部分はありますし、他にも間取りづくりには大切なことはありますが、上記の3つは間取りを判断するのにとても重要なヒントになります。

 

質問をいただいた読者さんから、「良い建築士に出会うことが良い家づくりの第一歩なんですね」という声をよくいただきますが、まさにその通りなんですね。

少なくとも、今回ご紹介した3つの重要性を理解した建築士に間取りをつくってもらう。

これが良い家をつくるための秘訣なんですね。

間取りの不安を無くして、一緒に価値のある家を日本にたくさん増やしていきましょう。

では。

 

間取りについてはこちらも参考にしてください。

一軒家の間取りで失敗しないために気をつけたい7つチェックポイント

リビングの間取りを見る前に知っておきたい!代表的なリビングの間取り5選

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

まるで教科書!理想の家をつくる方法【絶対保存版】

土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】

注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット

家づくりで失敗したくない!そんな方こそ、間取りが重要です。

行列ができる間取り診断

建築士が教える今日の問題解決

間取りを見るときにはどこに注目すれば良い?

  • 家のバランスを見る。
  • 部屋が広く見えるようにつくられているか見る。
  • 窓を考えて配置しているか見る。

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玄関に窓は必要?玄関をオシャレに明るくするための窓の使い方

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間取り診断など、これまで沢山の間取りを見てきた中でよく聞かれるのが「玄関の明るさは大丈夫ですか?」という質問です。

やはり玄関は家の顔となる部分なので、明るい印象の玄関にしたいという方が多いんですね。

そして、そんな明るい玄関にするために一番効果的なのは窓をうまく使うことです。

このうまく使うというのが重要で、ただ窓を付けただけでは明るい玄関にならないことも多いですし、見た目もオシャレな玄関にする場合は窓の使い方も意識しておく必要があるんですね。

今回はそんな玄関と窓について詳しく見ていきたいと思います。

明るくてオシャレな玄関にしたい方はぜひご覧ください。

玄関に窓は必要?

明るい雰囲気の玄関にする場合、やはり効果的なのは窓から光を入れるという方法です。

たとえば玄関に窓が全くない場合であれば、玄関を明るくするには照明を使って明るくする以外方法は無くなってしまいます。

もちろん、照明を上手く使えばオシャレな雰囲気を作ることはできますが、日中も照明に頼るというのは戸建ての住宅としては少し寂しいものです。

照明だけではどうしても自然な雰囲気が出ないからなんですね。

そのため基本的に玄関には光が入る窓をつける、もしどうしても窓が取れない場合でも、リビングなど日の入る場所から玄関に光が入るように工夫するなど、家づくりの中で玄関の明るさというのは意識しておきたい部分となります。

窓が付けやすい玄関、付けにくい玄関

それでは次に、玄関の窓について見ていきましょう。

玄関に窓と言っても、「窓が付けやすい玄関」と「窓が付けにくい玄関」という2つのパターンが存在します。

窓は外に面した場所に付けることになりますが、場合によっては外に面した場所があまり無い場所に玄関が配置されることもあるからなんですね。

たとえば、下のような2つの玄関がある場合、どちらの玄関の方が窓が付けやすいでしょうか?

玄関間取り 玄関間取り2

1つめの玄関は部屋に囲まれているため窓を付ける場所があまり無く、2つめの玄関の方が外に面した部分が多いので窓が付けやすい玄関となっていることが分かります。

このように玄関が間取りのどこに有るかでも、窓が付けやすいかどうかは結構変わってくるんですね。

 

ただ、部屋に囲まれた玄関の場合でも窓を付けるのは可能です。

たとえば玄関ドアを端に設置することで、窓のスペースを確保することができます。

窓のある玄関

このように、玄関ドアの位置を調整することで窓を付けることはできますが、意外と多いのが玄関ドアを真ん中に配置して窓を付けないというケースです。

 

窓の無い玄関

こういったケースは「玄関ドアは玄関の真ん中に付ける物」という固定観念が強くなり、実際にどんな印象の玄関になるかまでイメージできていないでドアの位置を決めているケースがほとんどなので、窓が無い場合は玄関ドアの位置を調整して窓を設置しておきたいですね。

 

その他、窓を付けやすい玄関でも注意点はあります。

たとえば下図のように窓を付けた場合、一見なんの問題も内容に見えます。

窓のある玄関の間取り

でも、すぐ側にお隣の家が建っているとどうなるでしょうか?

玄関の窓の効果が無い間取り

玄関に窓があってもほとんど光の入らない暗い玄関となってしまうんですね。

そのため、このような場合は光が入る道路側に窓を付けるのが正解となってきます。

 

このように、まずは光の入るところに窓を設置する。

明るい玄関を目指す場合はこの部分はしっかりチェックしておきたいですね。

効果的な玄関の窓

ここまで玄関の窓の重要性や付ける場所について見てきましたが、それでは実際に玄関にはどのような窓を付ければいいか見ていきましょう。

 

まず、一番多い玄関ドアの横に窓を付けるケースを見てみましょう。

玄関の横に窓を付ける場合、玄関ドアと窓の高さを合わせるというのが基本となります。

綺麗に見える玄関の窓

Photo:https://mukuri.themedia.jp/posts/7674382/

ドアのラインと窓が揃うことで綺麗に見えるようになり、スッキリとした印象の玄関になるんですね。

特に玄関ドアは道路側のよく見える位置に設置することが多く、どんな窓を使うかで家の外観もかなり変わってきます。

たとえば玄関ドアと高さが大きく違う窓を付けると、チグハグな印象になってしまうケースが多くなります。

そうならないためにも、玄関ドアの横に窓を付ける場合、家の内観、外観含めて、できる限りドアと高さが合うようにすると間違いがないんですね。

 

また玄関の窓で意識しておきたいのが、中途半端なサイズの窓はできるだけ避けるということ。

玄関に広いスペースを取るのは難しく一般的な部屋よりも小さくなり、その分だけ窓も目立ちやすいからなんですね。

そのため、少し大胆な窓の使い方をする方が返って自然に見えるようになります。

玄関の高窓

Photo:https://www.pinterest.jp/pin/611363718149580671/?nic_v2=1a3QXezJb

その他、玄関の窓から何かを見えるようにするというのも効果的な方法です。

たとえば玄関の横に庭を作って玄関から見えるようにすれば印象はグッと変わってきます。

玄関の横に庭を作れるスペースがあれば、積極的に見せる庭を作っていきたいですね。

庭の見える玄関の窓

Photo:https://www.sekisuihouse.co.jp/kodate/works/detail/0089/

ちなみに、それほどスペースが無い場合でも庭は作ることができますし、見せ方というのも色々考えられます。

たとえば、坪庭であればちょっとしたスペースがあれば作れるので、地窓などを使って眺めも楽しめる庭を目指すのもいいですね。

地窓のある玄関

地窓ってどんな窓?地窓のメリットと効果的な使い方

 

また、玄関自体に窓はなくても、玄関ドアを開けてすぐ目に入る場所に窓を付けるというのも効果的です。

遠くまで視線が抜けるので開放感を出すことができますし、実際の広さ以上に広く見える玄関にすることができます。

抜け感のある玄関

Photo:https://www.pinterest.jp/pin/851672979501837978/?nic_v2=1a3QXezJb

このように玄関にうまく窓を付けることで、玄関は明るく、また綺麗で印象的な玄関にすることができるんですね。

 

ただ、どうしても玄関に窓が取れないという場合もあります。

そのような時はガラス入りの玄関ドアを付けるという方法も。

ガラス入り玄関ドア

玄関ドア自体にガラスが入っているので、窓を付けるスペースが無くても光を入れることができます。

ただ、ガラスの面積はデザインによってマチマチなので、どれくらいガラスの面積があるかは確認しておきたいですね。

また、玄関ドアは装飾が多くなるほどうるさく見えるケースも多くなるので、個人的にはドア本体にガラスを入れるのではなく、袖にガラスがついた玄関ドアを選ぶという方が綺麗に見えるのでオススメですよ。

まとめ

今回は玄関の窓について詳しく見てきました。

玄関は窓を付けるかどうか、またどんな窓を付けるかによって雰囲気というのはかなり変わってきます。

基本はどれだけ光を入れられるか、また外観も含めていかに綺麗に見えるように窓を付けられているか。

この部分がチェックポイントとなるんですね。

ぜひ、明るくてオシャレな玄関を目指してくださいね。

では。

 

玄関についてはこちらも参考にしてください。

オシャレで使いやすい玄関にするための間取りのポイント

玄関に階段ってどうなの?玄関近くに階段を作るメリットと魅力的な空間の作り方

上がり框(あがりかまち)って何?玄関の印象が大きく変わる上がり框の話

玄関に吹き抜けってどうなの?建築士が本音で話をします

価値のある玄関のつくり方

玄関ドアの種類と、玄関ドアを選ぶ時のポイント

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新築にするならやっぱりダサい外観は避けたい!外観でチェックしたい3つのポイント

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「新築の家の外観がイマイチしっくり来ない」

家づくりの色んな相談がある中でも、外観が気になるというのはよくもらう相談の1つです。

外観にすごくこだわりたいというよりも、派手すぎず飽きがこない、でも見た目もキレイで街に馴染む外観にしたい。

でも実際に出てきた外観は、何かイマイチしっくり来ないなぁ。

という方が多いんですね。

そこで今回は、新築の外観について、これをやってしまうと上手く外観がまとまらない、ダサく見えてしまうという例を挙げながら、外観がキレイに方法について詳しく見ていきたいと思います。

家の外観が気になる方はぜひご覧ください。

窓のバランス

「外観がシックリこない、ダサい感じがする」という場合、そのほとんどで当てはまるのが窓の使い方を失敗しているということ。

家の外観は、形、窓、素材の3つの要素で決まってくるように、窓というのは外観を決める大きな要素なんですね。

たとえば、下のような外観の家はどうでしょうか?

ダサい外観

お世辞にもカッコいい外観の家とは言えないですね。

これは窓の使い方が失敗している例で、ダサい外観の家と言ってもおかしくありません。

では、どうして先ほどの家はダサく見えてしまうのでしょうか?

その大きな要因としては、引き違い窓を安易に多用してしまっている点です。

引き違い窓とはこの窓ですね。

ちなみにこの家、何だか人の顔のようにも見えませんか?

そうなんです。

窓が目、口のように見えてしまい、その結果、よりカッコ悪く見えてしまっているんですね。

引き違い窓というのは価格も比較的安く、ガラスの面積も広く取れるので家によく使われる窓ですが、道路側など良く見える位置にはできるだけ使わないように、また使う場合も外観のバランスが悪くなっていないか注意が必要な窓となってきます。

 

たとえば、先ほどの家の窓の種類と位置を簡単に変えてみるとこのような感じに。

外観と窓

窓をちょっと変えただけでも先ほどの家と印象は大きく違うのが分かりますね。

 

そのほか、窓で意識しておきたいのは窓の位置はできるだけキレイに揃えるということ。

オシャレな外観

Photo:https://www.nagasakizaimokuten.co.jp/

上下の開口部の位置が揃うだけスッキリとキレイな外観になってくれるんですね。

これは窓だけでなく、玄関ドアなどでも同じなので、バラバラに窓が付いている場合は窓を整えてみると家の外観はキレイに見えるようになります。

もちろん、不規則に窓を付けてもお洒落な外観にすることは可能ですが難易度はグッと上がってくるので、基本は窓の位置を整えつつ、一部アクセントとして窓を遊ぶくらいがバランスのよい窓の使い方と言えます。

壁のバランス

家の外観を整える場合、壁のバランスというのも押さえておきたいポイントの1つです。

壁のバランスとはどのような事かというと、無駄に外壁面を増やさず、家全体の重心を低く抑えることでバランスを整えるという意味合いになります。

たとえば次の家を見比べてみるとどうでしょうか?

ダサい外観2

壁の大きさ以外まったく同じ家ですが、右側の家の方がかなり重たく見えますね。

このようなケースは小屋裏を広くしてロフトを作るケースでよく見かけますが、外観のバランスという点で見ると重たく見える要因となってしまいます。

(私も建築士の駆け出しの頃に少し特殊なスキップフロアのロフトを希望される方がいて、敷地条件上、どうしても道路側の屋根が高くなってしまい、外観でとても苦労した覚えがあります)

このように壁を増やすのはできる限り避けるのが一番ですが、ロフトの関係などでどうしても壁が増えてしまう場合は窓を追加するなど壁に見える部分を減らして少しでも軽く見せたいですね。

ダサい外観3

また、壁のバランスでいうと同じ家であれば階高を押さえて重心を低くする方がキレイに見えます。

たとえば下の絵は左側に行くほど高さを抑えた家となりますが、高さを抑えた方が落ち着いた雰囲気が出ることが分かります。

外観は重心を抑える

リビングの天井が高いのをウリにしている家もありますが、それと引き換えに重心が高くなり外観のバランスが犠牲になってしまうこともあるので、外観のバランスが悪い場合は高さを一度抑えてみるというのも効果的な方法ですよ。

全体のバランス

家の窓、壁の次は、家全体の形に無理がないかどうかも、外観で失敗しないためには確認しておきたいポイントとなります。

たとえば下の絵をご覧ください。ダサい外観4

これは間取りを優先して下屋やバルコニーなど次々と足していった家でよく見かける外観ですが、何だかゴチャゴチャして統一感のないデザインとなっていますね。

実は家の外観というのはどれだけ自然に見せることができるか。

この部分を意識するかどうかで家の見た目は大きく変わってきます。

 

人の見た目でも、装飾品をゴチャゴチャ付けるだけでは品がなく見えてしまう一方、たとえ安い服でも自然と着こなしていると清潔感があるように見えますし、少しアクセントを入れることでよりオシャレに見えるようになります。

家も同じなんですね。

色々な物をプラスして行けば行くほど不自然と見えやすく、反対に家はシンプルにしてアクセントで見せ場を作る。

これがキレイな外観の家を作る時の大切なポイントなんですね。

シンプルな外観

Photo:https://www.riotadesign.com/works/12_donut/#wttl

家の外観がイマイチしっくり来ないな、何かダサいように感じてしまうな。

そのように思った時は家が無駄にデコボコしていないか、また屋根や庇などが不自然に付いていないか。

この部分をチェックして見るのも効果的ですよ。

 

敷地条件などもあるので一概には言えない部分もありますが、家のベースの形は四角いシンプルな形にして、必要に応じて足し算でどこかを出したり、時には引き算してポーチやバルコニーなどを作るというのもいいですね。

キレイな外観

Photo:https://sfc.jp/ie/style/detail/3205

また、家の外観は家本体だけでなく庭が有ることで初めて完成します。

植栽や外構の作り方でも外観はかなり変わってくるんですね。

(私の感覚では、家の外観は家本体が7割、外構が3割くらいで、庭はかなり大きなウェートを占めます)

 

間取りの関係上、外観にどうしても手を加えられない時もあります。

そんな時は緑を植えて外観に彩(いろどり)をプラスしたり、玄関へのアプローチにちょっと手を加える、フェンスをオシャレに作るなど、外構に力を入れて見るというのもいいですね。

外構のデザインで家の外観は驚くほど変わります

まとめ

今回は家の外観について詳しく見てきました。

特に外観は後で手を加えたり変更するのが難しいものなので、失敗しやすいポイントを頭の中に入れた上で、どうしてシックリ来ないのか始めの段階で原因を探って見るというのが一番の近道なんですね。

理由が分かることで設計担当者にどの部分が気になるか伝えることができますし、改善方法についても具体的な話ができるようになります。

 

また、基本的に新築の外観というのは間取りと同時に考えるものですが、間取り優先で外観は後回しというスタンスで家づくりをする住宅会社もあります。

間取りが決まった後になると手を加えられる場所はかなり限られてしまうので、間取りの早い段階で外観も確認する。

このことも忘れないようにしてくださいね。

 

整った家の外観は、街並みにも彩を与えてくれます。

新築の家を建てるなら、そんな外観の家を目指したいですね。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

まるで教科書!理想の家をつくる方法【絶対保存版】

土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

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【間取りの失敗まとめ】よくある間取りの失敗と後悔しない秘訣

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家づくりの中でも間取りというのはとても楽しみなもの。

家の間取りについて考えながら新しい生活に向けてウキウキされている方も多いのではないでしょうか。

そんな家づくりの中でも重要な間取りですが、楽しいだけではなく家を建てるならやはり住み心地の良い間取りにしたいものですよね。

少なくとも今住んでいる家の不満は解決している間取りにしたいと考えている方がほとんどだと思います。

 

このように家づくりの醍醐味とも言える間取りですが、それだけ重要だからこそ避けたいこともあります。

そう、間取りの失敗です。

新しい家でこれから何年も暮らして行くことになるので不便な事は避けたいですし、間取りで失敗してしまうと場合によっては後悔がずっと続いてしまうなんてことも。

そのため、間取りの失敗というのはできる限り避けたいものですよね。

そこで今回は、間取りで失敗しないために必ず知っておきたいことを、これまで家を建てた方の体験談を元にプロの建築士が失敗しない方法についてご紹介していきたいと思います。

これから家づくりをされる方や、間取りでお悩み中の方はぜひご覧ください。

家の中が暗いんです(明るさの失敗)

間取りで後悔される方が多いのが家の明るさについて。

プロの建築士に間取りを作ってもらったのなら当然明るい家になっているだろうと思っていたけども、実際に住んでみると思ったよりも家の中が暗く感じるというのはよく耳にする話です。

特に家族が集まるリビングは光が入らないと暗い雰囲気になってしまうので日中も電気をつけているなんてこともあります。

明るさというのは場所によっても変わってくるので、リビングの隣に設けた和室は日が入って明るいけども、隣のリビングは暗いので部屋の配置を間違えたなんてケースも。

 

その他、部屋はある程度光が入っていても、玄関や階段が思ったよりも暗くて失敗したという話や、隣が最初空き地だったので明るい家だったけども、隣に家が建って途端に家の中が暗くなってしまったなど環境の変化に間取りが対応していなくて家の中が暗くなってしまう場合もあります。

 

そしてこのような家の中が暗くなってしまう1番の原因としては、設計者と家を建てる人との明るさの感覚の違いが大きな原因となります。

「明るい家にしたい」とひと言で伝えたとしても、人によって「明るい家」の基準が違うからなんですね。

 

たとえば、家にどのくらいの明るさが欲しいかは実際のモデルハウスやシュールームなどで共通認識を取っておくことが明るさで失敗しない1番の対処方法になります。

また、すごく明るい家にしたいのであれば2階リビングも選択肢に入ってくるかもしれませんし、周りの環境に左右されにくいようにあらかじめ吹き抜けを設けておくというのも効果的です。

さららには間取りの段階で暗くなりそうな場所が無いかどうかチェックしながら窓を見ることで、玄関や階段などが暗いというケースも避けることができます。

家が建ってからだと家の明るさを変えることはかなり難しいので、間取りの段階で明るさ問題は解決しておきたいですね。

 

暗い家というのはやはり避けたいもの。

「明るい家になってるだろう」ではなく、「これくらい明るくしたい」という希望が叶っているか確認することで、家の明るさの失敗は相当減らすことができるんですね。

吹き抜けのメリット、デメリットと失敗しない吹き抜けの作り方

【保存版】2階リビングのメリット、デメリットをまとめました

あとで後悔しない!家で暗くなりがちな場所3選

家の明るさは大丈夫?後悔しない明るい家にする方法

 

明るさの失敗で多い事例

  • 玄関に光が入らなくて家に入った時の印象が暗くなったり、靴を履くのに必ず照明がいる。
  • リビングの明るさが想定していたものと違った。
  • 階段や廊下に窓が無かったり窓が小さいため暗い雰囲気の階段や廊下になってしまった。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • 家の明るさについて、まずは設計者とどれくらいの明るさを目指すかコンセンサスを取る。
  • 空間の広さに対してどれくらいの窓が有り、どれくらいの光が入るか担当者に確認する。
  • 玄関や階段は明るさを見落としがちですが、家の中では重要な場所。部屋と同じように光が入るようにする。

 

風が全然入らない(窓の失敗)

「明るい家にしたい」という要望と共に、「風通しの良い家にしたい」という方も多くいらっしゃいます。

やはり家を建てるなら風通しの良い家にしたいですし、季節の良い時期に家の中を抜ける風は心地良いものですよね。

 

でも、「窓を開けても風がほとんど入らなくて間取りの時に風通しについてしっかり考えておけばよかった」という失敗もよく耳にします。

このような風通しの悪い間取りになってしまう大きな原因としては風の出入り口が適切に確保されていないことが原因です。

窓が風が入るように適切に配置されていないんですね。

窓の配置場所もそうですし、選んだ窓の種類によっても風通しというのは違ってくるからです。

 

また、風は夏は南風、冬は北風が吹くというイメージが強いですが、地域によって風が吹いてくる方向というのは季節によっても違いますし、昼と夜でも風向きが変わるのが一般的です。

そのため、地域性も考慮しながら適切な窓を配置することが風通しで失敗しないためにとても重要なんですね。

どこから風が吹いてくる?風通しの良い家をつくる方法

家を建てるなら必ず知っておきたい窓の話

 

窓の失敗で多い事例

  • 家の中の風があまり抜けない。
  • 窓から家の中に風が入ってこない。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • 風は入口と出口があって初めて抜けるようになります。部屋に1つしか窓が無い場合は2つにして入口と出口を作ったり、1方向だけでなく複数の方向へ風の通り道を作ると効果的です。
  • 地域の風向きを考慮した窓の配置や、家と家の間を抜ける風を取り込むように窓を配置する。(引違い窓を縦すべり窓に変えるなど)

 

家事動線を考えていなかった(動線の失敗)

家の家事は毎日のことです。

そのため少しの時間でもそれが毎日積み重なると相当な時間になっていきます。

忙しい毎日のことを考えると、家を建てるならやはり家事がしやすい間取りにしたいですよね。

 

家事の動線を考える場合、水回りを1箇所にまとめたり、洗濯物を2階に干す場合は洗面室と階段が離れすぎないように配置するなどの方法を取ることが考えられますが、家事とひと言で言っても人によって家事の仕方はさまざま。

洗濯を朝にする人もいれば夜にする人もいますし外に洗濯物を干す人もいれば洗濯物は室内干しという方もいます。

さらには、乾いた洗濯物をどこに収納するかなども人によって違います。

 

このように家事動線は人によって正解が違ってくるので、まずはあなたがどのように家事をするのが楽かを設計者に伝えるのが、家事動線で失敗しない間取りをつくるために重要なんですね。

そして、その間取りの中であなたがどのように動くことになるか1度シミュレーションしてみる。

これが家事動線で失敗しないための1番有効な方法になります。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

あなたの間取りは大丈夫?洗濯の家事動線を考えたバルコニー

間取りの善し悪しを簡単に見分ける方法

部屋干しはどこに干す?部屋干しのオススメの場所と注意点

 

動線の失敗で多い事例

  • 洗濯物を干すのに家の中をグルッと回らないと洗濯物が干せない。
  • TVとソファの間を人が頻繁に通る。
  • 階段の位置が家の端にあるため、家の端から端まで移動しないと2階の部屋へたどり着けない。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • 洗濯物をしながらキッチンで料理をする、家に帰ってきたら手を洗って服を着替えるなど、どのような生活パターンが暮らしやすいのか。この部分を意識して間取りを見てみる。
  • キッチンと水回りの距離感は必ず1度は確認する。
  • 間取りの中で朝起きてから寝るまでをシミュレーションしてみる。

 

車の出し入れが大変!(駐車スペースの失敗)

家の間取りに集中しすぎて、ついつい忘れがちになってしまうのが車の出し入れについて。

間取り図の中に車の絵が描いてあったから安心と思っていても、いざ車の出し入れをする時に「車が止めにくい!」なんて失敗が起こってしまうこともよくあるんですね。

特に家の前の道路が狭い場合や道路に電柱がある場合なんかは、より車が止めにくくなってしまいます。

 

では、車の出し入れで失敗しないためにはどうすればいいのでしょうか?

駐車場で失敗しない方法としては、どんな車を止めることになるのかを明確に伝えること、また車がどういう軌道で出入りすることになるかを間取り図の中に書き込んでもらうことで失敗を防ぐことができるようになります。

さらには今の車のサイズだけでなく、将来止める可能性のある車の中で1番大きい車種を伝えておくと将来車を乗り換えた時も安心です。

また、車の運転や駐車が苦手な場合は建築士に遠慮なく伝えて置くのも効果的な方法ですよ。

 

駐車場の位置や大きさというのはよほど広い敷地でない限り、後で変更するというのは中々難しいものです。

そのため間取りの最初の段階で確認するというのも忘れないようにしておきたいですね。

その車、ほんとに家の敷地に駐車できますか?

家を建てるなら知っておきたい車の駐車方法

あなたの家に自転車を置くスペースはありますか?

 

駐車スペースの失敗で多い事例

  • 駐車するのに家や庭が邪魔になってしまい、車を止める場合に何度も切り返しが必要となり車が止めにくい。
  • 図面には車が入っていたけども、実際に車を止めたらスペースがギリギリでドアを開けづらい。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • 将来も含めて止める可能性のある一番大きなサイズの車を図面に入れてもらう。
  • 希望の駐車方法があれば、あらかじめ担当者に伝えておく。

 

収納が使いにくくて・・(収納の失敗)

Photo:http://www.aqura.co.jp/gallery/sw0015/detail/973/

収納の失敗で多いのが、収納が足りないという失敗の他に、収納が使いづらいという失敗。

図面の中に収納が無いと「なんだか収納が少なそうな間取りだな」と気付きやすいのですが、図面に収納と書いてあればそれだけで収納があるから大丈夫かとついつい思ってしまいがちです。

でも、大切なのは「収納があること」ではなく「物を収納できる」ことですよね。

そのため、収納内の作り方というのが収納で失敗しないためにはとても重要になります。

適材適所に適切な高さ、サイズ、奥行きにした上で物に合わせて棚などが配置された収納を設けることが大切なんですね。

 

特にロフトなど大きな空間の収納は、どのように使うか、物の搬入は問題ないかなど、実際に生活した時の目線に立って収納を考えることで失敗を減らすことができます。

 

また、収納の失敗で多いのがリビングの収納。

リビングは郵便物や小物などいろんな物が集まりやすい場所なので収納の最重要ポイントです。

リビングは広さを重視してついつい収納がないリビングになってしまうなんてこともありますが、収納は必ず設けておくのが収納の失敗をなくすためには必須となります。

特にリビングは小物が増えがちなので奥行きがある収納よりも、小まめに物を入れられる収納があると便利です。

リビングに収納を配置すると部屋の形が変になるのでどうしても収納を設けられないという場合は、あまり高さがなく圧迫感が少ないオシャレな家具を置いておくのも効果的ですよ。

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収納の失敗で多い事例

  • リビングやダイニングに収納が少なく、物が散らかってしまう。
  • 洗面室やトイレなど、その場所で使うものを収納できる場所を作ればよかった。
  • 収納の扉が開けにくくて使いづらい。
  • 収納の奥行きが収納したい物と合っていなくて使いにくい。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • 今の生活を振り返り、どこに物が溢れているか、どこに収納があると便利だと思うのかを一度考えた上で間取りを作る。
  • 収納は物を入れる場所なので、扉を開けた時に物を入れやすいか、また取り出しやすいかを確認する。(折戸の向きやドアの開き勝手など)
  • 小物を収納する場合は奥行きの浅い収納、服を収納したい場合は服のサイズに合った収納、布団を収納したい時は押入くらい奥行きがある収納にするなど、収納したいものによって最適な奥行きは様々。メインで入れる物に最適な奥行きの収納にすると使いやすくなります。
  • 収納内は可動棚にしておくと、入れるものが変わった時も対応がしやすく、収納量も増やすことができます。

 

ドアにぶつかって怪我しそう(建具の失敗)

家の中の建具は部屋と部屋を区切るために必要なものですが、時には凶器のようになってしまうケースもあります。

例えば階段の降り口や登り口のすぐそばにドアがあれば階段を上り下りする人にぶつかってしまう可能性は高くなりますし、下手をすると階段を転げ落ちるなんてことも。

 

また、人がよく通る動線となっている場所にトイレなどのドアがあると、それも人にぶつかってしまう原因となってしまいます。

大人でも危険なのに、小さなお子さんの場合はより大きな怪我につながってしまうので危険なドアは間取りの段階で回避しておきたいですね。

このような間取りの失敗を避ける方法としては、間取りの中でドアを開けた時、人にぶつかる可能性が高いのかどうかを確認することでドアに人がぶつかるという失敗はかなり減らすことができますし、場合によっては引き戸に変えてあげるなどの対策を間取りの段階であらかじめ取っておくのも効果的です。

引き戸とドアのメリットとデメリットと後悔しない使い方

 

ドアの失敗で多い事例

  • ドアを開けると階段を上り下りする人にぶつかってしまいそうで怖い。
  • キッチンの横に洗面室を作ったけども、火を使っている時に人が急に洗面室から出てきて危なく感じる。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • 引戸にできる場所は引戸にしてドアと人がぶつからないようにする。
  • トイレのドアを開けると廊下を歩いている人に当たってしまう場合などは、トイレの奥行きをコンパクトにしてドアが少しでも人に当たりにくいようにする。(部屋は基本内開きなのでドアが廊下を歩く人に当たることは無いですが、トイレは外開きなので人に当たる危険性があるため)
  • ドアの向こうに人が居るか確認しておきたい場所にはドアスコープをつけるなど人の気配が分かるようにする。

 

広いバルコニーにしたけども・・(優先順位の失敗)

広いバルコニーに憧れて広いバルコニーを作ったけども、結局は洗濯物くらいしかバルコニーを使わない。

これはよく耳にする間取りの失敗例です。

憧れと実際に必要かどうかはまた別なんですね。

 

同じようなケースとして屋上も実際にほとんど使っていないというのもよくあるケースです。

あまり使わないのであれば、その分部屋を広くしたりインテリアや家の性能、設備に予算を回した方が費用対効果は高いですね。

そのため生活に必ず必要なもの以外は、本当に必要なものなのかどうか振り返ってみるのが間取りで失敗しないためにとても重要になります。

「何となく有ったらいいな、使うかも」ではなく優先順位をハッキリさせる。

これは家づくりでとても大切なことなんですね。

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優先順位の失敗で多い事例

  • 要望が入った間取りにしてもらったけども、実際にはあまり使わない場所がある。
  • 予算オーバーしてしまい間取りが作り直しになるのであれば、最初から予算にメリハリをつけておけば良かった。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • 間取りを作る前に、家を建てるのに「必ず叶えたいこと」、「できれば叶えたいこと」、「余裕があれば入れたい物」というように、優先順位をつけた上で間取りを作ってもらう。
  • 間取りで迷った時は、「必ず叶えたいこと」が叶った家になっているか、叶えたい暮らしが実現しているかどうかを振り返ってみる。

 

欲しい場所にコンセントがない(電気配線の失敗)

Photo:http://www.panasonic.com/jp/home.html

「コンセントが欲しい場所にない!」

「家具を置いたらコンセントが使えない!」

こういうコンセントの失敗談は本当によく聞きますよね。

 

このようにコンセントで失敗してしまう原因として、その間取りの中での生活イメージがしっかりできていないことが大きな要因です。

例えば、家具をどこに置くか、掃除をする時にコンセントは問題ないか、扇風機など家電を使う時に近くにコンセントはあるか、スマホなどを充電するのは大丈夫かなど、実際に生活する時にどこにコンセントが欲しいかを考えてみると、コンセントの失敗は少なくなります。

 

また、コンセントと同じように多いのがスイッチの失敗。

部屋に入ったらスイッチが遠くてなかなか電気が付けられなかったり、欲しい場所にスイッチが無いなんて失敗はよくあります。

こちらもコンセントの失敗と同じように、その間取りでの生活のシミュレーションができていない事が原因なので、夜に家の中を移動する時に不便が無いかどうかシミュレーションしてみるとスイッチの失敗を減らす事ができます。

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電気配線の失敗で多い事例

  • 欲しい場所にコンセントがない。コンセントの数が足りずにタコ足配線になってしまっている。
  • 家具を置くとコンセントが使えなくなってしまった。
  • スイッチが遠くて部屋に入ってからすぐに照明を付けられない。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • 図面には必ず置く予定の家具を入れてもらい、家具の影に隠れてしまうコンセントが出ないようにする。
  • 家電が集まる場所では同時にいくつのコンセントが必要かを想定して置く。
  • コンセントの位置や数が足りているかを確認する場合、掃除機をかける時に問題なく掃除機をかけることができるかどうかをシミュレーションしてみると、満遍なくコンセントが配置されているか確認できます。また、充電器を使うことが想定される場所にもコンセントがあると便利です。

 

冬場、家の中が寒い!(家の性能の失敗)

家の性能というと、断熱材などの性能次第のように思ってしまうこともありますが、間取り次第で寒く感じてしまう間取りになってしまうこともあります。

例えば間取りの失敗であれば、玄関の寒さが家の中に入ってくるという失敗があります。

家というのは玄関土間の土間部分が寒さを引っ張ってくるケースが多くあり、広い玄関土間を作ったけども寒さ対策を取っていないことで家の中が寒くなってしまうんですね。

 

その他、リビング階段も寒いという声も耳にしますが、リビング階段が寒いと感じるのは家の性能が低いので寒く感じることがほとんどで、リビング階段だから寒いという家は間取りよりも根本的な家の性能面で問題があります。

たしかにリビング階段にするとリビングと2階が繋がるので体積が増えて部屋が暖まるまでの時間は少し長くなりますが、今の家は家全体をスッポリ断熱材で包むような造りになっているのでリビングがずっと寒いという事はなく、ずっとリビングが寒いままというのは家の中から暖かい空気が外に逃げていってしまっているですね。

そのため、家が寒いという失敗を避けるためには、まずは家の断熱性能を上げることが1番効果が高い方法になります。

 

また、玄関とリビングが扉なしに直接繋がっている家や、土間が広い家など寒さを感じやすい間取りの場合は、全館空調や暖炉、薪ストーブなど家全体を暖められるようにするというのも効果的です。

間取りと性能を別々に考えるのではなく、間取りと性能を一緒に考えることで快適な家にすることができるんですね。

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家の性能の失敗で多い事例

  • オープンな間取りにしたけども、家が暖まりにくくて寒い。
  • 大きな窓にしたら、夏は西日が暑くて熱がこもってしまう。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • 家は全てオープンな間取りにするのではなく、必要に応じて扉を閉められるようにしておくなど、季節に応じて変化することができる間取りがベスト。
  • 太陽が低くなる西日は家の中に入ってきやすいので、西側の窓は小さめにするか、西日を防ぐ対策を取る。

 

リビングを広くすれば良かった(バランスの失敗)

家というのは無限に広くできる訳ではなく、限られたスペースを使って家を建てることになります。

そのため、たとえばLDKや水回りに以外に4部屋必要であればそのスペースを家全体の面積の中から割り振ることになります。

 

場合によっては間取りの中にアレもコレも入れたばっかりに、肝心のリビングにしわ寄せがいってしまい、その結果使いにくい家になってしまったという失敗も起こるんですね。

同じような例としては、和室を作るかどうか、子供部屋の大きさなど、メインの場所ではないスペースを広くしてしまうことでバランスが崩れてしまうこともあります。

家の間取りは全体のバランスがとても大切なもの。

間取りの優先順位を考えながら時には優先順位の低い要望は大胆に削ってしまったり、場所を1階から2階に変えてしまうなど、優先順位が高い場所が快適になるようにバランスを整えてあげる事が、変に使いづらいスペースを作らないための秘訣となります。

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バランスの失敗で多い場所

  • 玄関が思ったよりも狭く、家族で出かける時に渋滞が起きる。
  • 洗面室と脱衣室を分けたけども、どちらも狭くて使いづらいので、どうせなら1つにしておけば良かった。
  • 収納ばかり気にしてしまい、LDKに家具を置くと部屋が一杯になってしまった。
  • 客間として和室を作ったけども、年に数回しか使わない部屋を作るのであれば、他の部屋を広く取れば良かった。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • バランスが悪い家は間取りの形が悪かったり、広さがチグハグになっていることがほとんど。そのため間取りの広さや場所だけではなく、時には俯瞰して間取り全体を見てみるとバランスの良し悪しの判断がしやすくなります。
  • 間取りを見てバランスが悪い場合は間取りの中身に手を加えるだけでは修正できないことも。そのような場合は1階にあるものを2階に動かしてみたり、家の形を変えてみるのも効果的です。

 

家具を置いたら残念なことに・・(家具の失敗)

Photo:https://truck-furniture.co.jp/

家ができて実際に家具を置いてみたら、思ったよりも家具が大きくて圧迫感が。

さらには部屋が狭く見えて仕方がないなんてことも。

 

このような家具の失敗例の原因としては、間取りの段階で実際に入れるサイズの家具を図面に書き込んでいないのが大きな要因です。

図面には20帖など部屋の広さが数字で表現されていますが、実際にはどこからどこまでで20帖なのかと言うのは建築士に聞いてみないと分かりませんし、家具が図面に書き込まれていないと家具を置いたら残りのスペースはどれくらい取れるのかというのもよく分かりません。

家具を図面に書き込むことでサイズ感が出てくるんですね。

 

そうすれば間取りの狭さが原因であれば間取りを広げたり、もう少しコンパクトな家具に変更するという選択肢も取る事ができるようになります。

また、ダイニングなど椅子を使う場所は椅子を引き出した時に不都合がないかどうかも確認しておきたいポイントです。

 

新居で使う予定の家具は必ず図面に書き込んでもらう。

まだ家具が明確に決まっていなくても、家具は大きめ、小さめどちらが好みであるかや何人で使うなどは必ず伝えておきたいですね。

我が家にぴったりのダイニングテーブルのサイズを決める5つの方法

その家具と家電、家の中にちゃんと入りますか?

 

家具の失敗で多い事例

  • 大きなソファを買ったら、部屋の中が狭くなってしまい邪魔に感じる。
  • 家具が廊下や玄関を通らなくて搬入が大変。
  • 部屋に家具を入れようと思ったら、収納の扉が邪魔でうまく家具が配置できない。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • 図面には必ず入れたいサイズの家具を記入してくれるよう担当者に伝える。家具のサイズが決まっていない場合でも、一般的なサイズの家具を想定して入れてもらうと失敗が少なくなります。
  • 家具は受注生産の物も多く返品が難しいケースもよくあります、そのため大きな家具を入れる場合は搬入経路もあらかじめ確認しておきたいですね。

 

本音を聞かなかったので失敗しました(意思疎通の失敗)

家づくりというのは自分一人ではなく、何人かの家族で一緒に住むことになるので、お互いの大切にしたい部分を尊重しつつ、本音で話をしてみるというのも間取りで失敗しないために大切なことです。

このような意思疎通で特に気をつけたいのが、親世帯、子世帯など複数の世帯がいっしょに暮らす二世帯住宅。

その理由としては、二世帯住宅は夫婦二人だけでなく何人もの大人が同じ家に一緒に住むことになるので、場合によってはそれぞれの意思疎通ができずに家ができてしまうこともあります。

 

例えば、二世帯住宅の作り方として玄関、LDK、お風呂など、どの部分を共用にするのか、それとも別々にするのかで間取りと生活スタイルは大きく違ってきます。

どこを共用、独立するかというのは予算やどう生活したいかという考え方で変わってくるのですが、大人が大勢集まって家の間取りを決める分、その意見はさまざま。

そんな時、意見を言いやすい人もいますし、反対に言いにくいというケースもありますよね。

特に義理の親御さんと一緒に住む方はあまり強く意見を通しにくいということも。

 

そのため、「本当は〇〇したいのに」という気持ちが解消されずに間取りが確定してしまい、その結果、間取りで失敗したと思ったり後悔することも多くなるんですね。

 

これは完全な二世帯住宅だけでなく、将来親御さんを引き取って一緒に暮らすという場合でも同じようなことが起こる場合があります。

住む人が増えれば増えるほど、間取りの段階でお互いに譲れる部分と絶対に譲れない部分は明確にしておくのが間取りで失敗しないためには特に重要なんですね。

また、複数の意見を調整できる住宅会社の担当者を付けてもらうのも大切なポイントです。

 

二世帯住宅を例に挙げましたが、夫婦二人で住む場合でもお互いの譲れる部分、譲れない部分は話し合っておきたいですね。

二世帯住宅を失敗しないための5つのポイント

良い家をつくる設計士が必ずもっているもの

 

意思疎通の失敗で多い事例

  • 要望は特に無いと聞いて間取りを作ったのに、あとで「もっとこうしておけば良かった」と言われる。
  • もっと生活時間の違いや生活音に配慮しておけば良かった。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • お互い譲れる部分、譲れない部分についてあらかじめ話し合っておく。
  • 生活音というのは意外と響くもの。そのため特に何も言われなくても、できるだけ生活音を気にせず暮らせるようにしておくと、無用なトラブルを防ぐことができるようになります。(例えば寝室の横は水回りは避けるなど)

 

外から丸見えでカーテンが閉めっぱなし(視線の失敗)

Photo:http://www.trueheart.co.jp/images/handling-items/blind/01L.jpg

せっかく家を建てたけども、道路から丸見えでカーテンが閉めっぱなしに。

間取りではこんな失敗例もよくあります。

たしかに通行する人から家が丸見えだと落ち着かないですよね。

その結果カーテンが閉めっぱなしにしたいという気持ちもよく分かります。

 

このような間取りの失敗の大きな原因としては、窓の配置と間取りの作り方による部分が大きなウェートを占めます。

歩く人と視線が合いにくいような窓の配置にしたり、落ち着かない場所にLDKを配置しないなど、間取りの段階で視線をコントロールしておくのが視線で失敗しないために大切なんですね。

 

また、間取り以外でも庭の作り方次第で家の中が見えにくいようにもできるので、外構計画も含めた視線対策ができるとベストです。

家の中が近所から丸見え?視線をコントロールするための4つの方法

 

視線の失敗で多い事例

  • リビングに大きな窓を設けたけども、道が近く人通りが気になって落ち着かない。
  • 窓を開けたらお隣の窓が目の前で窓を開けられない。

 

間取りの失敗を防ぐための対策

  • 窓から外の視線が気になる場合、目隠し塀を設けたり窓の高さをアレンジして外の人と視線が合わないようにするなど、窓がストレスにならないように配慮しておきたいですね。また、お隣の窓が真正面に来ないように窓を計画するのも大切です。

 

あんまりオシャレにならなかった(インテリアの失敗)

Photo:http://adrooms.com/room/119

新しい家ができたけども、賃貸住宅と比べて素材が少し良くなったくらいであまりオシャレに感じない。

ちょっと高価な賃貸住宅という感じですね。

実は、家が出来てこのように感じる方も意外と多くいらっしゃいます。

 

これは私自身も感じる事があり、今は私は住宅の建築士をしていますが、建築の勉強を始める前に実家をあるハウスメーカーで建て替えた際、家を見るまで最初はすごくワクワクしていたのですが、実際に見て見ると何だか微妙に感じた経験があります。

こんな普通の家が何千万円もするのかと思ったものです。

 

このように普通に家を作っただけでは、賃貸住宅と家のインテリアはそれほど大きな変わりないんですね。

特に分譲マンションを借りて住んでいる方はこのようにインテリアに物足りなく感じてしまうケースが多くあります。

 

でも実は、オシャレに見える法則に沿って家を建てるだけで家のインテリアは見違えるほどオシャレに見えるようになります。

 

例えば、部屋をスッキリ見せるには部屋の中に無駄なラインが出ないようにするだけでも部屋の見た目は大きく違ってきますし、部屋の中で使う色の数を絞るだけでもインテリアはグッと引き締まるように見えるようになります。

また、家具も安っぽく見えてしまう造りの物と、そうでない物があり、安っぽい物を選ぶと部屋全体が急に安っぽく見えてしまいます。

まずはオシャレに見える法則をしっかり頭に入れる。

そうする事でインテリアの失敗はグッと減らす事ができるんですね。

また、すでに家ができてしまっているという場合も、観葉植物を家の中に置くだけでも家の見た目はかなり変わるので、見た目もオシャレな観葉植物を置くのもとても効果的ですよ。

オシャレに見える家とオシャレに見えない家の違いって何?

お洒落な家具や雑貨が見つかるおススメのインテリアショップ

部屋がおしゃれになる観葉植物25選。おすすめのインテリアグリーンをご紹介します。

 

間取りで失敗しないために

ここまでよくある間取りの失敗例について具体的に見てきました。

どの間取りの失敗もできるだけ避けたいものですが、家づくりは間取りの失敗が起こりやすいケースと間取りの失敗が起こりにくいケースというものが存在します。

では、間取りの失敗は何によって左右されるのでしょうか?

 

それは間取りの依頼先がレベルの高い家を建てている住宅会社かどうか、さらには間取りを設計する設計者の腕がしっかりしているのかどうか。

この部分で間取りが失敗するかどうかはとても大きく左右してきます。

そうなんです。

住宅会社選びで間取りの質というのは大きく変わってくるんですね。

「営業マンの人も感じが良いし何となくこの住宅会社でいいかな」ではなく、少なくとも「この会社に家づくりを任せたい」。

それくらい思える住宅会社を選ぶことが大切なんですね。

良い家を建てられる人と、良い家を建てられない人の違い

 

また、家づくりの打ち合わせというのは時間がかかるものです。

そのため、あなたの家の間取りを作る建築士が信用できる人なのかどうかというのもとても重要なポイントになってきます。

あまり信頼できない人と何度も間取りの打ち合わせをするというのは思った以上にストレスに感じるからなんですね。

例えば家の打ち合わせをしたとして、あなたが「〇〇したい」と言ったらそのまま黙って図面を変更する建築士と、その「〇〇したい」に対してプロの意見を言ってくれる建築士、どちらの方が頼りがいがあるでしょうか?

 

「〇〇したい」と言っても、それが本当に正しいかどうかは不安なものです。

良い案なら「良いですね」、その他にも方法があるなら「このような方法もありますよ」など話を聞くだけでなくプロの意見を言ってくれる建築士と間取りを作っていきたいですね。

良い家をつくる設計士が必ずもっているもの

 

また、営業マンが間取りを作るのか、それとも専門の建築士が間取りを作るのかでも間取りの質というのは大きく違ってきます。

間取りの失敗を避けるのであれば、営業マンではなく建築士に間取りを作ってもらうのも大切なポイントです。

営業マンの作る間取りと設計士が作る間取りの違い

 

最後に、間取りの要望を伝える時も良い間取りになりやすいケースと、間取りが失敗しやすいケースというものがあります。

では、間取りの要望を伝える時にはどのように伝えれば良いのでしょうか?

 

建築士に間取りの要望を伝える場合、例えば「LDKは20帖」、「和室は南側」などなど、あまりにも具体的な要望を伝えるのではなく、ある程度含みを持たせた伝え方をした方が良い間取りになることがほとんどです。

その理由は、条件を具体的につけることで間取りの選択肢の幅が狭まってしまうからなんです。

 

基本的に建築士はお施主さんの要望を叶える間取りをつくりたいと思っているので、ベストの間取りでは無いと分かっていたとしても、お施主さんの要望をできる限り取り入れた間取りを提案するケースが多いからなんですね。

例えば先ほどの例だと和室を南側以外に配置するともっと良い間取りになる場合でも、和室を南側に配置するのが絶対条件になっていると和室を南側に配置するしか選択肢が無くなってしまいます。

和室を南側に配置したいすごく大きな理由があるなら良いですが、何となく明るい和室にしたいということで「和室は南側」と伝えた結果、微妙な間取りがでてきたらすごくもったいないですよね。

 

そのため、先ほどの例では方位を具体的に指定せずに「明るい和室にしたい」と伝えたほうが、いろんな可能性を建築士から引き出すことが可能になります。

要望を伝える時はプロのアイデアを引き出すような伝え方をする。

こうすることで間取りの可能性というのは大きく広がりますし、間取りの失敗が起こる可能性も大きく下げることができるんですね。

まとめ

今回は間取りでよくある失敗例について見てきました。

家というのは一生に一度建てるか建てないかというもの。

そのため、家づくりの経験値というものもどうしても不足しがちになってしまいます。

 

でも、これまで家を建ててきた先輩方の体験談やプロの建築士のアドバイスを聞く事で経験不足というのはカバーする事ができますし、間取りの失敗というのも大きく減らすことができるようになります。

ぜひ、今回のアドバイスを参考にして失敗のないあなたに合った家を建ててくださいね。

では。

 

間取りについてはこちらも参考にしてください。

一軒家の間取りで失敗しないために気をつけたい7つチェックポイント

リビングの間取りを見る前に知っておきたい!代表的なリビングの間取り5選

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】

家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】

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建築条件付きの土地は、なんで間取りで失敗しやすいの?

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「事件築条件付きの土地を買うかどうか迷っています。土地は魅力的なのですが、建築条件付き土地を販売している会社が建てた家にはあまり魅力を感じません。このような建築条件付きの土地を買っても建てたい家を建てられるのでしょうか?」

読者さんからこのような質問をもらいました。

 

「建築条件付きの土地」とは簡単に言うと、土地を買えば家を建てる会社がセットで決まってしまう土地の事です。

「この土地を買うなら、うちの会社で家を建ててよ」

というような条件が付いている土地が建築条件付きの土地なんですね。

建築条件付って書いてある土地を見つけたけど、建築条件って何?

 

実は建築条件付きの土地でお悩みの方は、意外と多くいらっしゃいます。

間取りに不安がある方に向けて間取り診断を行なっていますが、半数くらいが「建築条件付きの土地」を購入したり検討されている方というくらいです。

 

では、なぜ建築条件付きの土地を買った方は間取りで悩まれたり不安になることが多いのでしょうか。

今回は、その疑問について見ていきたいと思います。

建築条件付き土地での悩み

建築条件付きの悩み

建築条件付きの土地を購入される方は、建築条件付きならではの悩みをお持ちの方が多くいらっしゃいます。

それではまず、建築条件付きの土地で多い悩みの例を具体的に見てみましょう。

 

間取りが不安

間取りが不安。

これは建築条件付きの土地で1番多い悩みです。

とりあえず要望を言って間取りが出てきたけども、出された間取りがイマイチだったりで、この間取りで本当に大丈夫か不安に感じてしまうんですね。

 

建築条件付きの土地でも、しっかりした間取りを出してくれる会社もありますし、その一方で、建売住宅と全く変わらなかったり、営業担当者がサッと作った間取りを出してくることもザラにあります。

営業マンの作る間取りと設計士が作る間取りの違い

 

このように建築条件付き土地の場合、出てくる間取りは会社のレベルによってバラツキがかなり大きいんですね。

その分、間取りに不安を感じる方も多くなります。

 

担当者が間取りに詳しくない

建築条件付きの土地では、担当者が間取りに詳しくないこともよくあります。

間取りの提案が少なかったり、場合によっては自分で次回の打合せまでに間取りをどう変更するか考えてこないといけないということも。

間取りをつくる側が、基本受け身の姿勢というケースが多いんですね。

→プロとしての意見がない設計士、プロとして個性が強すぎる設計士

 

この理由は、担当者が土地を売るのがメインの不動産出身の担当者であったり、間取りをそんなにつくったことが無い人が担当者となる可能性が高く、そもそも間取りの打合せに力を入れていないことが大きな原因です。

簡単に言うと、建築条件付きの土地では間取りに興味のない人が担当になる事が多かったり、間取りよりもパッパと早く話を進めて家を建て続けて資金の回転を早くするという方針の会社が多いんですね。

 

家を建てる人は、基本的に家を建てるのは初めてで、家づくりも基本的には素人です。

それなのに、こちらからアクションを起さない限り間取りが変わらないのは、かなりのストレスになるのがお分かりいただけると思います。

 

すぐに契約を迫られる

これも建築条件付きの土地で多い悩みですね。

「土地を押さえるためには、すぐにでも契約してもらわないといけない。間取りは契約しても少しは変えれらるので大丈夫ですよ。」

という感じですね。

 

こうして、土地を見てから一ヶ月以内に契約を迫られるようになるケースをよく見かけます。

もちろん、スピードが速いのは悪い事ではありませんが、土地と家の間取りを短い時間で決めるのは結構ストレスになるものです。

何千万円もする大きな決断を急かされるからなんですね。

 

建築条件付きの土地で不安になってしまうのは、家を建てる人の目線ではなく、土地を売る方の都合がメインになってくるので、不安を解消するためのステップが省略されてしまうのが大きな原因です。

 

さらに、先ほどの担当者が間取りに詳しくないケースがプラスされると、住宅会社に指定された日までに自分で間取りを考えてこないといけなくなってしまいます。

 

どれだけ上から目線で自己責任を押し付ける気なのかと思ってしまいますが、これでは、建築条件つきの土地を購入するのに不安になってしまうのも当然ですね。

家づくりは成功するのも、失敗するのも全て自己責任?

建築条件付きの土地は売主が強い?

magic book with a landscape

建築条件付きの土地を購入する時によく感じる不安をご紹介しましたが、なぜこのような事が起こるのでしょうか?

それは、住宅会社が土地を押さえているからです。

 

普通の住宅会社選びで先ほどのような不安を感じた場合、

「どうもこの会社は違うかな」

と思って住宅会社を変える事は比較的簡単です。

他に合いそうな会社をまた探すことができるからなんですね。

 

一方、あなたが気に入った土地を住宅会社が建築条件付きで出している販売している場合、他を選ぶという選択肢は無くなってしまいます。

60点か70点くらいの土地なら「まだ他を探せばいいか」と思えますが、これが80点や90点の土地となると「ここしかない!」という気持ちに偏りがちです。

 

その結果どうなるかというと、土地という家を建てるために根本的に必要な物を販売会社が押さえているので、その販売会社が主導権を持った形で家づくりが進んで行くことになるんですね。

そして、販売会社もそのことは十分承知しています。

他の工務店で建てたいと思っても建てることができないので、価格、間取りなど自社のルールをつくって家づくりを行えるんですね。

 

悪い言い方をすれば、建築条件付きの土地では凝った間取りでも、変な間取りでも売上には大差ないので、

「間取りで時間を掛けずにさっさと家を建てて売れればいい」

という住宅会社があるのも事実です。

 

これが建築条件付きの土地で間取りを不安に感じる方が多い1番の原因となります。

建築条件付き土地は買わない方がいいか?

Buy new house

建築条件付きの土地は、なぜ間取りを不安になることが多いのかという理由を見てきましたが、それでは建築条件付きの土地は買わない方がいいのでしょうか?

 

答えは、あなたが何を優先したいかによります。

あなたの「家に対する要望」と、「土地の優先度」、「住宅会社のレベル」、この3つの視点で見ることが重要となってくるんですね。

 

例えば、「土地の優先度」が高く「家に対する要望」があまりなければ、建築条件付きの土地とはとても相性が良い土地になります。

土地がメインで、家は少し手を加えられればいいかなという感じなので、手間の掛からない建築条件付きの土地と合いやすいんですね。

さらに、住宅会社の建てる家を見て、「自分的に大丈夫そう」と思うか「いやー、これはキツそう」と思うかで判断を下せば失敗する可能性はかなり少なくなります。

 

それでは次に、他のケースを見てみましょう。

「家に対する要望」と「土地の優先度」どちらも高い人はどうすればいいでしょうか。

答えは、「住宅会社のレベル」次第で、建築条件付きの土地を購入して大丈夫かどうかが決まってきます。

 

建築条件付き土地を販売している会社でも、しっかりした注文住宅を普通につくっている住宅会社であることもありますし、なんちゃって注文住宅をつくっている会社もあります。

その2つで間取りもそうですし、完成する家の出来具合も当たり前のように違ってくるんですね。

私も多くの間取り相談をいただいてきましたが、同じ建築条件付きの住宅でも「間取りがいいな」と思う会社と「うーん・・」と思う会社は、かなりハッキリ分かれてきます。

 

家と土地の優先度を考慮しながら、住宅会社のレベルを見てみる。

これが建築条件付きの土地を購入する時に失敗しないためのポイントなんですね。

 

また、建築条件付きの土地は「注文住宅」ではなく「セミオーダー住宅」というものもよくあります。

「セミオーダー住宅」とは注文住宅のように何でも選べる訳ではなく、間取りや仕様に制限がある家になるので、注文住宅と思っているとギャップが生じてしまうことがあるんですね。

そのため建築条件付きの土地を購入する前には、何が自由に選べて何が選べないのか、また、間取りは建築士と打ち合わせができるのか、それともできないのか。

この部分をしっかり確認して納得した上で購入することが、建築条件付きの土地ではとても大切なんですね。

あなたに合っている家はどれ?家は注文住宅だけでは無いんです

まとめ

今回は建築条件付き土地では「なぜ間取りで失敗しやすいのか」についてその理由をご紹介しました。

建築条件付きの土地を購入する時に注意したいことを挙げると、

  • 家を結構こだわりたいという方は、間違っても土地だけを見て建築条件付きの土地に手を出さない。
  • 建築条件付きの土地を買う場合は住宅会社のレベルを見る。

これがとても重要なんですね。

 

建築条件付きの土地は魅力的な土地が出てくる可能性が高い反面、家を建てることまで考えると中々難しい土地でもあります。

あとで後悔しないためにも、契約する前にあなたに合った家が建てられるのかどうかを必ず確認して見てくださいね。

それが建築条件付きの土地であなたに合った良い家を建てるための、一番の秘訣となります。

では。

 

建築条件付き土地についてはこちらも参考にしてください。

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分離発注で家は安く建てられる?分離発注のポイントとメリット、デメリット

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「分離発注で家を建てることは可能でしょうか?」

このような質問を読者の方からもらいました。

家には2つの発注方法があり、たとえば住宅会社や工務店に家づくりを任せることを「一括発注」、自分でいろいろ手配して家を建てる方法を「分離発注」と言い、それぞれに魅力的なメリットがあります。

今回はそんな分離発注についてメリット、デメリットを踏まえながら詳しく見ていきたいと思います。

分離発注って何?

家を建てる場合、家が完成するまでにはいろんな工程があり、たくさんの職人さんが家づくりに携わることになります。

たとえば大工さんもそうですし、基礎や屋根、給排水工事や電気工事など、それぞれの専門家が自分の専門分野の工事を行って家が出来ていくんですね。

そして多くの場合はその職人さんを住宅会社や工務店がまとめて手配し、指示、管理を行います。

住宅会社や工務店が専門業者を一括でまとめ、指示を出しているので、これが「一括発注」と呼ばれる方法になります。

 

その一方、住宅会社を使わずに自分で専門業者を手配して家を建てるという方法もあります。

住宅会社などに一括で依頼するのではなく、自分で必要な業者に発注していくという訳ですね。

「一括発注」と違い、必要な業者に別々に発注する。

これが「分離発注」となります。

 

ちなみに分離発注と言っても、どれくらい自分で手配するかは状況やどれだけ家づくりに関わるかによって大きく違ってきます。

次に分離発注の種類について見ていきましょう。

分離発注の種類

分離発注で家を建てる場合、大きく分けて2つのパターンに分けられます。

1つは、家の設計を設計事務所に依頼し、設計がまとまれば設計事務所と一緒に実際に工事を行う工務店を選んで家を建てると言う方法。

設計と工事の2つを別々に発注するという感じですね。

この場合、通常は設計事務所が工事の監理も行ってくれるので、難易度はそれほど高くない分離発注方式となります。

 

その一方、設計だけでなく、それぞれの専門業者の手配も自分で行うと言う分離発注方式もあります。

工務店を通して職人を手配するのではなく、自分で職人の手配や材料の発注を行い家を建てるという訳ですね。

簡単に言うと、工務店の役割を自分でするという感じになります。

そのため、家の工事に対する知識も必要となってきますし、材料がどれくらい必要か、またいつどの職人の手配が必要かという部分まで理解しておく必要があるなど、難易度はかなり高い家の建て方となってきます。

ただ、ここまで知識があるのは家づくりに関わっている人以外には難しいものです。

そのため、自分で現場監督を手配したり知り合いに現場監督がいれば手配や発注を手伝ってもらうなど、専門家の手を借りながら分離発注を行うというケースもよく目にします。

 

このように分離発注には明確なルールというものは無く、どの部分を分離発注をするか選ぶこともできますし、必要な部分は専門家の手を借りながら家づくりをすることも可能なので、自分でできる範囲で分離発注することも可能なんですね。

ちなみに、住宅会社や工務店に依頼した方が間違いがありませんし、手間も少ないですが、どうしてこのような「分離発注」で家を建てるのを選ぶ方もいるんでしょうか?

次に分離発注のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

分離発注のメリット

分離発注のメリット。

その一番の部分は「コストダウンができる」ということです。

本来であれば工務店が行う仕事を自分ですることになるので、その分だけコストを抑えることができるんですね。

効率的に分離発注を行うことができれば、数百万円くらいはコストダウンすることも可能です。

 

また、自分で物づくりをするのが好きな方にとっては分離発注というのは魅力的な選択肢となります。

分離発注の場合はそれだけ自分が家づくりに関わることになるので、家が完成した時の満足感というのは一括発注で建てた時とはまた違った満足感を得ることができるんですね。

自分で家のどこかを作りたいという場合なんかも、一括発注の場合は工事の日程などの関係で断られるケースがほとんどですが、分離発注であれば自由に家を作ることが可能になります。

 

その他、デザインにすごくこだわりたいという場合も分離発注は効果的です。

デザインにかなりこだわる場合は設計事務所に依頼するケースが多くなりますが、設計は設計事務所に、そして施工は工務店というようにそれぞれ専門家に依頼することでオンリーワンの家を建てることができます。

この場合は工事は工務店に依頼するのでコストダウンには繋がりませんが、こだわりの家を建てる場合は魅力的な選択肢となってきます。

分離発注のデメリット

分離発注をする場合、メリットだけでなくデメリットもあります。

それは、分離発注の場合は自分で手配する部分が多くなり、家を建てるのに相応の知識が必要となってくるということです。

工事の段取りで一例を挙げると、たとえば壁紙を貼るためには家の中の壁の工事は全て終わっている必要があります。

もし終わっていない場合は、壁紙工事に入れなくなってしまうんですね。

そうなると、押さえていた職人さんが入れなくなってしまいますし、次にスケジュールを押さえるのにかなり時間が掛かってしまうこともあります。

そうならないように余裕を見た日程を組んだり、スケジュールや手配をしっかり行わないと、工事が延び延びになってしまったり逆にコストが掛かってしまうなんてことも。

このように分離発注の場合は知識が必要になるという点以外にも、段取りを上手く取るなどの対応能力が必要になってきます。

 

また、通常は住宅会社や工務店に依頼した場合、瑕疵担保保険という保険に加入が義務付けられています。

これは簡単に言うと住宅に欠陥があった場合は10年間保証するという物になりますが、住宅会社や工務店を通さない分離発注の場合は自分で工務店のような役割を行うのでこの保険に入ることができなくなります。

もし何か有った場合、自分で対応する必要があるんですね。

このように、分離発注の場合は自己責任という部分は強くなってきます。

家づくりは後悔するのも、失敗するのも全て自己責任?

 

一方、設計は設計事務所、工事は工務店に依頼するという場合、家を建てる知識や手間というのはそこまで必要になりません。

設計事務所が工事についても監理してくれるからなんですね。

あとは住宅ローンというのは工事が完成してお金が入金されるので、工事の途中の支払いや設計事務所への支払いはいつ、どれくらいの金額が必要になるのか。

住宅ローン頼みだけでなくある程度資金が必要になってくるので、その部分も早い段階で確認しておきたいですね。

(住宅会社や工務店に依頼した場合、「つなぎ融資」という名前で最後に一括入金でOKとしている所が多いです)

分離発注が合う人、合わない人

それでは最後に、分離発注が合う人、合わない人についても見てみましょう。

分離発注をする場合、たとえば仕事などでも分離発注を行っていたり、多くの業者に手配を行っているなど、ある程度日常生活で慣れている方のほうが成功する確率はグッと高くなります。

人の動きや全体の流れを俯瞰的に見る能力が身についているからなんですね。

また、分離発注の場合は全ては自己責任となるので、責任感や意思の強さというのも必要になってきます。

イメージ的なものになりますが、どちらかというと仕事ができる人は分離発注でも上手く家を建てられる。

そのような傾向があります。

 

また、分離発注には時間もある程度必要になるので、時間に融通が効きやすいかどうかも重要なポイントになります。

もしあまり時間が取れない場合は現場監督を雇うなど、代わりに対応できるような体制を作っておきたいですね。

 

その他、物づくりが好きな方にとっても分離発注は魅力的な選択肢。

自分で手を加えながら家を建てられるので、自分で家を建てたいという方は分離発注との相性はとても良くなります。

 

一方、上記に当てはまらない場合は分離発注は避けておいた方が無難です。

手間や時間が掛かるものなので、途中で疲れてしまう可能性がとても高くなってしまうからなんですね。

そのため、設計事務所と工務店に分離発注するくらいにして、家づくりはプロに任せる。

このようなスタンスを選ぶというのも結果的に良い選択となってきます。

 

個人的には、分離発注する場合も腕の良い現場監督を雇うというのがマストな選択だと考えています。

家をただ建てるだけであれば意外と難しい話では無いのですが、家の性能、特に気密や断熱性能を考えると工事中のチェックや工事の仕方というのはとても大切な部分になります。

細かい部分が気密性能を左右するので、それなりの知識や経験がある人間が見るかどうかで家の性能は大きく違ってくるんですね。

5分で分かる!家づくりで大事な高気密と高断熱の話

 

たとえ安いコストで家を建てられたとしても、快適に過ごせなければせっかくの家が宝の持ち腐れとなってしまいます。

性能も含めて良い家をつくる。

分離発注の場合もその部分は忘れないようにしておきたいですね。

まとめ

今回は家づくりの分離発注について詳しくみてきました。

分離発注は自分で家づくりの手配をする分、ある程度知識が必要となったり手間も掛かるので誰でも合うものでは無いという点は注意が必要ですが、コストを抑えることができますし、自分で手を加えたい場合なんかはとても魅力的な選択肢となります。

分離発注のメリットに大きな魅力を感じたり、家づくりにもっと関わりながら家を建てたい。

そう思う方は、一度分離発注を検討して見るのも楽しいですよ。

家の建て方というのは1つではありません。

家を建てた後、どれだけ満足できるか。

この部分を意識しながら家づくりを行っていきたいですね。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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水回りが2階にある間取りってどうなの?2階水回りの本音の話

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「スペースの関係で水回りを2階に配置するかどうか迷っています。水回りを2階にすると家事などでちょっと不便かなと思うのですが、実際にはどうなのでしょうか?」

先日、間取り診断を依頼された方からこのような質問をもらいました。

基本的にお風呂や洗面所は1階に配置することが多いですし、実際にこれまで2階に水回りがある生活をしたことがあるという方は少ないので、「2階に水回りがあるのも良さそうだけどちょっと心配」と思う方がいるのも納得です。

では、実際に水回りに2階がある間取りの使い勝手ってどうなのでしょうか?

実は2階に水回りと言っても、使いやすいかどうかは間取り次第と言っても過言ではありません。

今回はそんな2階水回りを使いやすくする方法や、2階水回りと相性が良い事例について見ていきたいと思います。

水回りは1階と思っていても、2階に水回りを配置することで間取りがグッと良くなるケースもあるので、間取りが気になる方はぜひご覧ください。

2階水回りはリビングの場所で大きく変わる

2階の水回りを検討する場合、まずはリビングが1階なのか、それとも2階なのかで状況は大きく変わってきます。

たとえば1階リビングで水回りを2階に配置した場合はLDKと水回りが離れることになりますし、2階リビングで水回りを2階に配置した場合はLDKと水回りは近くなります。

このように、前提条件としてリビングがどこにあるかで2階水回りの意味合いは大きく変わってくるんですね。

それではまず、1階リビングで2階に水回りを配置するケースについて見ていきましょう。

2階水回りのポイント(1階リビングの時)

「リビングはできる限り広くしたい」という場合や、「リビング以外に和室や仕事部屋などを1階に作りたい」という場合、水回りを2階に配置するのはとても効果的な方法となります。

このような1階に広いスペースを取ったり部屋をいくつか作ると1階のボリュームが大きくなりすぎてしまいますが、2階に水回りを持っていくことで家全体のバランスが整うようになるんですね。

もちろん、1階に水回りを配置することもできますが、その分だけ1階の面積が大きくなりますし廊下など各部屋に移動するためのスペースも必要になってきます。

また、広い敷地であれば問題ありませんが都市部など土地が限られている場合は1階を大きくすることで駐車スペースが取れなくなったりなど、デメリットが出ててきてしまうケースも良く目にします。

そうならないよう家全体のバランスを整えるのに2階水回りというのは有効なんですね。

 

もちろん、バランスを整える以外にも2階水回りには色んなメリットがあります。

たとえば2階に水回りがあるということは光が1階よりも入りやすい水回りとなります。

明るい水回りというのは気持ちの良いものですし、お風呂にカビも生えにくくなるという効果や、洗面室に自然の光が入ることで身だしなみを整える時も自然な表情が鏡に映るというのも魅力の一つです。

(光が入る水回りを実際に見てみると、気持ち水回りだなと感じます)

敷地の周りに高い建物がなければ、ちょっとした目隠しを作りつつお風呂の外に坪庭を兼ねたバルコニーを作って遊びを演出するなど、水回りをアレンジしてみるのも楽しいですね。

 

その他、「洗濯」→「干す」→「収納する」という動線が同じフロアで完結できるというのは、やはり便利なものです。

2階に水回りがあると「家事動線が非効率になるのでは」と感じることも多いですが、実は洗濯から片付けるまでの一連の流れを見ると、すべてコンパクトに動線がまとまっているので実際に不便に感じることは少ないんですね。

洗濯機を毎日何度も回すという場合はLDKと行き来する必要はありますが、今ではスマホで洗濯機の操作や運転状況が分かるので、無駄に何回も洗濯機を確認するという心配もありません。

 

では、2階に水回りを配置する時には間取りでどんなことを意識すればいいのでしょうか?

まず、水回りが2階になるので玄関付近には手洗いなど汚れを落とせる場所は必ず設けておきたいもの。

男の子が多い家庭だと外で遊びまわってきたり部活などで汚れて帰ってくることも増えるので、大きめの洗面ボウルで手洗いを作っておくと後々も便利です。

 

また、2階に水回りがある場合で必ず確認しておきたいのが階段の位置です。

水回りが2階にあるということは、子供部屋や寝室が2階にあるだけよりも確実に2階との行き来が増えるので、どこからでも使いやすい位置に階段は配置しておくのが必須なんですね。

一番避けたいのは玄関からかなり遠い場所に階段を配置してしまうというケース。

家の中を行ったり来たりウロウロする原因となってしまうので、毎日の生活で不便ない場所に階段があるかどうかは必ず確認しておきたいですね。

 

その他、1階にも汚れ物をいれられるカゴなどを用意しておき、洗濯の時に2階に持って上がれるようにしておくというのも便利なものです。

タオルなど意外とLDK付近では汚れた物が出やすいものですよね。

目立たない場所や作り付けの食器棚などにそのようなカゴを置けるスペースを作っておくとかなり便利になります。

 

ちなみに、実際に水回りを2階に持っていくことで各部屋の広さやボリュームはどれくらいになるのでしょうか?

たとえば総2階の30坪の家だとすると、1階は15坪となります。

1坪は畳2枚分なので30畳分のスペースがあることになるので最低限必要な広さを割り出すと、

玄関 : 2畳

階段 : 2畳

トイレ: 1畳

収納 : 3畳

LDK :21畳

1階はこれくらいのボリューム感になります。

 

ちなみに2階で部屋に使えるスペースはどれくらいになるかと言うと、

洗面室:2畳

お風呂:2畳

トイレ:1畳

階段 :2畳

ホール:2畳

この辺りを除くと20畳ほどになります。

寝室6畳、子供部屋4.5畳×2、収納5畳といった感じですね。

部屋はコンパクトになりますが、収納などもしっかり確保できる広さを確保できる広さと言えます。

スペースがあれば洗面横に明るいランドリースペースを作ったりアレンジするのも良いですね。

 

このように30坪くらいの家で広めのLDKが欲しいけども個室はコンパクトで良いという場合は2階に水回りを配置することでちょうど良いバランスの家にすることもできます。

家全体をコンパクトに収める場合は上記の広さを参考にしてみてくださいね。

2階水回りのポイント(2階リビング)

それでは次に、2階リビングで水回りを2階に配置するケースについて見てみましょう。

2階リビングの場合、やはりリビングと同じフロアに明るい水回りがあるというのは一番の魅力です。

キッチン側だとさらに使いやすいですね。

そのため、2階リビングの場合は水回りも同じフロアで検討される方も多くいらっしゃいます。

ちなみに間取りで見るとこんな感じですね。

2階リビング

その一方、水回りが2階に有ることでリビングの広さには制限が出るようになります。

限られたスペースの中で、水回りとLDKの広さを分け合うことになるからなんですね。

そのため、リビングに和室や畳コーナーを作りたいと言う場合はちょっと窮屈になってしまうケースも出てきます。

(広さにもよりますが、作っても畳コーナーくらいが無難です)

やはり広々としたLDKにするなら水回りは1階にした方がベターと言えます。

水回りの無い2階リビングだとこんな感じですね。

2階リビング+たたみ

2階リビングならではの大空間が水回りを配置することで窮屈な空間になっていないかどうか。

この部分は必ずチェックしておきたいポイントです。

 

また、1階に寝室など個室がある場合は水回りの真下には収納など出来る限り音が気にならない部屋を配置するのがベストです。

特に生活の時間が違う場合は音が気になってしまうことがあるので注意しておきたいですね。

 

その他、洗濯物を干す場所も一工夫しておきたいところ。

バルコニーにそのまま洗濯物を干すとLDKから丸見えというケースも起こってしまうからなんですね。

そのためLDKからできるだけ見えにくい場所に洗濯物を干せるようにするか、メインのバルコニーとは別の場所に物干しスペースを作っておくなど、実際に生活を始めた時の見え方も意識しておくとベストです。

また、1階にも手洗いを配置しておきたいですね。

 

ちなみに、2階リビングの場合も衣装部屋やWICなども水回りと同じ2階に設置できるといいですが、中々それほどのスペースを確保するのは難しいもの。

2階リビングではリビングを明るく快適にするというのが一番の目的になることがほとんどなので、まずはリビングの快適性が確保されているか。

その結果、スペースに余裕があれば2階に水回りを、そうでなければ水回りを1階にするなど柔軟に対応するのがポイントとなってくるんですね。

2階リビングの間取りは何をチェックすればいい?建築士が2階リビングの間取りを解説します

まとめ

今回は2階に水回りを配置した場合のポイントについて見てきました。

同じ2階の水回りでも、リビングが1階にあるのか、それとも2階あるのかでかなり違いがあるんですね。

1階リビングの場合は家のバランスを整えつつ洗濯の動線がコンパクトにまとるなどメリットが大きくなりやすく、2階リビングの場合はリビングの快適性が確保された上で水回りが配置できるかどうか。

この部分にまずは注目する必要があるんですね。

 

2階に水回りを配置することで家全体のバランスにプラスになるかどうか。

この部分がとても重要になってきます。

どちらかと言うと、2階水回りは目的ではなく「良い家にするための手段」という感じですね。

特に1階リビングの間取りでしっくり来ない場合は2階に水回りを配置することで間取りがとても良くなることも多く、またデメリットも少ないので積極的に検討してみるのも効果的ですよ。

ぜひ今回の内容を参考にしてくださいね。

では。

 

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